「Xperiaのタッチが時々反応しない気がする…」「中古のXperiaを買う前に動作確認したい」と思ったことはありませんか?
実は、Xperiaには隠しコマンドを入力するだけで、タッチパネルやカメラ、センサーなど36項目もの動作確認ができる「テストモード」が搭載されています。
この記事では、Xperiaのテストモード(サービスモード)の使い方を、初心者にも分かりやすく解説していきます。
Xperiaのテストモードって何?

テストモードとは、Xperiaに標準で搭載されているハードウェアの動作確認ツールです。別名「サービスモード」とも呼ばれます。
テストモードでできること
確認できる項目(全36項目):
- タッチスクリーンの反応
- 液晶ディスプレイの状態
- スピーカーの音質
- マイクの感度
- カメラの動作
- 各種センサー(加速度、ジャイロ、コンパス、近接センサーなど)
- バッテリーの状態
- GPS機能
- Wi-Fi、Bluetooth、NFCの動作
- ボタン類の反応
- LED通知ライト
本来はメーカーのサービスマンが修理時に使用する業務用ツールですが、隠しコマンドを使えば誰でもアクセスできます。
テストモードが役立つ場面
1. 中古スマホの購入前チェック
中古ショップで購入する前に、タッチ切れや各種センサーの不具合がないか確認できます。
2. 不具合の原因特定
「指紋センサーがうまく反応しない」「音が小さい気がする」といった症状が、本当に故障なのか確認できます。
3. 修理に出す前の診断
修理に出す前に、どの部分に問題があるのか特定できます。
4. バッテリーの劣化状態チェック
バッテリーの健康状態を確認して、交換時期を判断できます。
テストモードの入り方【隠しコマンド】
Xperiaのテストモードに入るのは驚くほど簡単です。
基本的な入り方
手順:
- 電話アプリ(ダイヤラー)を開く
- ホーム画面から電話アプリをタップ
- 隠しコマンドを入力
*#*#7378423#*#*
- 発信ボタンを押す必要はありません
- 最後の「*」を入力した瞬間に自動的に画面が切り替わります
- サービスメニューが表示される
- 黒い背景に英語のメニューが表示されます
重要なポイント:
- コマンドは全て半角で入力してください
- 発信ボタンは押さなくてOK(自動的に切り替わります)
- 機種によっては1〜2秒のタイムラグがあることもあります
コマンドの覚え方
数字の部分「7378423」は、キーボードの「SERVICE」に対応しています。
- 7 = S
- 3 = E
- 7 = R
- 8 = V
- 4 = I
- 2 = C
- 3 = E
つまり「##SERVICE##」と覚えると分かりやすいです!
テストモードのメニュー解説
サービスメニューが開いたら、2つのメニューが表示されます。
Service tests(サービステスト)
ハードウェアの各種テストができるメニューです。ここが最も使用頻度が高い項目です。
Service info(サービス情報)
端末の詳細情報を確認できるメニューです。バージョン情報やSIMカード情報などが見られます。
それでは、実際に使う「Service tests」の詳細を見ていきましょう。
Service testsの主要テスト項目【全36項目を解説】
「Service tests」をタップすると、36個のテスト項目が表示されます。全て英語表記なので、主要な項目を日本語で解説します。
タッチ・ディスプレイ関連
Touch Screen(タッチスクリーン)
タッチパネルの反応をテストします。最もよく使う項目です。
使い方:
- 「Touch Screen」をタップ
- 黒い画面が表示される
- 画面を指でなぞる
- なぞった部分に白い線が表示されます
判定方法:
- 白い線が途切れず表示される → 正常
- 白い線が途切れる、または表示されない部分がある → その部分がタッチ切れ
特にXperia Z3シリーズは、画面上部のタッチ切れが起きやすいことで知られています。中古で購入する際は必ずチェックしましょう。
Display(ディスプレイ)
液晶画面の表示をテストします。
使い方:
- 「Display」をタップ
- 赤、緑、青、白、黒の5色が順番に表示される
- 画面をタップすると次の色に切り替わります
判定方法:
- 色抜けや変色がない → 正常
- 一部だけ色が違う、ムラがある → 液晶の不具合
LED Illumination(LED通知ライト)
通知LEDライトの動作をテストします。
使い方:
- 「LED Illumination」をタップ
- 赤、緑、青のLEDが順番に点灯します
判定方法:
全ての色が点灯すれば正常です。
音声関連
Speaker(スピーカー)
