「さっきまで見れたサイトが急に見れなくなった…」 「サイトがリニューアルしたはずなのに古いデザインが表示される…」 「特定のサイトだけ接続が遅い…」
こんな経験ありませんか?
実は、これらの問題の多くはDNSキャッシュが原因なんです。DNSキャッシュをクリアするだけで、ネット接続の問題の7割は解決します!
この記事では、DNSキャッシュの仕組みから削除方法、トラブル解決まで、初心者にも分かりやすく完全解説します。
DNSキャッシュとは?基本を理解しよう

DNSキャッシュの意味と役割
DNSキャッシュとは:
- Domain Name System Cacheの略
- Webサイトの住所録を一時的に保存する仕組み
- IPアドレスとドメイン名の対応表
- パソコンやスマホ、ルーターに保存される
簡単に言うと:
DNSキャッシュ = インターネットの電話帳の控え
一度調べた電話番号(IPアドレス)をメモしておく機能
身近な例え:
初めて友達の家に行く時:
1. 住所を調べる(DNS問い合わせ)← 時間がかかる
2. 住所をメモする(DNSキャッシュに保存)
3. 次回からメモを見る(キャッシュから読み込み)← 速い!
DNSの仕組みをおさらい
Webサイトにアクセスする流れ:
- URLを入力
例:www.google.com
- DNSキャッシュを確認
- キャッシュにある → すぐ接続(高速)
- キャッシュにない → DNS問い合わせ
- DNS問い合わせ(キャッシュにない場合)
www.google.com → 142.250.196.110
- IPアドレスで接続
- サーバーに接続
- ページを表示
- キャッシュに保存
- 次回のために記録
DNSキャッシュのメリット・デメリット
メリット(なぜ必要?)
1. アクセス速度の向上
キャッシュなし:平均50〜200ms
キャッシュあり:1ms以下
→ 最大200倍高速!
2. インターネット通信量の削減
- DNS問い合わせが減る
- ネットワーク負荷軽減
- データ通信量の節約
3. DNSサーバーの負荷軽減
- 世界中のDNSサーバーへの問い合わせが減る
- インターネット全体の効率化
4. 一時的な障害への対策
- DNSサーバーがダウンしても
- キャッシュがあれば接続可能
デメリット(問題点)
1. 古い情報が残る
サイトがサーバー移転
→ 古いIPアドレスのキャッシュが残る
→ サイトが表示されない!
2. DNSキャッシュポイズニング
- 悪意のある偽情報が保存される
- フィッシングサイトに誘導される危険
3. プライバシーの問題
- アクセス履歴が残る
- 共有PCでは他人に見られる可能性
4. トラブルシューティングの障害
- 問題の原因特定が難しくなる
- 開発時に最新の変更が反映されない
DNSキャッシュが保存される場所
3段階のキャッシュ
レベル1:ブラウザキャッシュ
場所:Chrome、Firefox、Edge内部
保存期間:数分〜1時間
特徴:最も頻繁に更新
レベル2:OSキャッシュ
場所:Windows、Mac、Linux、iOS、Android
保存期間:数時間〜24時間
特徴:すべてのアプリで共有
レベル3:ルーターキャッシュ
場所:Wi-Fiルーター、モデム
保存期間:数時間〜数日
特徴:家族全員で共有
どこかに古いキャッシュが残っていると問題が起きます!
