ビジネス書類や案内文、チラシなどに「QRコードを載せてスマホで読み取れるようにしたい」と思ったことはありませんか?WordにQRコードを貼り付けることで、リンクや情報の共有がとてもスムーズになります。
この記事では、Microsoft WordにQRコードを簡単に入れる方法を、初めての方でも迷わずできるよう詳しく説明します。
QRコードとは何か

基本的な仕組み
QRコードは、文字やウェブサイトのアドレス(URL)などの情報を、四角い点の模様で表現したものです。スマートフォンのカメラで読み取ることで、その情報をすぐに確認できます。
QRコードでできること
QRコードを読み取ると、以下のようなことができます:
- ウェブサイトを開く:URLを入力する手間が省ける
- 連絡先を保存:電話番号やメールアドレスを自動で登録
- Wi-Fiに接続:複雑なパスワードを入力せずに接続
- 地図を表示:住所を入力せずに場所を確認
- テキストを表示:長い文章やメッセージを表示
ビジネスでの活用メリット
- 入力ミスの防止:手動でアドレスを入力する必要がない
- 時間の短縮:素早く情報にアクセスできる
- 見た目の改善:長いURLを文書に直接書かずに済む
- 使いやすさの向上:読む人が簡単に情報を得られる
WordにQRコードを貼り付ける方法
方法1:無料のQRコード作成サイトを使う(おすすめ)
この方法は最も簡単で、特別なソフトを必要としません。
手順1:QRコード作成サイトを探す
- インターネットブラウザを開く:ChromeやEdge、Safariなど
- 検索する:「QRコード 無料作成」と入力して検索
- サイトを選ぶ:以下のようなサイトが便利です
- QRのススメ
- QRコード.com
- QRCODE Generator
手順2:QRコードを作成する
- 情報を入力:QRコードにしたい情報を入力
- ウェブサイトのアドレス(URL)
- 電話番号
- メールアドレス
- 文章やメッセージ
- QRコードを生成:「作成」や「生成」ボタンをクリック
- デザインを調整(必要に応じて):
- サイズの変更
- 色の変更
- ロゴの追加
手順3:QRコードを保存する
方法A:画像として保存
- 作成されたQRコードを右クリック
- 「名前を付けて画像を保存」を選択
- わかりやすい名前を付けて保存
方法B:コピーして使用
- QRコードを右クリック
- 「画像をコピー」を選択
- すぐにWordに貼り付け可能
手順4:WordにQRコードを挿入
保存した画像を使う場合:
- Wordを開く:QRコードを貼り付けたい文書
- 挿入タブをクリック:画面上部のリボンから選択
- 画像を選択:「画像」→「このデバイス」をクリック
- ファイルを選択:保存したQRコード画像を選んで「挿入」
コピーした画像を使う場合:
- QRコードを貼り付けたい場所をクリック
- Ctrl + V を押す(Macの場合はCmd + V)
- QRコードが貼り付けられる
方法2:Microsoft OfficeのアドインやツールQRコード
Microsoft Office用のQRコード作成ツールを使う方法です。
QR4Officeなどのアドインを使用
- アドインを検索:「挿入」タブ→「アドインを取得」
- QRコード関連のアドインを探す:「QR」などで検索
- インストール:信頼できるアドインを選んでインストール
- QRコードを作成:アドインの指示に従って作成
- 文書に挿入:作成したQRコードをWordに直接挿入
この方法のメリット
- Word内で完結:他のサイトやソフトを使わずに済む
- 複数作成が簡単:一度に複数のQRコードを作れる
- サイズ調整が楽:Word内でサイズや位置を簡単に調整
注意点
- インターネット接続が必要:アドインのダウンロードに必要
- 会社のセキュリティ:職場によってはアドインの使用が制限されている場合がある
方法3:スマートフォンアプリを使用
スマートフォンでQRコードを作成してからWordに貼り付ける方法です。
手順1:アプリをダウンロード
おすすめのアプリ:
- QRコード作成くん(Android/iPhone)
- QRコードリーダー & 作成(iPhone)
- QR Code Generator(Android)
手順2:アプリでQRコードを作成
- アプリを開く:ダウンロードしたQRコード作成アプリ
- 情報を入力:URLやテキストを入力
- QRコードを生成:「作成」ボタンをタップ
- 保存または共有:作成したQRコードを写真として保存
手順3:パソコンに転送
方法A:メールで送信
- QRコード画像をメールに添付
- 自分のパソコンで受信
- 添付ファイルを保存
方法B:クラウドサービスを使用