メインスピーカーの音質をテストします。
使い方:
- 「Speaker」をタップ
- テスト音が再生されます
判定方法:
- 音が正常に鳴る → 正常
- 音が割れる、こもる、鳴らない → スピーカーの不具合
Stereo speaker Left / Right(ステレオスピーカー左右)
左右のステレオスピーカーを個別にテストします。
使い方:
「Stereo speaker Left」または「Stereo speaker Right」をタップすると、それぞれのスピーカーから音が出ます。
Earphone(イヤホン)
イヤホンジャックの動作をテストします。
使い方:
- イヤホンを接続
- 「Earphone」をタップ
- テスト音がイヤホンから再生されます
Microphone(マイク)
マイクの感度をテストします。
使い方:
- 「Microphone」をタップ
- マイクに向かって話す
- 録音された音声が再生されます
判定方法:
自分の声がクリアに聞こえれば正常です。
Secondary Microphone(セカンダリマイク)
ノイズキャンセル用のサブマイクをテストします。
カメラ関連
Camera(メインカメラ)
背面カメラの動作をテストします。
使い方:
- 「Camera」をタップ
- カメラが起動します
- 撮影ボタンで写真が撮れるか確認
Secondary Camera(フロントカメラ)
前面カメラの動作をテストします。
Flash LED(フラッシュライト)
カメラのフラッシュライト(LEDライト)をテストします。
使い方:
「Flash LED」をタップするとLEDが点灯します。
センサー関連
Accelerometer(加速度センサー)
端末の傾きを検知するセンサーをテストします。
使い方:
- 「Accelerometer」をタップ
- 画面に白いボールが表示される
- Xperiaを傾ける
判定方法:
傾けた方向に白いボールがすぐに転がれば正常です。
Gyroscope(ジャイロスコープ)
端末の回転を検知するセンサーをテストします。
使い方:
- 「Gyroscope」をタップ
- Xperiaを回転させる
- X、Y、Zの数値が変動するか確認
Compass(コンパス/磁気センサー)
方位を検知する磁気センサーをテストします。
使い方:
- 「Compass」をタップ
- Xperiaを八の字に動かす
判定方法:
Yaw(方位角)、Pitch(上下)、Roll(左右)の数値が変動すれば正常です。
Proximity switch(近接センサー)
通話中に顔が近づくと画面を消すセンサーをテストします。
使い方:
- 「Proximity switch」をタップ
- 画面上部のセンサー部分に手を近づける
判定方法:
- 手を近づけると画面が消える → 正常
- 画面が消えない → センサーの不具合
Ambient Light Sensor(環境光センサー)
周囲の明るさを検知して画面の輝度を自動調整するセンサーです。
使い方:
- 「Ambient Light Sensor」をタップ
- センサーに光を当てたり、暗くしたりする
判定方法:
Lux(照度)の数値が変化すれば正常です。
Magnetic Sensor(磁気センサー)
磁石に反応するセンサーをテストします。
使い方:
- 「Magnetic Sensor」をタップ
- Xperiaの裏面(下部中央付近)に磁石を近づける
判定方法:
磁石を近づけると画面が消え、離すと再び点灯すれば正常です。ただし反応は遅めなので、2秒ほど磁石をつけたままにしてください。
接続・通信関連
WLAN(Wi-Fi)
Wi-Fi機能をテストします。
使い方:
「WLAN」をタップするとWi-Fiのスキャンが開始され、周囲のWi-Fiネットワークが表示されます。
Bluetooth
Bluetooth機能をテストします。
NFC
おサイフケータイなどに使われるNFC機能をテストします。
GPS
位置情報の取得機能をテストします。
使い方:
- 「GPS」をタップ
- 衛星の捕捉状況が表示されます
判定方法:
複数の衛星を捕捉できれば正常です。
ボタン・その他
Keyboard & Switch(キーボードとスイッチ)
物理ボタンの動作をテストします。
使い方:
- 「Keyboard & Switch」をタップ
- 各ボタン(音量ボタン、電源ボタンなど)を押す
判定方法:
ボタンを押すと対応する項目の色が変わります。全てのボタンで色が変われば正常です。
Vibrator(バイブレーション)
バイブレーション機能をテストします。
使い方:
「Vibrator」をタップすると振動します。
FM Radio(FMラジオ)
FMラジオ機能をテストします(対応機種のみ)。
