「ChromeOSが存在しないか破損しています」エラーの完全解決ガイド

プログラミング・IT

Chromebookの電源を入れたら、突然「ChromeOS is missing or damaged(ChromeOSが存在しないか破損しています)」という恐ろしいメッセージが表示された…。このエラーを見ると、多くの人が「壊れた!」「データが消えた!」と慌ててしまいます。

でも安心してください。このエラーは、正しい手順を踏めば高確率で修復できます。ただし、対処法を間違えると本当にデータが消えてしまう可能性もあるため、慎重に進める必要があります。

この記事では、「ChromeOSが存在しないか破損しています」エラーの原因から、段階的な解決方法、データを守るためのポイントまで、初心者にも分かりやすく完全解説します。

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  1. このエラーが表示される画面はどんな状態?
    1. 典型的な表示内容
    2. このエラーが意味すること
  2. なぜこのエラーが発生するのか?主な原因5つ
    1. 原因1:アップデートの失敗
    2. 原因2:不適切なシャットダウン
    3. 原因3:ストレージの物理的な故障
    4. 原因4:外部デバイスの干渉
    5. 原因5:まれなケース – システムバグ
  3. 【重要】対処前に必ず確認すること
    1. 1. データのバックアップ状況を確認
    2. 2. 必要なものを準備
  4. 【解決方法】段階的に試していこう
  5. ステップ1:外部デバイスを全て取り外す
  6. ステップ2:ハードリセットを実行する
    1. Chromebookのハードリセット手順
    2. Chromeboxの場合
    3. これで改善する可能性
  7. ステップ3:リカバリモードを起動する
    1. 新しいChromebook:インターネット経由のリカバリ
    2. USBリカバリメディアを作成する方法
  8. 【詳細手順】USBリカバリメディアの作成とリカバリ実行
    1. パート1:別のパソコンでリカバリメディアを作成
    2. パート2:リカバリメディアを使ってChrome OSを再インストール
  9. リカバリ後にやるべきこと
    1. 1. Chrome OSのアップデート確認
    2. 2. データの復元
    3. 3. 必要なアプリを再インストール
    4. 4. ハードウェア診断を実行(推奨)
  10. それでも解決しない場合の対処法
    1. 原因1:USBメモリの不具合
    2. 原因2:内蔵ストレージの物理的故障
    3. 原因3:マザーボードの故障
  11. エラーを防ぐための予防策
    1. 1. 適切なシャットダウンを心がける
    2. 2. 重要なファイルは必ずGoogleドライブに保存
    3. 3. バッテリーを適切に管理
    4. 4. アップデートは安定した環境で
  12. よくある質問と回答
    1. Q1:リカバリするとすべてのデータが消える?
    2. Q2:USBメモリは何GBが必要?
    3. Q3:リカバリ後、元の設定は復元される?
    4. Q4:学校・会社のChromebookでもリカバリできる?
    5. Q5:古いChromebookでもリカバリできる?
  13. まとめ:落ち着いて段階的に対処しよう

このエラーが表示される画面はどんな状態?

まず、あなたのChromebookの画面がどのような状態か確認しましょう。

典型的な表示内容

画面には以下のようなメッセージが表示されているはずです:

ChromeOS is missing or damaged.
Please insert a recovery USB stick or SD card.

ChromeOSが存在しないか破損しています。
リカバリUSBスティックまたはSDカードを挿入してください。

画面の特徴:

  • 背景は白またはグレー
  • 中央に黄色い三角形の警告マーク
  • Chromebookのモデル番号が下部に表示されている
  • 通常のログイン画面は表示されない

このエラーが意味すること

このメッセージは、ChromeOS(オペレーティングシステム)が正しく読み込めない状態を示しています。

パソコンに例えると、Windowsが起動しない「ブルースクリーン」のような深刻なエラーです。ただし、ChromeOSの場合、復旧手段が比較的シンプルに用意されているため、適切に対処すれば修復可能です。

なぜこのエラーが発生するのか?主な原因5つ

原因を理解することで、適切な対処法を選べるようになります。

原因1:アップデートの失敗

最も多い原因がこれです。

Chrome OSは自動的にアップデートされますが、アップデート中に以下のようなトラブルが起きると、システムファイルが破損することがあります:

  • アップデート中に電源が切れた
  • バッテリーが切れた
  • 強制的にシャットダウンした
  • インターネット接続が途中で切れた

原因2:不適切なシャットダウン

Chromebookを使用中に:

  • 電源ボタンを長押しして強制終了した
  • バッテリーが突然切れた
  • 電源ケーブルを抜いた状態で使い続けた

これらの操作で、システムファイルの書き込みが中断され、ファイルシステムが破損することがあります。

原因3:ストレージの物理的な故障

内蔵ストレージ(eMMCやSSD)が物理的に故障すると、Chrome OSを正しく読み込めなくなります。

故障の兆候:

