ホームページを作るとき、文字や背景に色をつけるとぐっと見やすくなります。でも、「どうやってHTMLで色を変えるの?」「#ってなんの数字?」と疑問に思ったことはありませんか?
この記事では、HTMLで色を指定する基本的な方法 をわかりやすく解説します。
これを読めば、文字や背景を自分好みの色に変えられるようになりますよ。
色指定の基本から実用的なテクニックまで、初心者の方でも安心して学べる内容をお届けします。
HTMLとCSSによる色指定の基本

HTMLとCSSの関係
ウェブページで色を指定するには、HTML(構造)とCSS(見た目)を組み合わせて使います。
HTML
- ウェブページの内容や構造を作る
- 文章、画像、リンクなどを配置
CSS
- ウェブページの見た目を整える
- 色、文字サイズ、レイアウトなどを指定
現在の標準的な方法
現在のウェブ制作では、CSSを使って色を指定する のが標準です。昔は <font>
タグなどHTMLタグで直接色を指定していましたが、現在は推奨されていません。
古い方法(非推奨)
<!-- この書き方は古く、使わない方が良い -->
<font color="red">赤い文字です</font>
現在の標準的な方法
<!-- CSSを使った現在の書き方 -->
<p style="color: red;">赤い文字です</p>
CSSを使った色指定の方法
style属性を使った直接指定
HTMLタグに直接 style
属性を使って色をつける方法です。
文字色の指定
<p style="color: blue;">青い文字です</p>
<h1 style="color: green;">緑色の見出し</h1>
<span style="color: red;">赤い部分だけ</span>
背景色の指定
<p style="background-color: yellow;">黄色い背景です</p>
<div style="background-color: lightblue;">水色の背景のボックス</div>
複数のスタイルを組み合わせ
<p style="color: white; background-color: black;">
白い文字に黒い背景
</p>
よく使用するCSS色プロパティ
プロパティ | 用途 | 例 |
---|---|---|
color | 文字の色 | color: red; |
background-color | 背景色 | background-color: blue; |
border-color | 枠線の色 | border-color: green; |
実際の使用例
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>色指定の例</title>
</head>
<body>
<h1 style="color: navy;">ウェブサイトのタイトル</h1>
<p style="color: darkgreen;">
この段落は濃い緑色で表示されます。
</p>
<div style="background-color: lightgray; color: black;">
このボックスは薄いグレーの背景に黒い文字です。
</div>
<a href="#" style="color: purple;">紫色のリンク</a>
</body>
</html>
色の指定方法の種類
色名(キーワード)指定
最も簡単で直感的な方法です。基本的な色は英語名で指定できます。
基本色の例
<p style="color: red;">赤(red)</p>
<p style="color: blue;">青(blue)</p>
<p style="color: green;">緑(green)</p>
<p style="color: black;">黒(black)</p>
<p style="color: white; background-color: black;">白(white)</p>
よく使う色名一覧
色名 | 日本語 | 用途 |
---|---|---|
red | 赤 | 警告、エラーメッセージ |
blue | 青 | リンク、信頼感 |
green | 緑 | 成功メッセージ、自然 |
yellow | 黄 | 注意、ハイライト |
purple | 紫 | プレミアム感 |
orange | オレンジ | 活力、暖かさ |
gray | グレー | 落ち着き、上品さ |
pink | ピンク | 可愛らしさ |
明度のバリエーション
<p style="color: lightblue;">薄い青(lightblue)</p>
<p style="color: darkblue;">濃い青(darkblue)</p>
<p style="color: lightgreen;">薄い緑(lightgreen)</p>
<p style="color: darkgreen;">濃い緑(darkgreen)</p>
16進数カラーコード指定
#
から始まる6桁のコードで、より精密な色指定ができます。
基本的な書き方
<p style="color: #ff0000;">赤い文字(#ff0000)</p>
<p style="color: #00ff00;">緑の文字(#00ff00)</p>
<p style="color: #0000ff;">青い文字(#0000ff)</p>
16進数コードの仕組み
16進数コードは #RRGGBB の形式で構成されています:
- RR:赤(Red)の強さ(00-FF)
- GG:緑(Green)の強さ(00-FF)
- BB:青(Blue)の強さ(00-FF)
実用的な色コード例
<p style="color: #333333;">濃いグレー(#333333)</p>
