「いきなりデザインを始めたら、後から大幅な修正が…」 「クライアントとイメージが全然違った…」 「コーディングしてから配置を変更することに…」
こんな失敗、経験ありませんか?
実は、これらの問題を防ぐ「魔法のツール」があるんです。それが「ワイヤーフレーム」です。
家を建てる前に設計図を描くように、Webサイトを作る前にもワイヤーフレームという設計図が必要なんです。
この記事では、ワイヤーフレームの基本から実践的な作り方まで、初心者でもすぐに使える知識を詳しく解説していきます。
読み終わる頃には、プロのようなワイヤーフレームが描けるようになりますよ!
ワイヤーフレームとは – Webサイトの「骨組み」

シンプルに言うと「配置図」
ワイヤーフレームは、Webページの要素をどこに配置するかを示した「見取り図」のようなものです。
分かりやすい例え:
- 家の設計図 = 部屋の配置を決める
- ワイヤーフレーム = コンテンツの配置を決める
色やデザインは考えず、「何をどこに置くか」だけに集中するんです。
なぜ「ワイヤー(針金)フレーム(枠)」?
名前の由来は、線(ワイヤー)で枠組み(フレーム)を描くから。
実際、多くのワイヤーフレームは:
- 四角い枠で要素を表現
- グレースケール(白黒灰色)で作成
- 装飾なしのシンプルな線画
まさに「針金で作った骨組み」のような見た目なんです。
ワイヤーフレームの3つのレベル
1. ローファイ(低忠実度)ワイヤーフレーム
特徴:
- 手書きでサッと描ける
- 超シンプルな四角と線
- アイデア出しの段階で使用
- 5分で完成
こんな時に使う: 初期のブレインストーミングや、クライアントとの最初の打ち合わせ。
2. ミッドファイ(中忠実度)ワイヤーフレーム
特徴:
- デジタルツールで作成
- 要素の優先順位が明確
- 実際のコンテンツ量を反映
- グレースケールで統一
こんな時に使う: チーム内での検討や、機能の配置を決める段階。
3. ハイファイ(高忠実度)ワイヤーフレーム
特徴:
- 実際のサイトにかなり近い
- 詳細な情報設計
- インタラクションも表現
- プロトタイプに近い
こんな時に使う: 開発前の最終確認や、ユーザビリティテストの実施。
ワイヤーフレームに含める要素
必ず入れるべき基本要素
ヘッダー部分:
- ロゴの配置
- ナビゲーションメニュー
- 検索ボックス
- ログイン/会員登録ボタン
メインコンテンツ:
- 見出し(H1、H2、H3)
- テキストエリア
- 画像・動画の配置
- ボタンやリンク
フッター部分:
- サイトマップリンク
- 著作権表示
- SNSアイコン
- お問い合わせ情報
記載する情報のレベル
テキスト:
- 実際の文章 or ダミーテキスト
- 文字数の目安
- フォントサイズの相対的な大きさ
画像:
- ×印の四角 or グレーのボックス
- 画像の説明テキスト
- アスペクト比(16:9など)
ワイヤーフレームのメリット – なぜ作るべきなの?
1. 時間とコストの大幅削減
修正コストの違い:
- ワイヤーフレーム段階:5分で修正
- デザイン段階:1時間で修正
- コーディング後:半日〜1日で修正
早い段階で問題を発見できれば、それだけ修正も簡単です。
2. 認識のズレを防ぐ
チーム内での共通理解:
- デザイナー「こんなレイアウトで」
- エンジニア「この機能はここに」
- クライアント「イメージ通り!」
全員が同じ絵を見ながら話せるので、誤解が生まれにくいんです。
3. ユーザビリティの向上
使いやすさに集中できる:
- 見た目に惑わされない
- 情報の優先順位が明確
- ユーザーの動線を考えやすい
デザインの装飾がない分、「使いやすさ」だけに集中できます。
ワイヤーフレーム作成の流れ
ステップ1:目的とゴールを明確にする
考えるべきポイント:
- このページの目的は?
- ユーザーに何をしてほしい?
- 必要な情報は何?
