「大学のレポートで『1行40文字、1ページ30行』で書いてくださいと言われたけれど、設定方法が分からない」「論文の提出要項に合わせて文字数を調整したい」
このような要望は、学生の方や文書作成業務に携わる方にとって、とても身近な問題ですよね。実は、Microsoft Wordには文字数と行数を正確に設定する機能があり、適切に設定すれば提出要項通りの文書を簡単に作成できます。
この記事では、Wordで1行の文字数と1ページの行数を設定する方法を、初心者の方でも迷わないよう詳しく解説します。レポート作成や論文執筆で困っている方は、ぜひ参考にしてください。
行と文字数設定が必要になる場面

まず、どのような場面でこの設定が必要になるかを確認しましょう。
学術・教育関連
大学のレポート・論文
- 「1行40文字、1ページ30行で作成してください」
- 「A4用紙1枚あたり1200文字で提出」
- 「卒業論文は1行35文字、1ページ32行で統一」
学会発表・研究論文
- 学会の投稿規定に合わせた文字数制限
- 研究助成金申請書の書式指定
- 学術雑誌の投稿フォーマット
ビジネス・実務関連
企業の文書作成
- 企画書や提案書の統一フォーマット
- 契約書や仕様書の規定書式
- 官公庁への提出書類の指定形式
出版・編集業界
- 原稿用紙風のレイアウト
- 雑誌記事の文字数管理
- 書籍原稿の統一書式
個人利用
創作活動
- 小説や随筆の原稿作成
- コンテストへの応募作品
- 同人誌やフリーペーパーの制作
基本的な文字数・行数設定の方法
ステップ1:ページ設定画面を開く
文字数と行数の設定は、「ページ設定」から行います。
操作手順
- レイアウトタブを開く 画面上部のリボンで「レイアウト」タブをクリックします
- ページ設定グループを確認 「ページ設定」というグループを見つけます
- ダイアログボックスを開く ページ設定グループの右下にある小さな矢印(ダイアログボックス起動ツール)をクリックします
ステップ2:文字数と行数を設定
設定画面の操作
- 文字数と行数タブを選択 開いたダイアログボックスで「文字数と行数」タブをクリックします
- 設定方法を選択 「文字数と行数を指定する」のラジオボタンを選択します
- 具体的な数値を入力
- 「文字数」欄:1行あたりの文字数を入力(例:40)
- 「行数」欄:1ページあたりの行数を入力(例:30)
- 設定を適用 「OK」ボタンをクリックして設定を確定します
よく使われる設定パターン
一般的なレポート形式
- 1行40文字、1ページ30行
- 1行35文字、1ページ32行
- 1行45文字、1ページ28行
原稿用紙形式
- 1行20文字、1ページ20行
- 1行25文字、1ページ25行
ビジネス文書
- 1行50文字、1ページ25行
- 1行45文字、1ページ30行
設定がうまくいかない場合の対処法
文字数・行数設定が思うようにいかない場合の原因と解決方法を説明します。
原因1:用紙サイズと余白の問題
用紙サイズの確認
設定した文字数・行数が収まらない場合、用紙サイズが適切でない可能性があります:
- ページ設定画面で用紙タブを確認 「ページ設定」ダイアログの「用紙」タブをクリック
- 用紙サイズを設定 一般的には「A4」を選択
- 印刷の向きを確認 「縦」または「横」を適切に設定
余白の調整
余白が広すぎると、設定した文字数・行数が収まりません:
- 余白タブを開く ページ設定ダイアログの「余白」タブをクリック
- 余白を調整 推奨設定:
- 上:20mm
- 下:20mm
- 左:20mm
- 右:20mm
- プレビューで確認 設定画面のプレビューで文字数・行数が適切に表示されるか確認
原因2:フォント設定の問題
フォントサイズの調整
フォントサイズが大きすぎると、設定通りにならないことがあります:
推奨フォントサイズ
- 1行40文字程度:10.5pt〜11pt
- 1行35文字程度:11pt〜12pt
- 1行50文字程度:9pt〜10pt
フォントの種類
文字数を正確に管理するには、等幅フォントの使用がおすすめです:
等幅フォント(推奨)
- MS 明朝
- MS ゴシック
- メイリオ
- 游明朝
- 游ゴシック
プロポーショナルフォント(注意が必要)
- Times New Roman
- Arial
- Calibri
フォント設定の変更方法
- 全文を選択 Ctrl+Aで文書全体を選択
- ホームタブを開く リボンの「ホーム」タブをクリック
- フォントを変更 フォント名とサイズを適切に設定
原因3:段落設定の問題
行間の確認
行間の設定が「1行」以外になっていると、設定した行数になりません:
- 段落設定を開く 選択した文字を右クリック→「段落」を選択
- 行間を確認 「行間」が「1行」に設定されているか確認
- 必要に応じて調整 「固定値」を選択して具体的なポイント数を指定することも可能
インデントの確認
不適切なインデント設定も文字数に影響します:
- 段落設定で確認 「左インデント」「右インデント」が0になっているか確認
- タブ設定の確認 不要なタブ設定がないか確認
原稿用紙スタイルの活用

