「GitHubで見つけたプログラムを使いたいけど、どうやってダウンロードするの?」
「ZIPでダウンロードとgit cloneって何が違うの?」
「特定のバージョンだけダウンロードしたい」
「プライベートリポジトリにアクセスできない…」
こんな疑問を持っていませんか?
GitHubは世界最大のソースコード共有プラットフォーム。便利なツールやライブラリが無数に公開されていますが、初めての人にはダウンロード方法が分かりにくいですよね。
この記事では、GitHubからソースコードをダウンロードする全ての方法を、初心者でも分かるように丁寧に解説していきます。Gitを使ったことがない人でも大丈夫です!
方法1:ZIP形式でダウンロード(最も簡単!)

基本的なダウンロード手順
Gitをインストールしていなくても使える、最も簡単な方法です。
手順:
- ダウンロードしたいGitHubリポジトリのページを開く
- 緑色の「Code」ボタンをクリック
- 「Download ZIP」をクリック
- ZIPファイルがダウンロードされる
- ダウンロードしたZIPを解凍
例:
https://github.com/ユーザー名/リポジトリ名
↓
リポジトリ名-main.zip としてダウンロード
メリット・デメリット
メリット:
- ✅ Gitの知識不要
- ✅ すぐにダウンロードできる
- ✅ ブラウザだけでOK
デメリット:
- ❌ 更新を追跡できない
- ❌ Gitの履歴情報が含まれない
- ❌ ファイルサイズが大きくなることがある
方法2:git cloneコマンド(開発者向け)
Gitのインストール
まずGitをインストールする必要があります。
Windows:
- https://git-scm.com/ からダウンロード
- インストーラーを実行(基本的にデフォルト設定でOK)
Mac:
# Homebrewがある場合
brew install git
# または Xcodeコマンドラインツール
xcode-select --install
Linux:
# Ubuntu/Debian
sudo apt-get install git
# CentOS/RHEL
sudo yum install git
git cloneの基本
基本コマンド:
git clone https://github.com/ユーザー名/リポジトリ名.git
実例:
# 例:Reactをクローン
git clone https://github.com/facebook/react.git
# フォルダ名を指定してクローン
git clone https://github.com/facebook/react.git my-react
# 結果:カレントディレクトリに「react」フォルダが作成される
HTTPSとSSHの違い
HTTPS(推奨:初心者向け):
git clone https://github.com/user/repo.git
- パスワード認証(または個人アクセストークン)
- ファイアウォールを通りやすい
- 設定が簡単
SSH(上級者向け):
git clone git@github.com:user/repo.git
- SSH鍵の設定が必要
- 一度設定すれば認証不要
- より安全
方法3:GitHub CLIを使う
GitHub CLIのインストール
GitHubが提供する公式コマンドラインツールです。
Windows(Scoop使用):
scoop install gh
Mac:
brew install gh
Linux:
# Debian/Ubuntu
curl -fsSL https://cli.github.com/packages/githubcli-archive-keyring.gpg | sudo gpg --dearmor -o /usr/share/keyrings/githubcli-archive-keyring.gpg
echo "deb [arch=$(dpkg --print-architecture) signed-by=/usr/share/keyrings/githubcli-archive-keyring.gpg] https://cli.github.com/packages stable main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/github-cli.list > /dev/null
sudo apt update
sudo apt install gh
GitHub CLIでクローン
認証:
# 初回のみ認証が必要
gh auth login
クローン:
# リポジトリをクローン
gh repo clone ユーザー名/リポジトリ名
# フォークしてクローン
gh repo fork ユーザー名/リポジトリ名 --clone
特定のブランチ・タグをダウンロード
ブランチを指定してクローン
特定のブランチだけクローン:
# developブランチをクローン
git clone -b develop https://github.com/user/repo.git
# 浅いクローン(最新のコミットのみ)
git clone -b develop --depth 1 https://github.com/user/repo.git
タグ(バージョン)を指定
特定のバージョンを取得:
# クローン後にタグをチェックアウト
git clone https://github.com/user/repo.git
cd repo
git checkout tags/v1.0.0
リリースページからダウンロード
多くのプロジェクトはリリースページで安定版を配布しています。
手順:
- リポジトリページの「Releases」をクリック
- ダウンロードしたいバージョンを選択
- 「Source code (zip)」または「Source code (tar.gz)」をクリック
メリット:
- 安定版が手に入る
- ビルド済みバイナリがある場合も
- リリースノートが確認できる
単一ファイルのダウンロード
個別ファイルをダウンロード
ブラウザから:
- GitHubでファイルを開く
- 「Raw」ボタンをクリック
- 右クリック→「名前を付けて保存」
wgetコマンド:
# Rawボタンで表示されるURLを使用
wget https://raw.githubusercontent.com/user/repo/main/path/to/file.txt
curlコマンド:
curl -O https://raw.githubusercontent.com/user/repo/main/path/to/file.txt
複数ファイルを選択的にダウンロード
GitZip(Chrome拡張):
- Chrome Web Storeから「GitZip for github」をインストール
- GitHubでダウンロードしたいファイル/フォルダを右クリック
- 「Download」を選択
プライベートリポジトリのダウンロード
個人アクセストークンの作成
2021年8月以降、パスワード認証は廃止されました。
トークン作成手順:
- GitHub → Settings → Developer settings
- Personal access tokens → Tokens (classic)
- 「Generate new token」
- 必要な権限を選択(最低限「repo」)
- トークンをコピー(一度しか表示されない!)
