ウェブサイトを開こうとしたら、突然「このサイトにアクセスできません」「DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN」というエラーメッセージが表示されて困っていませんか?
このエラーは、Google Chromeをはじめとするブラウザでよく見られるDNS関連のエラーで、ウェブサイトにアクセスできなくなってしまう問題です。でも安心してください。ほとんどの場合、簡単な操作で解決できるんです。
この記事では、DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAINエラーの原因から、Windows・Mac・スマートフォンそれぞれでの具体的な解決方法まで、わかりやすく丁寧に解説していきます。
DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAINエラーとは?

まずはこのエラーの基本を理解しておきましょう。
エラーの意味
DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAINは、以下のような意味を持つエラーメッセージです。
- DNS_PROBE: DNS(ドメインネームシステム)の調査
- FINISHED: 調査が完了した
- NXDOMAIN: Non-Existent Domain(存在しないドメイン)
つまり、「DNSがドメイン名を調査したけれど、そのドメインは存在しないという結果になった」ということを示しています。
DNSとは?
DNSは「インターネットの電話帳」とも呼ばれるシステムです。
私たちが「google.com」のようなドメイン名でウェブサイトにアクセスすると、DNSがそのドメイン名を「172.217.175.78」のようなIPアドレスに変換してくれます。
DNSがないと、すべてのウェブサイトに数字の羅列(IPアドレス)でアクセスしなければならず、とても不便なんです。
ブラウザごとの表示の違い
同じエラーでも、ブラウザによって表示が異なります。
Google Chrome:
「このサイトにアクセスできません」
「(URL)のサーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」
エラーコード: DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN
Mozilla Firefox:
「アクセスしようとしているサイトを見つけられません」
Microsoft Edge:
「申し訳ございません。このページに到達できません」
エラーコード: DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAIN
Safari:
「サーバが見つかりません」
エラーが発生する主な原因
このエラーが発生する原因はいくつかあります。
原因1: DNSキャッシュの問題
パソコンやブラウザには、一度アクセスしたウェブサイトのDNS情報がキャッシュ(一時保存)されます。
このキャッシュが古くなったり壊れたりすると、正しくアクセスできなくなることがあります。
原因2: DNSサーバーの問題
使用しているDNSサーバーがダウンしている、または設定が間違っている可能性があります。
通常、インターネットプロバイダー(ISP)が提供するDNSサーバーを使いますが、これに問題があるとエラーが発生します。
原因3: ネットワーク接続の問題
インターネット接続が不安定だったり、ルーターやモデムに問題があったりすると、DNSの名前解決が失敗することがあります。
原因4: ドメイン側の問題
- ドメインの登録が切れている
- ドメインが存在しない(URLの入力ミス)
- DNSレコードが正しく設定されていない
- ドメインに利用制限がかかっている
原因5: hostsファイルの設定
hostsファイルに特定のドメインがブロックされるよう記載されていると、アクセスできなくなります。
原因6: セキュリティソフトやVPNの干渉
ウイルス対策ソフト、ファイアウォール、VPNがDNSリクエストをブロックしている可能性があります。
Windowsでの解決方法
Windowsユーザー向けの解決策を順番に試してみましょう。
方法1: DNSキャッシュをクリアする
一番簡単で効果的な方法です。
手順:
- スタートメニューで「cmd」と検索する
- 「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す
ipconfig /flushdns
- 「DNSリゾルバーキャッシュは正常にフラッシュされました」と表示されたら成功
- ブラウザを再起動してウェブサイトにアクセスしてみる
方法2: IPアドレスを解放して更新する
DNSキャッシュのクリアで解決しない場合、IPアドレスを更新してみましょう。
手順:
- コマンドプロンプトを管理者として開く
- 以下のコマンドを順番に入力(各コマンドの後にEnterを押す)
ipconfig /release
