「Google Chromeは便利だけど、個人情報がGoogleに送信されるのが気になる」そんな悩みを持っていませんか。
SRWare Iron(エスアールウェア アイアン)は、Google Chromeと同じ使い心地でありながら、プライバシーとセキュリティを強化したウェブブラウザです。
このブラウザは、Google Chromeの基盤であるChromiumをベースに開発され、Googleへのデータ送信機能を削除しています。
外観や機能はChromeとほぼ同じで、Chrome拡張機能もそのまま使えます。
しかし、ユーザーの個人情報をGoogleに送信しないため、プライバシーを重視する人に最適です。
この記事では、SRWare Ironの特徴、Chrome との違い、ダウンロード方法、使い方、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。
SRWare Ironとは
SRWare Ironの基本的な情報から見ていきましょう。
開発元と概要
SRWare Iron(エスアールウェア アイアン)は、ドイツのSRWare社が開発したウェブブラウザです。
省略して単に「Iron」とも呼ばれます。
このブラウザは、オープンソースのChromiumをベースに開発されています。
Chromiumは、Google Chromeの基盤となっているオープンソースプロジェクトです。
長らくオープンソースの自由ソフトウェアとして公開されていましたが、現在はオープンソースではありません。
ただし、無償で使用できます。
開発の目的
SRWare Ironは、Google Chromeの抱えるプライバシーとセキュリティの問題を取り除くことを目的として開発されました。
Google Chromeは高速で使いやすいブラウザですが、ユーザーの検索履歴や閲覧履歴などをGoogleに送信しています。
これはプライバシーの観点から問題視されることがあります。
SRWare Ironは、Chromeと同じ基本機能を提供しながら、データ保護に関する批判されている点を除去しています。
つまり、「GoogleなしのGoogle Chrome」とも言えるブラウザです。
対応OS
SRWare Ironは、様々なOSに対応しています。
対応しているOSは次の通りです。
Windows(32bit版/64bit版、Windows 10/11)、Mac(Intel CPU版、ARM M1/M2 CPU版、macOS 10.15以上)、Linux(Debian系、Redhat系)、Android(Google Playストアまたは手動インストール)です。
バージョン37以降、既存の32bit版に加えて64bit版も追加されました。
最新バージョン
2025年1月時点での最新バージョンは次の通りです。
Windows版は131.0.6650.1(2024年12月30日リリース)、Mac版は131.0.6650.1(2025年1月4日リリース)、Linux版は131.0.6650.1(2025年1月3日リリース)、Android版は120.0.6100.0(2024年1月27日リリース)です。
Google Chromeとの違い
SRWare IronとGoogle Chromeの違いを詳しく見ていきましょう。
共通点
まず、SRWare IronとGoogle Chromeの共通点を確認します。
両者は同じChromiumをベースにしているため、基本的な機能はほぼ同じです。
起動の速さ、ページの読み込み速さ、動作の軽さなどは、Google Chromeとほぼ変わりません。
外観もGoogle Chromeとほぼ同じです。
使い方も全く同じなので、Chromeユーザーは違和感なく移行できます。
Chrome拡張機能もそのまま使えます。
Chrome ウェブストアから拡張機能をインストールできます。
Chromeで削除された機能
SRWare Ironでは、Google Chromeに搭載されている以下の機能が削除されています。
インストレーションIDの生成機能です。
Google Chromeは、初回起動時にインストレーションIDを生成してGoogleに送信します。
これはプロモーションコードの生成などに使われますが、Ironでは生成されません。
サジェスト機能です。
アドレスバーに入力した文字列をGoogleに送信する機能が削除されています。
そのため、入力途中の検索候補表示がありません。
別のエラーページ表示機能です。
存在しないURLを入力すると、Chromeではサジェスト機能と連携してGoogleサーバーからエラーページが送信されます。
Ironではこの機能がありません。
エラーレポート送信機能です。
