Wordで論文やレポートを作成中、図や表に番号を付けようとしたら「エラー! 指定したスタイルは使われていません。」というメッセージが表示されて困った経験はありませんか?
このエラーは、Microsoft Wordで図表番号を挿入するときに発生する代表的なトラブルで、特に「章番号を含める」設定をしているときによく起こります。
卒論や報告書の締め切り前にこのエラーが出ると、本当に焦ってしまいますよね。図表番号が正しく表示されないと、文書全体の体裁が崩れてしまい、読みにくくなってしまいます。
実は、このエラーには明確な原因があり、適切な対処法を知っていれば簡単に解決できます。
今回は、このエラーが発生する原因と、実際に効果があった6つの対処法について詳しく解説していきます。
エラー「指定したスタイルは使われていません」とは?

エラーの正式表記
このエラーは以下のように表示されます。
日本語
エラー! 指定したスタイルは使われていません。
または
図 エラー! 指定したスタイルは使われていません。-1
表 エラー! 指定したスタイルは使われていません。-1
英語
Error! No text of specified style in document.
エラーの意味
このエラーメッセージは、「Wordが図表番号を作成するために必要な見出しスタイルが文書内に見つかりません」という意味です。
簡単に言うと
Wordは図表番号に章番号を含める場合、文書内の見出し(第1章、第2章など)を参照して番号を付けます。しかし、その見出しに正しいスタイルが適用されていないため、Wordが見出しを見つけられず、エラーが表示されます。
どんな時に発生するか
このエラーは、主に以下のような状況で発生します。
発生する主なケース
- 図表番号を挿入しようとしたとき
- 既存の図表番号を更新したとき
- 文書を印刷またはPDF化したとき
- 図表番号に「章番号を含める」設定をしているとき
典型的な症状
- 図表番号が「図 エラー!-1」のように表示される
- 表番号が「表 エラー!-2」のように表示される
- 図表番号が0-1、0-2のように表示される
- 章番号の部分だけが正しく表示されない
影響を受けるWordバージョン
このエラーは、以下のWordバージョンで発生します。
- Word 2007
- Word 2010
- Word 2013
- Word 2016
- Word 2019
- Word 2021
- Microsoft 365(Word)
エラーが発生する主な原因
1. 見出しスタイルが適用されていない
最も多い原因が、章タイトルに見出しスタイルが適用されていないことです。
問題のある例
文書に「第1章 はじめに」と書いてあるが、この文字列に「見出し1」スタイルが適用されておらず、単なる普通の文字として入力されている状態です。
Wordの動作
Wordは図表番号に章番号を含める場合、文書内の「見出し1」「見出し2」などのスタイルが適用された段落を探します。見出しスタイルが見つからないと、章番号を取得できずエラーが表示されます。
2. アウトライン番号が設定されていない
見出しスタイルは適用されているが、アウトライン番号(自動的に番号を振る機能)が設定されていない場合もエラーが発生します。
アウトライン番号とは?
アウトライン番号は、見出しに自動的に「1.」「2.」「1.1」「1.2」のような番号を付ける機能です。
問題のある設定
- 見出しスタイルは適用されているが、番号が手動で入力されている
- アウトライン番号が見出しスタイルと関連付けられていない
3. カスタムスタイルを使用している
Wordの標準の「見出し1」「見出し2」ではなく、独自に作成したカスタムスタイル(例:「会社見出し1」)を使用している場合、図表番号機能では認識されません。
Wordの制限
図表番号の「章番号を含める」機能は、Wordの組み込み見出しスタイル(Heading 1〜Heading 9)でしか動作しません。カスタムスタイルは選択肢に表示されません。
4. 見出しレベルと設定の不一致
図表番号の設定で「見出し1」を指定しているのに、実際の文書では「見出し2」を使っている場合など、レベルが一致していないとエラーが発生します。
具体例
- 設定:「章番号は見出し1から取得」
- 実際:文書内で使っているのは「見出し2」
- 結果:Wordが「見出し1」を探すが見つからず、エラーになる
5. フィールドコードの破損
図表番号はフィールドコード(Wordが自動的に挿入する特殊なコード)で管理されています。このフィールドコードが破損すると、エラーが表示されます。
フィールドコードとは?
