Safariで普通にWebサイトを見ているだけなのに、突然知らないサイトに飛ばされる…そんな経験はありませんか?
- 広告サイトに勝手にリダイレクトされる
- 「ウイルスに感染しています!」という怪しい警告が表示される
- 「多くのリダイレクトが発生しています」というエラーが出る
- アプリのダウンロードを促される
これらは、悪意のある広告やマルウェア、サイトの設定ミスなどが原因で起こる問題です。
この記事では、Safariで別のサイトに飛ぶ問題の原因と、確実に解決する方法を、iPhone・iPad・Mac別に詳しく解説します。セキュリティ対策から予防法まで、すべて網羅しています。
リダイレクトとは?なぜ別のサイトに飛ぶのか

リダイレクトの基礎知識
リダイレクトとは、あるWebページから別のWebページに自動的に転送される仕組みのことです。
本来は便利な機能で、例えば:
- サイトのURLが変更されたとき、新しいURLに自動転送する
- スマホでアクセスしたとき、スマホ専用ページに転送する
- ログインが必要なページで、未ログインの場合はログインページに転送する
このように、正常なリダイレクトは問題ありません。
問題のあるリダイレクト
しかし、悪意のあるリダイレクトもあります:
- 広告目的のリダイレクト:広告収入を得るため、強制的に広告サイトに飛ばす
- 詐欺サイトへの誘導:偽のウイルス警告を表示して、怪しいアプリをダウンロードさせる
- フィッシング詐欺:本物そっくりの偽サイトに誘導して、個人情報を盗む
- マルウェア感染:悪意のあるソフトウェアをインストールさせる
Safariで別のサイトに飛ぶ主な原因
原因1:悪意のある広告(アドウェア)
最も多い原因がこれです。
一部のWebサイトには、悪意のある広告ネットワークが組み込まれていて、サイトを訪問しただけで別のサイトに飛ばされることがあります。
特に、無料の動画サイト、海賊版サイト、怪しいダウンロードサイトなどに多く見られます。
原因2:リダイレクトハッキング
Webサイトが攻撃者によって改ざんされ、訪問者が不正なサイトへ自動的に転送されるケースです。
正規のサイトでも、セキュリティが弱い場合はハッキングされて、リダイレクトコードを埋め込まれることがあります。
原因3:マルウェアやアドウェアの感染
端末自体がマルウェア(悪意のあるソフトウェア)に感染していると、どのサイトを見ても別のサイトに飛ばされることがあります。
原因4:Cookieやキャッシュの問題
古いCookieやキャッシュデータが原因で、特定のサイトで「多くのリダイレクトが発生しています」というエラーが出ることがあります。
これは悪意のあるものではなく、サイトの設定ミスやブラウザのデータ蓄積が原因です。
原因5:ユニバーサルリンク(正常な動作)
これは問題ではなく、iOSの正常な機能です。
特定のアプリがインストールされている場合、関連するWebサイトを開くと自動的にアプリが起動します。
例:
- TwitterのリンクをタップするとTwitterアプリが開く
- YouTubeのリンクをタップするとYouTubeアプリが開く
- App StoreのリンクをタップするとApp Storeアプリが開く
これは「別のサイトに飛ぶ」というよりは、「アプリで開く」という動作です。
原因6:「多くのリダイレクトが発生しています」エラー
このエラーは、リダイレクトが無限ループに陥っているときに表示されます。
サイトAからサイトBへ、サイトBからサイトAへ…と延々とリダイレクトが繰り返されると、Safariが「これ以上リダイレクトできません」とブロックします。
原因:
- サイト側の設定ミス
- Cookieの設定問題
- 「サイト越えトラッキングを防ぐ」設定の影響
【重要】偽のウイルス警告に騙されないで!
Safariで突然こんな警告が表示されることがあります:
- 「iPhoneがウイルスに感染しています!」
- 「24個のウイルスが検出されました!」
- 「今すぐ削除してください!」
- 「バッテリーがダメージを受けています!」
これらは100%詐欺です!
