「この土地、30坪って書いてあるけど、何平方メートル?」
「1ヘクタールってどれくらい広いの?」
「畳で言うと何畳分?」
不動産の広告や土地の資料を見ていて、こんな疑問を持ったことはありませんか?
面積を表す単位はたくさんあって、しかも場面によって使い分けられています。平方メートル、坪、畳、アール、ヘクタール…どれも面積を表す単位ですが、パッと広さがイメージできないことも多いですよね。
この記事では、面積の単位について、基本から換算方法、実用的な使い分けまで、すべて詳しく解説します。
換算表も用意しているので、不動産探しや土地の購入、学校の勉強などに、ぜひ活用してください!
面積の単位、どれだけ知っていますか?

まず、日本でよく使われる面積の単位を整理しておきましょう。
国際単位系(SI単位)
世界中で使われている標準的な単位です。
平方メートル(㎡、m²)
- 正式名称:平方メートル
- 読み方:へいほうメートル
- 略称:平米(へいべい)
- 1辺が1メートルの正方形の面積
平方センチメートル(c㎡、cm²)
- 1辺が1センチメートルの正方形の面積
- 1㎡ = 10,000c㎡
平方キロメートル(k㎡、km²)
- 1辺が1キロメートルの正方形の面積
- 1k㎡ = 1,000,000㎡
アール(a)
- 100㎡
- 農地などの測定に使用
ヘクタール(ha)
- 10,000㎡
- 大規模な土地の測定に使用
- 1ha = 100a = 10,000㎡
日本の伝統的な単位
昭和41年まで正式に使われていた尺貫法による単位です。
坪(つぼ)
- 約3.30579㎡
- 不動産でよく使われる(ただし正式な契約書では使用不可)
- 1辺が6尺(約1.818m)の正方形
畳・帖(じょう)
- 約1.62〜1.82㎡(地域によって異なる)
- 部屋の広さを表すときに使用
- 1坪 = 約2畳
反(たん)
- 約991.74㎡
- 300坪
- 農地の面積表示に使用
町(ちょう)
- 約9,917.36㎡
- 3,000坪 = 10反
- 大規模な農地に使用
海外でよく使われる単位
エーカー(acre)
- 約4,046.86㎡
- アメリカ、イギリスで使用
- 1エーカー = 約1,224坪
平方フィート(sq ft、ft²)
- 約0.0929㎡
- 1フィート × 1フィート
- アメリカの不動産で使用
平方ヤード(sq yd、yd²)
- 約0.836㎡
- 1ヤード × 1ヤード
主要な単位の換算表
平方メートル(㎡)を基準にした換算表
| 単位 | 換算 |
|---|---|
| 1㎡ | = 0.3025坪 |
| 1㎡ | = 0.01a(アール) |
| 1㎡ | = 0.0001ha(ヘクタール) |
| 1㎡ | = 0.000001k㎡ |
| 1㎡ | = 10.7639平方フィート |
| 1㎡ | = 0.000247エーカー |
坪を基準にした換算表
| 坪 | ㎡ | 畳 |
|---|---|---|
| 1坪 | 3.31㎡ | 2畳 |
| 5坪 | 16.53㎡ | 10畳 |
| 10坪 | 33.06㎡ | 20畳 |
| 20坪 | 66.12㎡ | 40畳 |
| 30坪 | 99.17㎡ | 60畳 |
| 40坪 | 132.23㎡ | 80畳 |
| 50坪 | 165.29㎡ | 100畳 |
| 100坪 | 330.58㎡ | 200畳 |
㎡を基準にした換算表
| ㎡ | 坪 | 畳 |
|---|---|---|
| 10㎡ | 3.03坪 | 6.17畳 |
| 20㎡ | 6.05坪 | 12.35畳 |
| 30㎡ | 9.08坪 | 18.52畳 |
| 50㎡ | 15.13坪 | 30.86畳 |
| 70㎡ | 21.18坪 | 43.21畳 |
| 100㎡ | 30.25坪 | 61.73畳 |
| 150㎡ | 45.38坪 | 92.59畳 |
| 200㎡ | 60.50坪 | 123.46畳 |
大きな面積の換算表
| 単位 | 換算 |
|---|---|
| 1a(アール) | = 100㎡ = 30.25坪 |
