「Wordが編集できなくなった…」
「画面が見やすくなったけど、文字が打てない!」
「いつもと画面の表示が違う?」
それは**”閲覧モード”になっている状態**かもしれません。Wordには、**表示に特化した「閲覧モード」**という機能があり、知らないうちに切り替わってしまうことがよくあります。
特にメールで送られてきたWord文書を開いたときや、他の人が作成した文書を開いたときに、この状態になることが多く、「なぜ編集できないの?」と困惑する方が大勢います。
この記事でわかること
- 閲覧モードとは何か、なぜ編集できないのか
- 閲覧モードを解除する具体的な手順(Windows・Mac対応)
- 閲覧モードになってしまう原因と対策
- 今後同じ問題を防ぐための設定方法
- よくあるトラブルパターンとその解決法
初心者の方でも迷わず解決できるよう、画面の見た目とともに詳しく解説します。
閲覧モードとは?

閲覧モードの基本概念
閲覧モードは、文書の読みやすさを重視した表示モードです。編集ではなく、文書の内容を読むことに特化した機能として設計されています。
閲覧モードの特徴
表示面での特徴
- 文書が画面幅に合わせて最適化される
- ツールバーやルーラーが非表示になりスッキリ表示
- ページが本のように見開きで表示される場合がある
- 余計な編集用ボタンが隠れて読みやすい
機能面での制限
- 文字入力ができない
- 文章の修正や削除ができない
- 書式設定の変更ができない
- 図表の追加・編集ができない
閲覧モードの見分け方
閲覧モード状態の画面の特徴
上部メニューの違い
- 通常のリボンメニューが表示されない
- 「表示」「ツール」などの限定的なメニューのみ
- 画面上部に「編集を有効にする」などのボタンが表示される
画面レイアウトの違い
- 文書が中央に大きく表示される
- 左右に余白が多く取られる
- ページ区切りが見えない場合がある
カーソルの動作
- クリックしても文字入力カーソル(テキストカーソル)が表示されない
- マウスカーソルが選択カーソルのまま
閲覧モードを解除する方法
Windows版Wordでの解除方法
方法1:「表示」タブから解除
手順
- 画面上部の「表示」タブをクリック
- 「編集表示」グループの中から以下のいずれかを選択:
- 「編集」
- 「印刷レイアウト」
- 「下書き」
- 通常の編集画面に切り替わる
方法2:画面上部のボタンから解除
手順
- 画面上部に表示される以下のようなボタンを探す:
- 「編集を有効にする」
- 「編集モードに戻る」
- 「文書の編集」
- そのボタンをクリック
- 編集可能な状態に切り替わる
方法3:右上のボタンから解除
手順
- 画面右上の表示切り替えアイコンを確認
- 「印刷レイアウト」「下書き」「Webレイアウト」のいずれかをクリック
- 編集モードに切り替わる
Mac版Wordでの解除方法
基本的な解除手順
手順
- 画面上部のメニューバーから「表示」をクリック
- 以下のいずれかを選択:
- 「編集レイアウト」
- 「印刷レイアウト」
- 「下書き表示」
- 編集可能な状態に変更される
ツールバーからの解除
手順
- 文書上部のツールバーエリアを確認
- 「編集を有効にする」「編集」などのボタンをクリック
- 通常の編集画面に戻る
Office 365・Microsoft 365での解除方法
Web版Wordの場合
手順
- ブラウザ上でWord文書を開いている状態
- 画面上部の「編集」ボタンをクリック
- 「ブラウザーで編集」または「Wordで編集」を選択
- 編集モードに切り替わる
デスクトップアプリ版
基本的にはWindows版・Mac版と同じ手順で解除可能
閲覧モードになってしまう原因
主な原因とその背景
原因1:メール添付ファイルを開いた場合
なぜ起きるのか
- セキュリティ上の理由で、外部から受信したファイルは閲覧モードで開く設定
- 意図しない編集や変更を防ぐためのWordの安全機能
- 特にOutlookから直接開いた場合に多い
対処の考え方
- これは正常な動作であり、故障ではない
- 必要に応じて編集モードに切り替えれば問題なし
原因2:読み取り専用ファイルの場合
よくあるパターン
- 共有フォルダの文書を開いた
- 編集権限のないファイルを開いた
- パスワード保護されたファイル
- 他のユーザーが編集中のファイル
見分け方
- タイトルバーに「読み取り専用」の表示
- 「編集を有効にする」ボタンが表示されない
- ファイル名の後に「[読み取り専用]」の文字
原因3:Wordの初期設定
設定による自動切り替え
- Word の「信頼できる文書」設定
- セキュリティセンターの設定
- 企業や学校での管理者設定
原因4:ファイルの保存場所
インターネットからダウンロードしたファイル
- ダウンロードフォルダのファイル
