「Chromeを使っていたら、パソコンが急に重くなった…」
「タブをたくさん開くと、動作が遅くなってフリーズする…」
Chromeを使っていて、こんな経験はありませんか?
実は、Chromeはメモリをたくさん使うブラウザとして有名です。
でも大丈夫。メモリを解放する方法はいくつもあります。
今回は、Chromeのメモリを解放して、サクサク快適に使えるようにする方法を徹底解説します。
なぜChromeはメモリをたくさん使うの?

まず、Chromeがメモリを多く使う理由を理解しておきましょう。
タブごとに別々のプロセスが動いている
Chromeの最大の特徴は、1つのタブが1つの独立したプロセスとして動いていることです。
プロセスとは?
簡単に言うと、パソコン上で動いているプログラムの実行単位です。
例えば、10個のタブを開いていると、10個のプロセスが動いています。
なぜこんな設計なの?
- 1つのタブがクラッシュしても、他のタブは影響を受けない
- セキュリティが強固になる
- 各タブが独立して高速に動作する
つまり、安全性と速度のために、メモリをたくさん使う設計になっているのです。
拡張機能もメモリを消費する
Chromeの拡張機能(エクステンション)も、それぞれがメモリを消費します。
便利な拡張機能をたくさん入れるほど、メモリ使用量は増えていきます。
キャッシュの蓄積
ウェブサイトを見るたびに、画像やファイルがキャッシュとして保存されます。
これが蓄積すると、メモリ消費の原因になります。
【最初に確認】Chromeのメモリ使用量をチェックする方法
まず、Chromeがどれくらいメモリを使っているか確認しましょう。
方法1:Chromeのタスクマネージャーで確認
手順:
- Chromeを開く
- 右上の「︙」(三点リーダー)をクリック
- 「その他のツール」→「タスクマネージャ」をクリック
ショートカットキー:
- Windows:
Shift + Esc - Mac:
Command + Option + Escの後、Chromeを選択
これで、Chromeのタスクマネージャーが開きます。
表示される情報:
- タブ:各タブのメモリ使用量
- 拡張機能:各拡張機能のメモリ使用量
- プロセス:バックグラウンドで動いているプロセス
「メモリ使用量」の列を見れば、どのタブや拡張機能がメモリを多く使っているかわかります。
方法2:Windowsのタスクマネージャーで確認
手順:
Ctrl + Shift + Escを押す(Windowsのタスクマネージャーが開く)- 「プロセス」タブを開く
- 「メモリ」列でソート(クリックすると、メモリ使用量順に並び替え)
- 「Google Chrome」を探す
ここで、Chrome全体のメモリ使用量を確認できます。
【公式機能】メモリセーバーを使う(一番おすすめ)
Chromeには、メモリセーバーという公式のメモリ解放機能があります。
これが最も簡単で効果的な方法です。
メモリセーバーとは?
メモリセーバーは、使っていないタブのメモリを自動的に解放する機能です。
Chrome 110(2023年2月)から正式に搭載されました。
どう動くの?
- 一定時間アクセスしていないタブのメモリを解放
- そのタブは開いたままだけど、メモリは使っていない状態になる
- タブをクリックすると、自動的に再読み込みされる
Googleの発表によると、メモリ使用量が最大40%削減されるそうです。
メモリセーバーの設定方法
手順:
- Chromeを開く
- 右上の「︙」(三点リーダー)をクリック
- 「設定」をクリック
- 左メニューから「パフォーマンス」を選択
- 「メモリセーバー」をオンにする
これだけで、自動的にメモリ解放が行われます。
特定のサイトを常にアクティブにする方法
「このサイトはメモリ解放しないでほしい」という場合、除外設定ができます。
例えば:
- YouTubeで音楽を流しているタブ
- Gmailやメッセンジャー
- オンラインゲーム
設定方法:
- 「パフォーマンス」の設定画面で、「常にこれらのサイトをアクティブに保つ」の「追加」をクリック
- URLを入力して「追加」
- 完了
これで、指定したサイトは自動的にメモリ解放されなくなります。
【拡張機能】もっと細かく管理したい人向け
公式のメモリセーバーで十分ですが、もっと細かく管理したい人向けの拡張機能もあります。
おすすめ拡張機能1:OneTab
特徴:
- ワンクリックで全てのタブを1つにまとめる
- まとめた瞬間にメモリが解放される(最大95%削減)
- 後で必要なタブだけ復元できる
使い方:
- Chrome ウェブストアから「OneTab」をインストール
- タブをたくさん開いた状態で、OneTabのアイコンをクリック
- 全てのタブが1つのリストにまとまる
- メモリが大幅に解放される
こんな人におすすめ:
- 緊急でパソコンが重くなったとき
- 一時的に大量のタブを保存したいとき
- 後でまとめて読みたい記事を保存したいとき
おすすめ拡張機能2:The Great Suspender(後継版)
重要な注意:
オリジナルの「The Great Suspender」は開発が終了しました。