Alt + F9キーを押すと表示される、{ }で囲まれた特殊なコードです。
例:{ STYLEREF 1 \s }-{ SEQ Figure \* ARABIC \s 1 }
6. 章番号を含める設定が有効になっている
文書内に見出しスタイルを使う予定がないのに、図表番号の設定で「章番号を含める」が有効になっている場合もエラーが発生します。
エラーの対処法
【対処法1】見出しスタイルを適用する
最も基本的で効果的な方法は、章タイトルに正しい見出しスタイルを適用することです。
手順
ステップ1:章タイトルを選択
- 文書内の章タイトル(例:「第1章 はじめに」「第2章 研究方法」など)を選択します
- 段落全体を選択することが重要です(行の先頭から末尾まで)
ステップ2:見出しスタイルを適用
- 「ホーム」タブをクリックします
- 「スタイル」グループにある見出しスタイル(見出し1、見出し2など)をクリックします
- 通常、章レベルには「見出し1」を使います
どのレベルを使うべきか?
- 第1章、第2章などの章タイトル → 見出し1
- 1.1、1.2などの節タイトル → 見出し2
- 1.1.1、1.1.2などの項タイトル → 見出し3
ステップ3:すべての章に適用
文書内のすべての章タイトルに、同じ手順で見出しスタイルを適用します。
確認方法
適用後、章タイトルの書式(フォント、サイズ、色など)が変わります。これが見出しスタイルが正しく適用された証拠です。
【対処法2】アウトライン番号を設定する
見出しスタイルを適用したら、次にアウトライン番号を設定します。
手順
ステップ1:見出しにカーソルを置く
- 文書内の任意の見出し(見出し1が適用されている部分)にカーソルを置きます
ステップ2:アウトラインメニューを開く
- 「ホーム」タブをクリックします
- 「段落」グループにある「アウトライン」ボタン(階層リストのアイコン)をクリックします
- 下向き矢印(▼)をクリックしてメニューを展開します
ステップ3:リストライブラリから選択
- 表示されたリストライブラリから、「見出し1」「見出し2」「見出し3」という文字が含まれているリストを選択します
- 通常は「1 見出し1」「1.1 見出し2」「1.1.1 見出し3」のような形式のものを選びます
重要なポイント
「見出し」という文字が含まれていないリストを選ぶと、図表番号が正しく動作しません。必ず「見出し」という文字が含まれているものを選んでください。
ステップ4:確認
アウトライン番号を設定すると、見出しの前に自動的に番号(1、2、3…)が表示されます。
【対処法3】章番号を含める設定を確認・変更する
図表番号の設定を見直します。
方法1:章番号を含める設定を無効化する(簡単)
章番号が不要な場合は、この設定を無効にするだけで解決します。
手順
- 図または表を選択します
- 「参考資料」タブをクリックします
- 「図表番号の挿入」をクリックします
- 「番号付け」ボタンをクリックします
- 「章番号を含める」のチェックを外します
- 「OK」を2回クリックします
結果
図表番号が「図1」「図2」のように、章番号なしで表示されるようになります。
方法2:正しい見出しレベルを選択する
章番号を含めたい場合は、正しい見出しレベルを選択します。
手順
- 図または表を選択します
- 「参考資料」タブ→「図表番号の挿入」をクリックします
- 「番号付け」ボタンをクリックします
- 「章番号を含める」にチェックが入っていることを確認します
- 「章タイトルのスタイル」で、実際に文書内で使っている見出しスタイルを選択します
- 文書内で「見出し1」を使っているなら「見出し1」を選択
- 文書内で「見出し2」を使っているなら「見出し2」を選択
- 「OK」を2回クリックします
【対処法4】フィールドコードを更新する
既存の図表番号のフィールドコードを更新して、エラーを解消します。
手順
方法1:個別に更新
- エラーが表示されている図表番号を右クリックします
- 「フィールドの更新」を選択します
- エラーが解消されているか確認します
方法2:文書全体を更新
- Ctrl + A キーを押して、文書全体を選択します
- F9 キーを押します
- すべてのフィールド(図表番号、ページ番号など)が更新されます
