Webサイトにアクセスしようとした際に「NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALID」というエラーメッセージが表示されたことはありませんか?
このエラーは、SSL証明書に関する問題を示しており、ブラウザがWebサイトを信頼できないと判断した際に表示されます。
この記事では、NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALIDエラーの意味、原因、そして訪問者とWebサイト管理者の両方に向けた解決方法を詳しく解説します。
NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALIDエラーとは

NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALIDは、ブラウザがWebサイトのSSL証明書を信頼できないと判断した場合に表示されるエラーです。
エラーコードの意味を分解すると、以下のようになります。
- NET::ERR:ネットワークエラーを示す共通のヘッダー
- CERT:証明書(Certificate)を意味する
- AUTHORITY:認証局(Certificate Authority)を指す
- INVALID:無効であることを示す
つまり、「信頼された認証局から発行されたサーバー証明書ではない」という意味のエラーです。
SSL証明書とは
SSL証明書は、Webサイトとユーザーのブラウザとの間の通信を暗号化するためのデジタル証明書です。
SSL証明書により、以下のことが保証されます。
通信内容が暗号化され、第三者に盗み見られることを防ぎます。
Webサイトの身元が証明され、なりすましを防ぎます。
データの改ざんを防ぎます。
SSL証明書がないサイト、または証明書に問題があるサイトでは、このエラーが表示されます。
ブラウザ別のエラー表示
NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALIDエラーは、ブラウザによって表示が異なります。
Google Chrome
「この接続ではプライバシーが保護されません」という赤い警告画面が表示されます。
画面には以下のメッセージが表示されます。
「攻撃者が、[サイト名]上のあなたの情報(パスワード、メッセージ、クレジットカード情報など)を不正に取得しようとしている可能性があります」
エラーコード「NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALID」が表示されます。
Mozilla Firefox
「警告: 潜在的なセキュリティリスクがあります」という画面が表示されます。
Firefoxは、Chromeよりも詳しい説明を提供します。
「Firefoxが問題を検出したため、[サイト名]に接続しませんでした。このWebサイトは正しく設定されていないか、コンピューターの時計が間違っている可能性があります」
具体的なエラーコードも表示されます。
Microsoft Edge
Chromeとほぼ同じ表示になります。
「この接続ではプライバシーが保護されません」というメッセージとともに、NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALIDのエラーコードが表示されます。
NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALIDエラーの主な原因
このエラーには、大きく分けて2つの原因があります。
1. Webサイト側の問題
WebサイトのSSL証明書に問題がある場合、すべての訪問者にエラーが表示されます。
自己署名証明書の使用
自己署名証明書(オレオレ証明書)は、認証局(CA)の検証を受けていない証明書です。
開発環境やテスト環境では便利ですが、本番環境で使用するとブラウザに信頼されません。
ブラウザは、信頼された認証局から発行された証明書のみを受け入れます。
信頼されていない認証局からの証明書
各ブラウザには、信頼できる認証局のリストが事前に組み込まれています。
このリストに含まれていない認証局が発行した証明書は、ブラウザに信頼されません。
マイナーな認証局や、ブラウザのルート証明書ストアに登録されていない認証局からの証明書を使用している場合、このエラーが発生します。
SSL証明書の期限切れ
SSL証明書には有効期限があります。
Let’s Encryptの場合は90日、商用証明書の場合は通常1年間です。
有効期限が切れた証明書は無効となり、ブラウザはエラーを表示します。
中間証明書の欠落
SSL証明書には、ルート証明書、中間証明書、サーバー証明書という階層構造があります。
中間証明書がサーバーに正しくインストールされていないと、証明書チェーンが壊れてしまい、ブラウザは証明書を検証できません。
この場合、NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALIDエラーが発生します。
証明書の設定ミス
証明書が間違ったドメインに対して発行されている場合や、サーバーの設定が正しくない場合にもエラーが発生します。
2. 訪問者側の問題
訪問者のデバイスや環境に問題がある場合、特定のユーザーのみにエラーが表示されます。
デバイスの日時設定の誤り
コンピューターの日付や時刻が正しくないと、SSL証明書の有効性を正しく検証できません。
例えば、システムの時計が過去や未来の日付に設定されている場合、有効な証明書が期限切れまたは未発行と判断されることがあります。
ブラウザやOSのアップデート不足
古いブラウザやOSは、最新のルート証明書を持っていない可能性があります。
