「XMLファイルをテキストに変換したい」
「テキストデータをXML形式にしたい」
データの扱い方が分からず、困っていませんか?
XMLファイルは、プログラミングやデータ処理でよく使われる形式ですが、そのままでは読みづらく、編集も大変です。一方、テキストファイル(TXT)なら、メモ帳などのシンプルなエディタで簡単に扱えます。
この記事では、XMLとテキストを相互に変換する方法を、初心者にも分かりやすく解説します。オンラインツール、プログラミング、エディタを使った方法まで、あらゆる手段を紹介します。
XMLファイルとは?基礎知識

まず、XMLについて基本を理解しておきましょう。
XMLとは
XML(eXtensible Markup Language)は、データを構造化して保存・転送するためのマークアップ言語です。
特徴:
- タグを使ってデータを階層的に整理できる
- 人間が読める形式
- 機械(プログラム)でも処理しやすい
- 様々な業界標準で使用されている(ISO 20022、HL7、ACORDなど)
XMLの構造例
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<bookstore>
<book category="programming">
<title>Python入門</title>
<author>山田太郎</author>
<year>2025</year>
<price>3500</price>
</book>
<book category="web">
<title>HTML&CSS完全ガイド</title>
<author>佐藤花子</author>
<year>2024</year>
<price>2800</price>
</book>
</bookstore>
このように、XMLはタグ(<bookstore>、<book>など)を使って、データを階層的に表現します。
XMLとテキストファイルの違い
| 項目 | XML | テキストファイル(TXT) |
|---|---|---|
| 構造 | タグで階層的に整理 | 単純な文字列 |
| 読みやすさ | タグがあるため少し読みにくい | そのまま読める |
| データ処理 | プログラムで処理しやすい | 処理には工夫が必要 |
| ファイルサイズ | タグがあるため大きい | 小さい |
| 用途 | データ交換、設定ファイル | メモ、ログ、シンプルな記録 |
XMLをテキストに変換する5つの方法
XMLファイルをテキストファイルに変換する方法を、5つ紹介します。
方法1:オンライン変換ツールを使う【最も簡単】
ソフトウェアをインストールせず、ブラウザだけで変換できます。
おすすめのオンラインツール
1. AnyConv(https://anyconv.com/ja/xml-to-txt-konbata/)
- 完全無料
- 登録不要
- 複数ファイルを一括変換可能
- すべてのブラウザで動作
2. FreeConvert(https://www.freeconvert.com/ja/xml-to-txt)
- 500以上の形式に対応
- 256ビットSSL暗号化で安全
- ファイルは数時間後に自動削除
3. Aspose(https://products.aspose.app/cells/ja/conversion/xml-to-txt)
- Windows、Mac、Android、iOS対応
- プラグイン不要
- Fortune 100企業に使用されているAPI
使い方(AnyConvの例)
手順:
- AnyConvのウェブサイトを開く
- 「ファイルを選択」をクリック、またはドラッグ&ドロップ
- XMLファイルをアップロード
- 「変換」ボタンをクリック
- 数秒で変換完了
- 「ダウンロード」をクリックしてTXTファイルを保存
メリット:
- ソフトウェア不要
- 操作が簡単
- すぐに使える
デメリット:
- インターネット接続が必要
- 大容量ファイルには不向き(通常100MB以下)
- セキュリティ面で機密データには不適
方法2:テキストエディタで開く
XMLファイルは、実はテキストエディタで直接開くことができます。
使えるテキストエディタ
Windows:
- メモ帳(標準搭載)
- Notepad++(無料)
- Visual Studio Code(無料)
Mac:
- テキストエディット(標準搭載)
- Sublime Text(無料版あり)
- Visual Studio Code(無料)
手順(Windowsのメモ帳の例)
- XMLファイルを右クリック
- 「プログラムから開く」→「メモ帳」を選択
- XMLの内容がテキストとして表示される
- 必要に応じて編集
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- ファイル名を「example.txt」のように変更
- 「保存」
メリット:
- ソフトウェアのインストール不要(標準アプリで可能)
- オフラインで使える
- 無料
デメリット:
- タグも含めてすべて表示される
- 大きなファイルは開くのに時間がかかる
方法3:Pythonプログラミングで変換
プログラミングができる方には、Pythonを使った方法がおすすめです。
Pythonで変換する基本コード
import xml.etree.ElementTree as ET
# XMLファイルを読み込む
tree = ET.parse('input.xml')
root = tree.getroot()
# XMLからテキストのみを抽出
text_content = ET.tostring(root, encoding='utf-8', method='text')
# テキストファイルに保存
with open('output.txt', 'wb') as f:
f.write(text_content)
print("変換完了!")