注意点
フィールドを更新する前に、必ず見出しスタイルとアウトライン番号が正しく設定されていることを確認してください。設定が間違っていると、更新してもエラーが残ります。
【対処法5】フィールドコードを手動で修正する(上級者向け)
カスタムスタイルを使っている場合など、標準的な方法で解決できない場合は、フィールドコードを直接編集します。
手順
ステップ1:フィールドコードを表示
- Alt + F9 キーを押します
- 図表番号が以下のようなコードに変わります:
{ STYLEREF 1 \s }-{ SEQ Figure \* ARABIC \s 1 }
ステップ2:STYLEREFの部分を確認
{ STYLEREF 1 \s } の部分に注目します。
- 「1」は「見出し1」を意味します
- 「2」なら「見出し2」を意味します
ステップ3:数字を変更
使用している見出しレベルに合わせて数字を変更します。
例:文書内で「見出し2」を使っている場合
{ STYLEREF 2 \s }-{ SEQ Figure \* ARABIC \s 1 }
ステップ4:フィールドコードを非表示に戻す
- 再度 Alt + F9 キーを押します
- 図表番号が通常の表示に戻ります
ステップ5:フィールドを更新
- 図表番号を右クリックします
- 「フィールドの更新」を選択します
【対処法6】図表番号を再挿入する
上記の方法でも解決しない場合、図表番号を削除して再挿入します。
手順
ステップ1:準備
まず、対処法1と2を実行して、見出しスタイルとアウトライン番号が正しく設定されていることを確認します。
ステップ2:既存の図表番号を削除
- エラーが表示されている図表番号を選択します
- Delete キーを押して削除します
ステップ3:新しい図表番号を挿入
- 図または表を選択します
- 「参考資料」タブをクリックします
- 「図表番号の挿入」をクリックします
- 「番号付け」ボタンをクリックします
- 「章番号を含める」にチェックを入れます
- 「章タイトルのスタイル」で正しい見出しレベル(見出し1など)を選択します
- 「OK」を2回クリックします
ステップ4:確認
図表番号が「図1-1」「表2-3」のように正しく表示されるか確認します。
エラーが解決しない場合のチェックポイント

見出しスタイルの確認
本当に見出しスタイルが適用されているか、もう一度確認しましょう。
確認方法
- 章タイトルにカーソルを置きます
- 「ホーム」タブの「スタイル」グループを見ます
- 「見出し1」など、見出しスタイルが強調表示されているか確認します
よくある間違い
- 見出しスタイルではなく、フォントサイズや太字などの書式だけを変更している
- 見出しスタイルを適用したつもりが、実際には適用されていない
アウトライン番号の確認
アウトライン番号が見出しスタイルに正しく関連付けられているか確認します。
確認方法
- 見出しにカーソルを置きます
- 「ホーム」タブ→「アウトライン」の下向き矢印をクリックします
- 現在選択されているリストに「見出し1」「見出し2」という文字が含まれているか確認します
文書の構造を確認
ナビゲーションウィンドウで文書の構造を確認します。
手順
- 「表示」タブをクリックします
- 「ナビゲーションウィンドウ」にチェックを入れます
- 左側に文書の見出し構造が表示されます
- すべての章タイトルが表示されているか確認します
見出しが表示されない場合
見出しスタイルが正しく適用されていない可能性があります。対処法1を再度実行してください。
別の見出しレベルを試す
「見出し1」で解決しない場合、「見出し2」を試してみます。
理由
文書によっては、アウトラインのレベル設定が標準と異なる場合があります。
新しい文書で試す
どうしても解決しない場合、新しい文書で同じ操作をして、問題を切り分けます。
手順
- 新しいWord文書を作成します
- 簡単な見出しと図を挿入します
- 見出しスタイルとアウトライン番号を設定します
- 図表番号を挿入します
- 正常に動作するか確認します
新しい文書で動作する場合
元の文書のテンプレートやスタイル設定に問題がある可能性があります。
よくある質問
Q1:カスタムスタイルでも図表番号に章番号を含められますか?
