「Word文書の表紙にはページ番号を付けたくない」 「でも2ページ目からは自動で番号を振りたい」
こうした要望は、レポート・論文・提案書などでよくあるケースです。表紙にページ番号があると見た目が悪くなったり、正式文書として不適切に見えたりすることがあります。
Wordには、表紙を除いてページ番号を表示する機能がしっかり備わっています。この記事では、その設定手順をわかりやすく解説し、様々な応用パターンも紹介します。
この記事でわかること
- 表紙を除いたページ番号設定の基本手順
- 2ページ目から「1」で始める方法
- 目次や複数章がある文書での応用テクニック
- よくあるトラブルと解決方法
基本的な設定手順

表紙を除いてページ番号を付ける方法(Windows/Mac共通)
ページ番号を挿入する
詳しい操作手順
- 「挿入」タブをクリック:画面上部のリボンメニュー
- 「ページ番号」を選択:ヘッダーとフッターグループ内
- 表示位置を選択:ドロップダウンメニューから選択
表示位置の選択肢
- ページ上部:ヘッダー部分に表示
- 上部(左)、上部(中央)、上部(右)
- ページ下部:フッター部分に表示
- 下部(左)、下部(中央)、下部(右)
- ページ余白:左右の余白部分
- 現在の位置:カーソル位置に挿入
「先頭ページのみ別指定」を有効にする
設定手順の詳細
- ページ番号が挿入された状態で、自動的に「ヘッダーとフッター」タブが表示
- 「オプション」グループ内の「先頭ページのみ別指定」にチェック
- 表紙ページの番号が自動的に非表示になる
チェック位置の確認方法
- リボンの「ヘッダーとフッター」タブ内
- 「オプション」グループ内にあります
- チェックボックスをクリックするだけで設定完了
2ページ目から「1」と表示させる設定
なぜこの設定が必要?
標準設定では通し番号が基本なので、そのままだと2ページ目に「2」と表示されます。多くの文書では、本文のページを「1」から始めたいのが一般的です。
開始番号の変更方法
- 「挿入」→「ページ番号」→「ページ番号の書式設定」をクリック
- 「開始番号」を選択し、「0」を入力
- 「OK」をクリック
結果の確認
この設定により、2ページ目が「1ページ目」として表示されます。
別の方法(開始番号を1に設定)
開始番号を「1」に設定する場合:
- 「ページ番号の書式設定」で「開始番号」に「1」を入力
- この場合、表紙が「1」、2ページ目が「2」となる
- 表紙の番号は「先頭ページのみ別指定」で非表示
より詳しい操作のコツ
ヘッダーとフッターの編集モード
編集モードの入り方
- ページ上部や下部をダブルクリック
- 「挿入」→「ヘッダー」または「フッター」
- 自動的に編集モードになります
編集モードでできること
- テキストの追加・変更:会社名や文書タイトルの挿入
- フォントやサイズの調整:見やすさを向上
- ページ番号の位置変更:細かい配置調整
- 装飾やロゴの追加:文書のブランディング
編集モード終了方法
- 「ヘッダーとフッターを閉じる」ボタンをクリック
- 文書の本文部分をダブルクリック
- Escキーを押す
設定の確認方法
表紙の確認ポイント
- ページ番号が表示されていない
- ヘッダーやフッターが空になっている
- 1ページ目の表示が正常
2ページ目以降の確認ポイント
- ページ番号が正しく表示
- 番号の振り方が連続
- フォーマットが統一されている
応用的な使い方
よくある応用パターン
目次もページ番号を除外したい場合
問題:表紙と目次、どちらもページ番号なしにしたい
解決方法:セクション区切りを使用
詳しい手順
- 目次の直後にカーソルを配置
- 「レイアウト」→「区切り」→「セクション区切り(次のページ)」
- 3ページ目(本文開始)のヘッダーまたはフッターをダブルクリック
- 「前と同じヘッダー/フッター」のリンクを解除
- 本文セクションでページ番号を新規設定
- 開始番号を「1」に設定
注意点
- セクションごとに別の設定が可能
- リンクの解除を忘れずに
- 各セクションで番号を再設定
複数章に分かれた文書
問題:章ごとにページ番号をリセットしたい
解決方法:セクション区切りと番号設定の組み合わせ
設定手順
- 各章の始まりでセクション区切りを挿入
- 各章でページ番号の開始値を指定
- 必要に応じて番号形式を変更
章別の番号例
- 第1章:1-1, 1-2, 1-3…
- 第2章:2-1, 2-2, 2-3…
- 第3章:3-1, 3-2, 3-3…
表紙・目次・本文で異なるページ番号形式
問題:表紙、目次、本文でそれぞれ違うページ番号形式
解決方法:セクション区切りと複数の番号形式
形式の使い分け例
- 表紙:ページ番号なし
- 目次・索引:ローマ数字(i, ii, iii, iv…)
- 本文:アラビア数字(1, 2, 3, 4…)
設定方法
- 目次の前後にセクション区切りを挿入
- 目次セクション:ローマ数字形式に設定
- 本文セクション:アラビア数字で1から開始
トラブルシューティング

