Pythonを使っていて
「もっとかんたんに処理したい」
「同じコードを何度も書きたくない」
と思ったことはありませんか?そんなときに便利なのが「モジュール」です。
Pythonには、よく使う機能がひとまとまりになった「標準モジュール」がたくさん用意されています。
また、自分でモジュールを作ることもできるんです。
この記事では、モジュールの基礎から使い方、実際の活用方法まで、やさしく説明していきます。
モジュールってなに?

モジュールとは何かを知ろう
モジュールとは、Pythonのコードを機能別にまとめたファイルのことです。
関数やクラス、変数などを1つのファイルにまとめておいて、必要なときにそのファイルを読み込んで使います。
これによって、同じコードを何度も書く必要がなくなり、プログラムの管理も楽になります。
実際にモジュールを作ってみよう
まず、かんたんなモジュールを作ってみましょう。
sample_module.py というファイルを作る
# sample_module.py
def greet(name):
return f"こんにちは、{name}さん!"
def calculate_age(birth_year):
current_year = 2025
return current_year - birth_year
作ったモジュールを別のファイルで使う
# main.py
import sample_module
# あいさつ機能を使う
message = sample_module.greet("太郎")
print(message) # → こんにちは、太郎さん!
# 年齢計算機能を使う
age = sample_module.calculate_age(2010)
print(f"年齢は{age}歳です") # → 年齢は15歳です
モジュールを使えば、コードの整理がしやすくなって、同じ機能を何度でも使えるようになります。次は、Pythonに最初から入っている「標準モジュール」の使い方を見ていきましょう。
標準モジュールの使い方
最初から使えるモジュールたち
Pythonには、最初から使えるモジュールがたくさんあります。新しくインストールする必要はありません。
よく使われる標準モジュールには、こんなものがあります:
- datetime:日付や時間を扱う
- random:ランダムな数や選択をする
- os:ファイルやフォルダの操作をする
- math:数学の計算をする
実際に使ってみよう
datetimeモジュール:今の日時を表示
import datetime
# 今の日時を取得
now = datetime.datetime.now()
print(now.strftime("%Y年%m月%d日 %H時%M分%S秒"))
# → 2025年06月06日 14時30分25秒(実際の時間が表示される)
randomモジュール:ランダムな処理
import random
# 1から100までのランダムな数
random_number = random.randint(1, 100)
print(f"ランダムな数:{random_number}")
# リストからランダムに選ぶ
fruits = ["りんご", "バナナ", "オレンジ", "ぶどう"]
chosen_fruit = random.choice(fruits)
print(f"選ばれた果物:{chosen_fruit}")
osモジュール:ファイル操作
import os
# 現在いるフォルダの場所を確認
current_path = os.getcwd()
print(f"今いる場所:{current_path}")
# フォルダの中身を見る
files = os.listdir(".")
print(f"ファイル一覧:{files}")
このように、複雑な処理もモジュールを使うことでかんたんに書けます。
標準モジュールを活用することで、開発の効率が大きくアップします。続いては、自分でモジュールを作る方法を紹介します。
自分でモジュールを作ってみよう

なぜ自作モジュールを作るの?
自分で関数や処理をまとめてモジュールとして保存すれば、いろいろなプロジェクトで何度でも使えます。
これは特に大きなプログラムを作るときや、チームで開発するときに役立ちます。
実際に作ってみよう
便利な計算モジュールを作る
# math_tools.py
def add(a, b):
"""2つの数を足し算する"""
return a + b
def multiply(a, b):
"""2つの数をかけ算する"""
return a * b
def is_even(number):
"""数が偶数かどうかを調べる"""
return number % 2 == 0
def calculate_circle_area(radius):
"""円の面積を計算する"""
import math
return math.pi * radius * radius
作ったモジュールを使う
# main.py
import math_tools
# 足し算
result1 = math_tools.add(10, 5)
print(f"10 + 5 = {result1}") # → 10 + 5 = 15
# かけ算
result2 = math_tools.multiply(7, 8)
print(f"7 × 8 = {result2}") # → 7 × 8 = 56
# 偶数判定
number = 12
if math_tools.is_even(number):
print(f"{number}は偶数です")
else:
print(f"{number}は奇数です")
# 円の面積計算
radius = 5
area = math_tools.calculate_circle_area(radius)
print(f"半径{radius}の円の面積:{area:.2f}")
importの便利な使い方
特定の関数だけを使う
from math_tools import add, multiply
# math_tools.を付けなくても使える
result = add(3, 4)
print(result) # → 7
モジュール名を短くする
import math_tools as mt
result = mt.add(1, 2)
print(result) # → 3
自作モジュールは学習や実際のプロジェクトでも活用できます。最後に、モジュールを使うときの注意点と便利なライブラリを紹介します。
モジュールを使うときの注意点と便利なライブラリ
気をつけるべきポイント
1. モジュール名が重複しないように 自分で作るモジュールの名前が、標準モジュールや他のライブラリと同じ名前にならないよう注意しましょう。
# ❌ 良くない例:mathという名前は標準モジュールとかぶる
# math.py を作ってしまうと問題が起きる
# ✅ 良い例:わかりやすく独自の名前を付ける
# my_math_tools.py
2. ファイルの場所に注意 モジュールファイルは、それを使うPythonファイルと同じフォルダに置くか、Pythonが見つけられる場所に置く必要があります。
3. importの順序 一般的に、このような順序でimportします:
# 1. 標準モジュール
import os
import datetime
# 2. 外部ライブラリ
import pandas
import numpy
# 3. 自作モジュール
import my_module
便利な外部ライブラリ
Pythonでは、外部ライブラリもモジュールとして使えます。人気のあるライブラリには、こんなものがあります:
- pandas:データ分析に便利
- numpy:数値計算に強い
- requests:ウェブサイトからデータを取得
- flask:ウェブサイトを作る
- matplotlib:グラフを描く
これらのライブラリは、pipというツールでインストールできます。
pip install pandas
pip install numpy
pip install requests
よくある質問と解決方法
Q: モジュールが見つからないエラーが出る
A: ファイルの場所を確認しましょう。モジュールファイルが正しい場所にあるか、ファイル名にスペルミスがないかチェックしてください。
Q: 自作モジュールを変更したのに反映されない
A: Pythonを再起動するか、importlib.reload()
を使ってモジュールを再読み込みしてください。
Q: どんなときにモジュールを作ればいい?
A: 同じような処理を複数回書いているとき、コードが長くなって読みにくくなったとき、他のプロジェクトでも使いたい機能があるときです。
まとめ
モジュールを活用することで、Pythonの開発はとても効率的になります。標準モジュール、自作モジュール、外部ライブラリをうまく使い分けて、より良いプログラムを書いていきましょう。
この記事で学んだポイント
- モジュールは機能をまとめたファイル
- 標準モジュールは最初から使える便利な機能
- 自分でモジュールを作って再利用できる
- 外部ライブラリで機能を拡張できる
- ファイル名や場所に注意が必要
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