「Internet ExplorerやEdgeで使っていた『インターネットオプション』が、Chromeでは見当たらない…」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
実は、「インターネットオプション」という名前の設定メニューは、Chrome には存在しません。これはInternet Explorer(IE)やEdge特有の呼び方なんです。でも心配は無用。Chromeにも同じような設定項目はちゃんとあります。
この記事では、IEの「インターネットオプション」に相当するChromeの設定がどこにあるのか、どうやって変更するのかを分かりやすく解説していきます。
IEやEdgeから移行した方も、これを読めばChromeの設定をスムーズに使いこなせますよ!
まず理解しておきたい基礎知識
設定に入る前に、基本的な違いを理解しておきましょう。
「インターネットオプション」とは
「インターネットオプション」は、Internet ExplorerとEdge(レガシー版)で使われていた設定画面の名称です。
Windowsのコントロールパネルから開くこともできて、以下のような項目を設定できました。
- ホームページの設定
- セキュリティレベル
- プライバシー設定
- 閲覧履歴の削除
- Cookie の管理
- プロキシ設定
Chromeには「インターネットオプション」がない理由
Chromeは、Windowsだけでなく、Mac、Linux、ChromeOSなど様々なOSで動作します。
そのため、Windows特有の「インターネットオプション」という概念ではなく、独自の設定画面を持っているんです。名前は異なりますが、機能はほぼ同じものが用意されています。
Chromeの設定画面の開き方
Chrome の設定は「設定(Settings)」という名前で統一されています。
開き方は3つ
- 右上の三点メニュー(︙)→「設定」
- アドレスバーに「chrome://settings/」と入力
- ショートカット:Alt + F → S(Windows)
どの方法でも同じ設定画面が開きますよ。
IEのインターネットオプションとChromeの対応表
IEの設定項目が、Chromeのどこにあるか一覧で確認しましょう。
全般タブの項目
ホームページ設定
- IEの場所:インターネットオプション → 全般 → ホームページ
- Chrome:設定 → 起動時 → 特定のページまたはページセットを開く
閲覧履歴の削除
- IEの場所:インターネットオプション → 全般 → 閲覧の履歴
- Chrome:設定 → プライバシーとセキュリティ → 閲覧履歴データの削除
検索エンジン
- IEの場所:インターネットオプション → 全般 → 検索
- Chrome:設定 → 検索エンジン → アドレスバーで使用する検索エンジン
タブの設定
- IEの場所:インターネットオプション → 全般 → タブ
- Chrome:設定に該当項目なし(動作は標準化されている)
セキュリティタブの項目
セキュリティレベル
- IEの場所:インターネットオプション → セキュリティ
- Chrome:設定 → プライバシーとセキュリティ → セキュリティ
信頼済みサイト
- IEの場所:インターネットオプション → セキュリティ → 信頼済みサイト
- Chrome:設定 → プライバシーとセキュリティ → サイトの設定
プライバシータブの項目
Cookie の設定
- IEの場所:インターネットオプション → プライバシー → 設定
- Chrome:設定 → プライバシーとセキュリティ → Cookie とサイトデータ
ポップアップブロック
- IEの場所:インターネットオプション → プライバシー → ポップアップブロック
- Chrome:設定 → プライバシーとセキュリティ → サイトの設定 → ポップアップとリダイレクト
コンテンツタブの項目
証明書
- IEの場所:インターネットオプション → コンテンツ → 証明書
- Chrome:設定 → プライバシーとセキュリティ → セキュリティ → 証明書の管理
オートコンプリート
- IEの場所:インターネットオプション → コンテンツ → オートコンプリート
- Chrome:設定 → 自動入力とパスワード
接続タブの項目
プロキシ設定
- IEの場所:インターネットオプション → 接続 → LAN の設定
- Chrome:設定 → システム → パソコンのプロキシ設定を開く
ダイヤルアップ設定
- IEの場所:インターネットオプション → 接続
- Chrome:該当なし(OS側で設定)
詳細設定タブの項目
各種詳細オプション
- IEの場所:インターネットオプション → 詳細設定
- Chrome:設定画面の各セクションに分散
設定のリセット
- IEの場所:インターネットオプション → 詳細設定 → リセット
- Chrome:設定 → 設定のリセット → 設定を元の既定値に戻す
Chrome設定画面の基本的な使い方
実際に Chrome の設定画面を見ていきましょう。
設定画面の構造
Chrome の設定は、左側にメニュー、右側に詳細設定という構造です。
主なカテゴリ
- あなたと Google:同期やアカウント設定
- 自動入力とパスワード:フォーム入力の自動化
- プライバシーとセキュリティ:最も重要な設定が集まっている
- デザイン:外観やテーマ
- 検索エンジン:デフォルトの検索エンジン設定
- 既定のブラウザ:Chromeをデフォルトにする
- 起動時:ブラウザ起動時の動作
- システム:プロキシやハードウェアアクセラレーション
検索機能を活用する