Battery(バッテリー)
バッテリーの状態をテストします。機種変更やバッテリー交換の判断に役立ちます。
使い方:
「Battery」をタップするとバッテリーの詳細情報が表示されます。
判定方法:
- 「Good, no need to replace it.」→ 状態は良好、交換不要
- それ以外のメッセージ → バッテリー劣化の可能性
SIM Card(SIMカード)
SIMカードの認識状態をテストします。
Storage Status(ストレージ状態)
内部ストレージとSDカードの状態を表示します。
よくある使用例【実践編】

テストモードの具体的な使い方を、シーン別に紹介します。
使用例1:タッチ切れを確認したい
症状:
画面の一部をタップしても反応しないことがある。
確認方法:
- テストモードを起動(##7378423##)
- 「Service tests」→「Touch Screen」をタップ
- 黒い画面を指で満遍なくなぞる
- 白い線が途切れる部分がタッチ切れの箇所
対処法:
- タッチ切れが確認された場合、画面交換が必要です
- 保護フィルムが原因の場合もあるので、一度剥がして再確認してみましょう
使用例2:バッテリーが劣化していないか確認したい
症状:
最近、バッテリーの減りが早い気がする。
確認方法:
- テストモードを起動
- 「Service tests」→「Battery」をタップ
- バッテリー状態のメッセージを確認
判定:
- 「Good, no need to replace it.」なら問題なし
- それ以外のメッセージが表示されたら、バッテリー交換を検討
使用例3:中古スマホの購入前チェック
中古ショップでXperiaを購入する前に、以下の項目をチェックしましょう。
最低限チェックすべき項目:
- Touch Screen – タッチ切れがないか
- Display – 液晶に色抜けやムラがないか
- Speaker – 音が正常に鳴るか
- Camera / Secondary Camera – カメラが映るか
- Battery – バッテリーの劣化状態
- Proximity switch – 近接センサーが反応するか(通話時に重要)
これらを確認するだけでも、購入後のトラブルをかなり減らせます。
使用例4:スピーカーから音が割れる
症状:
音楽を聴くとスピーカーから音が割れて聞こえる。
確認方法:
- テストモードを起動
- 「Service tests」→「Speaker」をタップ
- テスト音を聞いて、音割れがあるか確認
- 「Stereo speaker Left」「Stereo speaker Right」で左右個別にも確認
対処法:
テストモードでも音割れが確認された場合、スピーカーの故障の可能性が高いです。修理または交換が必要です。
テストモードを終了する方法
テストモードから抜けるのも簡単です。
終了方法:
- スマホの戻るボタン(画面下部の「◁」または「<」)をタップ
- サービスメニュー画面に戻る
- もう一度戻るボタンをタップ
- 通常の電話アプリ画面に戻ります
または、ホームボタンを押して通常画面に戻ってもOKです。
注意事項と知っておくべきこと
テストモードを使う前に、以下の点に注意してください。
1. 全て英語表記
テストモード内は全て英語で表示されます。分からない項目は、むやみにタップしないようにしましょう。
2. 改造や違法行為ではない
テストモードは端末に標準搭載されている機能です。使用しても:
- 保証は切れません
- 改造や不正利用には当たりません
- 端末が壊れることはありません
安心して使ってください。
3. 設定を変更できる項目もある
一部の項目では、設定を変更できるものもあります。よく分からない設定は変更しないようにしましょう。
4. テスト実行中はバッテリーを消費する
長時間のテストはバッテリーを消費します。必要な項目だけをチェックしましょう。
5. 機種によって項目が異なる
Xperiaのモデルによって、テスト項目の数や内容が若干異なる場合があります。
6. 新しい機種では使えない場合も
重要な変更点:
Xperia 1 VやXperia 5 Vなど、2023年以降の新しい機種では、この隠しコマンドが使えなくなっています。
新しい機種では、テスト機能が「Xperiaサポート」アプリに統合されています。
新しい機種での確認方法:
- 「Xperiaサポート」アプリを開く
- 「Xperiaのテスト」をタップ
- 診断したい機能を選択
ただし、Xperiaサポートアプリでは、従来のテストモードほど詳細な項目は確認できません。特にバッテリーの健康状態が確認できなくなったのは残念な点です。
他のAndroidスマホでもテストモードはある?