このコードの説明:
xml.etree.ElementTree:Pythonの標準ライブラリ(追加インストール不要)parse():XMLファイルを読み込むtostring():XMLをテキストに変換(method='text'でタグを除去)write():ファイルに書き込む
より高度な変換(CSVに変換)
import xml.etree.ElementTree as ET
import csv
# XMLファイルを読み込む
tree = ET.parse('books.xml')
root = tree.getroot()
# CSVファイルに書き込む
with open('output.csv', 'w', newline='', encoding='utf-8') as csvfile:
csvwriter = csv.writer(csvfile)
# ヘッダー行
csvwriter.writerow(['タイトル', '著者', '年', '価格'])
# 各book要素を処理
for book in root.findall('book'):
title = book.find('title').text
author = book.find('author').text
year = book.find('year').text
price = book.find('price').text
csvwriter.writerow([title, author, year, price])
print("CSV変換完了!")
メリット:
- 大量のファイルを一括処理できる
- 柔軟なカスタマイズが可能
- 自動化できる
デメリット:
- プログラミングの知識が必要
- 環境構築が必要
方法4:Excelを使う
XMLをExcelで開いて、テキストファイルとして保存する方法もあります。
手順:
- Excelを開く
- 「ファイル」→「開く」
- ファイルの種類を「すべてのファイル」に変更
- XMLファイルを選択
- 「XMLテーブルとして開く」を選択
- データが表形式で表示される
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- ファイルの種類を「テキスト(タブ区切り)」または「CSV」に変更
- 「保存」
メリット:
- Excelが使える人なら簡単
- データを表形式で確認できる
- 編集しやすい
デメリット:
- Excelが必要(有料)
- 複雑なXML構造には対応しづらい
方法5:専用ソフトウェアを使う
より高度な変換には、専用ソフトウェアが便利です。
おすすめソフトウェア
1. Altova MapForce
- XMLと他の形式を相互変換できる強力なツール
- ドラッグ&ドロップで変換ルールを作成
- 無料トライアルあり
2. PDFelement
- XMLをPDF、テキストなど様々な形式に変換
- OCR機能も搭載
3. T2X(テキスト⇒XML変換システム)
- 日本製のツール
- 正規表現を使った柔軟な変換
- 受注メールなどの実務に対応
テキストをXMLに変換する方法

逆に、テキストファイルをXML形式に変換する方法も紹介します。
方法1:オンラインツール
AnyConv(https://anyconv.com/ja/txt-to-xml-konbata/)
手順:
- ウェブサイトを開く
- TXTファイルをアップロード
- 出力形式で「XML」を選択
- 「変換」をクリック
- 変換されたXMLファイルをダウンロード
注意:
単純なテキストをXMLに変換する場合、構造化されたデータでないと意味のあるXMLにはなりません。
方法2:Pythonプログラミング
構造化されたテキストデータ(CSV、TSVなど)をXMLに変換できます。
CSVをXMLに変換する例
import csv
import xml.etree.ElementTree as ET
# ルート要素を作成
root = ET.Element('bookstore')
# CSVファイルを読み込む
with open('books.csv', 'r', encoding='utf-8') as csvfile:
csvreader = csv.DictReader(csvfile)
for row in csvreader:
# book要素を作成
book = ET.SubElement(root, 'book')
book.set('category', row['category'])
# 子要素を追加
title = ET.SubElement(book, 'title')
title.text = row['title']
author = ET.SubElement(book, 'author')
author.text = row['author']
year = ET.SubElement(book, 'year')
year.text = row['year']
price = ET.SubElement(book, 'price')
price.text = row['price']
# XML形式で整形
tree = ET.ElementTree(root)
ET.indent(tree, space=" ", level=0) # Python 3.9以降
# ファイルに保存
tree.write('output.xml', encoding='utf-8', xml_declaration=True)
print("XML変換完了!")