ブラウザの利用中に不具合が生じた場合、その情報をGoogleへ自動送信する機能が削除されています。
RLZトラッキング機能です。
Google ChromeがダウンロードされたときにGoogle サーバに情報を送る機能が削除されています。
Google Updater(自動更新機能)です。
Google Updater.exeを常駐させて自動更新する機能がありません。
そのため、手動でアップデートする必要があります。
URLトラッカーです。
Googleのページが開かれた5秒後に起動するように設定されているトラッカーが削除されています。
Ironの独自機能
逆に、SRWare Ironが独自に備えている機能もあります。
広告ブロック機能です。
adblock.iniファイルをSRWare Ironフォルダにコピーすると広告ブロック機能を利用できます。
ただし、現在はブロックリストの老朽化により、uBlock Originなどのサードパーティー製拡張機能の使用が推奨されています。
ユーザーエージェント指定機能です。
UA.iniを書き換えることで、ブラウザの種類を偽装できます。
Chrome専用サイトにアクセスする際に便利です。
WebRTCブロック機能です。
独自のWebRTCブロック機能を追加できます。
ポータブルアプリです。
公式にポータブルアプリケーションが配布されています。
USBメモリなどに入れて持ち運べます。
プライバシー保護の仕組み
SRWare Ironの最大の特徴は、プライバシー保護です。
Google Chromeでは、ユーザー一人一人を識別するための固有IDが付加されます。
各ユーザーのChrome上での行動履歴をGoogleが把握できるようになっています。
例えば、検索履歴、閲覧履歴、アドレスバーへの入力内容などがGoogleに送信されます。
これらの情報は、ユーザーに最適な広告を表示するために使われます。
SRWare Ironでは、これらの情報送信機能がすべて削除されています。
完全に「静か」なブラウザとして、ユーザーのプライバシーを保護します。
ブラウザが提供する情報を、ユーザーが本当に共有したいものだけにコントロールできます。
SRWare Ironのメリット
SRWare Ironを使うメリットをまとめます。
プライバシーが保護される
最大のメリットは、個人情報がGoogleに送信されないことです。
検索履歴や閲覧履歴がGoogleに送られることがありません。
プライバシーを重視する人、企業での利用に最適です。
Googleによる情報収集を懸念する場合、SRWare Ironは優れた選択肢になります。
Chromeと同じ使い心地
外観や機能はGoogle Chromeとほぼ同じです。
Chromeに慣れている人なら、すぐに使いこなせます。
新しいブラウザの使い方を覚える必要がありません。
Chrome拡張機能も使えるので、今まで使っていた拡張機能をそのまま利用できます。
データのインポートが可能
ChromeからSRWare Ironへ乗り換える場合、データを簡単に移行できます。
ブックマーク、閲覧履歴、保存したパスワードなどをインポートできます。
Googleアカウントでログインして同期することも可能です。
動作が軽い
Chromeよりも動作が軽いという報告が多くあります。
余計なデータ送信機能がすべて削除されているため、CPUやメモリへの負担が少なくなります。
スペックの低いPCでも快適に動作します。
起動も速く、ページの読み込みも高速です。
標準準拠度が高い
SRWare Ironは、Acid 3というウェブ標準準拠度を測るベンチマークテストで満点の100/100を達成しています。
Google Chromeが79/100であることを考えると、Ironの標準準拠度の高さがわかります。
ウェブサイトが正しく表示される可能性が高いです。
無料で使える
SRWare Ironは無償で使用できます。
ライセンス料や使用料は一切かかりません。
誰でも自由にダウンロードして使えます。
SRWare Ironのデメリット
便利なブラウザですが、いくつかデメリットもあります。
自動更新機能がない
最大のデメリットは、自動更新機能がないことです。
セキュリティアップデートや新機能の追加があっても、自動的には更新されません。
ユーザー自身が定期的に公式サイトをチェックし、手動でアップデートする必要があります。
セキュリティを維持するためには、こまめなアップデートが必要です。
アップデートが遅れる場合がある
本家Chromeよりもセキュリティアップデートのスピードが遅いことがあります。
Chromiumの最新版がリリースされてから、Ironに反映されるまでに時間がかかることがあります。
セキュリティ面では、本家Chromeの方が有利な場合があります。
