Wordで文書を保存するとき、「なぜかいつも同じフォルダに保存されてしまう」「毎回保存先を変更するのが面倒」と感じたことはありませんか?特に、仕事用とプライベート用のファイルを分けて管理したいときや、プロジェクトごとにフォルダを分けたいときには、保存場所を自由に変更できると便利ですよね。
実は、Wordでは保存先を簡単に変更することができます。その都度変更することもできますし、初期設定を変えて毎回同じ場所に保存されるようにすることも可能です。
この記事では、Wordの保存場所を変更する方法を、初心者の方でもわかるように丁寧に解説します。一度覚えてしまえば、文書の整理がとても楽になりますよ。
保存場所を変更する2つの方法

一時的に変更する方法と恒久的に変更する方法
Wordの保存場所を変更する方法には、大きく分けて2つあります:
一時的な変更(その都度指定)
ファイルを保存するたびに、保存先を手動で選択する方法です。異なるプロジェクトや用途に応じて、柔軟に保存先を変えたい場合に便利です。
恒久的な変更(初期設定の変更)
Wordの初期設定を変更して、いつも同じ場所に保存されるようにする方法です。普段よく使うフォルダが決まっている場合に便利です。
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
方法1:保存時に手動で保存先を変更する
基本的な手順
ステップ1:名前を付けて保存を開く
- Wordで文書を作成または編集します
- 画面上部の「ファイル」メニューをクリックします
- 「名前を付けて保存」を選択します
ステップ2:保存場所を選択する
- 保存画面が表示されたら、「参照」ボタンをクリックします
- または「このPC」をクリックして、フォルダ一覧を表示します
- 保存したいフォルダを選択します
ステップ3:ファイル名を入力して保存
- ファイル名を入力します
- 「保存」ボタンをクリックして完了です
便利な機能:クイックアクセスの活用
クイックアクセスとは
クイックアクセスは、よく使うフォルダを素早く開けるようにする機能です。保存ダイアログの左側に表示され、ワンクリックでアクセスできます。
クイックアクセスにフォルダを追加する方法
- エクスプローラーを開きます
- よく使うフォルダを見つけます
- そのフォルダを右クリックします
- 「クイックアクセスにピン留め」を選択します
これで、次回保存するときに、そのフォルダにすぐにアクセスできるようになります。
ショートカットキーでさらに効率化
Ctrl + Shift + S
「名前を付けて保存」のダイアログを素早く開くことができます。
F12キー
同じく「名前を付けて保存」を開くことができます。
方法2:初期の保存場所を変更する(既定の保存先を変更)
Windows版Wordでの設定手順
ステップ1:オプション画面を開く
- Wordを開きます
- 「ファイル」メニューをクリックします
- 画面下部の「オプション」をクリックします
ステップ2:保存設定を変更する
- 左側のメニューから「保存」を選択します
- 「既定のローカルファイルの保存場所」という項目を見つけます
- 現在設定されているフォルダパスが表示されています
ステップ3:新しい保存場所を設定する
- 「参照」ボタンをクリックします(ボタンがある場合)
- または、直接フォルダのパスを入力します
- 「OK」ボタンをクリックして設定を保存します
ステップ4:設定の確認
- Wordを一度閉じて、再度開きます
- 新しい文書を作成して保存してみます
- 設定したフォルダが初期表示されることを確認します
Mac版Wordでの設定手順
Macでの操作方法
- Wordを開きます
- 画面上部のメニューバーから「Word」をクリックします
- 「環境設定」を選択します
- 「ファイルの場所」をクリックします
- 「ドキュメント」の項目を選択して「変更」をクリックします
- 新しい保存先フォルダを選択して「OK」をクリックします
フォルダパスの確認方法
正確なフォルダパスを入力するために、以下の方法でパスを確認できます:
Windows版での確認方法
- エクスプローラーで目的のフォルダを開きます
- アドレスバーをクリックして、パス全体を選択します
- Ctrl + Cでコピーします
- Wordのオプション画面で、このパスを貼り付けます
よく使われる保存場所の例
- デスクトップ:
C:\Users\ユーザー名\Desktop
- ドキュメント:
C:\Users\ユーザー名\Documents
- 特定のプロジェクトフォルダ:
C:\Users\ユーザー名\Documents\プロジェクト名
OneDriveと保存場所の関係
OneDriveが既定になっている場合
Microsoft 365を使用している場合、OneDriveが既定の保存場所になっていることがあります。
OneDriveからローカルフォルダに変更する方法
- 前述の「オプション」→「保存」の手順で設定画面を開きます