ルート証明書は、ブラウザやOSのアップデートを通じて自動的に更新されます。
アップデートを怠ると、新しく発行された証明書を検証できなくなります。
ブラウザのキャッシュやCookieの問題
古いキャッシュデータやCookieが残っていると、期限切れの証明書情報が保存されたままになっている可能性があります。
この場合、実際には証明書が更新されていても、ブラウザは古い情報を参照してエラーを表示します。
ウイルス対策ソフトやVPNの干渉
一部のウイルス対策ソフトは、HTTPS通信をスキャンする機能を持っています。
この機能により、ブラウザは独自の証明書チェックを行えなくなり、エラーが発生することがあります。
また、VPNソフトウェアも同様に、SSL接続に干渉してエラーを引き起こす場合があります。
ネットワークの問題
公共Wi-Fiネットワークやプロキシサーバーを経由している場合、SSL証明書の検証プロセスが妨げられることがあります。
特に、空港やカフェなどの公共ネットワークでは、ログインページを表示するために独自の証明書を使用することがあり、これがエラーの原因となります。
ブラウザ拡張機能の影響
一部のブラウザ拡張機能は、Webサイトへの接続方法を変更するため、SSL証明書の検証に影響を与える可能性があります。
訪問者としての解決方法
Webサイトにアクセスしようとしてこのエラーが表示された場合、以下の方法を試してください。
1. ページを再読み込みする
最も簡単な解決方法は、ページを再読み込みすることです。
一時的なネットワークの問題でエラーが発生している可能性があります。
キーボードの「F5」キーを押すか、ブラウザの更新ボタンをクリックしてください。
また、強制再読み込みも試してみましょう。
- Windows/Linux:Ctrl + F5
- Mac:Command + Shift + R
2. シークレットモード(プライベートブラウジング)で試す
シークレットモードでWebサイトを開くと、キャッシュやCookieを使用せずにページを表示できます。
Google Chromeでは、Ctrl + Shift + N(Mac:Command + Shift + N)でシークレットウィンドウを開けます。
シークレットモードでエラーが表示されない場合、ブラウザのキャッシュやCookieが原因です。
3. ブラウザのキャッシュとCookieをクリアする
シークレットモードで正常に表示された場合、ブラウザのキャッシュとCookieをクリアしましょう。
Google Chromeの場合
- 右上の3つの点をクリックします。
- 「その他のツール」→「閲覧履歴を消去」を選択します。
- 期間を「全期間」に設定します。
- 「Cookieと他のサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れます。
- 「データを削除」をクリックします。
Mozilla Firefoxの場合
- 右上の3本線をクリックします。
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」を選択します。
- 「Cookieとサイトデータ」セクションで「データを消去」をクリックします。
- 「Cookie とサイトデータ」と「ウェブコンテンツのキャッシュ」にチェックを入れます。
- 「消去」をクリックします。
4. デバイスの日付と時刻を確認する
デバイスの日付と時刻が正しく設定されているか確認しましょう。
Windowsの場合
- 「設定」→「時刻と言語」→「日付と時刻」を開きます。
- 「時刻を自動的に設定する」をオンにします。
- タイムゾーンが正しいことを確認します。
macOSの場合
- 「システム環境設定」→「日付と時刻」を開きます。
- 「日付と時刻を自動的に設定」にチェックを入れます。
- タイムゾーンが正しいことを確認します。
5. ブラウザとOSを最新版にアップデートする
古いブラウザやOSは、最新のルート証明書を持っていない可能性があります。
ブラウザのアップデート
Google Chrome:右上の3つの点→「ヘルプ」→「Google Chromeについて」を選択すると、自動的にアップデートが確認されます。
Mozilla Firefox:右上の3本線→「ヘルプ」→「Firefoxについて」を選択すると、自動的にアップデートが確認されます。
OSのアップデート
Windows:「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」で最新のアップデートを確認します。
macOS:「システム環境設定」→「ソフトウェアアップデート」で最新のアップデートを確認します。
6. ウイルス対策ソフトやVPNを一時的に無効にする
ウイルス対策ソフトのHTTPSスキャン機能や、VPNがエラーの原因となっている可能性があります。
一時的に無効にして、Webサイトにアクセスできるか確認してください。
アクセスできた場合、ウイルス対策ソフトやVPNの設定を見直す必要があります。
ただし、セキュリティソフトを無効にするのはリスクがあるため、信頼できるWebサイトでのみ試してください。
7. 別のネットワークで試す
公共Wi-Fiや企業ネットワークを使用している場合、ネットワークの制限がエラーの原因となっている可能性があります。
モバイルデータ通信や別のWi-Fiネットワークに切り替えて試してみましょう。
8. ブラウザ拡張機能を無効にする
ブラウザ拡張機能がSSL接続に干渉している可能性があります。
すべての拡張機能を一時的に無効にして、Webサイトにアクセスできるか確認してください。
アクセスできた場合、拡張機能を1つずつ有効にして、原因となっている拡張機能を特定します。
9. SSLステートをクリアする(Windows)