サジェスト機能がない
アドレスバーに文字を入力しても、検索候補が表示されません。
これはプライバシー保護のための仕様ですが、Chromeのサジェスト機能に慣れている人には不便に感じるかもしれません。
情報が少ない
Google Chromeに比べて、日本語での情報が少ないです。
トラブルが発生したときに、解決方法を見つけにくい場合があります。
ユーザーフォーラムは英語、ドイツ語、ロシア語のみです。
一部のサイトで問題が出る可能性
ユーザーエージェントがChromeと異なるため、一部のサイトで正しく表示されない可能性があります。
その場合は、ユーザーエージェントをChromeに変更する必要があります。
SRWare Ironのダウンロード方法
SRWare Ironのダウンロードとインストール方法を解説します。
PC版のダウンロード
公式サイト(https://www.srware.net/iron/)にアクセスします。
トップページの「ダウンロード」セクションに移動します。
使用しているOSに合わせてダウンロードリンクをクリックします。
Windows 64bit版の場合は「64ビット Windows インストーラー (Win 10, 11)」、Windows 32bit版の場合は「32ビット Windows インストーラー (Win 10, 11)」、Mac Intel CPU版の場合は「Intel CPU搭載のMac用 64ビットダウンロード」、Mac ARM版の場合は「ARM (M1 / M2 CPU)搭載のMac用 64ビットダウンロード」、Linux版の場合は「64ビットダウンロード (Debian/Ubuntu/Mint)」などから選択します。
ポータブル版もあります。
インストール不要で、USBメモリなどから直接起動できます。
ダウンロードしたセットアップファイル(srware_iron64.exeまたはsrware_iron.exe)を実行します。
インストール手順
インストールは簡単です。
インストーラーを起動すると、言語選択画面が表示されます。
英語またはドイツ語を選択しますが、どちらを選んでも問題ありません。
インストール後、起動すれば自動的に日本語になります。
コンポーネント選択画面では、デフォルトの検索エンジンを選択できます。
「Iron-Start as default search engine」が選択されていますが、Googleを使いたい場合は「Google as default search engine」を選択します。
後で設定から変更することも可能です。
インストールが完了したら、「完了」をクリックします。
Android版のダウンロード
Android版は、Google Playストアからダウンロードできます。
Google Playストアを開きます。
「IronBrowser」または「SRWare Iron」で検索します。
「インストール」をタップしてダウンロードとインストールを開始します。
手動でインストールしたい場合は、公式サイトから.apkファイルをダウンロードすることもできます。
言語設定の確認
現在のSRWare Ironは、特に日本語化の設定は必要ありません。
自動的に日本語で表示されます。
念のため、言語設定を確認したい場合は次の手順で行います。
SRWare Ironを起動します。
右上の「︙」(三点メニュー)をクリックします。
「設定」を選択します。
左側のメニューで「詳細」をクリックします。
「言語」をクリックして、「日本語」になっているか確認します。
日本語以外の言語になっている場合は、日本語に変更します。
SRWare Ironの使い方
基本的な使い方を解説します。
基本操作
SRWare Ironの使い方は、Google Chromeと全く同じです。
アドレスバーにURLを入力すればそのサイトに移動します。
アドレスバーにキーワードを入力すれば検索できます。
ブックマークの追加、履歴の確認、設定の変更など、すべてChromeと同じ操作で行えます。
Chromeからのデータインポート
Chromeから乗り換える場合、データをインポートできます。
SRWare Ironを起動します。
右上の「︙」をクリックして「設定」を開きます。
「ブックマークと設定をインポート」を選択します。
インポート元として「Google Chrome」を選択します。
インポートしたい項目(ブックマーク、履歴、パスワードなど)にチェックを入れます。
「インポート」をクリックします。
これで、Chromeで使っていたデータがSRWare Ironに移行されます。
Googleアカウントでの同期
Googleアカウントでログインして同期することも可能です。
