「WordPressテーマって何?」「テンプレートとどう違うの?」
WordPressでブログやホームページを作ろうとしている方なら、一度は「テーマ」という言葉を聞いたことがあるはずです。
実は、WordPressテーマは、あなたのウェブサイトの見た目と使いやすさを大きく左右する、とても重要な要素なんです。でも安心してください、難しいことはありません。
この記事では、WordPressテーマとは何か、どんな種類があるのか、そしてどうやって選べばいいのかを、初心者の方でも分かるように解説します。
WordPressテーマとは?

WordPressテーマとは、ウェブサイト全体のデザインや機能を決めるテンプレートのことです。
もう少し詳しく説明すると、テーマは複数のファイル(テンプレートファイル、スタイルシート、スクリプトなど)の集合体で、これらが一緒に働いてサイトの見た目を作り出します。
家に例えるとわかりやすい
WordPressを「家の骨組み」に例えるなら、テーマは「内装デザイン」のようなものです。
- WordPress本体: 家の骨組み(基本構造)
- テーマ: 壁紙、床材、照明など(見た目と雰囲気)
- プラグイン: 家電製品(追加機能)
- コンテンツ: 家具(実際の内容)
骨組みは同じでも、内装を変えれば和風にもモダンにもできますよね。WordPressテーマもまさにそういうものです。
テーマが制御するもの
WordPressテーマは、具体的に以下のような要素を制御します:
デザイン関連
- 色: サイト全体の配色
- フォント: 文字の種類やサイズ
- レイアウト: 1カラム、2カラムなど
- ヘッダー: サイト上部のデザイン
- フッター: サイト下部のデザイン
- メニュー: ナビゲーションの配置とスタイル
機能関連
- レスポンシブデザイン: スマホやタブレットでの表示
- ページの表示速度: 最適化されたコード
- SEO対策: 検索エンジンに対する最適化
- ウィジェット: サイドバーなどに配置できる部品
- カスタマイズ機能: 管理画面から変更できる項目
テーマとプラグインの違い
初心者の方がよく混乱するのが、「テーマ」と「プラグイン」の違いです。
テーマ
- 役割: サイトの見た目を決める
- 例: デザイン、レイアウト、配色
- 有効化: 一度に1つだけ有効にできる
- 変更の影響: デザイン全体が変わる
プラグイン
- 役割: サイトの機能を追加する
- 例: お問い合わせフォーム、SEO対策、バックアップ
- 有効化: 複数同時に有効にできる
- 変更の影響: 特定の機能だけが変わる
ポイント: テーマは「見た目」、プラグインは「機能」と覚えておきましょう。
WordPressテーマは必須?
技術的には必須ではありませんが、実質的には必須です。
テーマなしでもWordPressは動作しますが、その場合:
- デザインが全くない状態
- 文字だけがずらっと並ぶ
- レイアウトも整っていない
- とても使いにくいサイトになる
つまり、実用的なウェブサイトを作るには、テーマは絶対に必要だと考えてください。
テーマを使わないケース
ごく稀に、テーマを使わない(または最小限のテーマのみ使う)ケースがあります:
- 学習目的: コーディングの練習でWordPressを使う場合
- 完全カスタム開発: プロの開発者がゼロから作る場合
- ヘッドレスWordPress: フロントエンドを別のシステムで構築する場合
ただし、これらは特殊なケースで、一般的なサイト運営では当てはまりません。
WordPressテーマの種類
WordPressテーマには、いくつかの分類方法があります。
1. 技術的な分類
ブロックテーマ(Block Theme)
最新のテーマ形式で、WordPress 5.9以降で導入されました。
特徴:
- フルサイト編集(FSE)に対応
- ビジュアルエディタで全体を編集できる
- コードを書かずにカスタマイズ可能
- HTMLベースのテンプレート
- 初心者に優しい
代表例:Twenty Twenty-Two、Twenty Twenty-Three
クラシックテーマ(Classic Theme)
従来型のテーマで、2005年から使われている形式です。
特徴:
- PHPベースのテンプレート
- カスタマイザーで編集