| 1ha(ヘクタール) | = 10,000㎡ = 3,025坪 = 10a |
| 1反(たん) | = 約991.74㎡ = 300坪 = 約10a |
| 1町(ちょう) | = 約9,917.36㎡ = 3,000坪 = 10反 = 約1ha |
| 1エーカー | = 約4,046.86㎡ = 約1,224坪 = 約40.47a |
| 1k㎡ | = 1,000,000㎡ = 100ha |
面積単位の計算方法
換算表を見なくても、計算式を覚えておけば自分で計算できます。
㎡ ⇔ 坪 の換算
㎡から坪へ
坪数 = ㎡ × 0.3025
例:100㎡を坪に換算
100 × 0.3025 = 30.25坪
坪から㎡へ
㎡ = 坪数 × 3.30579
例:30坪を㎡に換算
30 × 3.30579 = 99.17㎡
簡易計算
より簡単に覚えたい場合:
- ㎡から坪:㎡ ÷ 3.3 = 坪
- 坪から㎡:坪 × 3.3 = ㎡
少し誤差が出ますが、おおよその目安には十分です。
㎡ ⇔ 畳 の換算
㎡から畳へ
畳数 = ㎡ ÷ 1.62
例:30㎡を畳に換算
30 ÷ 1.62 = 約18.5畳
畳から㎡へ
㎡ = 畳数 × 1.62
例:20畳を㎡に換算
20 × 1.62 = 32.4㎡
注意点
畳の大きさは地域によって異なります。上記は不動産業界で統一されている「1畳 = 1.62㎡以上」という基準です。
坪 ⇔ 畳 の換算
坪から畳へ
畳数 = 坪数 × 2
例:10坪を畳に換算
10 × 2 = 20畳
畳から坪へ
坪数 = 畳数 ÷ 2
例:30畳を坪に換算
30 ÷ 2 = 15坪
覚え方
「1坪 = 畳2枚分」と覚えれば簡単です!
㎡ ⇔ ヘクタール の換算
㎡からヘクタールへ
ha = ㎡ ÷ 10,000
例:50,000㎡をヘクタールに換算
50,000 ÷ 10,000 = 5ha
ヘクタールから㎡へ
㎡ = ha × 10,000
例:3haを㎡に換算
3 × 10,000 = 30,000㎡
ヘクタール ⇔ エーカー の換算
ヘクタールからエーカーへ
エーカー = ha × 2.471
例:10haをエーカーに換算
10 × 2.471 = 24.71エーカー
エーカーからヘクタールへ
ha = エーカー ÷ 2.471
例:5エーカーをヘクタールに換算
5 ÷ 2.471 = 約2.02ha
畳のサイズは地域で違う!

実は、畳の大きさは地域によって異なります。
主な畳のサイズ
江戸間(関東間)
- サイズ:880mm × 1,760mm
- 面積:約1.548㎡
- 使用地域:関東地方を中心に広く使用
京間(本間)
- サイズ:955mm × 1,910mm
- 面積:約1.824㎡
- 使用地域:関西地方
中京間
- サイズ:910mm × 1,820mm
- 面積:約1.656㎡
- 使用地域:中京地方、東北、北陸の一部
団地間(公団サイズ)
- サイズ:850mm × 1,700mm
- 面積:約1.445㎡
- 使用地域:集合住宅、アパート
不動産広告での統一ルール
地域差があると混乱するため、「不動産の表示に関する公正競争規約」で以下のように統一されています:
1畳 = 1.62㎡以上
この基準を使って、部屋の広さを畳数で表示しています。
「畳」と「帖」の違い
最近、「帖(じょう)」という表記を見かけることが増えました。
畳(たたみ)
- 和室を表すイメージ
- 畳が敷かれている部屋
帖(じょう)
- 洋室を表すイメージ
- フローリングなどの部屋
広さとしては同じ意味で、1畳 = 1帖です。
実際の広さをイメージしよう
数字だけではピンと来ない人のために、具体的な例を挙げます。
住宅の広さ
1K・1R(ワンルーム)マンション
- 約20〜25㎡
- 約6〜7.5坪
- 約12〜15畳
1LDK
- 約35〜50㎡
- 約10.5〜15坪
- 約21〜30畳
2LDK
- 約50〜70㎡
- 約15〜21坪
- 約30〜43畳
3LDK
- 約70〜90㎡
- 約21〜27坪
- 約43〜55畳
一戸建て(標準的な広さ)
- 約100〜120㎡
- 約30〜36坪
- 約61〜74畳
土地の広さ
駐車場1台分