ipconfig /renew
- パソコンを再起動する
- ブラウザでウェブサイトにアクセスしてみる
方法3: Winsockをリセットする
ネットワーク設定をリセットして問題を解決します。
手順:
- コマンドプロンプトを管理者として開く
- 以下のコマンドを順番に入力
netsh winsock reset
netsh int ip reset
- パソコンを再起動する
注意:
このコマンドを実行すると、ネットワーク設定が初期化されます。
方法4: DNSクライアントサービスを再起動する
DNSクライアントサービスに問題がある場合の対処法です。
手順:
- Windows + Rキーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「services.msc」と入力してOKをクリック
- サービスの一覧から「DNS Client」を見つける
- 「DNS Client」を右クリックして「再起動」を選択
別の方法(コマンドプロンプト):
net stop dnscache
net start dnscache
方法5: DNSサーバーを変更する
GoogleやCloudflareのパブリックDNSに変更してみましょう。
手順:
- コントロールパネルを開く
- 「ネットワークとインターネット」→「ネットワークと共有センター」をクリック
- 左側の「アダプターの設定の変更」をクリック
- 使用しているネットワーク接続を右クリックして「プロパティ」を選択
- 「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択して「プロパティ」をクリック
- 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択
- 以下を入力:
Google Public DNS:
- 優先DNSサーバー: 8.8.8.8
- 代替DNSサーバー: 8.8.4.4
Cloudflare DNS:
- 優先DNSサーバー: 1.1.1.1
- 代替DNSサーバー: 1.0.0.1
- 「OK」をクリックして設定を保存
- パソコンを再起動
方法6: hostsファイルを確認する
特定のサイトがブロックされていないか確認します。
手順:
- スタートメニューで「メモ帳」と検索
- 「メモ帳」を右クリックして「管理者として実行」を選択
- 「ファイル」→「開く」をクリック
- ファイルの種類を「すべてのファイル」に変更
- 以下のパスに移動
C:\Windows\System32\drivers\etc
- 「hosts」ファイルを開く
- 「::1 localhost」の行より下に、アクセスしたいサイトのドメインがあれば削除する
- ファイルを保存する
方法7: ブラウザのキャッシュをクリアする
Chromeブラウザのキャッシュが原因の場合があります。
Google Chrome:
- Chrome右上の3点メニューをクリック
- 「その他のツール」→「閲覧履歴を消去」を選択
- 期間を「全期間」に設定
- 「Cookieと他のサイトデータ」「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「データを削除」をクリック
Chrome専用のDNSキャッシュクリア:
- アドレスバーに以下を入力
chrome://net-internals/#dns
- 「Clear host cache」ボタンをクリック
Macでの解決方法

Mac OS向けの解決策です。
方法1: DNSキャッシュをクリアする
手順:
- 「ターミナル」アプリを開く(アプリケーション→ユーティリティ→ターミナル)
- 以下のコマンドを入力してReturnキーを押す
sudo dscacheutil -flushcache; sudo killall -HUP mDNSResponder
- パスワードを入力してReturnキーを押す
- ブラウザを再起動してアクセスしてみる
方法2: IPアドレスを更新する
手順:
- 画面左上のAppleメニューをクリック
- 「システム環境設定」(または「システム設定」)を選択
- 「ネットワーク」をクリック
- 現在使用している接続(Wi-Fiまたはイーサネット)を選択
- 「詳細」ボタンをクリック
- 「TCP/IP」タブを選択
- 「DHCPリースを更新」ボタンをクリック
- 「OK」をクリック
- Macを再起動
方法3: DNSサーバーを変更する
手順:
- 「システム環境設定」→「ネットワーク」を開く
- 使用している接続を選択して「詳細」をクリック
- 「DNS」タブを選択
- 「+」ボタンをクリックして以下を追加:
Google Public DNS:
- 8.8.8.8
- 8.8.4.4
Cloudflare DNS:
- 1.1.1.1
- 1.0.0.1
- 「OK」をクリック
- 「適用」をクリック
- Macを再起動
方法4: hostsファイルを確認する
手順:
- ターミナルを開く
- 以下のコマンドを入力
