Webページを印刷しようとしたら、広告やナビゲーションメニュー、コメント欄まで全部印刷されてしまった…こんな経験はありませんか?
必要なのは記事の本文だけなのに、無駄な紙とインクを使ってしまうのはもったいないですよね。
この記事では、Webページの必要な部分だけを選んで印刷する方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。紙もインクも節約できて、読みやすい印刷物が作れますよ!
なぜ一部だけ印刷したいのか?
まず、部分印刷が必要になる理由を整理しましょう。
よくある困りごと
1. 余計な要素が印刷される
- ヘッダー(サイトのロゴやメニュー)
- サイドバー(広告や関連記事)
- フッター(著作権表示など)
- コメント欄
- SNSのシェアボタン
2. 紙とインクの無駄
- 必要な部分は1〜2ページなのに、全体で10ページも印刷される
- カラーインクが無駄に消費される
- 読みにくい印刷物になる
3. 特定の部分だけ欲しい
- レシピサイトの材料と手順だけ
- ニュース記事の本文だけ
- 地図の一部分だけ
- 料金表や仕様の該当箇所だけ
理想的な印刷
必要な情報だけ:
- 本文のテキスト
- 関連する画像
- 表やグラフ
不要な要素は除外:
- ナビゲーション
- 広告
- SNSボタン
- コメント欄
方法1:テキスト選択して印刷(最も簡単)
最もシンプルで、初心者におすすめの方法です。
Chrome での手順
ステップ1:テキストを選択
- マウスで印刷したい部分をドラッグして選択
- 複数の段落や画像を含めて選択可能
ステップ2:印刷メニューを開く
- 右クリック → 「印刷」
- またはキーボードショートカット:
Ctrl + P
(Windows)、Cmd + P
(Mac)
ステップ3:選択部分のみ印刷
- 印刷プレビューが開く
- 左側のメニューで「詳細設定」を展開
- 「オプション」の中に「選択した部分のみ印刷」が表示される
- チェックを入れる
- 「印刷」ボタンをクリック
注意点:
選択範囲を正確にドラッグする必要があります。途中で切れたり、余計な部分が含まれないよう注意しましょう。
Firefox での手順
基本的に同じ:
- 印刷したい部分を選択
Ctrl + P
(Windows)、Cmd + P
(Mac)- 印刷設定で「選択した部分」を選ぶ
- 印刷またはPDFとして保存
Firefoxの特徴:
選択範囲がより正確に印刷される傾向があります。
Edge での手順
Microsoft Edgeでも同様:
- テキストを選択
- 右クリック → 「印刷」
- 「ページ」の項目で「選択範囲」を選択
- プレビューで確認して印刷
Safari での手順
Macの標準ブラウザ:
- 印刷したい部分を選択
Cmd + P
で印刷ダイアログを開く- 「Safari」の横のプルダウンをクリック
- 詳細設定で「選択部分のみ印刷」にチェック
方法2:印刷プレビューで調整
印刷前にプレビューを確認しながら、不要な部分を除外します。
Chrome の簡易編集機能
印刷プレビュー画面で:
Ctrl + P
(Windows)、Cmd + P
(Mac)で印刷画面を開く- 右側にプレビューが表示される
- 「詳細設定」→「オプション」
- 「背景のグラフィック」のチェックを外す(背景画像や色を省略)
- 「ヘッダーとフッター」のチェックを外す(URL等を非表示)
ページ範囲の指定:
- 「ページ」の項目で「カスタム」を選択
- 必要なページ番号を入力(例:1-3, 5, 7-9)
- 不要なページを除外できる
レイアウトの調整
余白の設定:
- 「余白」の項目で「最小」を選ぶと、紙を有効活用できます
拡大縮小:
- 「倍率」を調整して、1ページに収める
- 「ページに合わせる」で自動調整
方法3:リーダーモード・簡易表示
ブラウザの読みやすい表示モードを使います。
Firefoxのリーダービュー
特徴:
広告やメニューを自動で除外し、本文だけを表示します。
使い方:
- 記事ページを開く
- アドレスバーの右側に表示される「リーダービュー」アイコン(本のマーク)をクリック
- 本文だけがシンプルに表示される
- この状態で
Ctrl + P
を押して印刷
メリット:
- 自動的に不要な要素が除外される
- フォントサイズや背景色も調整可能
- 読みやすいレイアウト
Microsoft Edge のイマーシブリーダー
機能:
Firefoxのリーダービューと同様の機能です。
使い方:
- 記事ページを開く
- アドレスバーの「イマーシブ リーダーで表示」アイコン(本のマーク)をクリック
- 本文だけが表示される
- 印刷する
追加機能:
- 行間隔の調整
- テーマの変更(背景色)
- 音声読み上げ
Safari のリーダー表示
Macの場合:
- アドレスバーの左側にある「リーダー」アイコン(4本線)をクリック
- シンプルな表示に切り替わる
Cmd + P
で印刷
iPhoneやiPadでも:
同様にリーダー表示から印刷できます。
方法4:PDFとして保存してから印刷
一度PDFに変換してから、必要な部分だけ印刷する方法です。
PDFとして保存
Chrome の場合:
Ctrl + P
(Windows)、Cmd + P
(Mac)- 「送信先」で「PDFに保存」を選択
- 「保存」をクリック
- 任意の場所に保存
保存したPDFから印刷:
- PDFファイルを開く
- 印刷画面で「ページ指定」
- 必要なページだけを印刷
PDFの編集
Adobe Acrobat Reader:
- 無料版でも、ページ範囲を指定して印刷可能
- 有料版なら、ページの削除や結合も可能
ブラウザで編集:
- Chrome などでPDFを開いて、そのまま印刷プレビューで調整
オンラインツール:
- iLovePDF、Smallpdfなどで、ページを削除・抽出できる
方法5:スクリーンショットを撮って印刷
画面に表示されている部分を画像として保存し、印刷します。
Windowsのスクリーンショット
Snipping Tool(スニッピングツール):
- スタートメニューで「Snipping Tool」を検索
- 「新規作成」をクリック
- 必要な範囲をドラッグで選択
- 保存して印刷
Snip & Sketch(切り取り&スケッチ):
Windows + Shift + S
を押す- 画面が暗くなり、範囲選択モードに
- 必要な部分をドラッグ
- 通知から画像を開いて保存・印刷
Macのスクリーンショット
範囲を指定:
Cmd + Shift + 4
を押す- カーソルが十字に変わる
- 必要な範囲をドラッグ
- デスクトップに画像が保存される
- 画像を開いて印刷
ウィンドウ全体:
Cmd + Shift + 4
の後、スペースキー
を押す- カメラアイコンが表示される
- ブラウザウィンドウをクリック
- ウィンドウ全体がキャプチャされる
ブラウザ拡張機能でスクリーンショット
Full Page Screen Capture(Chrome):
- ページ全体をスクリーンショット
- 長いページも一枚の画像に
- 必要な部分を切り取って印刷
FireShot(Firefox、Chrome):
- 表示部分、選択範囲、ページ全体を選べる
- PDFとして保存も可能
方法6:開発者ツールで要素を削除
少し上級者向けですが、不要な要素を削除してから印刷します。
Chrome の開発者ツール
手順:
- 印刷したくない要素(広告やメニューなど)を右クリック
- 「検証」または「要素を検証」を選択
- 開発者ツールが開き、該当の要素がハイライトされる
- ハイライトされた部分を右クリック
- 「Delete element」(要素を削除)を選択
- ページから要素が消える
- 同様に、他の不要な要素も削除
Ctrl + P
で印刷
注意点:
- あくまで表示上の削除(元のページは変わらない)
- ページをリロードすると元に戻る
- 慣れるまで練習が必要
印刷用CSSの無効化
一部のサイトは、印刷時に自動でレイアウトを変更します。これを無効にしたい場合:
手順:
- 開発者ツールを開く(
F12
) - 「Elements」タブを選択
- ページ内で
@media print
という記述を探す - 無効にしたいCSSルールを右クリック → 無効化
方法7:ブラウザ拡張機能を使う
専用の拡張機能で、より簡単に部分印刷ができます。
Print Friendly & PDF(Chrome、Firefox)
特徴:
- 広告や不要な要素を自動で除外
- 編集機能で、さらに細かく調整
- PDFとして保存も可能
使い方:
- 拡張機能をインストール
- 印刷したいページで拡張機能のアイコンをクリック
- プレビューが表示される
- 不要な要素をクリックして削除
- 「PDF」または「印刷」ボタンをクリック
PrintWhatYouLike(Webサービス)
インストール不要:
- https://www.printwhatyoulike.com/ にアクセス
- 印刷したいページのURLを入力
- 編集画面が開く
- 不要な部分をクリックして削除
- フォントサイズや余白を調整
- 印刷またはPDF保存
メリット:
- 拡張機能のインストール不要
- どのブラウザでも使える
- 編集機能が充実
OneNote Web Clipper
Microsoft OneNoteの機能:
- 拡張機能をインストール
- ページをOneNoteに保存
- 必要な部分だけを選択してコピー
- Word や Googleドキュメントに貼り付け
- そこから印刷
実際の使用例
具体的なシーンでの活用方法です。
例1:レシピサイトの印刷
問題:
レシピサイトは、広告や関連記事が多く、レシピ本文が埋もれている。
解決策:
- リーダーモード(Firefox、Edge)を使用
- または「Print Friendly & PDF」で不要な部分を削除
- 材料と手順だけを印刷
結果:
10ページが2ページに収まり、キッチンで使いやすい印刷物に。
例2:ニュース記事の保存
問題:
ニュース記事を印刷すると、コメント欄や関連記事まで印刷されてしまう。
解決策:
- 本文部分をマウスで選択
- 右クリック → 「印刷」
- 「選択した部分のみ印刷」にチェック
結果:
記事本文だけが1〜2ページに収まる。
例3:ネットショッピングの領収書
問題:
購入履歴ページに、他の注文情報も表示されている。
解決策:
- 該当する注文の部分だけをスクリーンショット
- 画像を印刷
- または、開発者ツールで他の注文情報を削除してから印刷
結果:
必要な領収書だけが印刷できる。
例4:地図の一部分
問題:
Google マップを印刷すると、サイドバーやメニューも印刷される。
解決策:
- 地図を表示
- 印刷モードに切り替える(地図上の印刷アイコン)
- または、スクリーンショットで必要な範囲だけを撮影
結果:
地図の必要な部分だけが印刷できる。
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法です。
問題1:選択範囲がうまく印刷されない
原因:
- 選択が正確にできていない
- ページの構造が複雑
対処法:
- もう一度、ゆっくり正確に選択し直す
- リーダーモードを試す
- PDFとして保存してから、必要なページだけ印刷
問題2:背景色や画像が印刷されない
原因:
ブラウザの設定で、背景の印刷がオフになっている。
対処法:
- 印刷設定で「背景のグラフィック」にチェックを入れる
- Chrome:「詳細設定」→「オプション」→「背景のグラフィック」
問題3:レイアウトが崩れる
原因:
印刷用のCSSが適用されている、または選択範囲が不完全。
対処法:
- PDFとして保存してから印刷
- スクリーンショットを撮って印刷
- 拡張機能を使用
問題4:文字が切れる
原因:
余白の設定や、ページの幅が合っていない。
対処法:
- 印刷設定で余白を調整
- 「ページに合わせる」を選択
- 拡大縮小の倍率を変更(例:90%)
紙とインクの節約テクニック
環境にも財布にも優しい印刷方法です。
1. 白黒印刷を活用
カラーは不要な場合:
- 印刷設定で「白黒」または「グレースケール」を選択
- カラーインクを節約
2. 両面印刷
手動両面印刷:
- まず奇数ページを印刷
- 用紙を裏返してセット
- 偶数ページを印刷
自動両面印刷:
プリンターが対応していれば、設定で選択できます。
3. 2ページを1枚に
印刷設定で:
- 「1枚あたりのページ数」を「2」に設定
- 2ページ分が1枚の用紙に収まる
4. ドラフトモード
プリンター設定で:
- 「品質」を「ドラフト」または「高速」に
- インクの使用量が減る
- 読めればいい資料に最適
5. 印刷前にプレビュー
必ず確認:
- 印刷前にプレビューで確認
- 不要なページがないかチェック
- 無駄な印刷を防ぐ
よくある疑問に答えます
Q. Webページの一部だけをWordに貼り付けて印刷できる?
はい、できます。
- 必要な部分を選択してコピー(
Ctrl + C
) - Wordに貼り付け(
Ctrl + V
) - Wordで体裁を整えてから印刷
メリット:
- フォントサイズや行間を自由に調整できる
- 複数のWebページから情報をまとめられる
Q. スマホでも一部だけ印刷できる?
はい、可能です。
iPhoneの場合:
- 印刷したい部分のスクリーンショットを撮る
- 「写真」アプリから印刷
Androidの場合:
- ブラウザの印刷機能を使用
- PDFとして保存してから、必要なページだけ印刷
Q. 著作権的に大丈夫?
私的利用なら基本的に問題ありません。
ただし:
- 個人的な使用に限る
- 配布や販売は著作権違反の可能性
- 企業での使用は、利用規約を確認
Q. 印刷できないページがある
一部のサイトは印刷を制限しています。
対処法:
- スクリーンショットを撮る
- ページのテキストをコピーしてWordに貼り付け
- PDFとして保存してから印刷
ただし、著作権やサイトの利用規約を尊重しましょう。
まとめ:賢く印刷して資源を節約
Webページの一部だけを印刷する方法は、たくさんあります。
重要ポイントをおさらい:
- テキスト選択:最も簡単な方法
- リーダーモード:自動で不要な要素を除外
- PDFに保存:後から必要なページだけ印刷
- スクリーンショット:画像として印刷
- 開発者ツール:不要な要素を手動削除
- 拡張機能:Print Friendly & PDF が便利
- 印刷設定:背景や余白を調整
- 紙とインクの節約:白黒、両面、ドラフトモード
目的や状況に応じて、最適な方法を選びましょう。
必要な情報だけを印刷することで、紙もインクも節約でき、読みやすい印刷物が作れます。
環境にも財布にも優しい印刷を心がけて、快適なWeb活用を楽しんでくださいね!
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