右上の「︙」をクリックして「設定」を開きます。
「同期とGoogleサービス」を選択します。
「同期を有効にする」をクリックしてGoogleアカウントでログインします。
ただし、Googleアカウントでログインすると、プライバシー保護の一部が前提から崩壊してしまいます。
完全にGoogleから独立して使いたい場合は、同期を使わない方が良いでしょう。
拡張機能の追加
Chrome拡張機能を追加できます。
Chrome ウェブストアにアクセスします。
使いたい拡張機能を検索します。
「Chromeに追加」をクリックします。
確認画面で「拡張機能を追加」をクリックします。
拡張機能がSRWare Ironに追加されます。
広告ブロック機能の使い方
独自の広告ブロック機能を使うこともできます。
adblock.iniファイルをSRWare Ironのインストールフォルダにコピーします。
ブロックしたい広告のURLをadblock.iniに記述します。
ただし、現在はuBlock Originなどの拡張機能を使う方が便利です。
アップデート方法
自動更新機能がないため、手動でアップデートします。
定期的に公式サイト(https://www.srware.net/iron/)をチェックします。
新しいバージョンがリリースされていたら、ダウンロードします。
新しいインストーラーを実行して上書きインストールします。
設定やブックマークは引き継がれます。
よくある質問
SRWare Ironに関するよくある質問をまとめます。
SRWare Ironは安全ですか
SRWare IronはChromiumベースで開発されており、基本的に安全です。
ただし、自動更新機能がないため、セキュリティアップデートを手動で適用する必要があります。
定期的にアップデートを確認し、最新版を使うことが重要です。
ChromeとIronは同時に使えますか
はい、同時にインストールして使えます。
ChromeとIronは別のブラウザとして認識されるため、両方をインストールして使い分けることができます。
同期機能は使えますか
Googleアカウントでログインして同期できます。
ただし、プライバシー保護を重視する場合は、同期機能を使わない方が良いでしょう。
拡張機能は使えますか
はい、Chrome拡張機能がそのまま使えます。
Chrome ウェブストアから拡張機能をインストールできます。
モバイル版はありますか
Android版があります。
iOS版は提供されていません。
まとめ
SRWare Ironについてまとめます。
SRWare Ironは、ドイツのSRWare社が開発したプライバシー重視のウェブブラウザです。
Chromiumをベースに開発され、Google Chromeと同じ使い心地を提供します。
主な特徴として、Googleへのデータ送信機能を完全削除、外観・機能はChromeとほぼ同じ、Chrome拡張機能が使える、動作が軽い、無料で使えることがあります。
Chromeとの違いとして、インストレーションID、サジェスト機能、エラーレポート送信、RLZトラッキング、自動更新機能、URLトラッカーがすべて削除されています。
独自機能として、広告ブロック機能(adblock.ini)、ユーザーエージェント指定機能、WebRTCブロック機能、ポータブル版の提供があります。
対応OSは、Windows(32bit/64bit)、Mac(Intel/ARM)、Linux、Androidです。
メリットとして、プライバシーが完全に保護される、Chromeと同じ使い心地、データのインポートが簡単、動作が軽い、標準準拠度が高い(Acid 3で100点)、無料で使えることがあります。
デメリットとして、自動更新機能がない(手動更新が必要)、アップデートが本家より遅れる、サジェスト機能がない、日本語情報が少ない、一部サイトで問題が出る可能性があることがあります。
使い方はGoogle Chromeと全く同じで、Chromeからのデータインポートが可能、Googleアカウントでの同期も可能(ただしプライバシー保護の観点では非推奨)、拡張機能も使えます。
注意点として、セキュリティ維持のため定期的な手動アップデートが必須、完全なプライバシー保護を求めるならGoogle同期は使わない方が良いことがあります。
SRWare Ironは、プライバシーを重視しながらChromeの使い心地を求める人に最適なブラウザです。
自動更新がない点には注意が必要ですが、個人情報の保護を重視する人にとって優れた選択肢になります。
参考情報
この記事は、以下の信頼できる情報源を参考に作成しました。


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