- ある程度のコーディング知識が必要
- 柔軟性は高いが初心者には難しい
- 長い歴史と豊富な資料
代表例:Twenty Seventeen、Twenty Twenty
ハイブリッドテーマ
クラシックテーマにブロック機能を追加したものです。
2. 料金による分類
無料テーマ
メリット
- コストゼロで使える
- WordPress公式ディレクトリで安全に入手可能
- 試しやすい
- 数が多い(10,000種類以上)
デメリット
- サポートが限定的
- デザインがシンプル
- カスタマイズに限界がある
- 人気テーマは他のサイトと被りやすい
- アップデート頻度が低いものもある
おすすめの無料テーマ
- Cocoon: 日本製で高機能
- Lightning: ビジネスサイト向け
- Kadence: 多機能で人気
有料テーマ(プレミアムテーマ)
メリット
- デザインが洗練されている
- 機能が豊富
- 充実したサポート
- 定期的なアップデート
- ユニークなデザインが作りやすい
- セキュリティがしっかりしている
デメリット
- 費用がかかる(5,000円〜30,000円程度)
- 複雑すぎて使いこなせないことも
- サイトが重くなる可能性
おすすめの有料テーマ
- AFFINGER6: SEOに強い、ブログ向け
- SWELL: 使いやすさで人気
- JIN: 初心者向け、デザイン豊富
- THE THOR: 高速表示、多機能
- DIVER: サポート充実
3. 用途による分類
多目的テーマ(Multipurpose Theme)
あらゆる業種・用途に対応できる万能型テーマです。
特徴:
- 幅広い業種に対応
- カスタマイズ性が高い
- 機能が豊富
- デモサイトが複数用意されている
向いている人:
- 制作会社
- 複数のサイトを運営する人
- 将来的にサイトの方向性が変わる可能性がある人
代表例:Astra、Divi、Neve
ニッチテーマ(Niche Theme)
特定の業種や目的に特化したテーマです。
例:
- 飲食店向け: メニュー表示、予約機能
- ポートフォリオ向け: ギャラリー表示、作品紹介
- ECサイト向け: WooCommerce対応、商品表示
- ブログ向け: 記事一覧、カテゴリー表示
- 企業サイト向け: お問い合わせ、会社概要
向いている人:
- 明確な目的がある人
- 特定の業種のサイトを作る人
- すぐに使える機能が欲しい人
4. 公式・非公式の分類
公式テーマ
WordPress.org(公式サイト)に登録されているテーマです。
特徴:
- 厳しい審査を通過している
- セキュリティが担保されている
- 管理画面から直接インストール可能
- 安心感がある
ただし:
- ほとんどが海外製
- 日本語対応していないものも多い
- サポートは英語のみの場合が多い
非公式テーマ
個人や企業が独自に配布しているテーマです。
特徴:
- 公式審査を受けていない
- 有料テーマの多くがこちら
- 日本製の人気テーマも非公式が多い
- 機能が豊富
注意点:
- 提供元の信頼性を確認する必要がある
- セキュリティリスクに注意
テーマの選び方

テーマを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
1. 日本製か海外製か
初心者の方には、日本製テーマを強くおすすめします。
理由:
- 設定画面が日本語
- マニュアルが日本語
- サポートが日本語
- 日本の商習慣に合った機能
- 検索すれば日本語の情報が見つかる
海外製テーマは:
- 英語でのやり取りが必要
- 日本語での情報が少ない
- 日本特有の機能に対応していない
ただし: 英語が得意な方や、WordPress上級者なら海外製も選択肢に入ります。
2. 無料か有料か
初心者ほど有料テーマをおすすめします。
理由:
- サポートが充実している
- マニュアルが詳しい
- トラブル時に相談できる
- デザインが洗練されている
- 時間を節約できる
ただし:
- まずは無料テーマで練習するのもあり
- 予算が限られているなら無料から始める
- 有料テーマを買う前に、無料版や体験版を試す
おすすめの流れ
- 最初は無料テーマで操作に慣れる
- 本格的に運営するなら有料テーマに切り替え