sudo nano /etc/hosts
- パスワードを入力
- アクセスしたいサイトが記載されていたら削除
- Ctrl + Xキーを押して終了
- Yキーを押して変更を保存
- Returnキーを押して確認
スマートフォン(Android・iPhone)での解決方法
スマホでこのエラーが出た場合の対処法です。
Android
方法1: デバイスを再起動する
最も簡単な方法です。電源ボタンを長押しして再起動しましょう。
方法2: Wi-Fi設定をリセットする
- 「設定」アプリを開く
- 「Wi-Fi」をタップ
- 接続しているWi-Fiネットワーク名を長押し
- 「ネットワークを削除」をタップ
- もう一度Wi-Fiに接続し直す
方法3: DNSを手動で設定する
- 「設定」→「Wi-Fi」を開く
- 接続中のネットワークをタップ
- 「詳細オプションを表示」にチェック
- 「IP設定」を「DHCP」から「静的」に変更
- DNS 1に「8.8.8.8」と入力
- DNS 2に「8.8.4.4」と入力
- 「保存」をタップ
- デバイスを再起動
方法4: ブラウザのキャッシュをクリア
- Chrome アプリを開く
- 右上の3点メニューをタップ
- 「履歴」→「閲覧履歴データの削除」を選択
- 「Cookieとサイトデータ」「キャッシュされた画像とファイル」を選択
- 「データを削除」をタップ
iPhone・iPad
方法1: デバイスを再起動する
サイドボタンと音量ボタンを長押しして、電源オフスライダーをドラッグします。
方法2: Wi-Fi設定をリセットする
- 「設定」アプリを開く
- 「Wi-Fi」をタップ
- 接続しているネットワークの(i)アイコンをタップ
- 「このネットワーク設定を削除」をタップ
- もう一度Wi-Fiに接続
方法3: DNSを変更する
- 「設定」→「Wi-Fi」を開く
- 接続中のネットワークの(i)アイコンをタップ
- 「DNSを構成」をタップ
- 「手動」を選択
- 既存のDNSサーバーを削除
- 「サーバーを追加」をタップして「8.8.8.8」を入力
- もう一度「サーバーを追加」をタップして「8.8.4.4」を入力
- 「保存」をタップ
- iPhoneを再起動
方法4: Safariのキャッシュをクリア
- 「設定」→「Safari」を開く
- 「履歴とWebサイトデータを消去」をタップ
- 確認画面で「履歴とデータを消去」をタップ
ルーターとモデムの再起動
どのデバイスでも有効な方法です。
手順:
- モデムとルーター両方の電源プラグを抜く
- 30秒から1分待つ
- まずモデムの電源を入れて1分待つ
- 次にルーターの電源を入れて2分待つ
- すべてのランプが正常に点灯したら、デバイスを接続
- ブラウザでウェブサイトにアクセスしてみる
その他の解決方法
上記の方法で解決しない場合に試してみてください。
VPNを無効にする
VPNを使用している場合、一時的に無効にしてみましょう。
Windows:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「VPN」
- 接続中のVPNを選択して「切断」
Mac:
- 「システム環境設定」→「ネットワーク」
- VPN接続を選択して「切断」
ウイルス対策ソフトを一時的に無効にする
ウイルス対策ソフトやファイアウォールがDNSリクエストをブロックしている可能性があります。
一時的に無効にして、エラーが解決するか確認してください。解決した場合は、ソフトの設定を見直しましょう。
注意: 無効にしている間はセキュリティリスクが高まるので、確認後はすぐに有効に戻してください。
プロキシ設定を確認する
Windows:
- Windows + Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「inetcpl.cpl」と入力してOK
- 「接続」タブ→「LANの設定」をクリック
- 「LANにプロキシサーバーを使用する」のチェックを外す
- 「設定を自動的に検出する」にチェックが入っているか確認
- OKをクリック
ブラウザを更新する
古いバージョンのブラウザが原因の場合があります。
最新版に更新してから試してみましょう。
ドメイン所有者・ウェブサイト管理者向けの対処法

自分が管理しているサイトでこのエラーが出る場合の確認事項です。
DNSレコードを確認する
- Aレコード(ドメインとIPアドレスの紐付け)が正しく設定されているか
- ネームサーバーが正しく設定されているか
- DNSの伝播が完了しているか(最大48時間かかることがある)
ドメインの有効期限を確認する
ドメインの更新を忘れていると、期限切れでアクセスできなくなります。
ドメイン管理画面で有効期限を確認しましょう。
利用制限がかかっていないか確認する
ムームードメインなどでは、「ドメイン情報認証」の未対応により利用制限がかかることがあります。
管理画面でメールを確認し、必要な手続きを完了させてください。
よくある質問
Q: 特定のサイトだけでエラーが出る場合は?
