「このレポート、800文字で提出してね」
「原稿用紙3枚分でお願いします」
「自己PR文は400文字以内で」
——こうした依頼、学生やビジネスパーソンなら一度は経験したことがあるはずです。
Microsoft Wordを使っていると、見た目では文字数を把握しづらく、「あと何文字書けばいいの?」「制限を超えてしまった!」と困ることがありますよね。
実は、Wordには文字数を正確にカウントしたり、制限を設定したりする便利な機能がたくさんあるんです。
この記事では、Wordで文字数を自動的にカウントする方法や、原稿用紙のような文字数・行数の設定方法を、初心者にもわかりやすく詳しく説明します。
Wordで文字数を確認する基本操作

方法1:ステータスバーで確認(一番簡単)
手順
- Wordで文書を開く
- 画面の一番下(ステータスバー)を確認
- 「〇〇文字」という表示を探す
- この数字をクリックすると詳細が表示される
詳細情報の内容
- ページ数
- 文字数(スペースを含む)
- 文字数(スペースを含まない)
- 段落数
- 行数
ステータスバーに文字数が表示されない場合
- ステータスバーを右クリック
- 「文字数」にチェックを入れる
- 文字数が表示されるようになる
方法2:メニューから詳細確認
手順
- 「校閲」タブをクリック
- 「文字カウント」をクリック
- 詳細な文字数情報が表示される
ショートカットキー
- Ctrl + Shift + G:文字数ダイアログを開く
方法3:選択した部分の文字数確認
手順
- 文字数を知りたい部分をマウスでドラッグして選択
- ステータスバーに「〇〇/△△文字」と表示される
- 〇〇:選択部分の文字数
- △△:文書全体の文字数
活用例
- 段落ごとの文字数バランスチェック
- 特定のセクションが長すぎないか確認
- 引用部分の文字数確認
文字数カウントの設定
スペースの扱い
- スペースを含む:通常はこちらを使用
- スペースを含まない:純粋な文字だけのカウント
日本語と英語の違い
- 日本語:全角文字1文字 = 1文字
- 英語:半角文字1文字 = 1文字
- 数字・記号:全角は1文字、半角は1文字
文字数・行数を指定する設定方法

設定の基本
設定を使うと、1行あたりの文字数と1ページあたりの行数を正確に指定できます。
これにより、視覚的にも文字数を把握しやすくなります。
設定手順(詳細版)
ステップ1:ページ設定を開く
- 「レイアウト」タブをクリック
- 「ページ設定」グループの右下にある小さな矢印(ダイアログボックス起動ツール)をクリック
- ページ設定ダイアログが開く
ステップ2:文字数と行数を設定
- 「文字数と行数」タブをクリック
- 「文字数と行数を指定する」を選択
- 以下の項目を設定:
- 文字数:1行あたりの文字数(例:20文字)
- 行数:1ページあたりの行数(例:20行)
- 「OK」ボタンをクリック
実用的な設定例
一般的なレポート設定
文字数:40文字
行数:36行
= 1ページあたり1,440文字
原稿用紙風設定
文字数:20文字
行数:20行
= 1ページあたり400文字
大学レポート標準設定
文字数:42文字
行数:37行
= 1ページあたり約1,550文字
コンパクト設定(短い文書用)
文字数:30文字
行数:25行
= 1ページあたり750文字
目的別の文字数計算
800文字のレポート
- 20文字 × 40行 = 800文字
- または25文字 × 32行 = 800文字
1200文字の小論文
- 30文字 × 40行 = 1200文字
- または40文字 × 30行 = 1200文字
400文字の自己PR
- 20文字 × 20行 = 400文字
- または25文字 × 16行 = 400文字
詳細設定とカスタマイズ
フォントとサイズの調整
読みやすいフォント設定
- フォント:MS明朝、游明朝、Times New Roman
- サイズ:10.5pt~12pt
- 行間:1.15~1.5倍
文字数に影響する要素
- フォントサイズを大きくすると、1行に入る文字数が減る
- 行間を広くすると、1ページの行数が減る
- 余白を狭くすると、文字数・行数を増やせる
グリッド線の表示
グリッド線を表示する方法
- 「レイアウト」タブ→「配置」グループ
- 「グリッドの設定」をクリック
- 「文字グリッド線を表示する」にチェック
- 「行グリッド線を表示する」にチェック
メリット
- 原稿用紙のような見た目になる
- 文字の配置を正確に把握できる
- 行数を数えやすくなる
段落設定の最適化
インデント設定
- 段落の最初を1文字下げる(全角スペース1個分)
- 箇条書きの段下げ調整
よくある問題と解決方法

問題1:文字数が正確にカウントされない
原因と解決法
- 書式設定の影響:見出しスタイルやフォント設定を確認
- 特殊文字:記号や絵文字が正しくカウントされない場合がある
- 表やテキストボックス:これらの文字は別途カウントが必要
対処法
- プレーンテキストにいったん変換してカウント
- 「選択範囲の文字数」機能を活用
- オンラインの文字数カウントツールと比較
問題2:設定が反映されない
よくある原因
- 文書にすでに文字が入力されている
- テンプレートの設定が優先されている
- 段落書式が個別に設定されている
解決手順
- 新規文書で設定を試す
- 「すべて選択」(Ctrl + A)してから設定変更
- スタイルをリセットしてから再設定
問題3:印刷時に文字数がずれる
原因
- 画面表示と印刷の文字サイズが異なる
- プリンターの設定による文字間隔の変化
- 用紙サイズと文書サイズの不一致
対処法
- 印刷プレビューで事前確認
- PDF化してから印刷
- プリンター設定で「実際のサイズ」を指定
問題4:複数人での共同編集時の文字数管理
課題
- 編集者によって文字数の認識が異なる
- リアルタイム編集での文字数把握困難
解決策
- 編集前に文字数管理のルールを決める
- 定期的に文字数チェックの時間を設ける
- 最終的に一人が文字数調整を担当
効率化のためのテクニック
ショートカットキーの活用
文字数関連の必須ショートカット
- Ctrl + Shift + G:文字数表示
- Ctrl + A:全選択
- Ctrl + Z:元に戻す
- Ctrl + Y:やり直し
- F7:スペルチェック
テンプレートの作成
よく使う設定をテンプレート化
- 理想的な文字数・行数設定を作成
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- ファイルの種類で「Word テンプレート」を選択
- 次回から「個人用テンプレート」として利用
マクロによる自動化(上級者向け)
自動文字数調整マクロ 特定の文字数に自動調整するマクロを作成できます(Visual Basic for Applications を使用)。
まとめ
Microsoft Wordの文字数設定は、文書作成の質と効率を大幅に向上させる重要な機能です。
正確な文字数管理により、読み手に配慮した適切な長さの文書を作成できます。
この記事で覚えておきたいポイント
- 基本操作:ステータスバー確認(〇〇文字をクリック)
- 設定方法:レイアウト→ページ設定→文字数と行数指定
- 文字数調整:内容の充実と簡潔性のバランス
- 活用場面:レポート、ビジネス文書、就活書類など多様
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