「インターネットで検索する」 「Webサイトを見る」 「ネットサーフィンする」
私たちは日常的にこんな言葉を使っていますが、実は「Web」と「インターネット」は全く違うものなんです。
多くの人が同じ意味だと思っているこの2つの言葉。でも、これを理解していると、ITの仕組みがぐっと分かりやすくなります。就職活動の面接で聞かれることもあるし、子供に「インターネットって何?」と聞かれた時にも、きちんと説明できるようになりますよ。
この記事では、WebとインターネットCの違いを、身近な例を使いながら分かりやすく解説します。読み終わる頃には、この2つの違いを誰かに説明できるようになっているはずです!
まずは結論:一言で表す違い

シンプルな答え
インターネット = 道路網(インフラ)
Web = その道路を走る車の一種(サービス)
インターネットという巨大な道路網の上で、Webというサービスが動いているイメージです。
もう少し詳しく言うと
インターネット: 世界中のコンピュータをつなぐネットワークの仕組み全体
Web(World Wide Web): インターネット上で、ホームページを見るための仕組み
つまり、インターネットの方が大きな概念で、Webはインターネットを使ったサービスの一つなんです。
インターネットとは?基礎から理解しよう
インターネットの定義
インターネット(Internet)は、世界中のコンピュータやスマートフォンをつなぐ巨大なネットワークです。
例えで理解する:
- 道路網:高速道路、国道、県道がつながっているように
- 電話網:世界中の電話がつながっているように
- 郵便網:世界中に手紙が届くように
これらと同じように、データが世界中を行き来できる仕組みがインターネットです。
インターネットでできること
Webサイトを見る以外にも、たくさんのことができます。
インターネットを使ったサービス:
- メール:電子メールの送受信
- FTP:ファイルの転送
- VoIP:インターネット電話(LINE通話など)
- ストリーミング:動画や音楽の配信
- オンラインゲーム:ネット対戦
- IoT:家電のネット接続
- そしてWeb:ホームページの閲覧
Webは、これらの中の一つに過ぎないんです。
インターネットの仕組み
基本的な構成要素:
- サーバー:情報を提供するコンピュータ
- クライアント:情報を受け取る端末(PC、スマホ)
- ルーター:データの道案内役
- プロバイダー:インターネットへの接続業者
- 海底ケーブル:大陸間をつなぐ物理的な線
これらが協力して、世界規模のネットワークを作っています。
Webとは?インターネットの花形サービス

Web(World Wide Web)の定義
Web(ウェブ)は、インターネット上で文書や画像を共有・閲覧するシステムです。
Webの3つの要素:
- HTML:ページを作る言語
- HTTP/HTTPS:データをやり取りする決まり事
- URL:ページの住所
この3つが揃って、初めてWebサイトが見られるようになります。
なぜ「クモの巣」なの?
World Wide Webを直訳すると「世界に広がるクモの巣」。
名前の由来:
- ページとページがリンクでつながっている
- その様子がクモの巣のよう
- 世界中に張り巡らされている
- どこからでもアクセスできる
1989年にティム・バーナーズ=リーという人が発明した時、この名前を付けました。
Webブラウザの役割
Webサイトを見るには「ブラウザ」が必要です。
主なブラウザ:
- Google Chrome
- Safari
- Microsoft Edge
- Firefox
ブラウザは、HTMLで書かれた文書を、私たちが見やすい形に変換してくれる翻訳機のような存在です。
具体例で理解する違い
日常生活での例
インターネットを使うけどWebじゃない例:
- LINEでメッセージを送る
- インターネット:使う
- Web:使わない
- Netflixで映画を見る
- インターネット:使う
- Web:アプリなら使わない(ブラウザなら使う)
- メールを送る
- インターネット:使う
- Web:使わない
- YouTubeを見る
- インターネット:使う
- Web:ブラウザなら使う
図書館に例えると
インターネット = 図書館の建物全体
- 本棚、閲覧室、会議室、すべての設備
Web = 図書館の本を読むサービス
- 本を借りて読むという一つの機能
その他のサービス = 他の図書館機能
- DVD視聴(ストリーミング)
- 会議室利用(ビデオ会議)
- コピーサービス(ファイル転送)
歴史で見る違い