- ブラウザから直接開いたファイル
- 信頼されていない場所のファイル
ファイルの状態による分類
信頼できないファイル
特徴
- インターネットからダウンロード
- メール添付ファイル
- USBメモリからのファイル
対処法
- 「編集を有効にする」をクリック
- 信頼できる場所に保存し直す
保護されたファイル
特徴
- パスワードが設定されている
- 編集制限がかけられている
- デジタル署名が付いている
対処法
- パスワードを入力
- 編集権限を得る
- 管理者に問い合わせ
閲覧モードを無効にする設定

Windows版での設定変更
手順1:Wordオプションを開く
- 「ファイル」タブをクリック
- 「オプション」を選択
- 「Wordのオプション」ダイアログが開く
手順2:全般設定を変更
- 左側のメニューから「全般」を選択
- 以下の設定を確認・変更:
- 「インターネットや信頼できない場所からのファイルを閲覧表示で開く」のチェックを外す
- 「電子メールの添付ファイルやその他の安全でない可能性があるファイルを閲覧表示で開く」のチェックを外す
- 「OK」をクリックして設定を保存
Mac版での設定変更
手順
- メニューバーから「Word」→「環境設定」を選択
- 「セキュリティ」または「全般」カテゴリを選択
- 閲覧モード関連の設定を変更
- 設定を保存
セキュリティセンターでの設定
より詳細な設定変更
手順
- 「ファイル」→「オプション」→「セキュリティ センター」
- 「セキュリティ センターの設定」をクリック
- 「信頼できる場所」で編集を許可する場所を追加
- 「保護されたビュー」で設定を調整
よくあるトラブルと解決方法
「編集を有効にする」ボタンが見つからない
考えられる原因
原因1:真の読み取り専用ファイル
- ファイル自体に編集制限がかかっている
- 他のユーザーが編集中
解決方法
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」で別名保存
- 新しいファイルで編集を実行
- 元のファイルの編集権限を確認
原因2:表示位置の問題
解決方法
- 画面を最大化して全体を確認
- 「表示」タブから手動で切り替え
- F11キーで全画面表示を切り替え
解除してもすぐに閲覧モードに戻る
原因
ファイルの保存場所の問題
- 信頼できない場所に保存されている
- 一時フォルダから開いている
解決方法
- ファイルを「マイドキュメント」などの信頼できる場所にコピー
- コピーしたファイルを開く
- または「信頼できる場所」に元の場所を追加
閲覧モード中に印刷や保存ができない
印刷について
基本的には可能
- 閲覧モードでも印刷は実行可能
- ただし、表示と印刷結果が異なる場合がある
推奨方法
- 一度編集モードに切り替え
- 「印刷レイアウト」表示で内容を確認
- 印刷を実行
保存について
制限事項
- 元のファイルの上書き保存はできない
- 「名前を付けて保存」は可能
対処法
- 必要に応じて「名前を付けて保存」を使用
- 編集モードに切り替えてから保存
閲覧モードの便利な活用法
積極的に活用したい場面
文書レビュー時
メリット
- 読みやすい表示で集中できる
- 誤って編集してしまう心配がない
- 長文の読み込みに最適
プレゼンテーション時
活用方法
- 画面共有時に余計なツールバーが映らない
- 文書の内容に集中してもらえる
- 見栄えの良い表示
校正・確認作業
便利な点
- 純粋に内容確認に集中できる
- レイアウトの確認がしやすい
- 印刷イメージに近い表示
手動での閲覧モード切り替え
編集モードから閲覧モードへ
手順
- 「表示」タブをクリック
- 「閲覧モード」または「読み取りモード」を選択
- 閲覧専用の表示に切り替わる
まとめ
Wordが「編集できない!」というときは、まず閲覧モードを疑ってみましょう。
解決の基本ステップ
- 閲覧モードかどうかを確認(画面上部のボタンや表示を見る)
- 「表示」タブから編集モードに切り替え
- 「編集を有効にする」ボタンがあればクリック
- 必要に応じて「名前を付けて保存」で別名保存
重要なポイント
- 閲覧モードは安全機能の一つ
- メール添付ファイルでよく発生する
- 設定変更で自動切り替えを防げる
- 読み取り専用ファイルとは異なる概念
今すぐできること
- 現在開いている文書で閲覧モードの解除を試す
- 「表示」タブの場所と機能を覚える
- よく使うファイルの保存場所を信頼できる場所に変更
- 必要に応じてWordの設定を調整
予防のための設定
- Wordオプションで自動閲覧モードを無効化
- 信頼できる場所の設定を活用
- ファイルの保存場所を工夫
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