- 約12.5〜15㎡
- 約3.8〜4.5坪
テニスコート1面
- 約260㎡
- 約78.7坪
- 約2.6a
サッカー場(フルサイズ)
- 約7,140㎡
- 約2,160坪
- 約0.714ha
東京ドーム
- 約46,755㎡
- 約14,144坪
- 約4.68ha
大規模な農地
- 数ヘクタール〜数十ヘクタール
- 1町(約1ha) = 約3,025坪
身近なもので例えると
1㎡
- 新聞紙を広げた大きさの約2倍
- 大人1人が両手を広げた程度
1坪(約3.3㎡)
- 畳2枚分
- 大の字に寝転がって余裕がある広さ
1畳(約1.62㎡)
- 大人1人が寝られる広さ
- シングルベッド1台分
10㎡
- 約6畳の部屋
- ワンルームの居室スペース
100㎡
- 約30坪
- 3LDKマンションの標準的な広さ
不動産でよく使われる単位
不動産の世界では、場面によって使う単位が異なります。
正式な書類
平方メートル(㎡)のみ使用
計量法により、以下の書類では必ず㎡を使用しなければなりません:
- 売買契約書
- 賃貸契約書
- 登記簿
- 建築確認申請書
広告・チラシ
坪と㎡を併記
実際の広告では、以下のように表示されます:
土地面積:165.29㎡(50坪)
建物面積:99.17㎡(30坪)
坪の方がイメージしやすい人が多いため、参考として併記されています。
部屋の広さ
畳(帖)を使用
リビング:16帖
洋室1:6帖
洋室2:6帖
日本人にとって、畳は最も馴染みのある単位です。
坪単価の計算方法
不動産を購入する際、「坪単価」が重要な指標になります。
坪単価とは?
1坪あたりの価格のことです。
計算方法
土地の坪単価
坪単価 = 土地価格 ÷ 土地面積(坪)
例:3,000万円、50坪の土地
3,000万円 ÷ 50坪 = 60万円/坪
建物の坪単価
坪単価 = 建築費 ÷ 延床面積(坪)
例:2,400万円、30坪の建物
2,400万円 ÷ 30坪 = 80万円/坪
㎡単価との換算
㎡単価を坪単価へ
坪単価 = ㎡単価 × 3.3
坪単価を㎡単価へ
㎡単価 = 坪単価 ÷ 3.3
活用例
同じエリアの物件を比較する際、坪単価を計算すると、どちらがお得かわかります。
物件A
- 価格:4,500万円
- 面積:150㎡(45.38坪)
- 坪単価:99.2万円/坪
物件B
- 価格:3,600万円
- 面積:120㎡(36.30坪)
- 坪単価:99.2万円/坪
この場合、坪単価は同じなので、必要な広さに応じて選べます。
農地でよく使われる単位
農地には、独特の単位が使われます。
反(たん)
1反 = 約991.74㎡ = 300坪 = 約10a
米作りの単位として古くから使用されています。
1反で収穫できる米
- 約480kg(8俵)
町(ちょう)
1町 = 10反 = 約9,917.36㎡ = 3,000坪 = 約1ha
大規模な農地に使用されます。
アール(a)
1a = 100㎡
農地の面積を表すのに便利な単位です。
ヘクタール(ha)
1ha = 100a = 10,000㎡
大規模農業や山林の測定に使用されます。
例:農地の価格表示
10aあたり200万円
= 1反あたり約200万円
= 1haあたり2,000万円
世界の面積単位
海外の不動産を見る場合に役立つ知識です。
アメリカ・イギリス
平方フィート(sq ft、ft²)
不動産でよく使用されます。
- 1平方フィート = 約0.0929㎡
- 1㎡ = 約10.76平方フィート
エーカー(acre)
土地の面積に使用されます。
- 1エーカー = 約4,046.86㎡ = 約1,224坪
例:アメリカの住宅広告
House: 2,000 sq ft (約185.8㎡、約56.2坪)
Lot: 0.25 acre (約1,011.7㎡、約306坪)
ヨーロッパ
多くの国で国際単位系を使用していますが、伝統的な単位も残っています。
アール(are)
- 1a = 100㎡
- フランス、ドイツなどで使用
ヘクタール(hectare)
- 1ha = 10,000㎡
- ヨーロッパ全域で使用
よくある質問
Q1: なぜ不動産の契約書には坪が使えないのですか?