インターネットの歴史
年表:
- 1969年:ARPANET(インターネットの原型)誕生
- 1970年代:メールサービス開始
- 1980年代:世界に広がり始める
- 1989年:商用利用解禁
インターネット自体は、Webより20年も前から存在していました。
Webの誕生
年表:
- 1989年:ティム・バーナーズ=リーがWWW提案
- 1991年:世界初のWebサイト公開
- 1993年:画像表示可能なブラウザ登場
- 1994年:Yahoo!設立
- 1998年:Google設立
Webの登場で、インターネットが一般の人にも使いやすくなりました。
なぜ混同されるようになったか
理由:
- Webの爆発的な普及
- 一般の人が最も使うサービスがWeb
- 「ネットサーフィン」という言葉の広まり
- スマホの普及でさらに一体化
多くの人にとって「インターネット = Webサイトを見ること」になってしまったんです。
技術的な違いを簡単に
プロトコル(通信の決まり)の違い
インターネットの基本プロトコル:
- TCP/IP:データを送る基本ルール
- すべてのインターネット通信で使用
Webのプロトコル:
- HTTP/HTTPS:Webページを送るルール
- TCP/IPの上で動く
つまり、WebはインターネットのルールCの上に、さらに独自のルールを追加したものです。
アドレスの違い
IPアドレス(インターネット):
- 例:192.168.1.1
- コンピュータの住所
- すべての機器が持つ
URL(Web):
- 例:https://www.example.com
- Webページの住所
- Webサイトだけが持つ
必要なソフトの違い
インターネットを使うために必要:
- OS(Windows、macOS など)
- ネットワーク設定
Webを見るために追加で必要:
- Webブラウザ
- 場合によってはプラグイン
よくある間違いと正しい理解
「インターネットエクスプローラー」の誤解
よくある間違い: 「Internet Explorer だからインターネットを見るソフト」
正解: Internet Explorer は「Webブラウザ」。インターネット全体ではなく、Webサイトを見るためのソフトです。
「ネットが遅い」の本当の意味
状況別の正しい表現:
- Webサイトの表示が遅い → 「Webが遅い」
- 動画のダウンロードが遅い → 「回線が遅い」
- すべてが遅い → 「インターネット接続が遅い」
原因を正しく把握することで、適切な対処ができます。
Wi-Fi = インターネット?
正解: Wi-Fiは「無線LAN」の規格。インターネットに接続する手段の一つです。
関係性:
- Wi-Fi:家の中の無線接続
- インターネット:世界規模のネットワーク
- Web:インターネット上のサービス
Wi-FiがあってもCインターネットに接続していなければ、Webは見られません。
将来の展望
インターネットの進化
今後の発展:
- 5G/6G:より高速な通信
- IoT:あらゆるものがネット接続
- 衛星インターネット:地球全体をカバー
- 量子インターネット:超セキュアな通信
インターネット自体がさらに進化していきます。
Webの進化
Web3.0への移行:
- 分散型Web(ブロックチェーン活用)
- AIとの統合
- VR/ARでの3D Web
- より賢い検索と推薦
Webも、インターネットの進化に合わせて変わっていきます。
新しいサービスの登場
インターネットを使った新サービス:
- メタバース(仮想空間)
- 自動運転車の通信
- 遠隔医療
- スマートシティ
これらはインターネットを使いますが、従来のWebとは違う形のサービスです。
実生活で役立つ知識

トラブル対処で役立つ
問題の切り分け:
- Webサイトだけ見られない → ブラウザの問題かも
- メールも送れない → インターネット接続の問題
- Wi-Fiにはつながる → プロバイダーの問題かも
違いを知っていると、トラブルの原因を特定しやすくなります。
子供への説明
簡単な説明例: 「インターネットは世界中をつなぐ大きな道路。Webはその道路を使って、お店(Webサイト)に行くこと。メールは同じ道路を使って手紙を送ること」
ビジネスでの活用
正しい用語の使い分け:
- 「Webマーケティング」:ホームページでの宣伝
- 「インターネット広告」:Web以外も含む(アプリ広告など)
- 「オンラインビジネス」:インターネット全般を使った商売
正確な用語を使えると、プロフェッショナルに見えます。
よくある質問と回答
Q: スマホアプリはWebですか?
A: アプリ自体はWebではありませんが、多くのアプリがインターネットを使います。ただし、アプリ内でWebサイトを表示することもあります(WebView)。
Q: SNSはWebですか?
A: ブラウザでアクセスすればWeb、専用アプリならWebではありません。どちらもインターネットは使います。
Q: インターネットなしでWebは見られる?
A: 基本的に見られません。ただし、ローカルネットワーク(社内など)だけのWeb(イントラネット)は存在します。
Q: 5Gはインターネットですか?
A: 5Gはインターネットに接続するための通信技術。インターネットそのものではありません。
Q: プログラマーになるならどっちを勉強すべき?
A: 両方重要ですが、Web開発者ならWeb技術を、ネットワークエンジニアならインターネットの仕組みを重点的に学びましょう。
まとめ:違いを理解して、デジタル世界を正しく理解しよう
WebとインターネットCの違い、理解できましたか?
重要ポイントのおさらい:
- インターネットは世界をつなぐネットワーク全体
- Webはインターネット上のサービスの一つ
- インターネットの方が大きな概念
- Webが最も使われるから混同されやすい
- 他にもメール、動画、ゲームなど様々なサービスがある
覚え方のコツ: 「インターネットという海の中に、Webという島がある」 このイメージを持てば、もう間違えることはありません。
この違いを理解していると、IT関連のニュースや新技術の話も理解しやすくなります。子供に聞かれても、自信を持って説明できますね。
デジタル社会を生きる上で、基本的だけど大切な知識。今日から、あなたも正しく使い分けてみてください。きっと、ITの世界がもっとクリアに見えてくるはずです!


コメント