重要な事実:
- Webサイトは、あなたのiPhoneをスキャンできません
- Safariが「ウイルスに感染しています」と警告することはありません
- Appleが突然ポップアップで警告することはありません
正しい対処法
- 何もクリックせず、タブを閉じる
- 「OK」や「今すぐ削除」などのボタンを絶対に押さない
- アプリのダウンロードを絶対にしない
- 個人情報を絶対に入力しない
これらの警告は、あなたを騙して怪しいアプリをインストールさせたり、個人情報を盗んだりするための詐欺です。
iPhone・iPadで別のサイトに飛ぶ問題を解決する方法
対処法1:Safari履歴とWebサイトデータを削除【最も効果的】
これが最も基本的で効果的な対処法です。
手順
- 「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして「アプリ」をタップ(iOS 18以降)
- iOS 17以前は直接「Safari」をタップ
- 「Safari」を選択
- 「履歴とWebサイトデータを消去」をタップ
- 確認画面で「履歴とデータを消去」をタップ
注意:この操作を行うと、ログイン中のWebサイトからログアウトされます。
対処法2:ポップアップをブロックする
ポップアップ広告がリダイレクトの原因になることが多いです。
設定手順
- 「設定」→「アプリ」→「Safari」
- 「ポップアップをブロック」をオンにする
これで、ほとんどのポップアップ広告がブロックされます。
対処法3:セキュリティ設定を強化する
設定手順
- 「設定」→「アプリ」→「Safari」
- 以下の設定を確認:
- サイト越えトラッキングを防ぐ:オン
- 不正なWebサイトの警告:オン
- プライバシー保護広告の測定:オフでも可
- 高度なトラッキングとフィンガープリント保護:オン
これらの設定により、悪意のあるサイトやトラッキングから保護されます。
対処法4:JavaScriptを一時的にオフにする
悪意のあるリダイレクトは、JavaScriptを使って実行されることが多いです。
手順
- 「設定」→「アプリ」→「Safari」
- 「詳細」をタップ
- 「JavaScript」をオフにする
注意:JavaScriptをオフにすると、多くのWebサイトが正常に動作しなくなります。問題が解決したら、再度オンにしてください。
対処法5:「すべてのCookieをブロック」設定を確認
この設定がオンになっていると、「多くのリダイレクトが発生しています」エラーが出やすくなります。
確認方法
- 「設定」→「アプリ」→「Safari」
- 「すべてのCookieをブロック」がオンになっている場合はオフにする
対処法6:怪しいアプリを削除する
アドウェアが含まれるアプリがインストールされている可能性があります。
確認と削除方法
- ホーム画面で、最近インストールしたアプリを確認
- 身に覚えのないアプリや、怪しいアプリを長押し
- 「Appを削除」→「削除」をタップ
特に、App Store以外からインストールしたアプリは要注意です。
対処法7:iOSを最新版にアップデート
古いiOSには、セキュリティの脆弱性があることがあります。
アップデート手順
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」
- アップデートがある場合は「ダウンロードしてインストール」をタップ
対処法8:iPhoneを再起動する
シンプルですが、効果的な方法です。
再起動方法
- iPhone X以降:サイドボタンと音量ボタンを同時に長押し→スライドで電源オフ
- iPhone 8以前:サイドボタンを長押し→スライドで電源オフ
対処法9:コンテンツブロッカー(広告ブロッカー)を使う
App Storeから信頼できる広告ブロッカーをインストールすることで、悪意のある広告をブロックできます。
おすすめの広告ブロッカー
- AdGuard for Safari(無料)
- 1Blocker(一部無料)
- Wipr(有料)
設定方法
- App Storeから広告ブロッカーをインストール
- 「設定」→「Safari」→「機能拡張」
- インストールした広告ブロッカーをオンにする
対処法10:プライベートブラウズモードを試す
プライベートブラウズモードでは、Cookieやトラッキングが制限されるため、リダイレクトが起こりにくくなります。
起動方法
- Safariのタブ切り替えボタンを長押し
- 「プライベート」をタップ
Macで別のサイトに飛ぶ問題を解決する方法

対処法1:SafariのキャッシュとCookieを削除
手順
- Safariのメニューバーから「Safari」→「設定」(または「環境設定」)
- 「プライバシー」タブをクリック
- 「Webサイトデータを管理」をクリック
- リダイレクトが起こるサイトを検索して選択
- 「削除」をクリック
または、すべてのデータを削除する場合:
- 「Webサイトデータを管理」画面で
- 「すべてを削除」をクリック
対処法2:ポップアップをブロックする
設定手順
- Safari→設定→「Webサイト」タブ
