天気予報で「雹が降る可能性があります」とか「霰が観測されました」って聞いたことありますよね。
どちらも空から氷の粒が降ってくる現象なんですが、「あれ、何が違うの?」って思ったことはありませんか?
実は気象庁では、雹と霰をはっきりと区別しています。この違いを知っておくと、空から降ってくる氷の粒を見たときに「これは雹だ!」「いや、これは霰かも」って判断できるようになるんです。
今回は、雹と霰の違いについて、形成過程や降る季節なども含めて詳しく説明していきます。
【基本】雹と霰の一番の違いは「大きさ」

結論から言うと、雹と霰の違いは「直径5mm」を基準にして決まります。
気象庁の定義では以下のようになっています。
- 雹(ひょう):直径5mm以上の氷の塊
- 霰(あられ):直径5mm未満の氷の粒
直径5mmというと、だいたい消しゴムの厚みくらいの大きさです。この基準を超えるかどうかで、気象学上の分類が変わるんですね。
ただし、大きさ以外にも硬さや見た目、降る季節など、いくつか違いがあるので詳しく見ていきましょう。
霰(あられ)とは?2種類の霰を知っておこう
霰は直径5mm未満の氷の粒のことを指します。
実は霰には「雪霰(ゆきあられ)」と「氷霰(こおりあられ)」という2つのタイプがあることをご存知でしたか?
雪霰(雪あられ)の特徴
雪霰は以下のような特徴があります。
- 白く不透明な氷の粒
- 直径は2~5mmくらい
- 地面に当たると弾んで割れることもある
- 踏むと簡単に潰れる
- 柔らかくてもろい
雪霰は、雪の結晶に雲の中の小さな水滴(雲粒)が次々とぶつかって凍りつくことでできます。中心には元の雪の結晶があって、それが雲粒で覆われた構造をしているんです。
隙間が多く含まれているため、比重が小さく柔らかいのが特徴なんですね。
氷霰(氷あられ)の特徴
氷霰は雪霰とは少し違います。
- 半透明な氷の粒
- 球状で、時々半円錐状のとがった部分がある
- 地面に当たると音を立てて弾む
- 踏んでも簡単には潰れない
- 硬くて丈夫
氷霰は雪霰よりも表面が滑らかで密度が高くなっています。雪霰が雹に成長する途中の状態と言えるかもしれません。
霰が降る季節と状況
霰は主に冬に降ることが多い現象です。
地表の気温が0℃前後のとき、驟雨性(しゅううせい)の降水として降ることが一般的。驟雨性とは、急に降り出して短時間で止む降水のことを指します。
積乱雲や発達した積雲から降ってくることが多く、冬の天気が不安定な日に見られやすいんですね。
俳句の世界でも、霰は冬の季語として扱われています。
雹(ひょう)とは?危険な被害をもたらすこともある氷の塊
雹は直径5mm以上の氷の塊のことです。
霰との最大の違いは、やはりそのサイズと硬さにあります。
雹の大きさと危険性
雹の大きさは本当にさまざまです。
- 小さなものは直径5mm程度
- 大きなものはゴルフボール大
- 極端な場合は野球ボールほどの大きさにもなる
過去に日本で記録された最大の雹は、なんと直径24~29cmもあったと言われています。カボチャほどの大きさですね!