- Google Drive
- OneDrive
- iCloud
- Dropbox
方法C:USBケーブルで転送
- スマートフォンをパソコンに接続
- 写真フォルダからQRコード画像をコピー
- パソコンの任意の場所に保存
手順4:WordにQRコードを挿入
方法1と同様の手順でWordに挿入します。
どの方法を選ぶべきか
無料サイトがおすすめの場合
- 初めてQRコードを作る
- 特別なソフトをインストールしたくない
- 一度だけ使用する
- デザインにこだわりたい
アドインがおすすめの場合
- 頻繁にQRコードを作成する
- 仕事でよく使用する
- Word内で完結させたい
- 複数のQRコードを管理したい
スマホアプリがおすすめの場合
- 外出先で作業することが多い
- スマートフォンでの操作に慣れている
- 作成したQRコードをその場でテストしたい
QRコードのサイズと配置の調整
適切なサイズの設定
読み取りやすいサイズ
QRコードが小さすぎると、スマートフォンで読み取りにくくなります。以下を目安にしてください:
- 最小サイズ:2cm × 2cm
- 推奨サイズ:3cm × 3cm 以上
- 印刷物:5cm × 5cm 以上が理想
Wordでのサイズ調整方法
- QRコードを選択:挿入したQRコードをクリック
- 角のハンドルをドラッグ:四角い点をドラッグしてサイズ変更
- 縦横比を保つ:Shiftキーを押しながらドラッグすると、正方形が保たれる
- 数値で指定:右クリック→「図の書式設定」で正確なサイズを入力
効果的な配置場所
文書内での配置
ページ下部
- 連絡先情報の近く
- 「詳しくはこちら」などの案内文の後
ページ右上
- 目立ちやすい位置
- 余白を活用
独立したセクション
- QRコード専用の枠を作成
- 説明文と一緒に配置
配置時の注意点
- 余白を確保:QRコードの周りに十分な空白を残す
- 文字との重複を避ける:文字とQRコードが重ならないようにする
- 印刷を考慮:印刷時にページの端で切れないように配置
QRコードの活用例

ビジネス文書での活用
会社案内パンフレット
使用例:
- 会社のウェブサイトへのリンク
- 採用情報ページへのアクセス
- 商品カタログのダウンロード
効果:
- 紙の資料から簡単にオンライン情報にアクセス
- 最新情報への誘導が可能
- 興味を持った読者へのスムーズな案内
提案書や企画書
使用例:
- 参考資料やデータへのリンク
- デモ動画の視聴
- 詳細な仕様書のダウンロード
効果:
- 文書をコンパクトに保ちながら詳細情報を提供
- プレゼンテーション時の補足資料として活用
- 後日の確認や共有が簡単
イベント関連での活用
案内文書
使用例:
- イベント申込フォームへのリンク
- 会場の地図や交通案内
- 詳細なスケジュールの確認
効果:
- 参加者の利便性向上
- 申込み手続きの簡素化
- 最新の情報更新が可能
チケットや入場券
使用例:
- イベント詳細情報
- 注意事項や持ち物リスト
- 緊急時の連絡先
教育分野での活用
授業資料
使用例:
- 参考ウェブサイトへのリンク
- 宿題提出フォーム
- 補足説明の動画
効果:
- 学習者の自主学習を促進
- デジタル教材への誘導
- 個別学習のサポート
配布物
使用例:
- 学校のお知らせページ
- 保護者向け情報サイト
- 緊急時の連絡システム
個人的な活用
年賀状や挨拶状
使用例:
- 家族の近況報告ブログ
- 写真共有アルバム
- 連絡先情報
履歴書や名刺
使用例:
- ポートフォリオサイト
- LinkedIn プロフィール
- 作品集や実績紹介
QRコード使用時の注意点
技術的な注意事項
サイズと解像度
**問題:**QRコードが小さすぎて読み取れない
解決策:
- 印刷サイズで最低2cm × 2cm以上を確保
- 画面表示では最低300×300ピクセル以上
- 高解像度の画像を使用
背景とのコントラスト
**問題:**背景とQRコードの色が似ていて読み取りにくい
解決策:
- QRコードは黒、背景は白が基本
- 色を変える場合は十分なコントラストを確保
- グレースケールでの印刷も考慮
エラー訂正レベル
**説明:**QRコードには損傷に対する復元機能があります
レベルの選択:
- L(約7%):一般的な使用
- M(約15%):標準的な使用(推奨)
- Q(約25%):汚れやすい環境
- H(約30%):厳しい環境や重要な情報
情報管理の注意事項
リンク先の管理
**問題:**QRコード作成後にリンク先が変更になった
対策:
- 短縮URLサービスを使用して後から変更可能にする
- QRコード作成前にリンク先を確認
- 定期的にリンクの有効性をチェック
プライバシーとセキュリティ