A: 計量法により、商取引や証明には国際単位系(SI単位)を使うことが義務付けられているためです。坪は尺貫法の単位で、昭和41年以降、正式な書類では使用できません。ただし、広告などで参考として併記することは認められています。
Q2: 1坪は正確には何㎡ですか?
A: 正確には3.30579㎡です。ただし、無限に続く小数なので、実務では「約3.3㎡」として計算することが多いです。
Q3: 「畳」と「帖」は違うのですか?
A: 広さとしては同じです。1畳 = 1帖 = 1.62㎡以上と定められています。「畳」は和室、「帖」は洋室に使われることが多いという違いだけです。
Q4: 地域によって畳の大きさが違うのに、換算できるのですか?
A: 不動産業界では、「1畳 = 1.62㎡以上」という統一ルールがあるため、広告や資料では全国共通で換算できます。ただし、実際の畳のサイズは地域によって異なるので、古い和室などでは注意が必要です。
Q5: ヘクタールとエーカー、どちらが大きいですか?
A: ヘクタールの方が大きいです。1ヘクタール = 約2.47エーカーです。ヘクタールは国際単位、エーカーは主にアメリカやイギリスで使われる単位です。
Q6: 坪単価と㎡単価、どちらで比較すべきですか?
A: どちらでも構いませんが、公式な書類は㎡で表記されるため、㎡単価で比較する方が正確です。ただし、坪単価の方がイメージしやすいという人も多いので、自分が使いやすい方を選んでください。
Q7: 100㎡の土地に、どれくらいの家が建ちますか?
A: 建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)によります。建ぺい率60%なら、60㎡(約18坪)まで建築できます。ただし、これは建築面積(1階の面積)なので、2階建てなら延床面積は120㎡程度になります。
Q8: 1反の農地で、どれくらいの野菜が作れますか?
A: 作物によって大きく異なりますが、目安として:米なら約480kg(8俵)、キャベツなら約3,000個、トマトなら約5〜6トン程度です。ただし、栽培方法や品種によって変わります。
Q9: 「10a(アール)あたり◯◯円」という表示を見ますが、これは何ですか?
A: 農地の価格表示によく使われます。10a = 1,000㎡ = 約1反です。「1反あたり◯◯円」と同じ意味で、農地の単価を表しています。
Q10: 海外の不動産を見る時、どう換算すればいいですか?
A: まず、その国で使われている単位を確認してください。アメリカなら平方フィートとエーカー、ヨーロッパなら㎡とヘクタールが一般的です。換算計算機アプリを使うか、「1平方フィート = 約0.093㎡」「1エーカー = 約4,047㎡」を覚えておくと便利です。
まとめ: 面積の単位を使いこなそう
面積の単位換算について、詳しく解説してきました。
最後にもう一度、重要なポイントをまとめておきますね。
基本の換算式
- 1坪 = 約3.3㎡ = 約2畳
- 1㎡ = 約0.3坪 = 約0.62畳
- 1畳 = 約1.62㎡ = 約0.5坪
覚えやすい目安
- 10坪 = 約33㎡ = 約20畳
- 30坪 = 約100㎡ = 約60畳
- 1ha = 10,000㎡ = 約3,025坪
主要な単位
- 平方メートル(㎡):国際標準、正式書類で使用
- 坪:日本の伝統単位、イメージしやすい
- 畳:部屋の広さ、最も馴染みがある
- ヘクタール(ha):大規模な土地
- アール(a):農地
場面別の使い分け
- 正式な契約書:㎡のみ
- 不動産広告:㎡と坪を併記
- 部屋の広さ:畳(帖)
- 農地:反、町、a、ha
計算のコツ
- ㎡ → 坪:㎡ ÷ 3.3
- 坪 → ㎡:坪 × 3.3
- ㎡ → 畳:㎡ ÷ 1.62
- 坪 → 畳:坪 × 2
注意点
- 畳の大きさは地域で異なる(不動産広告では1.62㎡で統一)
- 正式な書類では坪は使用不可
- 海外では平方フィート、エーカーなど別の単位を使用
面積の単位を理解しておくと、不動産選びがスムーズになります。
土地や家を探す時、この記事を参考にして、自分に合った広さを見つけてくださいね!

コメント