- 「既定でOneDriveに保存する」のチェックを外します
- 「既定のローカルファイルの保存場所」に、希望するフォルダパスを入力します
OneDriveのメリットとデメリット
メリット
- 自動的にクラウドにバックアップされる
- 複数のデバイスからアクセスできる
- 他の人との共有が簡単
デメリット
- インターネット接続が必要
- 容量の制限がある
- 同期に時間がかかる場合がある
使い分けのコツ
- 重要な文書:OneDriveに保存してバックアップを確保
- 一時的な文書:ローカルフォルダに保存してすばやくアクセス
- 大きなファイル:ローカルフォルダに保存して同期時間を短縮
よくあるトラブルとその対処法
保存場所が記憶されない問題
原因と解決方法
原因1:設定が正しく保存されていない
- 解決方法:オプション設定後、必ずWordを再起動する
原因2:管理者権限の問題
- 解決方法:管理者として実行してから設定を変更する
原因3:古いバージョンのWord
- 解決方法:Wordを最新バージョンにアップデートする
OneDriveにしか保存できない問題
確認すべきポイント
- アカウント設定の確認
- 「ファイル」→「アカウント」でサインイン状態を確認
- 必要に応じてサインアウトする
- 保存設定の確認
- 「オプション」→「保存」で設定を再確認
- 「既定でOneDriveに保存する」のチェック状態を確認
- ローカルフォルダのアクセス権
- 指定したフォルダに書き込み権限があるか確認
- 別のフォルダで試してみる
ネットワークドライブに保存できない問題
対処法
- 接続状態の確認
- ネットワークドライブが正常に接続されているか確認
- エクスプローラーでアクセスできるか試す
- 権限の確認
- ネットワークドライブへの書き込み権限があるか確認
- システム管理者に相談する
- 一時的な回避策
- 一度ローカルに保存してから、手動でネットワークドライブにコピー
応用編:効率的なファイル管理のコツ

フォルダ構造の工夫
プロジェクト別管理
ドキュメント/
├── 2024年度/
│ ├── プロジェクトA/
│ ├── プロジェクトB/
│ └── 会議資料/
└── テンプレート/
日付別管理
ドキュメント/
├── 2024/
│ ├── 01月/
│ ├── 02月/
│ └── 03月/
ファイル名の付け方
わかりやすいファイル名の例
- 「2024年1月_会議議事録_営業部」
- 「プロジェクトA_企画書_第3版」
- 「月次報告書_2024年3月」
避けるべきファイル名
- 「新しいドキュメント」
- 「コピー_ドキュメント1」
- 「無題」
バックアップの重要性
自動バックアップの設定
- 「オプション」→「保存」を開きます
- 「常にバックアップコピーを作成する」にチェックを入れます
- バックアップの保存場所を指定します
手動バックアップの習慣
- 重要な文書は定期的に別フォルダにコピー
- USBメモリやクラウドサービスにも保存
- バージョン管理を行う(v1、v2など)
バージョン別の違いと注意点
Microsoft 365(サブスクリプション版)
- 最新機能が自動で追加される
- OneDriveとの連携が強化されている
- クラウドファースト設計
Word 2019(買い切り版)
- 機能は固定されている
- OneDriveの統合は限定的
- ローカル保存が基本
Word for Mac
- 操作方法が一部異なる
- 環境設定での設定が必要
- フォルダ構造が異なる
Word Online(ブラウザ版)
- ブラウザ上で動作
- OneDriveが基本の保存先
- ローカル保存は制限される
まとめ
Wordの保存場所を変更する方法は、作業効率を大きく向上させる重要なスキルです。一度設定してしまえば、毎回の保存作業がとてもスムーズになります。
重要なポイントの復習
その都度変更する場合
- 「名前を付けて保存」から「参照」で場所を選択
- クイックアクセスを活用して効率化
- ショートカットキー(Ctrl + Shift + S)で時間短縮
初期設定を変更する場合
- 「オプション」→「保存」で既定の場所を変更
- 設定後はWordの再起動が必要
- OneDriveとローカルの使い分けを検討
効果的な活用のために
- 自分の作業スタイルに合わせる:頻繁に保存先を変える場合は手動、決まった場所に保存する場合は初期設定変更
- バックアップを忘れずに:大切な文書は複数の場所に保存する習慣をつける
- 整理された フォルダ構造:後から探しやすいよう、論理的なフォルダ構成を心がける
- 定期的な見直し:使わなくなったフォルダは整理し、新しいプロジェクトに応じて構造を調整する
これらの方法を活用して、Wordでの文書作成をより効率的に行ってください。最初は設定に少し時間がかかるかもしれませんが、一度覚えてしまえば毎日の作業がずっと楽になりますよ。
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