現在は「The Marvellous Suspender」などの後継版が使えます。
特徴:
- 一定時間使っていないタブを自動的にサスペンド(休止状態)にする
- 除外設定が細かくできる
- サスペンド時間を自由に設定できる
使い方:
- Chrome ウェブストアから後継版をインストール
- 設定で、サスペンドまでの時間を設定(例:10分)
- 自動的に未使用タブが休止状態になる
こんな人におすすめ:
- 常にメモリを節約したい人
- タブをたくさん開いたまま作業する人
おすすめ拡張機能3:Tab Memory Purge
特徴:
- 定期的に自動でメモリ解放
- 動画サイトなど、メモリ解放しないサイトを設定できる
- 軽量で動作が安定している
設定項目:
- メモリ解放の間隔
- メモリ解放しないURL
- 最小メモリ使用量の設定
こんな人におすすめ:
- 自動でメモリ管理したい人
- 細かい設定をしたい人
【設定変更】Chromeを軽量化する方法

拡張機能以外にも、設定を変更することでメモリ使用量を減らせます。
方法1:バックグラウンドアプリの処理を停止
Chromeを閉じても、バックグラウンドで動き続けるアプリがあります。
これを停止することで、メモリを節約できます。
手順:
- Chromeの「設定」を開く
- 左メニューから「システム」を選択
- 「Google Chrome を閉じた際にバックグラウンド アプリの処理を続行する」をオフにする
これで、Chromeを閉じたときに完全にメモリが解放されます。
方法2:不要な拡張機能を削除
拡張機能を入れすぎていませんか?
使っていない拡張機能を削除するだけで、メモリ使用量が大幅に減ります。
手順:
- アドレスバーに
chrome://extensions/と入力 - インストールされている拡張機能の一覧が表示される
- 使っていない拡張機能を「削除」
ポイント:
迷ったら、いきなり削除せずに「無効化」してみましょう。
1ヶ月後に見直して、使っていなければ削除すればOKです。
方法3:キャッシュと履歴を削除
キャッシュや履歴が溜まると、メモリ使用量が増えます。
定期的に削除しましょう。
手順:
- Chromeの「設定」を開く
- 左メニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「閲覧履歴データの削除」をクリック
- 「詳細設定」タブを開く
- 以下にチェックを入れる:
- Cookieと他のサイトデータ
- キャッシュされた画像とファイル
- 期間を「全期間」に設定
- 「データを削除」をクリック
これで、キャッシュが削除され、メモリが軽くなります。
方法4:ハードウェアアクセラレーションを有効にする
ハードウェアアクセラレーションは、グラフィックボードを使って処理を高速化する機能です。
注意:
グラフィックボード(GPU)が搭載されているPCでのみ有効です。
内蔵グラフィックのみの場合は、逆に重くなることがあります。
手順:
- Chromeの「設定」を開く
- 左メニューから「システム」を選択
- 「ハードウェア アクセラレーションが使用可能な場合は使用する」をオンにする
- Chromeを再起動
効果:
- 動画再生が滑らかになる
- スクロールが軽くなる
- メモリの負担が減る
方法5:試験運用機能(Chrome Flags)を使う
Chromeには、試験運用中の隠し機能があります。
これを使うことで、さらにメモリを節約できます。
重要な注意:
試験運用機能は実験的な機能なので、自己責任で使用してください。
不具合が起きる可能性もあります。
手順:
- アドレスバーに
chrome://flags/と入力してEnter - 検索ボックスに「tab」と入力
- 以下の項目を探して「Enabled」に設定:
有効にすると良い設定:
- Automatic tab discarding
- システムメモリが少なくなったとき、自動的にタブのメモリを解放
- 解放されたタブはクリックすると再読み込みされる
- Infinite Tab Freezing
- 使っていないタブを自動的にフリーズ
- JavaScriptやバックグラウンド処理を停止してメモリ節約
- 設定を変更したら、画面下の「Relaunch」をクリックして再起動
注意点:
ブラウザゲーム(艦これ、刀剣乱舞など)をプレイする場合、タブが勝手に停止されると不具合が起きることがあります。
その場合は、メモリセーバーの除外設定を使いましょう。
【緊急対応】今すぐメモリを解放したい場合
「今すぐパソコンが重い!」という緊急時の対処法です。
方法1:タスクマネージャーからプロセスを終了
手順:
- Chromeのタスクマネージャーを開く(
Shift + Esc) - メモリを多く使っているタブや拡張機能を選択
- 「プロセスを終了」をクリック
これで、選択したタブや拡張機能が強制終了され、メモリが解放されます。
注意:
編集中のデータなどは保存されずに消えるので注意してください。
方法2:Chromeを再起動
一番確実で簡単な方法は、Chromeを再起動することです。
手順:
- 必要なデータを保存
- Chromeを完全に閉じる