A:標準的な方法では、Wordの組み込み見出しスタイル(見出し1〜見出し9)しか使用できません。どうしてもカスタムスタイルを使いたい場合は、フィールドコードを手動で編集する必要がありますが、文書の管理が複雑になるため、組み込み見出しスタイルを使うことを強くおすすめします。見出しスタイルの書式(フォント、サイズ、色など)は自由に変更できるので、カスタムスタイルを作る必要はありません。
Q2:見出しに番号を付けたくないのですが、図表番号には章番号を含めたいです。
A:残念ながら、Wordの図表番号機能は、見出しに実際に番号が表示されていることを前提としています。見出しに番号を表示せずに、図表番号だけに章番号を含めることはできません。代替案として、見出しの番号を手動で削除し、図表番号も手動で「図1-1」のように入力する方法がありますが、番号の管理が大変になります。
Q3:図表番号が「図0-1」のように表示されます。どうすれば良いですか?
A:章番号が「0」と表示される場合、見出しスタイルは適用されているが、アウトライン番号が設定されていない可能性があります。対処法2を実行して、アウトライン番号を設定してください。
Q4:PDF化すると図表番号がエラー表示になります。
A:Word文書内では正常に見えても、PDF化したときにエラーが表示される場合があります。PDF化する前に、Ctrl + A で文書全体を選択し、F9 キーを押してすべてのフィールドを更新してから、PDF化してください。
Q5:既に大量の図表があり、すべて修正するのが大変です。効率的な方法はありますか?
A:以下の手順で効率的に修正できます。
- まず、見出しスタイルとアウトライン番号を正しく設定します(これが最も重要)
- Ctrl + A で文書全体を選択します
- F9 キーを押してすべてのフィールドを更新します
この手順で、文書内のすべての図表番号が一度に更新されます。
まとめ
「エラー! 指定したスタイルは使われていません。」は、Microsoft Wordで図表番号を挿入するときに発生するエラーで、見出しスタイルとアウトライン番号の設定が適切でない場合に表示されます。
主な原因:
- 見出しスタイルが適用されていない
- アウトライン番号が設定されていない
- カスタムスタイルを使用している
- 見出しレベルと設定の不一致
- フィールドコードの破損
- 章番号を含める設定が有効になっている
効果的な対処法(推奨順):
- 見出しスタイルを適用:章タイトルに「見出し1」を適用
- アウトライン番号を設定:「見出し」という文字が含まれるリストを選択
- 設定を確認・変更:章番号を含める設定と見出しレベルを確認
- フィールドを更新:Ctrl + A → F9 キーで全体を更新
- 再挿入:解決しない場合は図表番号を削除して再挿入
解決の鍵
ほとんどの場合、対処法1(見出しスタイルの適用)と対処法2(アウトライン番号の設定)を実行することで解決します。この2つが正しく設定されていれば、Wordは自動的に章番号を認識し、図表番号に含めることができます。
卒論やレポートなど、長文作成では図表番号機能を正しく使うことで、番号の管理が格段に楽になります。最初に見出しスタイルとアウトライン番号をしっかり設定しておくことが、後々のトラブルを防ぐコツです!

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