ある日パソコンを開くと、「OneDriveの容量がいっぱいです」という通知が。
「え、何これ?勝手に同期してたの?」
こんな経験、ありませんか?特にOutlookを使っている人は、メールのデータファイルまでOneDriveに同期されてしまい、容量不足でメールが送受信できなくなることも。
でも大丈夫です。この記事では、OutlookとOneDriveの同期を安全に解除する方法を、初心者の方にも分かりやすく説明します。
データを失わずに、自分のペースでファイルを管理できるようになりましょう。
そもそもなぜOutlookとOneDriveが勝手に同期するの?

まず、なぜこんなことが起きるのか理解しておきましょう。
Microsoftアカウントでログインすると自動的に連携
Windows 10や11では、Microsoftアカウントでパソコンにログインすると、OneDriveが自動的に有効になります。
そして、OutlookもMicrosoft製品なので、同じアカウントを使っていると自然に連携してしまうんです。これは便利な機能として設計されているのですが、知らないうちに大量のファイルが同期されることも。
OneDriveの「バックアップ機能」が原因
特に問題になるのが、OneDriveの「フォルダーバックアップ機能」です。
これは、デスクトップ、ドキュメント、ピクチャの3つのフォルダーを自動的にOneDriveに保存する機能。一見便利そうですが、Outlookのデータファイル(.pstファイル)がドキュメントフォルダーにある場合、これも同期対象になってしまいます。
メールのデータファイルは数GB〜数十GBになることも珍しくありません。これがOneDriveの無料プラン(5GB)に収まるわけがないですよね。
容量不足でメールが使えなくなる理由
ここが重要なポイントです。
Outlook.comのメールアドレス(@outlook.jpなど)を使っている場合、メールの添付ファイルの保存容量とOneDriveの容量は共有されています。
つまり、OneDriveが満杯になると、メールの送受信もできなくなってしまうんです。これが「OneDriveのせいでメールが使えない」という状況の正体。
【重要】同期を解除する前に必ずやっておくこと
同期を解除すると、場合によってはファイルが消えてしまうことがあります。作業を始める前に、必ず以下の準備をしましょう。
すべてのファイルをパソコンにダウンロード
OneDriveには「ファイルオンデマンド」という機能があります。
これは、実際のファイルをクラウドに置いたまま、パソコンにはファイル名だけ表示する仕組み。見た目はファイルがあるように見えますが、実体はクラウドにしかありません。
同期を解除すると、これらのファイルにアクセスできなくなります。
ダウンロードの手順
- タスクバーの右端にある雲マーク(OneDriveアイコン)をクリック
- 右上の歯車マークから「設定」→「設定」を選択
- 左側のメニューで「同期とバックアップ」をクリック
- 「詳細設定」をクリック
- 「ファイルオンデマンド」の項目で「すべてのファイルをダウンロードする」をクリック
- 「続ける」ボタンをクリック
ダウンロードが完了すると、ファイルに緑色のチェックマーク(✓)が表示されます。すべてのファイルにチェックマークが付くまで待ちましょう。
重要なファイルは別の場所にバックアップ
念のため、本当に大切なファイルは外付けハードディスクやUSBメモリーにコピーしておくことをおすすめします。
「二重のバックアップ」と考えれば、安心して作業できますね。
【方法1】フォルダーバックアップ機能だけを停止する
完全に同期を切らなくても、特定のフォルダーだけ同期を停止することができます。これが最も安全で、多くの人におすすめの方法です。
手順を詳しく説明
ステップ1:OneDriveの設定を開く
タスクバーの右端、時計の近くにある「^」マークをクリックすると、隠れているアイコンが表示されます。その中から青い雲マーク(OneDrive)を右クリックしてください。
ステップ2:バックアップ管理画面へ
- 右上の歯車マークをクリック
- 「設定」を選択
- 左側のメニューで「同期とバックアップ」をクリック
- 「バックアップを管理」ボタンをクリック
ステップ3:同期を停止するフォルダーを選択
画面に「デスクトップ」「ドキュメント」「ピクチャ」の3つのスイッチが表示されます。
同期を止めたいフォルダーのスイッチをクリックして、オンからオフに切り替えます。