Xperia以外のAndroidスマホにも、同様のテストモードが搭載されていることがあります。
Galaxy(サムスン)の場合
コマンド:
*#0*#
このコマンドでテストモードに入れます。
一般的なAndroidの場合
コマンド:
*#*#4636#*#*
このコマンドで「Testing」メニューに入れる機種もあります。バッテリー情報や使用統計などが確認できます。
ただし、メーカーや機種によってコマンドが異なったり、使えなかったりするので、自分の機種の情報を調べてみてください。
よくある質問Q&A
Q1:テストモードを使うと保証が切れますか?
A: いいえ、切れません。
テストモードは端末に標準搭載されている機能なので、使用しても保証には影響しません。
Q2:コマンドを入力しても画面が変わりません
A: 以下を確認してください。
- 全て半角で入力しているか
- 数字やアスタリスク(*)の入力間違いがないか
- 新しい機種(2023年以降)の場合、この方法は使えません
- 機種によっては1〜2秒待つ必要があります
Q3:タッチスクリーンテストで白い線が出ません
A: タッチパネルに不具合がある可能性があります。
- 保護フィルムを一度剥がして再確認
- 再起動してもう一度テスト
- それでもダメなら、画面交換が必要かもしれません
Q4:バッテリーテストで「Good」以外が出ました
A: バッテリーが劣化している可能性があります。
バッテリー交換を検討しましょう。修理店やメーカーに相談してください。
Q5:テストモードから抜け出せなくなりました
A: 落ち着いて対処してください。
- 戻るボタンを数回押す
- ホームボタンを押す
- それでもダメなら、電源ボタン長押しで再起動
Q6:中古スマホ購入時、全項目チェックすべきですか?
A: 時間があれば全項目チェックするのが理想ですが、最低限以下の項目は確認しましょう。
- Touch Screen(タッチ切れ)
- Display(液晶の状態)
- Speaker(音の状態)
- Camera(カメラの動作)
- Battery(バッテリーの劣化)
これだけでも、主要な不具合は発見できます。
まとめ:テストモードで賢くXperiaを使おう
Xperiaのテストモードについて解説してきました。
要点のおさらい:
- テストモードは隠しコマンドで起動できる
- 電話アプリで ##7378423## を入力
- 全36項目のハードウェアテストが可能
- 特に便利な機能
- タッチ切れの確認(Touch Screen)
- バッテリー状態の確認(Battery)
- 液晶の色抜け確認(Display)
- 中古スマホ購入時に活用できる
- 購入前に動作確認ができる
- 不具合のある端末を避けられる
- 注意点
- 全て英語表記なので慎重に操作
- 新しい機種ではXperiaサポートアプリを使用
- 分からない設定は変更しない
テストモードは、Xperiaユーザーなら知っておいて損はない便利機能です。
「最近調子が悪い気がする」と思ったら、まずテストモードで確認してみましょう。本当に故障なのか、それとも気のせいなのかがはっきりします。
また、中古スマホを購入する際には、このテストモードが大活躍します。お店で試させてもらえる場合は、ぜひ活用してください。
Xperiaの隠しコマンド、ぜひ試してみてくださいね!

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