- 左側のメニューから「ポップアップウインドウ」を選択
- 右下の「他のWebサイトを表示するとき」を「ブロック」に設定
対処法3:怪しい拡張機能を削除する
悪意のある拡張機能がインストールされている可能性があります。
確認と削除方法
- Safari→設定→「機能拡張」タブ
- 左側のリストで、身に覚えのない拡張機能をチェック
- 怪しい拡張機能のチェックを外すか、「アンインストール」をクリック
対処法4:不審なプロファイルを削除
悪意のあるプロファイルがインストールされている可能性があります。
確認方法
- Appleメニュー→「システム設定」(または「システム環境設定」)
- 「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 「プロファイル」を確認
- 身に覚えのないプロファイルがあれば削除
対処法5:不要なアプリを削除
確認方法
- Finderで「アプリケーション」フォルダを開く
- 最近インストールしたアプリや、身に覚えのないアプリを確認
- 怪しいアプリをゴミ箱にドラッグ
対処法6:macOSを最新版にアップデート
アップデート手順
- Appleメニュー→「システム設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」
- アップデートがある場合は「今すぐアップデート」をクリック
対処法7:広告ブロッカーをインストール
MacでもApp Storeから広告ブロッカーをインストールできます。
- AdGuard for Safari
- uBlock Origin(一部のバージョン)
「多くのリダイレクトが発生しています」エラーの解決法
このエラーは、特定のサイトでリダイレクトループが発生しているときに表示されます。
解決法1:そのサイトのCookieを削除
手順(iPhone・iPad)
- 「設定」→「アプリ」→「Safari」→「詳細」
- 「Webサイトデータ」をタップ
- エラーが出るサイトを検索
- 左にスワイプして「削除」
手順(Mac)
- Safari→設定→「プライバシー」→「Webサイトデータを管理」
- エラーが出るサイトを検索
- 「削除」をクリック
解決法2:「サイト越えトラッキングを防ぐ」を一時的にオフ
この設定が原因でエラーが出ることがあります。
手順(iPhone・iPad)
- 「設定」→「アプリ」→「Safari」
- 「サイト越えトラッキングを防ぐ」を一時的にオフ
- サイトにアクセスしてログイン
- 正常に表示されたら、設定を再度オンに戻す
手順(Mac)
- Safari→設定→「プライバシー」
- 「サイト越えトラッキングを防ぐ」のチェックを外す
- サイトにアクセス
- 正常に表示されたら、チェックを戻す
解決法3:サイト側の問題の可能性
上記の方法で解決しない場合、サイト側の設定ミスの可能性があります。
別のブラウザ(ChromeやFirefox)で試してみて、同じエラーが出る場合は、サイトの管理者に連絡してください。
ユニバーサルリンクでアプリが開く問題の対処法
これは悪意のあるリダイレクトではなく、iOSの正常な機能です。
しかし、Safariで開きたいのに勝手にアプリが起動して困る場合は、以下の方法で対処できます。
方法1:リンクを長押しして開く
手順
- 開きたいリンクを長押し
- メニューから「開く」または「新規タブで開く」をタップ
これで、アプリではなくSafariで開くことができます。
方法2:プライベートブラウズモードを使う
プライベートブラウズモードでは、ユニバーサルリンクが無効になります。
手順
- Safariのタブ切り替えボタンを長押し
- 「プライベート」をタップ
- 通常通りリンクをタップ
これで、アプリではなくSafariで開きます。
予防策:今後リダイレクトされないために
予防策1:怪しいサイトを訪問しない
以下のようなサイトは、リダイレクトのリスクが高いです:
- 海賊版の動画・漫画サイト
- 違法ダウンロードサイト
- 怪しい広告だらけのサイト
- URLが不自然なサイト
予防策2:App Store以外からアプリをインストールしない
App Store以外からアプリをインストールするのは危険です。
特に、Webサイトから直接ダウンロードを促されるアプリには要注意です。
予防策3:広告ブロッカーを常用する
信頼できる広告ブロッカーをインストールしておくことで、悪意のある広告を事前にブロックできます。
予防策4:定期的にSafariのデータを削除する
月に1回程度、Safariの履歴とWebサイトデータを削除することで、問題を予防できます。
予防策5:iOSやmacOSを常に最新に保つ
セキュリティアップデートには、脆弱性の修正が含まれています。
自動アップデートをオンにしておくことをおすすめします。
予防策6:VPNを使用する
公共Wi-Fiを使う際は、VPNを使用することでセキュリティを強化できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. iPhoneやiPadはウイルスに感染しますか?