ステップ4:確認して完了
- 「OneDriveのみ」を選択
- 「続ける」ボタンをクリック
- 「××フォルダーのバックアップが停止しました」というメッセージが表示されたら「OK」をクリック
停止後に何が起きるか
バックアップを停止すると、そのフォルダーは新しい空のフォルダーとして、OneDriveの外(ローカルのCドライブ)に作成されます。
今までOneDriveに保存されていたファイルは、OneDriveフォルダー内の「デスクトップ」「ドキュメント」などに残っています。消えたわけではないので安心してください。
必要なファイルは、OneDriveフォルダーから新しく作られたローカルフォルダーに移動しましょう。
【方法2】OneDriveのリンクを完全に解除する
「もうOneDriveは使わない」という場合は、パソコンとの連携を完全に切ることができます。
完全解除の手順
- タスクバーの雲マーク(OneDrive)を右クリック
- 歯車マーク→「設定」→「設定」を順にクリック
- 左側のメニューで「アカウント」タブを選択
- 「このPCのリンクを解除」をクリック
- 確認画面で「アカウントのリンク解除」をクリック
これで、OneDriveとパソコンの同期が完全に停止します。
リンク解除後の状態
リンクを解除しても、OneDrive.comにあるファイルは消えません。
ブラウザで「OneDrive.com」にアクセスして、Microsoftアカウントでログインすれば、いつでもファイルを見ることができます。
ただし、パソコンのファイルエクスプローラーからは、OneDriveフォルダーにアクセスできなくなります。
【方法3】Outlookのデータファイルをローカルに移動する
Outlookのメールデータファイル(.pstファイル)がOneDrive内にある場合、これをローカルに移動する必要があります。
なぜ.pstファイルをOneDriveに置いてはいけないのか
実は、Microsoftの公式ドキュメントでも、.pstファイルをOneDriveやネットワークドライブに置くことは推奨されていません。
理由は、同期中にファイルが壊れる可能性があるから。メールデータが失われたら大変ですよね。
.pstファイルの移動手順
ステップ1:現在の保存場所を確認
- Outlookを開く
- 「ファイル」タブをクリック
- 「アカウント設定」→「アカウント設定」を選択
- 「データファイル」タブをクリック
- 現在の.pstファイルの場所を確認(OneDriveのパスになっていないかチェック)
ステップ2:OneDriveの同期を一時停止
移動作業中にOneDriveが同期しようとすると、ファイルが「使用中」になって移動できません。
タスクバーのOneDriveアイコンを右クリックして、「同期の一時停止」→「24時間」を選択しましょう。
ステップ3:Outlookを終了
必ず完全に終了してください。タスクマネージャーで確認して、Outlookのプロセスが残っていないことを確認すると確実です。
ステップ4:.pstファイルを移動
- エクスプローラーでOneDrive内の.pstファイルがある場所を開く
- .pstファイルを選択(通常、「メールアドレス.pst」という名前)
- ローカルの場所にコピー(推奨:C:\Users\ユーザー名\Documents\Outlookファイル)
- コピーが完了したことを確認
ステップ5:Outlookで新しい場所を設定
- Outlookを起動
- 「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」
- 「データファイル」タブで古い(OneDrive内の).pstファイルを選択
- 「削除」をクリック(データは消えません、設定から外すだけです)
- 「追加」をクリックして、移動先の新しい.pstファイルを選択
ステップ6:動作確認
Outlookでメールが正常に表示されることを確認してから、OneDrive内の古い.pstファイルを削除しましょう。
【方法4】同期を一時的に停止する(完全には切らない)
「今は同期したくないけど、また使うかもしれない」という場合は、一時停止が便利です。
一時停止の方法
- タスクバーのOneDriveアイコンを右クリック
- 「同期の一時停止」を選択
- 停止する時間を選択(2時間、8時間、24時間から選べます)
設定した時間が過ぎると、自動的に同期が再開されます。
どんな時に使う?