よくある質問と解決法
表紙にページ番号が残ってしまう
原因:「先頭ページのみ別指定」がオフになっている
解決方法:
- ヘッダーまたはフッターをダブルクリック
- 「ヘッダーとフッター」タブで設定を確認
- 「先頭ページのみ別指定」にチェック
確認ポイント:
- チェックボックスが正しく選択されているか
- 設定が文書全体に適用されているか
番号が途中からリセットされてしまう
原因:意図しないセクション区切りが入っている
解決方法:
- 「ホーム」→「編集記号の表示/非表示」で区切りを確認
- 不要なセクション区切りを削除
- 「ページ番号の書式設定」で「前のセクションから継続」を選択
予防策:
- セクション区切りは意図的に挿入する
- 文書構造を事前に計画する
番号の形式がまちまち
原因:セクションごとに別の形式が設定されている
解決方法:
- 全体を通して統一したい形式を決める
- 各セクションで形式を合わせる
- 設定をテンプレートとして保存
困った時のチェックポイント
基本的確認事項
- 「先頭ページのみ別指定」がオンか
- セクション区切りが意図しない場所にないか
- ページ番号の開始値が正しいか
- 番号形式が統一されているか
より詳しい確認事項
- ヘッダーとフッターのリンク状態
- セクション数と配置
- 形式設定の統一性
- テンプレートとの整合性
高度なテクニック
カスタマイズオプション
ページ番号のデザイン変更
フォントとサイズの調整
- フォント種の選択:Times New Roman、Arial、游明朝など
- サイズ調整:本文より小さめ(9-11pt)が一般的
- 太字や斜体の使用:強調効果を狙う場合
位置と配置の細かい調整
- 上下左右の余白調整:文書の体裁に合わせる
- 中央寄せ、左寄せ、右寄せ:レイアウトポリシーに従う
- 複数行での表示:日付と番号の組み合わせなど
特殊な形式
番号にテキストを追加
ページ 1
- 1 -
第1章 - 1
1/10(総ページ数との組み合わせ)
番号の形式変更
- ローマ数字(I, II, III):序文や目次用
- アルファベット(A, B, C):付録や補足資料用
- 点付き数字(1., 2., 3.):箇条書き風
フィールドコードの活用
高度なカスタマイズには、フィールドコードを直接編集:
{ PAGE } / { NUMPAGES } # ページ数/総ページ数
{ PAGE \* ROMAN } # ローマ数字
{ PAGE \* Alphabetic } # アルファベット
テンプレート化
よく使う設定の保存
テンプレート作成手順
- 理想的なページ番号設定を完成
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- ファイルの種類で「Word テンプレート(.dotx)」を選択
- 適切な名前を付けて保存
テンプレートの活用メリット
- 毎回同じ設定をしなくて済む
- チーム全体で統一したフォーマット
- 効率的な文書作成
- 品質の一貫性確保
共有方法
- 社内の共有フォルダに保存
- Wordの既定テンプレート場所に配置
- 設定手順書とセットで配布
ベストプラクティス

見やすい文書のポイント
ページ番号の配置原則
- 読みやすい位置に配置:通常は下部中央または右下
- 文書の内容と重ならない:十分な余白を確保
- 統一感のあるデザイン:文書全体で一貫したスタイル
全体のバランス考慮
- ヘッダーとフッターの使い分け:情報の優先度に応じて
- 余白とのバランス:窮屈にならない配置
- 他の要素との調和:ロゴや日付などとの統合
管理しやすい文書構造
セクションの効果的な使い方
- 論理的な区切りでセクション分割:章、部、付録など
- 複雑すぎる構造は避ける:メンテナンス性を重視
- メンテナンスしやすい設計:後から変更しやすい構造
文書管理のコツ
- 標準フォーマットの制定:組織内での統一
- テンプレートの共有:効率化と品質向上
- 設定方法の文書化:ナレッジの蓄積
業務効率化のポイント
作業時間短縮
- よく使うテンプレートを準備
- クイックアクセスツールバーに登録
- ショートカットキーの活用
品質向上
- チェックリストの作成
- プレビューでの最終確認
- 印刷前の設定確認
よくある業務シーンでの活用例
学術論文・レポート
- 表紙:タイトル、著者名、所属(番号なし)
- 要約・目次:ローマ数字(i, ii, iii…)
- 本文:アラビア数字(1, 2, 3…)
- 参考文献・付録:継続番号または独立番号
ビジネス提案書
- 表紙:提案タイトル、会社ロゴ(番号なし)
- 目次・概要:番号なしまたはローマ数字
- 提案内容:1から開始のアラビア数字
- 付録:A-1, A-2または継続番号
技術文書・マニュアル
- 表紙:製品名、バージョン(番号なし)
- 目次:ローマ数字または番号なし
- 各章:章番号-ページ番号(1-1, 1-2, 2-1, 2-2…)
まとめ
Wordで「表紙以外にページ番号を表示する」設定は、慣れればとても簡単です。正しい手順を覚えることで、プロフェッショナルな文書を効率的に作成できます。
主なポイント
- 「先頭ページのみ別指定」で表紙を除外
- ページ番号の開始値を適切に設定
- セクション区切りを使えば、複雑な構成にも対応可能
- トラブル時は設定確認とセクション管理がカギ
効率的な作業のために
- テンプレートを活用して作業時間を短縮
- よく使う設定は保存して再利用
- チーム内でフォーマット統一して品質向上
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