設定画面上部に検索ボックスがあります。
探したい設定のキーワード(「Cookie」「プロキシ」など)を入力すると、関連する設定項目がハイライトされます。これを使えば、目的の設定が素早く見つかりますよ。
重要な設定項目を詳しく解説
よく使う設定項目の詳細を見ていきましょう。
ホームページと起動時の設定
設定場所:設定 → 起動時
Chromeを開いたときに表示されるページを設定できます。
選択肢
- 新しいタブページを開く:Googleのロゴと検索ボックスが表示される標準画面
- 前回開いていたページを開く:前回の終了時に開いていたタブを復元
- 特定のページまたはページセットを開く:指定したURLを自動的に開く
おすすめ設定
毎日チェックするサイト(ニュース、メールなど)がある場合は、3番目の選択肢で設定すると便利です。
閲覧履歴データの削除
設定場所:設定 → プライバシーとセキュリティ → 閲覧履歴データの削除
IEの「閲覧の履歴の削除」に相当する機能です。
削除できるデータ
- 閲覧履歴:訪問したウェブサイトの記録
- Cookie とサイトデータ:ログイン状態やサイト設定
- キャッシュされた画像とファイル:表示高速化のための一時ファイル
- パスワードとその他のログイン データ
- 自動入力フォームのデータ
- サイトの設定
期間の選択
全期間、過去4週間、過去7日間、過去24時間、過去1時間から選べます。
定期的に(月1回程度)キャッシュをクリアすると、動作が軽快になりますよ。
Cookie とサイトデータの管理
設定場所:設定 → プライバシーとセキュリティ → Cookie とサイトデータ
主な設定項目
- Cookie をすべて許可する:すべてのサイトで Cookie を保存
- シークレットモードでサードパーティの Cookie をブロックする:推奨設定
- サードパーティの Cookie をブロックする:より厳格なプライバシー保護
- Cookie をすべてブロックする:ほとんどのサイトが正常に動作しなくなるので非推奨
サイト別の設定
「すべての Cookie とサイト データを表示」から、特定のサイトの Cookie を確認・削除できます。
セキュリティ設定
設定場所:設定 → プライバシーとセキュリティ → セキュリティ
セーフブラウジング
危険なサイトからユーザーを守る機能です。
- 保護強化機能:最も厳格な保護(推奨)
- 標準保護機能:バランスの取れた保護
- 保護機能なし:非推奨
通常は「標準保護機能」で十分ですが、セキュリティを最優先するなら「保護強化機能」を選びましょう。
証明書の管理
HTTPS通信で使われる証明書を管理できます。
「証明書の管理」をクリックすると、Windowsの証明書マネージャーが開きます。通常、ここを変更する必要はありませんが、企業のシステム管理者から指示があった場合に使います。
サイトの設定(権限管理)
設定場所:設定 → プライバシーとセキュリティ → サイトの設定
各ウェブサイトに許可する機能を細かく設定できます。
主な設定項目
- 位置情報:サイトが現在地を取得できるか
- カメラ:ビデオ通話などで使用
- マイク:音声通話や録音で使用
- 通知:サイトからの通知を許可するか
- ポップアップとリダイレクト:新しいウィンドウの表示制御
- 広告:煩わしい広告のブロック
- ダウンロード:ファイルの自動ダウンロード設定
必要最小限の権限だけ許可することで、プライバシーとセキュリティを守れます。
プロキシ設定の変更方法
企業や学校のネットワークで必要になることがある設定です。
Chrome からプロキシ設定を開く
手順
- 設定 → システム
- 「パソコンのプロキシ設定を開く」をクリック
これで、Windowsのプロキシ設定画面が開きます。
Windows のプロキシ設定
Windows 10/11 の場合
- 設定 → ネットワークとインターネット → プロキシ
- 「プロキシサーバーを使う」をオンに
- アドレスとポート番号を入力
注意点
通常、家庭のインターネット環境ではプロキシは不要です。
企業や学校から指示された場合のみ設定してください。間違った設定をすると、インターネットに接続できなくなります。
パスワードと自動入力の管理
IEのオートコンプリートに相当する機能です。
パスワードの保存と管理
設定場所:設定 → 自動入力とパスワード → Google パスワード マネージャー
保存されているパスワードの一覧が表示されます。
できること
- 保存されているパスワードの確認
- パスワードの編集や削除
- パスワードの強度チェック
- 漏洩したパスワードの警告
セキュリティのポイント
定期的に「パスワード チェックアップ」を実行しましょう。
脆弱なパスワードや、他のサイトで漏洩したパスワードを教えてくれます。
自動入力の設定
設定場所:設定 → 自動入力とパスワード
設定できる項目
- パスワード:ログイン情報の自動入力
- お支払い方法:クレジットカード情報
- 住所やその他の情報:名前、住所、電話番号など
頻繁に使う情報を登録しておくと、フォーム入力が楽になりますよ。
Windows の「インターネットオプション」との関係
ここまで Chrome の設定を見てきましたが、Windows には別に「インターネットオプション」が存在します。
Windows のインターネットオプションとは
コントロールパネルから開ける、システム全体のネットワーク設定です。
開き方
- コントロールパネル → ネットワークとインターネット
- 「インターネット オプション」をクリック
または、検索ボックスで「インターネットオプション」と入力。
Chrome は Windows のインターネットオプションを使う?