A: そのサイト側の問題(DNS設定ミス、ドメイン期限切れなど)の可能性が高いです。別のブラウザや別のデバイスでも同じエラーが出るか確認しましょう。他のユーザーも同じ問題を抱えているかもしれません。
Q: DNSキャッシュをクリアしても解決しない
A: DNSサーバーを変更してみてください。GoogleのパブリックDNS(8.8.8.8と8.8.4.4)やCloudflare(1.1.1.1と1.0.0.1)に変更すると解決することが多いです。
Q: 突然すべてのサイトにアクセスできなくなった
A: インターネット接続自体に問題がある可能性があります。モデムとルーターを再起動し、他のデバイスでもインターネットが使えるか確認してください。
Q: 会社や学校のネットワークでエラーが出る
A: ネットワーク管理者が特定のサイトへのアクセスを制限している可能性があります。IT部門に確認してください。
Q: URLは正しいのにエラーが出る
A: DNSの伝播待ちかもしれません。特に最近ドメインを取得した、またはDNS設定を変更した場合、世界中のDNSサーバーに情報が行き渡るまで最大48時間かかることがあります。
Q: どの方法を最初に試すべき?
A: まずはDNSキャッシュのクリアとブラウザの再起動を試してください。それでも解決しない場合、ルーターとモデムの再起動、DNSサーバーの変更の順で試すと効率的です。
Q: エラーが一時的に解決してもまた出てくる
A: DNSサーバーの設定を変更するか、ルーターのファームウェアを更新してみてください。頻繁に発生する場合は、インターネットプロバイダーに連絡して確認することをおすすめします。
まとめ
DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAINエラーの解決方法をまとめます。
最も効果的な解決方法トップ5:
- DNSキャッシュをクリアする – 最も簡単で効果的
- DNSサーバーを変更する – GoogleやCloudflareのパブリックDNSに変更
- ルーターとモデムを再起動する – ネットワーク機器をリフレッシュ
- IPアドレスを解放・更新する – ネットワーク設定をリセット
- ブラウザのキャッシュをクリアする – 古いキャッシュデータを削除
デバイス別の対処法:
Windows:
- コマンドプロンプトで「ipconfig /flushdns」を実行
- DNSクライアントサービスを再起動
- DNSサーバー設定を変更
Mac:
- ターミナルでDNSキャッシュをクリア
- DHCPリースを更新
- DNSサーバーをGoogleやCloudflareに変更
スマートフォン:
- デバイスを再起動
- Wi-Fi設定をリセット
- 手動でDNSを設定(8.8.8.8と8.8.4.4)
エラーの主な原因:
- DNSキャッシュが古い・壊れている
- DNSサーバーに問題がある
- ネットワーク接続が不安定
- ドメイン側の問題(期限切れ、設定ミスなど)
- セキュリティソフトやVPNの干渉
予防策:
- 定期的にDNSキャッシュをクリアする
- 信頼できるパブリックDNS(GoogleやCloudflare)を使用する
- ブラウザとOSを最新版に保つ
- ルーターのファームウェアを更新する
DNS_PROBE_FINISHED_NXDOMAINエラーは、見た目は難しそうですが、ほとんどの場合は簡単な操作で解決できます。
この記事で紹介した方法を上から順番に試していけば、きっと問題は解決するはずです。どうしても解決しない場合は、インターネットプロバイダーに連絡するか、ウェブサイトの管理者に問い合わせてみてくださいね。
快適なインターネットライフをお楽しみください!

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