「WordPressが使っているPHPのバージョンを知りたい」「古いPHPを使っていると危険って聞いたけど、どうやって確認するの?」と疑問に思っていませんか?
PHPは、WordPressを動かすために欠かせないプログラミング言語です。古いバージョンのPHPを使い続けると、セキュリティリスクが高まったり、最新のプラグインが使えなくなったりする可能性があるため、定期的にバージョンを確認することが大切なんです。
この記事では、WordPressで使用しているPHPバージョンの確認方法を、初心者の方でも分かるように複数紹介していきます。
PHPバージョンを確認する理由

なぜPHPバージョンの確認が重要なのでしょうか。
セキュリティリスクの回避
古いPHPバージョンには、既知のセキュリティ脆弱性が存在します。
PHPの各バージョンには「サポート期限」があり、期限を過ぎたバージョンはセキュリティアップデートが提供されなくなります。つまり、新しく発見された脆弱性が放置されたままになり、ハッキングのリスクが高まるんです。
WordPress本体との互換性
WordPressの新しいバージョンは、新しいPHPを前提に開発されています。
古いPHPを使っていると、WordPress本体のアップデートができなくなったり、正常に動作しなくなったりする可能性があります。
プラグインやテーマの動作
最新のプラグインやテーマは、新しいPHPバージョンを要求することが増えています。
古いPHPのままだと、使いたいプラグインがインストールできない、またはエラーが発生することがあります。
サイトの表示速度
新しいPHPバージョンは、古いバージョンと比べて処理速度が大幅に向上しています。
PHPをアップデートするだけで、サイトの表示速度が速くなることもあるんです。
PHPバージョンの確認方法
PHPバージョンを確認する方法は、いくつかあります。自分に合った方法を選んでください。
方法1:WordPress管理画面から確認(最も簡単)
WordPress 5.2以降では、管理画面から簡単にPHPバージョンを確認できます。
手順:
- WordPress管理画面にログイン
通常通り、管理画面にアクセスします。 - 「ツール」→「サイトヘルス」を開く
左側のメニューから「ツール」→「サイトヘルス」をクリックしてください。 - 「情報」タブを選択
画面上部の「情報」タブをクリックします。 - 「サーバー」セクションを開く
一覧の中から「サーバー」という項目を探してクリックすると、展開されます。 - PHPバージョンを確認
「PHPバージョン」という項目に、現在使用しているバージョンが表示されます。 例:PHP バージョン 8.1.25
この方法が最も簡単で、管理画面にアクセスできればすぐに確認できます。
方法2:プラグインを使う
管理画面の見やすい場所にPHPバージョンを表示できるプラグインもあります。
おすすめプラグイン:
- Display PHP Version
- Server IP & Memory Usage Display
Display PHP Versionの使い方:
- プラグインをインストール・有効化
- 管理画面の右上(フッター部分)にPHPバージョンが表示される
常にバージョンを確認したい場合に便利です。
方法3:phpinfo()ファイルを作成して確認
より詳細な情報を確認したい場合、phpinfo()という関数を使います。
手順:
- テキストエディタで新規ファイルを作成
メモ帳やテキストエディタを開きます。 - 以下のコードを記述
<?php
phpinfo();
?>
- ファイル名を「phpinfo.php」で保存
必ず拡張子を「.php」にしてください。 - FTPでサーバーにアップロード
WordPressをインストールしているフォルダ(public_htmlなど)のルートディレクトリにアップロードします。 - ブラウザでアクセス
https://あなたのサイトのURL/phpinfo.phpにアクセスします。 - PHPバージョンを確認
ページの最上部に、大きくPHPのバージョンが表示されます。 - 確認後は必ずファイルを削除
セキュリティのため、確認が終わったらphpinfo.phpファイルは必ず削除してください。
この方法では、PHPの設定や拡張モジュールなど、詳細な情報も確認できます。
方法4:レンタルサーバーの管理画面から確認
多くのレンタルサーバーでは、管理画面でPHPバージョンを確認・変更できます。