例:ECサイトの商品ページなら「購入ボタンを押してもらう」がゴール。
ステップ2:コンテンツをリストアップ
必要な要素を書き出す:
□ 商品画像
□ 商品名
□ 価格
□ 商品説明
□ サイズ選択
□ カートに入れるボタン
□ レビュー
□ 関連商品
ステップ3:優先順位を決める
重要度で順位付け:
- 商品画像・商品名(最重要)
- 価格・カートボタン(重要)
- 商品説明(普通)
- レビュー・関連商品(補足)
ステップ4:レイアウトを決める
優先順位に基づいて配置を決めます。 重要なものは上部や目立つ位置に。
ステップ5:実際に描く
紙でもツールでも、実際に描いてみましょう!
おすすめのワイヤーフレーム作成ツール
無料で使えるツール
1. Figma(フィグマ)
- ブラウザで動作
- リアルタイム共同編集
- 無料プランで十分使える
- 初心者にも優しい
2. draw.io(ドローアイオー)
- 完全無料
- インストール不要
- シンプルで使いやすい
- 日本語対応
3. Wireframe.cc
- ワイヤーフレーム専用
- 超シンプル
- すぐに始められる
有料だけど高機能なツール
1. Adobe XD
- プロトタイプ機能が充実
- アニメーションも作れる
- Creative Cloud連携
2. Sketch(Mac専用)
- デザイナーに人気
- プラグインが豊富
- シンボル機能が便利
3. Axure RP
- 高度なプロトタイプ
- 条件分岐も設定可能
- 大規模プロジェクト向け
手書きワイヤーフレームのポイント
必要な道具
基本セット:
- 方眼紙やドット方眼ノート
- 定規(できれば方眼定規)
- ペン(消せるものがおすすめ)
- 付箋(要素の移動に便利)
手書きのメリット
なぜ手書きも重要?
- アイデアを素早く形にできる
- クライアントとその場で描ける
- 修正への心理的ハードルが低い
- 創造性が刺激される
手書きの記号ルール
□ = ボタン
× = 画像
〜〜〜 = テキスト
━━━ = 区切り線
▽ = ドロップダウン
○ = ラジオボタン
☐ = チェックボックス
モバイルファーストで考える
なぜモバイルから始めるの?
現代のWeb利用状況:
- 7割以上がスマホからアクセス
- モバイルの制約が厳しい
- PCへの展開は比較的簡単
制約の多いモバイルから設計することで、本当に必要な要素が見えてきます。
レスポンシブデザインの考慮
3つの画面サイズ:
- スマートフォン(320px〜768px)
- タブレット(768px〜1024px)
- デスクトップ(1024px〜)
それぞれでワイヤーフレームを作成します。
よくある失敗と対策
失敗1:デザインに凝りすぎる
問題点: 色やフォントにこだわり始めて、本来の目的を見失う。
対策: グレースケールのみ使用。デザインは次の段階で。
失敗2:詳細すぎる/簡略すぎる
問題点: 情報量のバランスが悪く、使いづらい。
対策: 目的に応じて詳細度を調整。初期は簡単に、後から詳細に。
失敗3:ユーザー視点の欠如
問題点: 作り手の都合で配置を決めてしまう。
対策: ユーザーストーリーを作成。「ユーザーが○○したいとき」を考える。
ワイヤーフレームからデザインへ
デザインカンプとの違い
ワイヤーフレーム:
- 構造と機能に焦点
- モノクロ
- 素早く作成
デザインカンプ:
- ビジュアルに焦点
- フルカラー
- 完成形のイメージ
スムーズな引き継ぎのコツ
デザイナーへ渡すとき:
- 各要素の優先度を明記
- インタラクションの説明を追加
- 参考サイトのURLを共有
- NGな要素も伝える
実践!ECサイトのワイヤーフレーム例
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まとめ – ワイヤーフレームで効率的なWeb制作を!
ワイヤーフレームは、Webサイト制作の「設計図」として欠かせない存在です。
今日学んだポイント:
✅ ワイヤーフレームは配置を決める設計図
✅ 詳細度に応じて3つのレベルがある
✅ 早い段階での修正でコスト削減
✅ チーム全体の認識を統一できる
✅ 手書きでもツールでもOK
最初は手書きから始めて、慣れてきたらFigmaなどのツールに挑戦してみましょう。
ワイヤーフレームを作る習慣をつければ、Web制作の効率が劇的に向上します。
次のプロジェクトでは、ぜひワイヤーフレームから始めてみてください。
きっと「なんでもっと早く始めなかったんだろう」と思うはずです!
良いWebサイトは、良い設計から。Happy Wireframing! 📐
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