<p style="color: #666666;">中間グレー(#666666)</p>
<p style="color: #999999;">薄いグレー(#999999)</p>
<p style="color: #ff6b6b;">優しい赤(#ff6b6b)</p>
<p style="color: #4ecdc4;">ミントグリーン(#4ecdc4)</p>
<p style="color: #45b7d1;">スカイブルー(#45b7d1)</p>
短縮記法
同じ数字が2つ続く場合は3桁で短縮できます:
<p style="color: #f00;">#ff0000 と同じ(赤)</p>
<p style="color: #0f0;">#00ff00 と同じ(緑)</p>
<p style="color: #00f;">#0000ff と同じ(青)</p>
RGB指定
赤・緑・青の数値(0-255)で色を指定する方法です。
基本的な書き方
<p style="color: rgb(255, 0, 0);">赤い文字</p>
<p style="color: rgb(0, 255, 0);">緑の文字</p>
<p style="color: rgb(0, 0, 255);">青い文字</p>
RGB値の理解
- 0:その色成分なし
- 255:その色成分が最大
- 128:その色成分が中間
実用例
<p style="color: rgb(128, 128, 128);">中間グレー</p>
<p style="color: rgb(255, 192, 203);">薄いピンク</p>
<p style="color: rgb(255, 165, 0);">オレンジ</p>
<p style="color: rgb(75, 0, 130);">インディゴ</p>
RGBA指定(透明度付き)
RGBに透明度(アルファ値)を加えた指定方法です。
基本的な書き方
<p style="color: rgba(255, 0, 0, 1.0);">完全に不透明な赤</p>
<p style="color: rgba(255, 0, 0, 0.5);">半透明の赤</p>
<p style="color: rgba(255, 0, 0, 0.1);">薄い赤</p>
アルファ値(透明度)
- 1.0:完全に不透明
- 0.5:半透明
- 0.0:完全に透明
実用的な透明度の活用
<div style="background-color: rgba(0, 0, 0, 0.8); color: white; padding: 20px;">
濃い半透明の背景に白い文字
</div>
<div style="background-color: rgba(255, 255, 0, 0.3); padding: 10px;">
薄い黄色の背景(強調表示)
</div>
CSSファイルを使った管理方法

外部CSSファイルの作成
大きなサイトでは、CSSを別ファイルにまとめて管理するのが効率的です。
HTMLファイル(index.html)
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>色指定の例</title>
<link rel="stylesheet" href="style.css">
</head>
<body>
<h1 class="main-title">メインタイトル</h1>
<p class="highlight">強調したい文章</p>
<p class="normal-text">通常の文章</p>
</body>
</html>
CSSファイル(style.css)
.main-title {
color: #2c3e50;
background-color: #ecf0f1;
padding: 20px;
}
.highlight {
color: #e74c3c;
background-color: #fff3cd;
border-left: 4px solid #ffc107;
padding: 10px;
}
.normal-text {
color: #333333;
line-height: 1.6;
}
クラス指定の利点
外部CSSファイルを使うメリット:
- 再利用性:同じスタイルを複数の要素に適用
- 管理性:色の変更が一箇所で済む
- 保守性:HTMLとCSSの役割分担が明確
色選びのポイントと注意点
読みやすさ(アクセシビリティ)
コントラストの重要性
文字と背景のコントラスト(明暗差)を十分に確保することが重要です。
悪い例:読みにくい組み合わせ
<!-- 読みにくい例 -->
<p style="color: yellow; background-color: white;">
黄色の文字に白い背景は読みにくい
</p>
<p style="color: lightgray; background-color: white;">
薄いグレーの文字も読みにくい
</p>
良い例:読みやすい組み合わせ
<!-- 読みやすい例 -->
<p style="color: #333333; background-color: white;">
濃いグレーの文字に白い背景は読みやすい
</p>
<p style="color: white; background-color: #333333;">
白い文字に濃いグレーの背景も読みやすい
</p>
アクセシビリティガイドライン
WCAG(Web Content Accessibility Guidelines) では、以下のコントラスト比を推奨しています:
- 通常の文字:4.5:1 以上
- 大きな文字:3:1 以上
色の心理効果