主要レンタルサーバーでの確認方法:
エックスサーバーの場合:
- サーバーパネルにログイン
- 「PHP Ver.切替」をクリック
- ドメインを選択すると、現在のPHPバージョンが表示される
ロリポップの場合:
- ユーザー専用ページにログイン
- 「サーバーの管理・設定」→「PHP設定」をクリック
- 現在のPHPバージョンが一覧で表示される
さくらインターネットの場合:
- サーバコントロールパネルにログイン
- 「スクリプト設定」→「言語のバージョン設定」をクリック
- 現在のPHPバージョンが表示される
ConoHa WINGの場合:
- コントロールパネルにログイン
- 「サイト管理」→「サイト設定」→「応用設定」をクリック
- 「PHP設定」でバージョンを確認
サーバーによって画面や手順が異なるため、詳しくはサーバーのマニュアルを確認してください。
方法5:コマンドラインで確認(上級者向け)
SSHでサーバーにアクセスできる場合、コマンドで確認できます。
手順:
- SSHでサーバーに接続
ターミナル(MacやLinux)またはコマンドプロンプト(Windows)を開きます。 - 以下のコマンドを実行
php -v
- PHPバージョンが表示される
PHP 8.1.25 (cli) (built: Oct 24 2023 21:15:35) ( NTS )
Copyright (c) The PHP Group
Zend Engine v4.1.25, Copyright (c) Zend Technologies
最初の行に、PHPのバージョンが表示されます。
WordPressが推奨するPHPバージョン
WordPressには、推奨されるPHPバージョンがあります。
現在の推奨バージョン
2024年時点で、WordPress公式が推奨するPHPバージョンはPHP 8.0以降です。
具体的には:
- 推奨:PHP 8.1または8.2
- 最低要件:PHP 7.4以上
PHP 7.3以前のバージョンは、既にサポートが終了しており、セキュリティリスクがあります。
PHPのサポート期限
PHPの各バージョンには、サポート期限があります。
主要バージョンのサポート状況:
- PHP 7.4:2022年11月でサポート終了
- PHP 8.0:2023年11月でサポート終了
- PHP 8.1:2024年11月までアクティブサポート、2025年11月までセキュリティサポート
- PHP 8.2:2025年12月までアクティブサポート、2026年12月までセキュリティサポート
- PHP 8.3:2026年12月までアクティブサポート、2027年12月までセキュリティサポート
サポートが終了したバージョンは、できるだけ早くアップデートしましょう。
確認すべきタイミング
以下のような場合は、PHPバージョンを確認してください。
- WordPressをアップデートする前
- 新しいプラグインやテーマをインストールする前
- サイトの表示速度が遅いと感じたとき
- セキュリティ対策を見直すとき
- 少なくとも年に1回
PHPバージョンアップの必要性と方法
古いPHPを使っている場合、アップデートを検討しましょう。
アップデート前の準備
PHPバージョンをアップデートする前に、必ず以下を行ってください。
1. バックアップを取る
サイト全体(ファイルとデータベース)のバックアップを必ず取りましょう。
プラグイン「UpdraftPlus」や「BackWPup」が便利です。
2. 互換性を確認
使用しているテーマやプラグインが、新しいPHPバージョンに対応しているか確認します。
WordPress管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」で、互換性のチェックができます。
3. テスト環境で試す
可能であれば、本番環境でいきなりアップデートせず、テスト環境で動作確認しましょう。
PHPバージョンアップの手順
レンタルサーバーの管理画面から、PHPバージョンを変更できます。
一般的な手順:
- サーバーの管理画面にログイン
- PHP設定またはPHPバージョン切替のメニューを開く
- 対象のドメインを選択
- 新しいPHPバージョン(例:PHP 8.1)を選択
- 変更を保存
切り替え後の確認:
- サイトが正常に表示されるか
- 管理画面にログインできるか
- プラグインが正常に動作するか
- エラーログに問題がないか
アップデート後に問題が起きたら