大きな雹が降ると、以下のような被害(雹害)が発生することがあります。
- 農作物への被害
- ビニールハウスの破損
- 自動車のガラスやボディの損傷
- 建物の屋根や壁の損傷
小さな霰と違って、雹は本当に危険な気象現象なんです。
雹の形成過程
雹は積乱雲の中で形成されます。
氷の粒が積乱雲の内部で上昇と下降を繰り返すことで、どんどん大きく成長していくんですね。
雲の中には水蒸気や水滴がたくさんあります。氷の粒が上昇気流で持ち上げられて雲の上部まで運ばれると、そこで水滴が凍りついて氷の層が増えます。
重くなると下に落ちますが、また強い上昇気流で持ち上げられて水滴がぶつかり、さらに凍りつく。この繰り返しで、玉ねぎの層のように何層にも氷が重なった大きな雹ができるわけです。
ある程度の重さになって、上昇気流でも支えきれなくなると、地上に落下してきます。
雹が降る季節
意外かもしれませんが、雹は主に春から初夏(5月~7月頃)に降ることが多いんです。
「氷の塊なのに夏に降るの?」って思いますよね。でも、これには理由があります。
雹ができるには強い上昇気流を持つ発達した積乱雲が必要です。春から初夏にかけては地面が温められて大気が不安定になりやすく、強い積乱雲が発達しやすい条件が整うんですね。
逆に真夏は地上の気温が高すぎて、雹が地面に到達する前に溶けて雨になってしまうことが多いんです。
冬は積乱雲があまり発達しないため、雹ではなく霰になることが多くなります。
俳句の世界では、雹は夏の季語として扱われています。霰が冬の季語なのと対照的ですね。
霰と雹、実際の見分け方のポイント
実際に空から氷の粒が降ってきたとき、どうやって見分ければいいのでしょうか?
いくつかのチェックポイントがあります。
サイズで判断する
基本中の基本ですが、直径5mm以上なら雹、5mm未満なら霰です。
5mmは小さな豆粒くらいの大きさなので、手に取って確認してみるとわかりやすいでしょう。
硬さで判断する
手で押してみて、以下のように判断できます。
- 簡単に潰れる → 雪霰(霰の一種)
- 硬くて潰れにくい → 氷霰(霰の一種)または雹
- 非常に硬くて大きい → 雹
見た目で判断する
色や透明度も手がかりになります。
- 白く不透明 → 雪霰の可能性が高い
- 半透明 → 氷霰の可能性が高い
- 透明な氷の層が見える → 雹の可能性が高い
降っている季節で推測する
季節も判断材料になります。
- 冬に降っている → 霰の可能性が高い
- 春から初夏に降っている → 雹の可能性が高い
- 夏の激しい雷雨とともに降っている → 雹の可能性が高い
音で判断する
地面や屋根に当たったときの音も違います。
- カランコロンと軽い音 → 霰
- ゴツゴツとした重い音 → 雹
- ガンガンと激しい音 → 大きな雹(危険!)
みぞれ(霙)は雹や霰とどう違うの?
ついでに「みぞれ」についても触れておきましょう。
みぞれは雨と雪が混ざって同時に降る現象のことを指します。
雹や霰は「氷の粒」ですが、みぞれは「雪と雨」なので、そもそも分類が違うんですね。
気象庁では、みぞれが降った場合は「雪」として記録します。2016年1月に沖縄で雪が降ったとニュースになりましたが、実際にはみぞれだったそうです。
霰や雹は初雪の対象にはなりませんが、みぞれは雪として扱われるため、初雪の記録になるんですよ。
天気予報での表現について
気象庁の天気予報では、霰の扱いが少し特殊です。
- 雪霰は「雪」として予報される
- 氷霰は「雨」として予報される
ただし、実際に観測する際には「霰」として記録されます。
また、みぞれは予報するのが難しいため、天気予報では「雨か雪」「雪か雨」と表現されることが多いんですね。
まとめ:雹と霰の違いを理解して気象現象に詳しくなろう
雹と霰の違いについて、詳しく見てきました。
最後にもう一度、重要なポイントをおさらいしておきましょう。
大きさの違い
- 雹:直径5mm以上の氷の塊
- 霰:直径5mm未満の氷の粒(雪霰と氷霰の2種類がある)
降る季節の違い
- 雹:春から初夏(5月~7月)が多い
- 霰:冬が多い
危険度の違い
- 雹:大きなものは被害をもたらす危険な気象現象
- 霰:基本的には小さく、被害は少ない
形成過程の違い
- 雹:積乱雲の中で上昇・下降を繰り返して大きく成長する
- 霰:雪の結晶に雲粒が凍りついてできる
次に空から氷の粒が降ってきたら、ぜひ今回の知識を使って「これは雹かな?霰かな?」と観察してみてください。
ただし、大きな雹が降っているときは、屋外に出るのは危険です。建物の中で安全を確保してくださいね。
気象現象への理解が深まると、天気のニュースを見るのも一層楽しくなりますよ!


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