- もう一度Chromeを起動
これで、メモリがリセットされます。
方法3:パソコンを再起動
Chromeだけでなく、パソコン全体が重い場合は、パソコンを再起動しましょう。
再起動すると、メモリが完全にクリアされます。
【根本対策】タブの開きすぎを防ぐ方法
メモリ問題の根本原因は、タブの開きすぎです。
タブ管理を工夫することで、メモリ問題を予防できます。
タブグループを使う
Chrome 80以降では、タブをグループ化できます。
使い方:
- タブを右クリック
- 「タブを新しいグループに追加」を選択
- グループ名と色を設定
- 同じグループのタブをまとめて折りたたむことができる
メリット:
- タブが見やすくなる
- 不要なグループを一括で閉じられる
- 整理しやすい
ブックマークを活用
「後で読む」タブは、ブックマークに保存して閉じましょう。
おすすめの方法:
- ブックマークバーに「後で読む」フォルダを作成
- 後で読みたいページをブックマーク
- タブを閉じる
これで、メモリを節約しながら、必要なページを保存できます。
OneTabで一時保存
前述のOneTab拡張機能を使えば、大量のタブを一時保存できます。
休憩時や作業終了時に、OneTabでタブをまとめて保存すれば、メモリを節約できます。
64bit版Chromeを使う(Windows)
Windows版Chromeには、32bit版と64bit版があります。
64bit版の方がメモリ管理が優れています。
確認方法
手順:
- Chromeの右上「︙」→「ヘルプ」→「Google Chromeについて」をクリック
- バージョン情報が表示される
- 「(64-bit)」と書かれていればOK
書かれていなければ、32bit版です。
64bit版のインストール方法
手順:
- Chrome公式サイトにアクセス
- 「別のプラットフォーム向けの Chrome をダウンロード」をクリック
- Windows 64bit版を選択
- ダウンロードしたファイルをインストール
これで、64bit版に切り替わります。
よくある質問
Q1. メモリセーバーを有効にしたら、YouTubeが止まるんだけど?
A:YouTubeを除外設定に追加してください。
「パフォーマンス」設定の「常にこれらのサイトをアクティブに保つ」に、YouTubeのURLを追加すれば解決します。
Q2. どれくらいメモリを使っていたら「多い」の?
A:目安は以下の通りです。
- タブ10個:1GB以下なら正常
- タブ20個:2GB以下なら正常
- タブ50個:5GB以下なら正常
これを大幅に超えている場合、メモリリークや不要な拡張機能が原因かもしれません。
Q3. メモリを解放しても、すぐまた重くなる。
A:メモリリークの可能性があります。
特定のタブや拡張機能がメモリリークを起こしている可能性があります。
Chromeのタスクマネージャーで、異常にメモリを消費しているものを特定して、削除しましょう。
Q4. メモリセーバーとChrome Flagsは併用できる?
A:はい、併用できます。
メモリセーバーを有効にした上で、Chrome Flagsの設定も有効にすれば、より効果的です。
Q5. 他のブラウザに乗り換えた方がいい?
A:状況によります。
メモリが4GB以下の古いPCを使っている場合、Microsoft EdgeやBrave、Vivaldiなど、軽量ブラウザを検討してもいいでしょう。
ただし、Chromeの設定を見直すだけでも、大幅に改善できます。
Q6. スマホのChromeもメモリを解放できる?
A:スマホ版では自動的に管理されています。
スマホ版Chromeは、メモリが少ないため、自動的にタブを停止する仕組みになっています。
特別な設定は不要です。
まとめ:Chromeのメモリ解放はこれでOK
Chromeのメモリ解放方法について、いかがでしたか?
最後に、重要なポイントをまとめておきます。
今すぐやるべきこと:
- メモリセーバーを有効にする(最優先・最も効果的)
- 不要な拡張機能を削除
- バックグラウンドアプリの処理を停止
さらに効果を高めたい場合:
- OneTabなどの拡張機能を導入
- キャッシュと履歴を定期的に削除
- Chrome Flagsの試験機能を有効化
- 64bit版Chromeを使う(Windows)
日々の習慣として:
- タブを開きすぎない(目安は20個まで)
- タブグループで整理する
- 後で読むページはブックマークに保存
- 定期的にChromeを再起動する
メモリ使用量の目安:
- タブ10個:1GB以下
- タブ20個:2GB以下
- タブ50個:5GB以下
これを大幅に超えている場合、設定を見直しましょう。
緊急時の対処:
- タスクマネージャーから重いプロセスを終了
- Chromeを再起動
- パソコンを再起動
Chromeは高速で便利なブラウザですが、メモリをたくさん使うのも事実です。
でも、今回紹介した方法を使えば、メモリ使用量を大幅に減らせます。
特に、メモリセーバー機能を有効にするだけで、最大40%のメモリ削減が期待できます。
まずはこれから試してみて、快適なChromeライフを手に入れましょう!

コメント