- 有料テーマのデモサイトで雰囲気を確認
3. デザインの好み
見た目は超重要です。
確認ポイント:
- デモサイトを必ず見る
- スマホでの表示も確認
- 自分のイメージに合っているか
- 業種に合ったデザインか
- 色やフォントは変更できるか
注意:
- デザインだけで選ばない
- 機能面も必ず確認する
- 派手すぎるデザインは飽きやすい
4. 必要な機能
サイトの目的に合った機能があるか確認しましょう。
ブログ・メディアサイト
- 記事一覧の表示方法
- カテゴリー・タグの表示
- SNSシェアボタン
- 関連記事表示
- 広告の配置機能
企業サイト
- 会社概要ページ
- お問い合わせフォーム
- サービス紹介ページ
- スタッフ紹介ページ
- アクセスマップ
ECサイト
- WooCommerce対応
- 商品一覧表示
- カート機能
- 決済システム連携
- レビュー機能
ポートフォリオ
- ギャラリー表示
- 作品詳細ページ
- カテゴリー分類
- 画像の拡大表示
- スライドショー
5. SEO対策
検索エンジンに強いテーマを選びましょう。
確認ポイント:
- ページの表示速度が速い
- モバイルフレンドリー(レスポンシブ対応)
- 構造化データに対応
- パンくずリストがある
- 見出しタグが適切
注意:
- 「SEOに強い」と謳っていても、実際は普通のことも
- テーマよりもコンテンツの質が重要
- プラグインで補える部分も多い
6. サポート体制
困った時に助けてもらえるかは重要です。
確認ポイント:
- 公式マニュアルの充実度
- サポートフォーラムの活発さ
- 問い合わせ方法(メール、チャット)
- 返信の速さ
- 日本語サポートの有無
無料テーマ:
- サポートは期待しない
- フォーラムで質問できる程度
- ネットの情報に頼る
有料テーマ:
- 購入者向けサポートあり
- メールやチャットで質問できる
- マニュアルが詳しい
7. アップデート頻度
定期的に更新されているテーマを選びましょう。
確認ポイント:
- 最終更新日
- WordPress本体の最新バージョンに対応しているか
- バグ修正の頻度
- 新機能の追加
古いテーマのリスク:
- セキュリティの脆弱性
- WordPress本体と互換性がなくなる
- プラグインと競合
- サイトが表示されなくなる可能性
8. 表示速度
サイトの速度は訪問者の満足度に直結します。
確認ポイント:
- デモサイトの読み込み速度
- コードが最適化されているか
- 不要な機能が多すぎないか
- 画像の最適化機能
注意:
- 機能が多いほど重くなりがち
- キャッシュプラグインで改善できる
- サーバーの性能も影響する
テーマのインストール方法
テーマをインストールする方法は2つあります。
方法1:WordPress管理画面から(公式テーマ)
- WordPress管理画面にログイン
- 「外観」→「テーマ」をクリック
- 「新規追加」ボタンをクリック
- 検索欄でテーマを探す、または「特徴フィルター」で絞り込む
- 気に入ったテーマの「インストール」をクリック
- インストール完了後、「有効化」をクリック
メリット
- 簡単で安全
- WordPress公式の審査済み
- ワンクリックでインストール
デメリット
- 公式テーマしか選べない
- 日本製テーマは少ない
方法2:テーマファイルをアップロード(非公式テーマ)
- テーマの公式サイトからZIPファイルをダウンロード
- WordPress管理画面にログイン
- 「外観」→「テーマ」をクリック
- 「新規追加」ボタンをクリック
- 「テーマのアップロード」をクリック
- 「ファイルを選択」でダウンロードしたZIPファイルを選ぶ
- 「今すぐインストール」をクリック
- インストール完了後、「有効化」をクリック
メリット
- 有料テーマも使える
- 日本製テーマが選べる
- 選択肢が広がる
デメリット
- 手動でダウンロードが必要
- 信頼できる提供元か確認が必要
テーマ変更時の注意点

テーマを変更する際は、以下の点に注意しましょう。
1. デザインが大きく変わる
テーマを変えると、サイト全体のデザインが変わります。
- レイアウトが崩れる可能性
- ウィジェットの配置が変わる
- メニューの位置が変わる
- 色やフォントが変わる