特別な設定として、Wordには原稿用紙スタイルが用意されています。
原稿用紙スタイルの設定方法
新規作成から設定
- ファイルメニューを開く 「ファイル」→「新規」をクリック
- テンプレートを検索 検索ボックスに「原稿用紙」と入力
- テンプレートを選択 表示されたテンプレートから適切なものを選択
- 作成ボタンをクリック 選択したテンプレートで新しい文書が作成される
既存文書に原稿用紙設定を適用
- レイアウトタブを開く 既存の文書で「レイアウト」タブをクリック
- 原稿用紙設定を選択 「原稿用紙設定」ボタンをクリック(バージョンによって場所が異なる)
- 設定を選択
- スタイル:20×20、25×25など
- 文字の方向:横書き・縦書き
- 罫線の表示:あり・なし
原稿用紙スタイルの特徴
メリット
- 文字数管理が視覚的に分かりやすい
- 文学作品や作文に適している
- 文字数カウントが正確
デメリット
- ビジネス文書には適さない
- 印刷時に罫線も出力される
- レイアウトの自由度が低い
文字数・行数の確認方法
設定が正しく適用されているかを確認する方法を説明します。
文字数カウント機能
基本的な確認方法
- 校閲タブを開く リボンの「校閲」タブをクリック
- 文字カウントを選択 「文字カウント」ボタンをクリック
- 詳細情報を確認
- ページ数
- 文字数(スペースを含む/含まない)
- 段落数
- 行数
ステータスバーでの確認
画面下部のステータスバーに文字数が常時表示されます:
- ステータスバーを右クリック 画面下部の青いバーを右クリック
- 文字カウント表示を有効化 「文字カウント」にチェックを入れる
- リアルタイム確認 入力と共に文字数が更新される
印刷プレビューでの確認
実際の仕上がりを確認するには:
- ファイルメニューを開く 「ファイル」→「印刷」をクリック
- プレビューで確認 右側のプレビューで行数・文字数が適切か確認
- 設定の微調整 必要に応じてページ設定に戻って調整
実践的な活用例
大学レポート作成例
一般的な要項(1行40文字、1ページ30行)
設定手順
- 用紙:A4、縦向き
- 余白:上下左右20mm
- フォント:MS 明朝、10.5pt
- 文字数:40文字
- 行数:30行
注意点
- タイトル部分は設定から除外される場合がある
- 参考文献リストは別途文字数計算が必要
- 図表は文字数にカウントされない
論文執筆例
学会投稿規定対応
設定例
- 用紙:A4、縦向き
- 余白:上25mm、下20mm、左右20mm
- フォント:Times New Roman、10pt(英語部分)、MS 明朝、10pt(日本語部分)
- 文字数:45文字
- 行数:35行
ビジネス文書例
企画書・提案書
設定例
- 用紙:A4、縦向き
- 余白:上下25mm、左右20mm
- フォント:游ゴシック、11pt
- 文字数:42文字
- 行数:28行
よくある質問と対処法

設定に関する質問
Q:設定したのに文字数・行数が合いません A:以下を順番に確認してください:
- フォントサイズが適切か
- 余白設定が適切か
- 段落の行間設定が「1行」になっているか
- インデントが設定されていないか
Q:縦書き文書でも同じ設定ができますか? A:はい。「レイアウト」タブの「文字列の方向」で縦書きを選択した後、同様の手順で設定できます。
作業効率に関する質問
Q:設定を保存してテンプレートとして使いたいです A:以下の手順で可能です:
- 設定完了後「ファイル」→「名前を付けて保存」
- ファイルの種類で「Word テンプレート(.dotx)」を選択
- 次回から「ファイル」→「新規」→「個人用」で利用可能
Q:複数の設定パターンを切り替えたいです A:スタイル機能を活用してください:
- 「ホーム」タブの「スタイル」グループ
- 「新しいスタイル」で設定を保存
- 必要に応じて切り替え
トラブルシューティング
Q:設定画面で「文字数と行数」タブが見つかりません A:Wordのバージョンによって場所が異なります:
- Word 2019以降:「レイアウト」タブ→「ページ設定」
- Word 2016以前:「ページレイアウト」タブ→「ページ設定」
Q:英数字と日本語が混在すると文字数がずれます A:以下の設定で改善できます:
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「レイアウトオプション」で文字間隔を調整
- 「文字幅の調整」機能を活用
効率的な作業のコツ
テンプレートの活用
よく使う設定はテンプレートとして保存しておきましょう:
作成手順
- 理想的な設定で文書を作成
- 内容を削除してタイトルページのみ残す
- テンプレートとして保存
- 次回から即座に正しい設定で作業開始
スタイル機能の活用
複数の文字数・行数設定を使い分ける場合:
- カスタムスタイルを作成 よく使う設定をスタイルとして保存
- クイックアクセスツールバーに追加 頻繁に使う設定をワンクリックで適用
- ショートカットキーを設定 より高速な切り替えが可能
まとめ
Wordの文字数・行数設定機能を使えば、どのような提出要項にも対応できる文書を作成できます。
この記事のポイント
- ページ設定の「文字数と行数」タブで基本設定
- 用紙サイズ、余白、フォントの調整が重要
- 原稿用紙スタイルも選択肢の一つ
- 設定後は文字カウント機能で確認
- テンプレート化で作業効率向上
設定成功のコツ
- まず要項を正確に把握
- 用紙サイズと余白から設定
- 等幅フォントで正確な文字数管理
- 行間は「1行」に固定
- 印刷プレビューで最終確認
よく使われる設定
- レポート:1行40文字、1ページ30行
- 論文:1行35文字、1ページ32行
- 原稿用紙:1行20文字、1ページ20行
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