- インターネット回線が遅い時
- 大きなファイルをダウンロード中
- プレゼン中や会議中で、パソコンの動作を軽くしたい時
- バッテリー残量が少ない時
こういった状況では、一時停止が活躍します。
OneDriveを完全にアンインストールする方法

「もうOneDriveは二度と使わない」という場合、アプリ自体をアンインストールすることもできます。
アンインストール手順
- Windowsの「設定」を開く(Windowsキー + I)
- 「アプリ」→「インストールされているアプリ」を選択
- リストから「Microsoft OneDrive」を探す
- 右側の「…」をクリック→「アンインストール」を選択
- 確認画面で「アンインストール」をクリック
注意点
Windows 10や11の一部バージョンでは、OneDriveが組み込まれていて、完全にアンインストールできない場合があります。
その場合でも、リンクを解除してOneDriveを非表示にすることで、実質的に無効化できます。
トラブルシューティング:よくある問題と解決法
Q. 同期を止めたらデスクトップのファイルが全部消えた
A. 消えていません、OneDriveフォルダーに移動しただけです
デスクトップのバックアップを停止すると、デスクトップのアイコンが一時的に消えることがあります。
ファイルは「OneDriveフォルダー」→「デスクトップ」の中にあります。ここから必要なものを、本物のデスクトップ(C:\Users\ユーザー名\Desktop)に戻しましょう。
Q. 「このファイルは使用中です」と表示されて移動できない
A. 同期を停止してからもう一度試してください
OneDriveが同期処理中だと、ファイルが「使用中」になります。
OneDriveアイコンを右クリック→「同期の一時停止」→「24時間」を選択してから、再度ファイルの移動を試してみてください。
Q. OneDriveを止めたらメールが使えなくなった
A. Outlookのデータファイルの場所を確認してください
Outlookの.pstファイルがOneDrive内にあり、リンクを解除するとOutlookがファイルを見つけられなくなります。
上記の「方法3」を参考に、.pstファイルをローカルに移動して、Outlookの設定を変更してください。
Q. 容量不足の警告が消えない
A. OneDrive.comにアクセスして不要なファイルを削除しましょう
リンクを解除しても、オンライン上のOneDriveの容量は減りません。
ブラウザでOneDrive.comにログインして、不要なファイルを削除する必要があります。特に「添付ファイル」フォルダーに大量のファイルが溜まっていることが多いです。
Q. 設定画面が開けない
A. OneDriveが同期処理中の可能性があります
OneDriveが大量のファイルを処理している最中は、設定画面が開けないことがあります。
少し時間を置いてから再度試すか、パソコンを再起動してみてください。
同期を解除した後の注意点とベストプラクティス
定期的なバックアップを忘れずに
OneDriveの自動バックアップを止めたということは、ファイルの保護は自分で管理する必要があります。
外付けハードディスクやUSBメモリーに、定期的に重要なファイルをコピーする習慣を付けましょう。月に1回でも良いので、スケジュールに入れておくと安心です。
選択的な同期も検討してみる
「全部同期しない」と「全部同期する」の中間として、必要なフォルダーだけを選んで同期する方法もあります。
OneDriveの設定で「フォルダーの選択」から、同期したいフォルダーだけにチェックを入れることができます。
別のクラウドサービスを使う選択肢
OneDriveが合わないと感じたら、他のクラウドサービスを検討するのも一つの手です。
- Google Drive:Googleアカウントがあれば15GB無料
- Dropbox:シンプルな操作性で人気
- iCloud:Appleユーザーには便利
それぞれに特徴があるので、自分に合ったサービスを選びましょう。
Outlookの設定を見直す
Outlookには、大きな添付ファイルを自動的にOneDriveリンクに変換する機能があります。
「ファイル」→「オプション」→「メール」から、「大きな添付ファイルをクラウドの添付ファイルに変換する」のチェックを外しておくと、勝手にOneDriveにアップロードされることを防げます。
まとめ:自分に合った方法で快適に管理しよう
OutlookとOneDriveの同期問題は、知識があれば簡単に解決できます。
この記事で紹介した方法をおさらい:
- フォルダーバックアップだけ停止:一番安全で簡単。多くの人におすすめ
- リンクの完全解除:OneDriveを使わない場合に選択
- Outlookデータファイルの移動:メールデータの安全性を確保
- 一時停止:一時的に同期を止めたい時に便利
- アンインストール:二度と使わない場合の最終手段
どの方法を選ぶべき?
- まずは「方法1」のフォルダーバックアップ停止から試してみてください
- Outlookを使っている人は、「方法3」でデータファイルの移動も必ず行いましょう
- 完全にOneDriveを使わないなら「方法2」のリンク解除を
作業前には必ずファイルのバックアップを取ることを忘れずに。慎重に進めれば、データを失うことなく、自分の望む環境を作ることができます。
クラウドサービスは便利ですが、すべての人に必要というわけではありません。自分のペースで、自分に合った方法でファイルを管理していきましょう!


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