「Wordを印刷したら、横にコメントや赤字が全部出てしまった…」
「きれいな状態で印刷したいのに、どうすればいいの?」
このような経験をした方は意外と多いのではないでしょうか。実は、Wordでは初期設定のままだと、コメントや変更履歴も印刷対象に含まれることがあります。
特に以下のような場面で困ることが多いようです:
- 会議資料として印刷するとき
- 取引先に提出する書類を印刷するとき
- 最終版として保存・配布するとき
この記事では、Wordでコメントを非表示にして印刷する方法を、Windows・Mac共通の手順でわかりやすく解説します。印刷プレビューの段階で確認する方法も含めて、確実にきれいな印刷ができるよう説明していきます。
コメントが印刷される仕組みを理解しよう

Wordの印刷対象設定
Wordには以下の印刷モードがあります:
- 文書のみ:本文のみを印刷(コメント・変更履歴は除外)
- 文書とマークアップ:本文+コメント・変更履歴を印刷
- コメントのみ:コメントだけを印刷
多くの場合、「文書とマークアップ」が選択されているため、意図せずコメントが印刷されてしまいます。
画面表示と印刷の違い
重要なポイントは、画面での表示設定と印刷設定は別々に管理されることです。画面でコメントが非表示になっていても、印刷設定によってはコメントが印刷されることがあります。
コメントを非表示にして印刷する方法:完全ガイド
方法1:画面表示からコメントを消して印刷
ステップ1:コメント表示をオフにする
- [校閲]タブをクリック
- 「変更履歴の記録」がオンになっていればオフにする
- ボタンが薄い色になっていればOK
- 「すべてのマークアップ」の部分をクリック
- プルダウンメニューが表示される
- 「変更履歴なし」または「元の状態」を選択
この設定により、画面上からコメントと変更履歴が完全に非表示になります。
ステップ2:印刷を実行
- [ファイル] → [印刷]をクリック
- プレビュー画面で確認
- コメントが表示されていないことを確認
- 「印刷」ボタンをクリック
方法2:印刷設定でコメントを除外する
画面表示はそのままで、印刷時のみコメントを除外したい場合の方法です。
詳細手順
- [ファイル] → [印刷]をクリック
- プレビュー画面下部の「設定」を確認
- 「印刷対象」または「文書の印刷」の項目を探す
- 通常は「文書とマークアップ」と表示されている
- プルダウンメニューを開き「文書のみ」を選択
- プレビュー画面でコメントが消えたことを確認
- 「印刷」を実行
方法3:一時的にコメントを無効化する
変更履歴の記録を停止する方法
- [校閲]タブを選択
- 「変更履歴の記録」ボタンをクリックしてオフにする
- 「承諾」または「元に戻す」でコメントを処理
- 承諾:変更を確定してコメントを削除
- 元に戻す:変更を取り消してコメントを削除
この方法では、コメント自体がなくなるため確実に印刷されません。
バージョン別の操作方法
Word 2019/2021/Microsoft 365の場合
最新版では画面レイアウトが若干異なります:
- [校閲]タブの「表示」グループを確認
- 「マークアップの表示」プルダウンを使用
- 「コメント」のチェックを外す
Word 2016以前の場合
古いバージョンでは以下の手順:
- [校閲]タブの「変更履歴」グループ
- 「最終版(変更履歴を非表示)」を選択
- 印刷設定で「文書のみ」を選択
よくあるトラブルと詳細な解決法
コメントを残したまま印刷だけ除外したい
解決方法: 印刷設定で「文書のみ」を選択するだけで解決します。この設定なら:
- 画面では引き続きコメントが表示される
- 印刷時はコメントが除外される
- コメント自体は保持される
PDFに変換してもコメントが残る問題
原因: PDF変換時も印刷設定が適用されるため
解決方法:
- [ファイル] → [エクスポート] → [PDF/XPS ドキュメントの作成]
- 「オプション」ボタンをクリック
- 「文書の構造とタグ」セクションで「マークアップ」のチェックを外す
- 「OK」をクリックしてPDF作成
プレビューでコメントが消えない場合
考えられる原因:
- 保護されたドキュメントの可能性
- 別のユーザーがコメントの削除権限を持っている
解決方法:
- [校閲]タブで「編集の制限」を確認
- 保護が有効な場合は一時的に解除
- 管理者権限でコメントを処理
印刷設定が保存されない問題
解決方法:
- [ファイル] → [オプション] → [表示]
- 「印刷オプション」セクション
- 「マークアップを印刷する」のチェックを外す
- 「OK」で設定を保存
これにより、今後の印刷で常に「文書のみ」が選択されます。
効率的な作業のための追加テクニック
テンプレート設定でコメント非表示を標準化
- 新規文書でコメント非表示設定を適用
- [ファイル] → [名前を付けて保存]
- ファイルの種類で「Wordテンプレート(.dotx)」を選択
- 今後このテンプレートを使用
ショートカットキーの活用
- Ctrl + Shift + E:変更履歴の記録オン/オフ
- Alt + R, M:マークアップ表示の切り替え
これらのショートカットを覚えると、素早くコメント表示を切り替えられます。
共同作業での注意点
複数人で文書を編集している場合:
- 最終確認者が印刷前にコメント処理を実行
- 「すべての変更を承諾」でコメントを一括処理
- 清書版として別名保存
業務別の活用例

会議資料の準備
- 社内検討用:コメント付きで印刷
- 顧客提示用:コメントなしで印刷
- 設定を使い分けて効率化
契約書類の作成
- 社内確認段階:変更履歴とコメントを表示
- 相手方送付時:クリーンな状態で印刷・PDF化
- 最終締結版:すべてのマークアップを削除
学術論文の提出
- 指導教員確認用:コメント付き
- 学会提出用:コメントなし
- バージョン管理を徹底
まとめ:きれいな印刷のための必須知識
Wordでの印刷時にコメントを非表示にするには、以下の2つのアプローチがあります:
即座に解決したい場合:
- 印刷設定で「文書のみ」に変更
- プレビューで確認してから印刷
根本的に解決したい場合:
- 「校閲」タブでコメント表示をオフ
- 変更履歴の記録を停止
どちらの方法でも、プレゼン資料や提出用の清書をきれいに印刷できます。
重要なポイント:
- 印刷前に必ずプレビューで確認する
- PDF変換時も同様の設定が必要
- 共同作業では最終確認者が設定を管理する
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