一部の設定は共有されますが、基本的には独立しています。
共有される設定
- プロキシ設定
- 証明書の一部
- システムのネットワーク設定
Chrome 独自の設定
- Cookie の管理
- 閲覧履歴
- パスワード
- セキュリティレベル
つまり、Chrome の動作を変更したい場合は、Chrome の設定画面から行う必要があるということですね。
IE/Edge から Chrome への移行
設定は自動的に引き継がれない
IEやEdgeの設定は、自動的にChromeに移行されません。
ブックマークやパスワードは、Chromeの「ブックマークと設定をインポート」機能で移行できますが、細かい設定は手動で行う必要があります。
インポート方法
- Chrome の設定 → あなたと Google
- 「ブックマークと設定をインポート」
- インポート元のブラウザを選択
- 移行する項目にチェックを入れて実行
よくあるトラブルと解決法
Chrome の設定でつまずきやすいポイントです。
設定が保存されない
原因:シークレットモードで操作している
シークレットモードでの変更は、ウィンドウを閉じると消えます。
通常のウィンドウで設定を変更してください。
ホームページが変わらない
原因:拡張機能が上書きしている
一部の拡張機能が、ホームページ設定を上書きすることがあります。
拡張機能を確認して、怪しいものは削除しましょう。
Cookie を削除してもログイン状態が保持される
原因:Google アカウントでログインしている
Chrome にログインしていると、同期によってデータが復元されます。
完全に削除したい場合は、同期をオフにしてから削除してください。
プロキシ設定が変更できない
原因:企業ポリシーで制限されている
会社のパソコンでは、管理者がプロキシ設定をロックしていることがあります。
「組織によって管理されています」と表示される場合、個人では変更できません。
設定のベストプラクティス
快適に使うためのおすすめ設定です。
セキュリティ重視の設定
最低限やっておきたいこと
- セーフブラウジング:標準保護機能を有効
- サードパーティ Cookie:ブロック
- 通知:必要最小限のサイトのみ許可
- ポップアップ:ブロック
プライバシー重視の設定
より厳格に保護したい場合
- セーフブラウジング:保護強化機能
- すべてのサードパーティ Cookie をブロック
- 「送信前にページをプリロード」をオフ
- 「検索とブラウジングを改善する」をオフ
ただし、一部のサイトが正常に動作しなくなる可能性もあります。
パフォーマンス重視の設定
Chrome を軽快に動かしたい場合
- メモリセーバー:オン
- ハードウェアアクセラレーション:オン(通常は推奨)
- 定期的にキャッシュをクリア
- 不要な拡張機能を削除
よくある質問
Q1. IE の「インターネットオプション」はどこ?
Chrome には「インターネットオプション」という名前のメニューはありません。
代わりに「設定」メニューから、同様の機能にアクセスできます。
Q2. Windows の「インターネットオプション」は使うべき?
Chrome を使う場合、基本的には Chrome の設定だけで十分です。
プロキシ設定など、一部の設定は Windows のインターネットオプションと連動しています。
Q3. IE から設定を移行できる?
ブックマークとパスワードは移行できますが、詳細な設定は手動で行う必要があります。
設定 → 「ブックマークと設定をインポート」から実行してください。
Q4. 設定を変更したら元に戻せない?
「設定のリセット」機能で、初期状態に戻せます。
設定 → 設定のリセット → 設定を元の既定値に戻す、を選択してください。
Q5. 会社のポリシーで設定が変更できない場合は?
「組織によって管理されています」と表示される場合、IT管理者に相談してください。
個人では変更できないよう制限されています。
まとめ:Chrome の設定を使いこなそう
IE の「インターネットオプション」と Chrome の設定について、重要なポイントをまとめます。
基本の理解
- 「インターネットオプション」はIE/Edge の用語
- Chrome には同名のメニューはない
- 機能は Chrome の「設定」にある
Chrome 設定の開き方
- 右上のメニュー → 設定
- アドレスバーに「chrome://settings/」
- ショートカット:Alt + F → S
主な設定項目の場所
- ホームページ:起動時
- 閲覧履歴削除:プライバシーとセキュリティ
- Cookie:プライバシーとセキュリティ
- セキュリティ:プライバシーとセキュリティ
- プロキシ:システム
おすすめの設定
- セーフブラウジング:標準保護機能
- サードパーティ Cookie:ブロック
- メモリセーバー:オン
- 定期的なキャッシュクリア
IE からの移行
- ブックマークはインポート可能
- 詳細設定は手動で再設定
- Chrome の設定は独立している
IE や Edge から Chrome に移行した方も、この記事を参考にすれば、Chrome の設定を迷わず使えるようになります。快適なブラウジングを楽しんでくださいね!
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