  • 使用中に頻繁にフリーズする
  • ファイルが突然消える
  • 動作が異常に遅くなった

これらの症状が以前からあった場合、ハードウェア故障の可能性が高いです。

原因4:外部デバイスの干渉

USBメモリ、外付けHDD、SDカードなどが接続されたままだと、起動時にこれらのデバイスから起動しようとして、エラーが発生することがあります。

原因5:まれなケース – システムバグ

ごく稀に、Chrome OSのアップデート自体にバグが含まれていて、大量のユーザーに同時にエラーが発生することがあります。(過去に何度か実際に起きています)

【重要】対処前に必ず確認すること

修復作業を始める前に、以下を確認してください。

1. データのバックアップ状況を確認

重要: リカバリ(復元)作業を行うと、Chromebookのダウンロードフォルダに保存されていたファイルは完全に削除されます。

影響を受けるデータ:

  • ダウンロードフォルダのファイル
  • スクリーンショット(ローカル保存のもの)
  • オフラインで保存したファイル

影響を受けないデータ:

  • Googleドライブに保存したファイル
  • Gmail
  • Googleフォト(同期済みの写真)
  • Chrome同期データ(ブックマーク、パスワードなど)

普段からGoogleドライブにファイルを保存している場合は、データ損失のリスクは低いです。

2. 必要なものを準備

リカバリ作業には以下が必要です:

必須:

  • 正常に動作する別のパソコン(Windows、Mac、または別のChromebook)
  • 8GB以上のUSBメモリまたはSDカード(データは消去されます)
  • 安定したインターネット接続

推奨:

  • Chromebookの充電器(作業中にバッテリー切れを防ぐ)
  • 時間的余裕(30分〜1時間程度)

【解決方法】段階的に試していこう

簡単な方法から順に試していきます。

ステップ1:外部デバイスを全て取り外す

まず最初に試すべき、最も簡単な方法です。

手順:

  1. Chromebookに接続されているすべてのデバイスを取り外す
  • USBメモリ
  • 外付けハードディスク
  • SDカード
  • マウス
  • その他のUSB機器
  1. AC電源アダプターは接続したままにする
  2. 電源ボタンを押して起動してみる

これだけで解決するケースが意外と多いです。 外部デバイスが原因でブートエラーが起きている場合、この方法で正常に起動できます。

ステップ2:ハードリセットを実行する

外部デバイスを外しても改善しない場合、ハードウェアレベルでのリセットを試します。

Chromebookのハードリセット手順

標準的な手順:

  1. Chromebookの電源を完全に切る
  2. Escキー + リフレッシュキー(円形矢印、通常F3の位置)を押しながら
  3. 電源ボタンを押す
  4. 画面に何か表示されたら、Escとリフレッシュキーから指を離す

一部の機種:

  • Esc + 最大化キー + 電源ボタンの組み合わせの場合もあります

Chromeboxの場合

  1. 電源を切る
  2. クリップなどの細い棒でリカバリボタンを押しながら
  3. 電源ボタンを押す
  4. 画面にメッセージが表示されたらリカバリボタンを離す

これで改善する可能性

ハードリセットで、一時的なハードウェアの不具合やキャッシュの問題が解消され、正常に起動できることがあります。

ステップ3:リカバリモードを起動する

ステップ2までで解決しなかった場合、Chrome OSの再インストールが必要です。

新しいChromebook:インターネット経由のリカバリ

2020年以降に発売されたChromebookの多くは、インターネット経由で直接Chrome OSをダウンロード・インストールできます。

手順:

  1. エラー画面で「インターネット経由で復元」または「Recover using internet」のオプションが表示されているか確認
  2. 表示されている場合、そのオプションを選択
  3. Wi-Fiネットワークに接続
  4. 画面の指示に従ってChrome OSをダウンロード・インストール

メリット: USBメモリが不要で、最も簡単

デメリット: 古いChromebookでは利用できない

USBリカバリメディアを作成する方法

インターネット経由のオプションが表示されない場合、または古いChromebookの場合は、この方法を使います。

【詳細手順】USBリカバリメディアの作成とリカバリ実行

最も確実な方法を、ステップごとに詳しく解説します。

パート1:別のパソコンでリカバリメディアを作成

Step 1:Chromebookリカバリユーティリティをインストール

  1. 正常に動作するパソコンでChromeブラウザを開く
    (Chromeがない場合はインストール:https://www.google.com/chrome/)
  2. Chrome ウェブストアにアクセス:
    https://chrome.google.com/webstore
  3. 検索バーに「Chromebook Recovery Utility」と入力
  4. Chromebookリカバリユーティリティ」を見つけて「Chromeに追加」をクリック
  5. 「拡張機能を追加」をクリック

