「Wordで文書を作っていたら、なんだか文字が詰まって見づらい…」
「行と行の間が広すぎて、用紙に収まらない…」
そんなときに役立つのが、行間の調整です。
Wordでは、行間を自由に変更することができ、読みやすさや印刷効率が大きく変わります。
この記事では、Wordの行間を調整する方法を、基本から応用まで丁寧に解説します。
行間調整が必要な場面

文書作成でよくある困りごと
- レポートや論文の体裁を整えたい
- 契約書や公文書を読みやすくしたい
- プレゼン資料の文字を見やすくしたい
- 印刷枚数を調整したい
行間調整の効果
- 可読性の向上
- プロフェッショナルな印象
- ページ数の最適化
- 情報の整理と強調
行間とは何か?
基本的な定義
行間=文字と文字の縦のすき間
Wordでいう「行間」は、1行のベースラインから次の行のベースラインまでの距離のことです。
視覚的な影響
- 行間が狭い:詰まった印象、情報密度が高い
- 行間が広い:読みやすい、余裕のある印象
文書種類別の適用
文書種類 | 推奨行間 | 理由 |
---|---|---|
ビジネス文書 | 1.0-1.5 | 効率的で読みやすい |
学術論文 | 2.0 | 校正・添削のため |
プレゼン資料 | 1.5-2.0 | 視認性重視 |
契約書 | 1.0-1.2 | 情報密度重視 |
基本の設定方法(Windows版 Word)
クイック調整方法
手順
- 行間を調整したい文章を選択
- 「ホーム」タブをクリック
- 「行と段落の間隔」ボタン(上下に矢印があるアイコン)をクリック
- 表示される数値から選択(1.0/1.5/2.0など)
よく使われる数値の目安
設定値 | 特徴 | 適用場面 |
---|---|---|
1.0 | 最小限、文字が詰まりやすい | 箇条書き、注釈 |
1.15 | Wordの標準設定 | 一般的な文書 |
1.5 | 読みやすさと行数のバランスが良い | ビジネス文書 |
2.0 | レポートや論文でよく使われる | 学術文書 |
ショートカットキーでの調整
操作 | ショートカット | 効果 |
---|---|---|
1行間隔 | Ctrl + 1 | 行間を1.0に設定 |
1.5行間隔 | Ctrl + 5 | 行間を1.5に設定 |
2行間隔 | Ctrl + 2 | 行間を2.0に設定 |
より細かく調整したい場合

詳細設定画面での調整
手順
- 段落を右クリック → 「段落」を選択
- 「インデントと行間隔」タブを開く
- 「行間」から以下を選択:
- 単一(1行)
- 1.5 行
- 2 行
- 固定値(数値指定)
- 最小値(必要に応じて調整)
- 数値を直接入力して微調整(例:14ptなど)
行間の種類と特徴
倍数による設定
- 単一: 最も詰まった状態
- 1.5行: バランスの良い読みやすさ
- 2行: ゆったりとした印象
固定値による設定
メリット
- 正確な間隔指定が可能
- フォントサイズに関係なく一定
- デザインの統一性
設定例
フォント10.5pt → 行間15pt
フォント12pt → 行間18pt
フォント14pt → 行間20pt
最小値による設定
特徴
- 指定値以上の間隔を確保
- 大きな文字や図が入っても自動調整
- 混在コンテンツに適している
段落前後のスペース調整
段落間隔の重要性
行間だけでなく、段落と段落の間に空白が入っていることもあります。これは「段落前/段落後の間隔」です。
調整手順
- 段落を選択
- 「段落」設定画面を開く
- 「段落前」「段落後」の数値を変更
推奨設定値
用途 | 段落前 | 段落後 | 効果 |
---|---|---|---|
一般文書 | 0pt | 6pt | 適度な区切り |
見出し | 12pt | 6pt | 強調効果 |
箇条書き | 0pt | 3pt | コンパクト |
段落書式の一括設定
スタイル機能の活用
- 「ホーム」タブ → 「スタイル」
- 使用したいスタイルを右クリック
- 「変更」で行間・段落間隔を設定
- 「新しい文書に適用」で標準化
文書種類別の推奨設定
ビジネス文書
基本設定
- 行間: 1.0-1.5
- 段落後: 6pt
- フォント: MS明朝 10.5pt
活用場面
- 報告書
- 提案書
- 会議資料
学術論文
推奨設定
- 行間: 2.0(ダブルスペース)
- 段落後: 0pt
- フォント: Times New Roman 12pt
注意点
- 投稿規定を必ず確認
- 参考文献は別設定の場合あり
プレゼンテーション資料
見やすさ重視の設定
- 行間: 1.5-2.0
- 段落後: 12pt
- フォント: メイリオ 14pt以上
Mac版Wordでの操作

基本操作の違い
メニューの場所
- 「ホーム」タブ → 「行と段落の間隔」
- 右クリック → 「段落」
ショートカットキー
操作 | Macショートカット |
---|---|
1行間隔 | Cmd + 1 |
1.5行間隔 | Cmd + 5 |
2行間隔 | Cmd + 2 |
よくあるトラブルと解決法
行間が勝手に広がってしまう
原因
改行(Enter)ではなく、「段落」が入っている場合があります。
解決法
Shift+Enterを使えば段落ではなく改行として処理され、行間は広がりません。
改行と段落の違い
操作 | 効果 | 用途 |
---|---|---|
Enter | 新しい段落 | 話題の区切り |
Shift + Enter | 行内改行 | 住所、詩など |
全体の行間を一括で変更したい
手順
- Ctrl+Aで全選択
- 「段落」設定を開く
- 行間を調整
より効率的な方法
- 「デザイン」タブ → 「段落の間隔」
- プリセットから選択
- 文書全体に一括適用
特定の行だけ行間が異なる
考えられる原因
- 異なるスタイルが適用されている
- 手動で行間設定が変更されている
- 図や表が挿入されている
解決方法
- 該当行を選択
- 「ホーム」タブ → 「スタイル」→ 「標準」
- 統一されたスタイルを適用
印刷時に行間が変わる
原因と対策
- プリンター設定の確認
- PDFでの出力テスト
- フォントの埋め込み確認
高度なテクニック
条件付き行間設定
見出しレベルに応じた自動調整
- 見出しスタイルを設定
- 各レベルで異なる行間を指定
- 階層構造の視覚化
表内の行間調整
表セル内での設定
- セルを選択
- 右クリック → 「段落」
- 表用の行間設定
推奨設定
- 行間: 1.0-1.2
- 段落前後: 0pt
- セル内余白で調整
図表周りの調整
テキストとの調和
- 図表を選択
- 「レイアウト」タブ
- 「文字列の折り返し」で調整
文書の一貫性確保

スタイル設定の重要性
統一感のあるデザイン
- 見出し1-3の行間統一
- 本文の行間統一
- キャプションの行間統一
テンプレート化
再利用可能な設定
- 理想的な行間設定で文書作成
- 「ファイル」→ 「名前を付けて保存」
- 「Word テンプレート」として保存
まとめ
Wordの行間調整は、文書の見た目や読みやすさに直結する重要な操作です。
重要なポイント
- 基本は「ホーム」タブのボタンで調整
- 詳細な数値設定や段落前後の余白も活用
- トラブルの原因は「段落」と「改行」の違いに注意
効果的な活用方法
- 文書の目的に応じた行間選択
- 読み手を意識した調整
- 印刷・PDF出力での確認
- スタイル機能での統一管理
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