方法3:T2X(専用ツール)
日本のメイプルソフトが提供する「T2X」は、プレーンテキストをXMLに変換する専用システムです。
特徴:
- 正規表現を使った柔軟な項目指定
- 複雑な構造にも対応
- 受注メールなど実務的な用途に最適
使用例:
- 受注メールからデータ抽出
- HTMLからニュース記事を抽出
- 既存文書のXMLデータベース化
XMLをブラウザで確認する方法
XMLファイルをブラウザで開くと、見やすく表示できます。
手順:
- XMLファイルを右クリック
- 「プログラムから開く」→ブラウザ(Chrome、Firefox、Edgeなど)を選択
- XMLがツリー構造で表示される
メリット:
- 階層構造が見やすい
- タグの折りたたみ・展開ができる
- 検証エラーも表示される
実際の使用例
使用例1:Webサイトのサイトマップ
多くのWebサイトは、検索エンジン向けに「sitemap.xml」というファイルを公開しています。
変換する理由:
- URLのリストをテキストファイルで管理したい
- Excelで分析したい
手順:
- sitemap.xmlをダウンロード
- オンラインツールでCSVに変換
- Excelで開いて分析
使用例2:設定ファイルの編集
アプリケーションの設定ファイルは、XMLで保存されることが多いです。
変換する理由:
- 設定内容を簡単に確認したい
- バックアップを取りたい
手順:
- 設定ファイル(config.xmlなど)をテキストエディタで開く
- 必要な箇所を編集
- 保存
使用例3:データベースへのインポート
XMLデータをデータベース(MySQL、PostgreSQLなど)に取り込む場合。
変換する理由:
- データベースに取り込みやすいCSV形式にしたい
手順:
- PythonでXMLを読み込む
- CSVに変換
- データベースにインポート
よくある質問(Q&A)
Q1:XMLファイルをメモ帳で開くと文字化けします
A: 文字コードの問題です。XMLファイルの先頭にencoding="UTF-8"と書かれている場合、UTF-8対応のエディタ(Notepad++、Visual Studio Codeなど)を使ってください。
Q2:大きなXMLファイル(100MB以上)を変換したい
A: オンラインツールは容量制限があるため、Pythonプログラミングまたは専用ソフトウェアを使ってください。Pythonなら、大きなファイルでも処理できます。
Q3:XMLのタグを除いて、データだけを抽出したい
A: PythonのElementTree.tostring()でmethod='text'を指定すれば、タグを除外できます。
text_only = ET.tostring(root, encoding='utf-8', method='text')
Q4:変換したテキストファイルが文字化けしている
A: 文字コードの問題です。保存時に「UTF-8」を指定してください。Pythonの場合:
with open('output.txt', 'w', encoding='utf-8') as f:
f.write(text_content)
Q5:XMLをExcelに変換できますか?
A: はい、できます。Excelで直接XMLを開くか、オンラインツール、Pythonで変換できます。
Q6:XMLの一部だけをテキストに変換したい
A: Pythonで特定の要素だけを抽出できます。
# 特定の要素だけを抽出
for book in root.findall('book'):
title = book.find('title').text
print(title)
Q7:セキュリティ面で気をつけることはありますか?
A: オンラインツールを使う場合、機密情報を含むXMLファイルはアップロードしないでください。社内の重要データは、オフラインのツール(Python、専用ソフト)を使いましょう。
Q8:無料で使えるツールはどれですか?
A: 以下が無料で使えます:
- オンラインツール(AnyConv、FreeConvert)
- テキストエディタ(メモ帳、Notepad++、VS Code)
- Python(完全無料)
まとめ:目的に応じて最適な方法を選ぼう
XMLとテキストの変換方法について、重要なポイントをまとめます。
XML→テキスト変換の方法まとめ
| 方法 | 難易度 | おすすめ度 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| オンラインツール | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | すぐに変換したい初心者 |
| テキストエディタ | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | 内容を確認したい人 |
| Python | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | 大量処理が必要な人 |
| Excel | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | 表形式で見たい人 |
| 専用ソフト | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 高度な変換が必要な人 |
おすすめの方法
初心者・今すぐ変換したい:
→ オンラインツール(AnyConv、FreeConvert)
ちょっと確認したいだけ:
→ テキストエディタ(メモ帳、VS Code)
大量のファイルを処理:
→ Pythonプログラミング
データ分析したい:
→ ExcelまたはCSVに変換
業務で定期的に使う:
→ 専用ソフトウェア(Altova MapForce、T2Xなど)
重要なポイント
✓ XMLとは
- データを階層的に整理するマークアップ言語
- タグを使って構造化されている
- 人間にも機械にも読みやすい
✓ 変換する理由
- XMLはタグがあるため読みづらい
- テキストファイルなら簡単に編集できる
- データベースやExcelで扱いやすくなる
✓ 選び方
- 1回だけ:オンラインツール
- プログラミングができる:Python
- 定期的に使う:専用ソフトウェア
✓ 注意点
- 機密情報はオンラインツールを避ける
- 文字コードはUTF-8を推奨
- 大容量ファイルはPythonか専用ソフト
XMLとテキストの変換は、適切なツールを選べば簡単にできます。この記事を参考に、あなたの目的に合った方法を試してみてください!

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