A. 基本的には感染しません。
ただし、以下の場合は感染のリスクがあります:
- Jailbreak(脱獄)している
- App Store以外からアプリをインストールした
- 古いiOSバージョンを使っている
通常の使用で、App Storeからのみアプリをインストールしていれば、ウイルス感染のリスクは極めて低いです。
Q2. 「ウイルスに感染しています」という警告が出ましたが本物ですか?
A. 100%偽物です。
Safariやシステムが、ポップアップで「ウイルスに感染しています」と警告することは絶対にありません。
何もクリックせず、タブを閉じてください。
Q3. リダイレクトされた後、個人情報は盗まれましたか?
A. リダイレクトされただけでは、個人情報は盗まれません。
ただし、リダイレクト先で:
- アプリをダウンロードした
- 個人情報を入力した
- ログイン情報を入力した
これらの行動をした場合は、情報が盗まれた可能性があります。
その場合は、すぐにパスワードを変更してください。
Q4. 広告ブロッカーは無料のものでも大丈夫ですか?
A. 信頼できる開発元のものであれば大丈夫です。
App Storeでレビューが多く、評価が高いものを選びましょう。
おすすめ:
- AdGuard for Safari(無料)
- 1Blocker(一部無料)
Q5. 特定のサイトだけリダイレクトされます
A. そのサイト自体が:
- 悪意のある広告を掲載している
- リダイレクトハッキングされている
- 設定ミスでリダイレクトループが起きている
可能性があります。
そのサイトの訪問を避けるか、広告ブロッカーを使用してください。
Q6. すべての対処法を試しても直りません
A. 以下を試してください:
- 別のブラウザ(Chrome、Firefox)を使ってみる
- デバイスを初期化する(最終手段)
初期化する前に、必ずバックアップを取ってください。
それでも直らない場合は、サイト側の問題の可能性が高いです。
Q7. Macで怪しいアプリをインストールしてしまいました
A. すぐに以下を実行してください:
- そのアプリをアンインストール
- アプリケーションフォルダから完全に削除
- 不審なプロファイルを削除
- Safariの拡張機能を確認
- パスワードを変更
心配な場合は、macOSを再インストールすることをおすすめします。
まとめ:Safariのリダイレクト問題を解決しよう
Safariで別のサイトに飛ぶ問題は、ほとんどの場合、適切な対処法で解決できます。
すぐに試すべき対処法(優先順位順)
- Safari履歴とWebサイトデータを削除:最も効果的
- ポップアップをブロック:悪意のある広告を防ぐ
- セキュリティ設定を強化:トラッキング防止と不正サイト警告をオン
- 怪しいアプリを削除:アドウェアが含まれている可能性
- 広告ブロッカーをインストール:予防に効果的
絶対に覚えておくべきこと
- 「ウイルスに感染しています」は100%詐欺
- 何もクリックせず、タブを閉じる
- App Store以外からアプリをインストールしない
- 怪しいサイトを訪問しない
- 定期的にSafariのデータを削除する
【重要】こんな場合はすぐに対処を
以下の症状がある場合は、マルウェア感染の可能性があります:
- どのサイトを開いても別のサイトに飛ばされる
- 身に覚えのないアプリがインストールされている
- バッテリーの消耗が異常に早い
- データ通信量が急増している
- デバイスの動作が極端に遅い
この場合は、すべての対処法を試し、それでも直らない場合はデバイスの初期化を検討してください。
安全で快適なブラウジングライフを送りましょう!


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