Step 2:リカバリユーティリティを起動

  1. ブラウザの右上、拡張機能アイコン(パズルピース)をクリック
  2. 「Chromebookリカバリユーティリティ」を選択
  3. 開始」または「Get started」をクリック

Step 3:Chromebookのモデルを選択

  1. リストからモデルを選択」をクリック
  2. メーカー名を選択(例:ASUS、HP、Lenovo、Acerなど)
  3. モデル名を選択
  • モデル番号は、エラー画面の下部に表示されています
  • 例:「BLOOGUARD」「KRANE」など

わからない場合:

  • Chromebook本体の裏面にモデル番号が記載されています
  • 購入時の箱や説明書を確認

Step 4:USBメモリを準備

  1. 8GB以上のUSBメモリをパソコンに挿入
  • 注意: USBメモリ内のデータは完全に消去されます
  1. リカバリユーティリティの画面でUSBメモリを選択
  2. 続ける」または「Continue」をクリック

Step 5:リカバリイメージを作成

  1. 作成」または「Create now」をクリック
  2. Chrome OSのダウンロードが開始されます
  • ダウンロードサイズ:約2〜4GB
  • 所要時間:10〜30分(回線速度による)
  1. ダウンロード完了後、USBメモリへの書き込みが自動で始まります
  2. 成功しました」または「Success」と表示されたら完了
  3. 完了」をクリック

パート2:リカバリメディアを使ってChrome OSを再インストール

Step 1:Chromebookをリカバリモードで起動

  1. エラーが出ているChromebookに、作成したUSBメモリを挿入
  2. USBメモリが自動認識されない場合:
  • Esc + リフレッシュキーを押しながら電源ボタンを押す
  • リカバリモード画面が表示される

Step 2:リカバリ実行

  1. 外部ディスクからの復元が検出されました」というメッセージが表示される
  2. 画面の指示に従って操作
  • 通常は自動的にインストールが始まります
  1. インストール中の表示:
  • 進行状況バーが表示される
  • 「システムを復元しています…」
  • 所要時間:5〜15分

Step 3:完了とセットアップ

  1. システムの復元が完了しました」と表示される
  2. USBメモリを取り外す
  3. Chromebookが自動的に再起動する
  4. 初期セットアップ画面が表示される
  • 言語選択
  • Wi-Fi接続
  • Googleアカウントでログイン
  • 利用規約への同意

リカバリ後にやるべきこと

Chrome OSの再インストールが完了したら、以下の作業を行いましょう。

1. Chrome OSのアップデート確認

  1. 設定を開く
  2. Chrome OSについて」をクリック
  3. アップデートを確認」をクリック
  4. アップデートがある場合は自動でダウンロード・インストールされる
  5. 再起動」をクリック

2. データの復元

Googleドライブのファイル:

  • 自動的に同期され、アクセス可能になります

Chrome同期データ:

  • ブックマーク、パスワード、拡張機能なども自動で復元されます

ダウンロードフォルダのファイル:

  • 残念ながら、これは復元できません

3. 必要なアプリを再インストール

  • Android アプリ(Google Playから)
  • Linux アプリ(使用していた場合)
  • Chrome拡張機能

4. ハードウェア診断を実行(推奨)

リカバリ後、ハードウェアに問題がないか確認しましょう。

診断手順:

  1. 設定を開く
  2. Chrome OSについて」→ 「診断」をクリック
  3. 以下の項目をテスト:
  • バッテリー
  • CPU
  • メモリ
  • 接続状態
  1. いずれかのテストが失敗した場合、ハードウェア故障の可能性があります

それでも解決しない場合の対処法

リカバリを実行しても同じエラーが出る場合、以下の原因が考えられます。

原因1:USBメモリの不具合

対処法:

  • 別のUSBメモリを使ってリカバリメディアを作り直す
  • 一部のUSBメモリはChromebookと相性が悪いことがあります

原因2:内蔵ストレージの物理的故障

症状:

  • 何度リカバリしても同じエラーが出る
  • リカバリ中にエラーが発生する
  • 「ストレージの読み書きエラー」と表示される

対処法:

この場合、個人での修理は困難です。

  1. 保証期間内の場合:
  • メーカーのサポートに連絡
  • 無償修理または交換の可能性があります
  1. 保証期間外の場合:
  • 修理費用の見積もりを取る
  • 内蔵ストレージの交換が必要(通常1〜3万円程度)
  • 古い機種の場合、買い替えも検討