色には心理的な効果があります。サイトの目的に応じて適切な色を選びましょう。
色 | 心理効果 | 適用場面 |
---|---|---|
赤 | 情熱、緊急性、注意 | 警告、セール、CTA |
青 | 信頼、安定、冷静 | 企業サイト、金融 |
緑 | 自然、成長、安心 | 環境、健康、成功 |
黄 | 明るさ、注意、活力 | 注意喚起、子供向け |
紫 | 高級感、神秘、創造 | ブランド、芸術 |
統一感のあるカラーパレット
基本的なカラーパレットの構成
- メインカラー:サイトの主要な色
- アクセントカラー:強調に使う色
- ベースカラー:背景や文字に使う色
実用的なカラーパレット例
/* モダンなブルー系パレット */
:root {
--main-color: #3498db; /* メインブルー */
--accent-color: #e74c3c; /* アクセントレッド */
--text-color: #2c3e50; /* テキスト用濃紺 */
--background-color: #ecf0f1; /* 背景用薄グレー */
--white: #ffffff; /* 純白 */
}
/* 温かみのあるオレンジ系パレット */
:root {
--main-color: #f39c12; /* メインオレンジ */
--accent-color: #27ae60; /* アクセントグリーン */
--text-color: #2c3e50; /* テキスト用濃紺 */
--background-color: #f8f9fa; /* 背景用オフホワイト */
--white: #ffffff; /* 純白 */
}
実用的な色指定のテクニック
ホバー効果(マウスを乗せたときの色変化)
<style>
.hover-button {
background-color: #3498db;
color: white;
padding: 10px 20px;
border: none;
cursor: pointer;
transition: background-color 0.3s;
}
.hover-button:hover {
background-color: #2980b9;
}
</style>
<button class="hover-button">マウスを乗せてみて</button>
グラデーション背景
<style>
.gradient-box {
background: linear-gradient(45deg, #ff6b6b, #4ecdc4);
color: white;
padding: 20px;
text-align: center;
}
</style>
<div class="gradient-box">
グラデーション背景のボックス
</div>
条件による色分け
<style>
.success { color: #27ae60; }
.warning { color: #f39c12; }
.error { color: #e74c3c; }
.info { color: #3498db; }
</style>
<p class="success">✓ 成功メッセージ</p>
<p class="warning">⚠ 警告メッセージ</p>
<p class="error">✗ エラーメッセージ</p>
<p class="info">ℹ 情報メッセージ</p>
デバッグとトラブルシューティング

よくある問題と解決法
色が表示されない
原因1:スペルミス
<!-- 間違い -->
<p style="color: bleu;">青い文字</p>
<!-- 正しい -->
<p style="color: blue;">青い文字</p>
原因2:カラーコードの記述ミス
<!-- 間違い -->
<p style="color: ff0000;">赤い文字</p>
<!-- 正しい -->
<p style="color: #ff0000;">赤い文字</p>
スタイルが効かない
原因:CSSの詳細度
<!-- より詳細度の高いスタイルが優先される -->
<style>
p { color: blue; }
.red-text { color: red; }
</style>
<p class="red-text">この文字は赤になる</p>
ブラウザの開発者ツールを活用
色の確認方法
- F12キー で開発者ツールを開く
- 要素を検査 で該当箇所を選択
- Computed タブで実際に適用されている色を確認
カラーピッカーの使用
多くのブラウザの開発者ツールには、カラーピッカー機能があります:
- CSSの色の値をクリック
- カラーピッカーが開く
- 直感的に色を調整可能
まとめ
HTMLで色を指定する方法について、基本から実践まで解説しました。重要なポイントをまとめると:
基本的な色指定方法
- style属性:
style="color: red;"
で直接指定 - 色名:
red
,blue
,green
など簡単で直感的 - 16進数:
#ff0000
で精密な色指定 - RGB/RGBA:
rgb(255, 0, 0)
で数値による調整
効率的な管理方法
- 外部CSS:大規模サイトでは別ファイルで管理
- クラス指定:再利用性と保守性を向上
- CSS変数:カラーパレットの統一管理
色選びのポイント
- アクセシビリティ:十分なコントラストで読みやすく
- 心理効果:サイトの目的に応じた色選び
- 統一感:一貫したカラーパレットで美しく
実用テクニック
- ホバー効果:ユーザビリティの向上
- グラデーション:視覚的な魅力アップ
- 条件による色分け:情報の分類と理解促進
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