【実践】DNSキャッシュの削除方法
Windows 10/11での削除方法
方法1:コマンドプロンプト(推奨)
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
- Windows + X → Windows Terminal (管理者)
- コマンドを実行
ipconfig /flushdns
- 成功メッセージを確認
Windows IP 構成 DNS リゾルバー キャッシュは正常にフラッシュされました。
方法2:PowerShell
Clear-DnsClientCache
方法3:サービス再起動
net stop dnscache
net start dnscache
Macでの削除方法
ターミナルでコマンド実行:
macOS Monterey以降:
sudo dscacheutil -flushcache
sudo killall -HUP mDNSResponder
古いmacOS:
sudo killall -HUP mDNSResponder
パスワード入力が必要です。
スマートフォンでの削除方法
iPhone/iPad:
- 設定 → 一般 → 転送またはiPhoneをリセット
- リセット → ネットワーク設定をリセット
または:
- 機内モードをON
- 10秒待つ
- 機内モードをOFF
Android:
- 設定 → アプリ
- Chrome(または使用ブラウザ)
- ストレージ → キャッシュをクリア
または:
- 設定 → システム → 詳細設定
- リセット オプション
- Wi-Fi、モバイル、Bluetoothをリセット
ブラウザ別の削除方法
Google Chrome:
- アドレスバーに入力:
chrome://net-internals/#dns
- 「Clear host cache」をクリック
Firefox:
- アドレスバーに入力:
about:networking#dns
- 「Clear DNS Cache」をクリック
Microsoft Edge:
- アドレスバーに入力:
edge://net-internals/#dns
- 「Clear host cache」をクリック
Safari:
- 開発メニューを表示(環境設定で有効化)
- 開発 → キャッシュを空にする
ルーターのDNSキャッシュ削除
一般的な手順:
- ルーターの電源を切る
- 30秒待つ
- 電源を入れる
管理画面からの削除:
- ブラウザで192.168.1.1(または192.168.0.1)
- ログイン(admin/password等)
- システム設定 → 再起動
DNSキャッシュの確認方法

Windows でキャッシュ内容を表示
コマンド:
ipconfig /displaydns
表示される情報:
レコード名: www.google.com
レコードの種類: 1
有効期限: 3600
データの長さ: 4
セクション: 回答
A (ホスト) レコード: 142.250.196.110
特定のドメインを検索:
ipconfig /displaydns | findstr google
Mac/Linuxでの確認
キャッシュ統計の確認:
sudo killall -INFO mDNSResponder
ログを確認:
sudo log show --predicate 'process == "mDNSResponder"'
DNSキャッシュのトラブルシューティング
よくある問題と解決法
問題1:特定のサイトが表示されない
対処法:
- DNSキャッシュをクリア
- ブラウザキャッシュもクリア
- 別のDNSサーバーを使用
問題2:サイトの更新が反映されない
対処法:
- Ctrl + F5で強制更新
- DNSキャッシュをクリア
- ルーターも再起動
問題3:DNSエラーが頻発
対処法:
# DNSを Google Public DNS に変更
優先DNSサーバー:8.8.8.8
代替DNSサーバー:8.8.4.4
DNSキャッシュポイズニング対策
予防方法:
- 信頼できるDNSを使用
- Google Public DNS(8.8.8.8)
- Cloudflare DNS(1.1.1.1)
- OpenDNS(208.67.222.222)
- HTTPSを確認
- URLが https:// で始まることを確認
- 証明書エラーに注意
- 定期的にキャッシュクリア
- 週1回程度
- 怪しいサイトアクセス後
DNSキャッシュの最適化設定
TTL(Time To Live)の理解
TTLとは:
- キャッシュの有効期限
- 秒単位で設定
- 一般的に300〜86400秒
Windows でTTLを変更:
レジストリエディタで設定
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Dnscache\Parameters
MaxCacheTtl = 86400(24時間)
キャッシュサイズの調整
Windows:
MaxCacheEntryTtlLimit:最大TTL
MaxSOACacheEntryTtlLimit:SOAレコードのTTL
NegativeCacheTime:失敗のキャッシュ時間
よくある質問(FAQ)
Q:DNSキャッシュクリアは安全?
A: 完全に安全です。
一時的にサイトへの接続が遅くなる可能性がありますが、すぐに新しいキャッシュが作られます。データが失われることはありません。
Q:どのくらいの頻度でクリアすべき?
A: 通常は不要です。
問題が起きた時だけクリアすれば十分。定期的にクリアする必要はありません。ただし、開発者は頻繁にクリアします。
Q:クリア後にネットが遅くなった?
A: 一時的な現象です。
最初のアクセスは遅くなりますが、2回目以降は元の速度に戻ります。キャッシュが再構築されるためです。
Q:スマホでコマンドは使える?
A: 一部可能です。
Androidはターミナルアプリで可能。iOSは脱獄しないと難しいので、設定からのリセットを推奨。
Q:VPNを使うとどうなる?
A: VPNサーバーのDNSを使用します。
VPN接続中はVPNプロバイダーのDNSキャッシュが使われます。VPNを切った後はローカルキャッシュに戻ります。
まとめ:DNSキャッシュを理解してネット接続を快適に!
DNSキャッシュについて、理解できましたか?
DNSキャッシュの重要ポイント:
- 高速化のための仕組み
- サイトのIPアドレスを記憶
- 2回目以降のアクセスが高速
- でも古い情報が問題になることも
- トラブル時はクリアで解決
- サイトが表示されない
- 古いページが出る
- DNS関連のエラー
- 簡単なクリア方法
- Windows:
ipconfig /flushdns
- Mac:
sudo dscacheutil -flushcache
- ブラウザ:設定から削除
- Windows:
- 3段階のキャッシュ
- ブラウザ
- OS
- ルーター
- すべてクリアすると確実
最後のアドバイス:
「サイトがおかしい」と思ったら、まずDNSキャッシュクリアを試してみてください。驚くほど多くの問題がこれで解決します。
コマンド一つで解決できる簡単な対処法なので、ぜひ覚えておいてくださいね!
快適なインターネットライフを!🌐
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