Windowsでは、SSL証明書の情報がキャッシュされることがあります。
このキャッシュをクリアすることで、エラーが解決する場合があります。
- 「スタート」メニューで「インターネットオプション」を検索します。
- 「コンテンツ」タブをクリックします。
- 「SSLの状態をクリア」ボタンをクリックします。
10. Webサイト管理者に連絡する
上記の方法をすべて試してもエラーが解決しない場合、Webサイト側に問題がある可能性が高いです。
Webサイト管理者に連絡して、証明書の問題を報告しましょう。
Webサイト管理者としての解決方法

自分が運営するWebサイトでこのエラーが発生している場合、以下の方法を試してください。
1. SSL証明書の状態を確認する
まず、SSL証明書が正しくインストールされているか確認します。
Qualys SSL LabsやSSL Checkerなどのオンラインツールを使用して、証明書の状態をチェックしましょう。
これらのツールは、以下の項目を確認できます。
- 証明書の有効期限
- 証明書チェーンの完全性
- 中間証明書の有無
- 信頼された認証局からの発行か
2. 信頼された認証局から証明書を取得する
自己署名証明書を使用している場合、信頼された認証局から証明書を取得し直す必要があります。
推奨される認証局は以下の通りです。
- Let’s Encrypt(無料、90日間有効)
- Comodo SSL(有料)
- DigiCert(有料)
- GeoTrust SSL(有料)
- Thawte SSL(有料)
Let’s Encryptは無料で、多くのホスティングサービスが自動インストール機能を提供しています。
3. SSL証明書を更新する
証明書の有効期限が切れている場合、すぐに更新が必要です。
Let’s Encryptの証明書は90日ごとに更新が必要です。
自動更新の設定を忘れずに行いましょう。
商用証明書の場合、通常は有効期限の30日前から更新の通知が届きます。
4. 中間証明書をインストールする
中間証明書が欠落している場合、証明書チェーンが完全になるように中間証明書をインストールします。
認証局から提供される証明書ファイルには、通常以下が含まれています。
- サーバー証明書
- 中間証明書(1つまたは複数)
- ルート証明書(通常はブラウザに事前インストール済み)
サーバーには、サーバー証明書と中間証明書の両方をインストールする必要があります。
多くのWebサーバーでは、証明書ファイルを連結して単一のファイルとして使用します。
5. 証明書の設定を確認する
証明書が正しいドメインに対して発行されているか確認しましょう。
例えば、example.com用の証明書をwww.example.comで使用している場合、エラーが発生する可能性があります。
ワイルドカード証明書(*.example.com)を使用するか、複数のドメインをカバーするマルチドメイン証明書を検討してください。
6. サーバーの設定を確認する
Webサーバー(Apache、Nginx、IISなど)の設定ファイルを確認し、SSL証明書のパスが正しく設定されているか確認します。
Apacheの場合
SSLCertificateFile /path/to/certificate.crt
SSLCertificateKeyFile /path/to/private.key
SSLCertificateChainFile /path/to/chain.crt
Nginxの場合
ssl_certificate /path/to/fullchain.pem;
ssl_certificate_key /path/to/private.key;
設定を変更した後は、Webサーバーを再起動する必要があります。
7. 証明書の自動更新を設定する
Let’s Encryptを使用している場合、Certbotなどのツールを使用して自動更新を設定しましょう。
certbot renew --dry-run
このコマンドで、自動更新が正しく機能するかテストできます。
cronジョブを設定して、定期的に証明書を更新するようにします。
8. ホスティングプロバイダーに相談する
SSL証明書の設定が複雑で自信がない場合、ホスティングプロバイダーに相談しましょう。
多くのホスティングサービスは、SSL証明書のインストールと管理をサポートしています。
エラーを無視してアクセスすることのリスク
NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALIDエラーが表示された際、ブラウザには「詳細設定」や「このサイトに進む」といったオプションが表示されることがあります。
しかし、このオプションを使用してエラーを無視してアクセスすることは、以下のリスクがあります。
通信内容が暗号化されていない、または弱い暗号化しかされていない可能性があります。
パスワード、クレジットカード情報、個人情報などが第三者に盗まれる危険性があります。
フィッシングサイトやなりすましサイトの可能性があります。
マルウェアに感染するリスクがあります。
エラーを無視してアクセスするのは、以下の場合に限定すべきです。
開発環境やテスト環境で自己署名証明書を使用しているサイトにアクセスする場合。
社内ネットワークなど、完全に信頼できる環境でのみアクセスする場合。
Webサイト管理者から事前に証明書の問題について通知を受けている場合。
それ以外の場合、特にオンラインショッピングやオンラインバンキングなど、個人情報を入力するサイトでは、絶対にエラーを無視してアクセスしないでください。
よくある質問
Q1: NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALIDエラーは危険ですか?