原因3:マザーボードの故障

USBポートが全く反応しない、電源ランプがつかないなどの症状がある場合、マザーボード故障の可能性があります。

対処法:

メーカー修理が必要です。費用が高額になることが多いため、買い替えを検討する方が現実的な場合もあります。

エラーを防ぐための予防策

今後同じエラーを起こさないために、以下の習慣をつけましょう。

1. 適切なシャットダウンを心がける

やってはいけないこと:

  • 電源ボタンの長押しで強制終了
  • アップデート中に電源を切る
  • バッテリー残量が少ない状態で使い続ける

正しいシャットダウン方法:

  1. 画面右下の時刻をクリック
  2. 電源アイコンをクリック
  3. 「シャットダウン」を選択

2. 重要なファイルは必ずGoogleドライブに保存

ダウンロードフォルダは一時的な保存場所と考えましょう。

推奨:

  • すべての重要ファイルをGoogleドライブに移動
  • 写真はGoogleフォトに自動バックアップ
  • ダウンロードフォルダは定期的に整理

3. バッテリーを適切に管理

  • 充電しながら使用する(特にアップデート時)
  • バッテリー残量が20%以下になったら充電
  • 完全放電(0%まで使い切る)を避ける

4. アップデートは安定した環境で

  • Wi-Fi接続が安定している場所で実行
  • 時間に余裕があるときに実行
  • アップデート中は他の作業をしない

よくある質問と回答

Q1:リカバリするとすべてのデータが消える?

A:ローカルデータは消えますが、クラウドデータは残ります。

消えるもの:

  • ダウンロードフォルダのファイル
  • ローカル保存のスクリーンショット
  • オフライン保存したファイル

残るもの:

  • Googleドライブのファイル
  • Gmail
  • Googleフォト
  • Chrome同期データ(ブックマーク、パスワード)

Q2:USBメモリは何GBが必要?

A:8GB以上が必要です。

Chrome OSのイメージファイルは通常2〜4GBですが、書き込み作業に余裕を持たせるため、8GB以上のUSBメモリを推奨します。

Q3:リカバリ後、元の設定は復元される?

A:Chrome同期機能を使っていれば、多くの設定が自動復元されます。

自動復元されるもの:

  • ブックマーク
  • 保存したパスワード
  • 閲覧履歴
  • Chrome拡張機能
  • Googleアカウントの設定

再設定が必要なもの:

  • Wi-Fi設定
  • 壁紙
  • 一部のローカル設定

Q4:学校・会社のChromebookでもリカバリできる?

A:基本的には可能ですが、管理者に確認してください。

管理対象のChromebookは:

  • リカバリ後、自動的に管理ポリシーが再適用されます
  • 一部の設定は個人で変更できない場合があります
  • 勝手にリカバリすると管理者に通知が行くことがあります

推奨: 必ず学校・会社のIT管理者に相談してから実行しましょう。

Q5:古いChromebookでもリカバリできる?

A:サポート期限内なら可能です。

各Chromebookには「自動更新の有効期限(AUE)」があります。

確認方法:

  1. 設定 → 「Chrome OSについて」
  2. 「詳細」をクリック
  3. 「自動更新の有効期限」を確認

期限切れの場合、最新のChrome OSはインストールできませんが、過去のバージョンでリカバリは可能です。

まとめ:落ち着いて段階的に対処しよう

「ChromeOSが存在しないか破損しています」エラーは、確かに深刻ですが、適切に対処すれば修復できます。

解決の基本フロー

  1. 外部デバイスをすべて取り外す(最も簡単)
  2. ハードリセットを実行(ハードウェアのリセット)
  3. インターネット経由のリカバリ(新しい機種の場合)
  4. USBリカバリメディアで復元(確実な方法)
  5. それでもダメならハードウェア故障を疑う

絶対に忘れてはいけないこと

  • リカバリ前にデータのバックアップ状況を確認
  • USBメモリは8GB以上を用意
  • リカバリ作業中は電源を切らない
  • 慌てて何度もPowerwashを繰り返さない

今後の予防策

  1. 重要なファイルは必ずGoogleドライブに保存
  2. 適切なシャットダウンを心がける
  3. アップデートは安定した環境で実行
  4. 定期的にバックアップを確認

ChromeOSは、クラウド中心の設計のおかげで、リカバリ後のデータ復元が比較的スムーズです。日頃からGoogleドライブを活用していれば、万が一のトラブルでも被害を最小限に抑えられます。

それでも解決しない場合は、遠慮なくメーカーサポートに相談しましょう。ハードウェア故障の場合、無理に自分で対処しようとすると、かえって状況を悪化させることもあります。

この記事が、あなたのChromebook復旧の助けになれば幸いです。焦らず、一つずつ手順を確認しながら対処していきましょう!

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