対策: 変更前にデモサイトで確認する
2. 機能が使えなくなる
前のテーマ独自の機能は使えなくなります。
例:
- 吹き出し機能
- ボックスデザイン
- ショートコード
- カスタム投稿タイプ
対策: プラグインで機能を追加する、または機能が似たテーマを選ぶ
3. バックアップを取る
テーマ変更前に必ずバックアップを取りましょう。
バックアップする内容:
- データベース
- テーマファイル
- プラグイン
- アップロードした画像
バックアップ方法:
- プラグイン(UpdraftPlus、BackWPupなど)を使う
- サーバーの自動バックアップ機能を使う
- 手動でファイルをダウンロード
4. 子テーマを使う
カスタマイズする場合は、子テーマを作成しましょう。
子テーマのメリット:
- 親テーマが更新されてもカスタマイズが消えない
- 安全にカスタマイズできる
- 元に戻すのが簡単
多くのテーマは、子テーマも一緒に配布しています。
5. プラグインとの相性
テーマとプラグインが競合することがあります。
確認ポイント:
- 使用中のプラグインとの互換性
- テーマ変更後の動作確認
- エラーが出ていないか
対策: 人気のテーマは互換性が高い傾向にある
よくある質問
無料テーマと有料テーマ、SEOに違いはある?
基本的に、無料か有料かでSEOに直接的な違いはありません。
重要なのは:
- コンテンツの質
- サイトの表示速度
- モバイル対応
- ユーザー体験
ただし、有料テーマの方が:
- コードが最適化されている
- 表示速度が速い傾向
- SEO対策機能が充実
といった違いはあります。
テーマは途中で変更できる?
はい、いつでも変更できます。
ただし:
- デザインが大きく変わる
- 記事のレイアウトが崩れる可能性
- ウィジェットやメニューの再設定が必要
- カスタマイズがリセットされる
おすすめ: 記事数が少ないうちに、しっかり選ぶ
複数のテーマを同時に使える?
基本的には、1つのサイトで有効にできるテーマは1つだけです。
ただし:
- プラグインを使えば、ページごとにテーマを変えられる
- マルチサイト機能で、サイトごとに違うテーマを使える
通常の運用では、1つのテーマに統一するのが望ましいです。
人気のテーマを使うとSEOで不利?
不利にはなりません。
人気テーマのメリット:
- 開発が活発
- バグが少ない
- 情報が豊富
- プラグインとの相性が良い
デメリット:
- デザインが他のサイトと似る
対策: カスタマイズで個性を出す
テーマの安全性はどう確認する?
確認ポイント:
- WordPress公式テーマか
- 販売実績が豊富か
- レビューや評判を確認
- 最終更新日が新しいか
- サポート体制があるか
避けるべきテーマ:
- 無料で配布されているのに高機能すぎる
- 海外の怪しいサイトで配布
- レビューが極端に少ない
- 更新が何年も止まっている
まとめ
WordPressテーマについて、重要なポイントをまとめます。
WordPressテーマとは
- ウェブサイトのデザインと機能を決めるテンプレート
- 複数のファイルの集合体
- サイトの見た目を簡単に変更できる
テーマの種類
- ブロックテーマ(最新)とクラシックテーマ(従来型)
- 無料テーマと有料テーマ
- 多目的テーマとニッチテーマ
- 公式テーマと非公式テーマ
選び方のポイント
- 初心者は日本製テーマがおすすめ
- 本格運営なら有料テーマを検討
- デザインと機能の両方を確認
- SEO対策、表示速度、サポート体制をチェック
- デモサイトで必ず確認
注意点
- テーマ変更前はバックアップを取る
- カスタマイズには子テーマを使う
- プラグインとの相性を確認
- 定期的にアップデートされているか確認
結論として
WordPressテーマは、サイトの印象を決める重要な要素です。最初は無料テーマで操作に慣れて、本格的に運営するなら有料テーマへの切り替えを検討しましょう。
デザインだけでなく、機能やサポート体制も含めて、総合的に判断することが大切です。じっくり比較して、あなたのサイトに最適なテーマを見つけてください。
素敵なウェブサイト作りを!

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