トークンを使ったクローン
HTTPS認証:
# ユーザー名とトークンを使用
git clone https://ユーザー名:トークン@github.com/user/private-repo.git
# または、プロンプトで入力
git clone https://github.com/user/private-repo.git
Username: your_username
Password: your_token
SSH鍵の設定
SSH鍵の生成:
# 鍵の生成
ssh-keygen -t ed25519 -C "your_email@example.com"
# 公開鍵をクリップボードにコピー(Mac)
pbcopy < ~/.ssh/id_ed25519.pub
# 公開鍵をクリップボードにコピー(Windows)
clip < ~/.ssh/id_ed25519.pub
# 公開鍵をクリップボードにコピー(Linux)
xclip -selection clipboard < ~/.ssh/id_ed25519.pub
GitHubに登録:
- GitHub → Settings → SSH and GPG keys
- 「New SSH key」
- 公開鍵を貼り付けて保存
大容量リポジトリの効率的なダウンロード
浅いクローン(Shallow Clone)
履歴が不要な場合、最新版だけ取得できます。
# 最新のコミットのみ取得
git clone --depth 1 https://github.com/user/repo.git
# 特定のブランチの最新のみ
git clone --depth 1 -b branch-name https://github.com/user/repo.git
部分クローン(Sparse Checkout)
特定のディレクトリだけクローンする方法です。
# リポジトリを初期化
git clone --filter=blob:none --sparse https://github.com/user/repo.git
cd repo
# 必要なディレクトリを指定
git sparse-checkout set path/to/directory
よくあるトラブルと解決方法
「Permission denied」エラー
原因と対策:
- プライベートリポジトリ
- アクセス権限の確認
- 個人アクセストークンの設定
- SSH接続の問題
# SSH接続テスト
ssh -T git@github.com
「fatal: repository not found」
確認事項:
- URLのスペルミス
- リポジトリの存在確認
- プライベート/パブリックの確認
- 削除されていないか
ダウンロードが遅い
対策:
# 圧縮を使用
git config --global core.compression 9
# HTTPSの場合、バッファサイズを増やす
git config --global http.postBuffer 524288000
# 並列ダウンロード
git config --global fetch.parallel 0
GitHubデスクトップアプリの使用
GitHub Desktopのインストール
GUIでGitを操作できる公式アプリです。
ダウンロード:
https://desktop.github.com/
クローンの手順
- 「File」→「Clone Repository」
- URLタブでリポジトリURLを入力
- ローカルパスを選択
- 「Clone」をクリック
メリット:
- コマンド不要
- 視覚的で分かりやすい
- コミット履歴が見やすい
まとめ:用途に応じた最適な方法を選ぼう!
GitHubからソースコードをダウンロードする方法を解説しました。
方法選択ガイド:
単純に使いたいだけ:
→ ZIP形式でダウンロード
開発に参加したい:
→ git clone
最新版を追跡したい:
→ git clone + git pull
特定バージョンが欲しい:
→ Releasesページから
一部だけ欲しい:
→ Raw表示 or Sparse Checkout
初心者におすすめの流れ:
- まずZIPでダウンロードして試す
- 慣れたらGitをインストール
- git cloneを覚える
- 必要に応じて高度な機能を学ぶ
GitHubには素晴らしいプロジェクトがたくさんあります。この記事を参考に、必要なソースコードを効率的にダウンロードして、開発や学習に活用してください!
プログラミングの世界への第一歩、応援しています!
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