万が一、PHPバージョンアップ後にサイトに問題が起きた場合:
- すぐに元のバージョンに戻す
サーバーの管理画面から、元のPHPバージョンに戻してください。 - エラーログを確認
どのプラグインやテーマが問題を起こしているか、エラーログで確認します。 - プラグインを最新版に更新
問題のあるプラグインを最新版にアップデートすると、解決することがあります。 - 問題のあるプラグインを無効化
どうしても解決しない場合、一時的にプラグインを無効化します。 - 代替プラグインを探す
古いプラグインが原因の場合、同じ機能を持つ別のプラグインに切り替えることを検討しましょう。
PHPバージョン確認時の注意点

wp-config.phpで確認する方法は使えない
wp-config.phpファイルを見ても、PHPバージョンは書かれていません。
PHPはサーバー側で動作するため、WordPressの設定ファイルには記載されていないんです。
コマンドラインのバージョンとWebサーバーのバージョンが異なる場合がある
SSHでphp -vを実行したときのバージョンと、実際にWordPressが使用しているバージョンが異なることがあります。
これは、コマンドライン用のPHPとWebサーバー用のPHPが別々に設定されているためです。正確なバージョンは、方法1〜3で確認してください。
共有サーバーでは変更できない場合も
一部の共有レンタルサーバーでは、PHPバージョンを自由に変更できない場合があります。
その場合は、サーバー会社に問い合わせるか、別のサーバーへの移行を検討しましょう。
よくある質問
PHPバージョンはいつアップデートすべき?
使用中のPHPバージョンのサポートが終了する前にアップデートしましょう。
理想的には、WordPressが推奨する最新バージョン(現在はPHP 8.1以上)にアップデートすることをおすすめします。
PHPバージョンアップで料金はかかる?
ほとんどのレンタルサーバーでは、PHPバージョンの変更に追加料金はかかりません。
ただし、古いサーバープランでは新しいPHPに対応していない場合があり、プラン変更が必要になることもあります。
複数のWordPressサイトがある場合は?
1つのサーバー内に複数のWordPressサイトがある場合、サーバーの設定によって対応が異なります。
- ドメインごとにPHPバージョンを設定できるサーバー:それぞれ個別に設定
- サーバー全体で1つのPHPバージョン:すべてのサイトが同じバージョンになる
エックスサーバーやConoHa WINGなど、多くの現代的なレンタルサーバーでは、ドメインごとに設定できます。
WordPress以外のPHPアプリケーションも影響を受ける?
はい、同じサーバー内で動作している他のPHPアプリケーションも影響を受けます。
PHPバージョンを変更する前に、すべてのアプリケーションの互換性を確認してください。
エラーが出たらすぐに元に戻せる?
はい、レンタルサーバーの管理画面から、すぐに元のバージョンに戻せます。
だからこそ、バージョンアップは慎重に、バックアップを取ってから実施することが重要です。
まとめ:定期的にPHPバージョンをチェックしよう
PHPバージョンの確認は、WordPressサイトを安全に運営するために欠かせません。
PHPバージョン確認方法まとめ
最も簡単な方法:
- WordPress管理画面にログイン
- 「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」タブ
- 「サーバー」セクションでPHPバージョンを確認
その他の方法:
- プラグイン(Display PHP Versionなど)を使う
- phpinfo()ファイルを作成してアクセス
- レンタルサーバーの管理画面で確認
- SSHコマンド(
php -v)で確認
推奨バージョンと対応
- 推奨:PHP 8.1以上
- 最低:PHP 7.4以上
- サポート終了版は早急にアップデート
アップデート時のポイント
- 必ずバックアップを取る
- テーマ・プラグインの互換性を確認
- 可能ならテスト環境で試す
- 問題があればすぐに元のバージョンに戻す
定期的にPHPバージョンを確認して、安全で快適なWordPressサイトを維持しましょう。この記事を参考に、ぜひ自分のサイトのPHPバージョンをチェックしてみてくださいね!

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