注意点:
- 個人情報を含むQRコードは慎重に扱う
- 公開文書では機密情報へのリンクを避ける
- 信頼できるQRコード作成サービスを使用
長期利用の考慮
**問題:**数年後にリンク先が無効になる
対策:
- 永続的なURLを使用
- 自社サイト内のページへのリンクを推奨
- 定期的なメンテナンス計画を立てる
よくある問題と解決方法
QRコードが読み取れない
原因1:サイズが小さすぎる
**症状:**スマートフォンでQRコードを認識しない
解決方法:
- QRコードのサイズを大きくする
- 印刷物では最低2cm × 2cm以上にする
- 画面表示では拡大して確認
原因2:画質が悪い
**症状:**QRコードがぼやけて見える
解決方法:
- 高解像度のQRコード画像を使用
- ベクター形式(SVG)での保存を検討
- 拡大縮小時の画質劣化を避ける
原因3:印刷の問題
**症状:**印刷したQRコードが読み取れない
解決方法:
- プリンターの解像度を上げる
- 高品質印刷モードを使用
- インクやトナーの残量を確認
Wordでの表示問題
問題:QRコードが正しく表示されない
**原因:**画像形式の互換性問題
解決方法:
- PNG形式でQRコードを保存
- JPEG形式は圧縮により画質が劣化するため避ける
- 必要に応じてSVG形式を使用
問題:印刷時にQRコードが切れる
**原因:**ページ余白の設定
解決方法:
- ページ設定で余白を確認
- QRコードの位置を調整
- 印刷プレビューで事前確認
QRコードのデザインカスタマイズ
基本的なカスタマイズ
色の変更
多くのQRコード作成サイトでは、色をカスタマイズできます:
推奨する色の組み合わせ:
- 黒のQRコード + 白い背景(最も読み取りやすい)
- 濃い青のQRコード + 白い背景
- 濃いグレーのQRコード + 薄いグレーの背景
避けるべき組み合わせ:
- 薄い色同士の組み合わせ
- 補色の組み合わせ(読み取りエラーの原因)
- グラデーション(読み取り精度の低下)
サイズと形状
標準的なサイズ:
- 名刺サイズ:1.5cm × 1.5cm
- チラシサイズ:3cm × 3cm
- ポスターサイズ:5cm × 5cm以上
高度なカスタマイズ
ロゴの埋め込み
一部のQRコード作成サービスでは、中央にロゴを配置できます:
注意点:
- ロゴのサイズはQRコード全体の30%以下
- 高コントラストのロゴを使用
- 読み取りテストを必ず実施
フレームやデザイン要素
追加できる要素:
- 周囲のフレーム
- 説明テキスト
- アイコンやイラスト
デザイン時の注意:
- QRコード本体の読み取り領域を妨げない
- 全体のバランスを考慮
- 印刷時の再現性を確認
WordでのQRコード活用の応用
複数のQRコードの管理
一つの文書に複数のQRコードを配置
用途例:
- 各章の補足資料へのリンク
- 複数の商品ページへの案内
- 段階的な情報提供
配置のコツ:
- 統一したサイズで配置
- 説明文を必ず併記
- 目的別に色を変える
QRコードリストの作成
Wordの表機能を使って、QRコードとその説明をまとめることができます:
- 表を作成(2列×必要行数)
- 左列にQRコード画像を挿入
- 右列に説明文を記載
- 表のスタイルを整える
テンプレートの作成
再利用可能なレイアウト
よく使用するQRコード付き文書のテンプレートを作成:
- 基本レイアウトを決定
- QRコードの配置場所を確保
- 説明文の書式を統一
- テンプレートファイルとして保存
部署や用途別のテンプレート
- 営業部用:商品紹介、見積もり依頼
- 人事部用:採用情報、社内制度案内
- 広報部用:プレスリリース、イベント案内
まとめ
QRコード活用のメリット
WordにQRコードを貼り付けることで、以下のようなメリットが得られます:
- 情報アクセスの簡素化:長いURLの入力が不要
- エラーの防止:手動入力によるミスを回避
- 文書の機能向上:紙の文書からデジタル情報へのブリッジ
- 読者の利便性向上:スマートフォンで簡単にアクセス可能
成功のポイント
適切な方法の選択
- 初心者:無料のQRコード作成サイト
- 頻繁利用:Officeアドインの活用
- モバイル重視:スマートフォンアプリの使用
品質の確保
- 十分なサイズ:最低2cm × 2cm以上
- 高いコントラスト:黒と白の組み合わせ
- 読み取りテスト:実際のスマートフォンで確認
継続的な管理
- リンク先の維持:定期的な有効性確認
- 情報の更新:古い情報の削除や修正
- 利用状況の把握:どの程度活用されているかの確認
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