はい、危険な場合があります。
このエラーは、ブラウザがWebサイトの安全性を確認できないことを意味します。
エラーを無視してアクセスすると、個人情報が盗まれたり、マルウェアに感染したりするリスクがあります。
ただし、自分が開発しているWebサイトや、社内の信頼できるネットワークでのみ発生している場合は、証明書の設定ミスが原因の可能性があります。
Q2: Let’s Encryptの証明書でもこのエラーが出ますか?
正しくインストールされていれば、Let’s Encryptの証明書でエラーが出ることはありません。
Let’s Encryptは、すべての主要なブラウザに信頼されている認証局です。
エラーが出る場合、以下の可能性があります。
- 証明書の有効期限が切れている(90日ごとに更新が必要)
- 中間証明書が正しくインストールされていない
- 自動更新が正しく機能していない
Q3: スマートフォンでもこのエラーは出ますか?
はい、スマートフォンのブラウザでも同じエラーが表示されます。
スマートフォンの場合、以下の追加の原因が考えられます。
- OSが古く、ルート証明書が更新されていない
- モバイルネットワークのプロキシ設定が干渉している
- セキュリティアプリが干渉している
スマートフォンのOSを最新版にアップデートすることをお勧めします。
Q4: このエラーが出るとSEOに影響しますか?
はい、大きな影響があります。
Googleは、HTTPS接続を使用しているWebサイトを検索ランキングで優遇しています。
SSL証明書のエラーがあると、以下の影響があります。
- Googleがサイトをクロールできなくなる可能性があります。
- 検索結果でのランキングが低下します。
- Chromeブラウザで「保護されていない通信」と表示され、訪問者が減少します。
- サイトの信頼性が低下し、コンバージョン率が下がります。
Webサイト管理者は、SSL証明書の問題を最優先で解決する必要があります。
Q5: 複数のデバイスでエラーが出る場合はどうすればいいですか?
複数のデバイスやブラウザで同じエラーが表示される場合、Webサイト側に問題がある可能性が高いです。
訪問者として:Webサイト管理者に連絡して、問題を報告しましょう。
緊急の場合を除き、エラーを無視してアクセスしないでください。
Webサイト管理者として:すぐにSSL証明書の状態を確認し、必要に応じて証明書を再インストールまたは更新してください。
まとめ
NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALIDエラーは、SSL証明書の信頼性に問題があることを示す重要な警告です。
訪問者としては、このエラーが表示された場合、まずブラウザのキャッシュクリア、日時設定の確認、ブラウザとOSのアップデートを試してください。
それでも解決しない場合は、Webサイト側に問題がある可能性が高いため、エラーを無視せずにWebサイト管理者に連絡しましょう。
Webサイト管理者としては、信頼された認証局から証明書を取得し、中間証明書を含めて正しくインストールすることが重要です。
Let’s Encryptなどの無料サービスを利用し、自動更新を設定することで、証明書の期限切れを防ぐことができます。
SSL証明書のエラーは、サイトの信頼性とSEOに大きな影響を与えるため、迅速な対応が必要です。
参考情報
この記事は、以下の情報源を参考にしています。
- Kinsta – NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALIDエラーの解決方法
- Kinsta – How to fix the NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALID error
- CyberTrust – ルート証明書が登録されていない場合のブラウザーエラー
- SSL.com – 中間証明書のインストール方法
- SiteGround – How to Fix the NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALID Error
- Hostinger – NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALID error: 10 easy solutions
- PhoenixNAP – How to Fix NET::ERR_CERT_AUTHORITY_INVALID

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