「文章を書いていたら、なぜか単語の途中で改行されてしまった…」 「1行におさまるはずの文字が折り返される!」
Wordでよくあるこの現象、実はいくつかの設定や入力のクセが原因になっています。
放っておくと読みづらいだけでなく、印刷レイアウトも崩れてしまうことも…。
本記事では、Wordで「途中改行」が起こる原因と、その対処法をわかりやすく解説します。この記事を読めば、きれいな文書が作れるようになります。
よく見られる現象:「単語の途中で改行される」とは

具体的な例
サンプ
ルテキ
ストが表示される
本来「サンプルテキスト」と表示されるはずが、不自然に区切られるケースです。
なぜこの現象が起こるのか
Wordには文字を自動で配置する機能がたくさんあります。これらの機能が思わぬ動作をすることで、単語の途中で改行されてしまうのです。
特に日本語と英語が混在する文書や、レイアウトを細かく調整している文書でよく起こります。
主な原因と対処法
原因1:自動ハイフネーションがオンになっている
どんな機能なのか
長い英単語や単語の途中で自動的にハイフン(-)を挿入して折り返す機能です。英語の文書では便利ですが、日本語の文書では不自然になることがあります。
確認方法
「レイアウト」タブの「ハイフネーション」ボタンを見てください。「自動」になっていませんか?
対処法の手順
- 「レイアウト」タブをクリック
- 「ハイフネーション」ボタンをクリック
- 「なし」を選択
これで単語途中での強制改行が防げます。
なぜこの設定になってしまうのか
Wordのテンプレートによっては、最初からハイフネーションが有効になっているものがあります。また、他の人が作った文書を編集するときに、この設定が引き継がれることもあります。
原因2:改行コード(Shift+Enter)が使われている
どんな操作なのか
「Enter」ではなく「Shift+Enter」で改行していると、強制的に行を折り返す動作になります。この改行は「ソフトリターン」と呼ばれ、段落を変えずに改行だけを行います。
見分け方のコツ
改行マークを表示させると、通常の改行は「¶」、Shift+Enterによる改行は「↓」で表示されます。
対処法の手順
- 「ホーム」タブの「編集記号の表示/非表示」をクリック
- 「↓」マークを探す
- 問題箇所でShift+Enterが使われていないか確認
- 普通の「Enter」に置き換えるか削除
一括置換する方法
たくさんあるときは一括で置き換えできます:
- 「Ctrl+H」で置換ダイアログを開く
- 検索する文字列に「^l」と入力
- 置換後の文字列に「^p」と入力(通常の改行に変換)
- 「すべて置換」をクリック
原因3:段落やスタイル設定の「禁則処理」が無効
禁則処理とは
日本語の「句読点のぶら下げ」や「行頭・行末に句読点や記号を置かない」ルールのことです。これが無効になっていると、見た目が崩れやすくなります。
具体的にどう崩れるのか
- 行の最初に句読点(、。)が来てしまう
- 行の最後に開き括弧「(」が来てしまう
- 単語が不自然な位置で切れてしまう
対処法の手順
- 「ホーム」タブの「段落」グループ右下の矢印をクリック
- 「体裁」タブを選択
- 「禁則処理を行う」にチェックを入れる
- 必要に応じて「句読点のぶら下げ」も有効にする
- 「OK」をクリック
設定後の変化
禁則処理を有効にすると、日本語らしい自然な改行になります。文書全体の読みやすさが大幅に向上します。
原因4:文字間が極端に狭く設定されている
どういう状況で起こるのか
フォントサイズを大きくしたり、文字間隔を狭くしすぎたりすると、行幅が足りなくなって単語の途中で改行されることがあります。
確認すべきポイント
- フォントサイズが大きすぎないか
- 文字間隔が狭すぎないか
- ページの余白が狭すぎないか
対処法の手順
- 「ホーム」タブの「フォント」グループ右下の矢印をクリック
- 「詳細設定」タブを選択
- 「文字間隔」を「標準」に戻す
- 「位置」も「標準」に設定
- 「OK」をクリック
根本的な解決方法
文字サイズと行幅のバランスを見直すことが大切です。A4用紙に11〜12ポイントの文字サイズが一般的で読みやすいとされています。
原因5:表やテキストボックス内の制約
どんなときに起こるのか
表のセル幅やテキストボックスのサイズが小さいと、無理に文字を折り返そうとして単語の途中で改行されることがあります。
表での対処法
- 表のセルの境界線をドラッグして幅を広げる
- セルを右クリック→「表のプロパティ」
- 「列」タブで適切な幅を設定
- 「行」タブで「高さを指定する」のチェックを外す
テキストボックスでの対処法
- テキストボックスを選択
- 端をドラッグしてサイズを調整
- 右クリック→「オートシェイプの書式設定」
- 「テキストボックス」タブで余白を調整
自動調整の無効化
表で文字が勝手に小さくなる場合:
- 表を選択
- 「レイアウト」タブ→「自動調整」
- 「自動調整をしない」を選択
トラブルシューティング:それでも直らないときは
隠れた原因をチェック
セクション区切りの確認
文書に複数のセクションがある場合、それぞれで設定が異なることがあります。
- 「表示」タブ→「下書き」表示に変更
- セクション区切りが適切か確認
スタイルの確認
使用しているスタイルに問題がある可能性があります。
- 「ホーム」タブのスタイル一覧を確認
- 「標準」スタイルに変更してみる
ファイルの破損チェック
稀にファイル自体が破損していることがあります。
- 別名で保存し直す
- 新しい文書にコピー&ペーストしてみる
予防策として覚えておきたいこと
文書作成時の注意点
- テンプレートを使うときは設定を確認
- 改行は基本的にEnterキーのみを使用
- 文字サイズと余白のバランスを考慮
定期的なチェック項目
- 月に1回程度、よく使う設定を確認
- 新しいバージョンのWordでは設定が変わることもある
- 共同編集では他の人の設定の影響を受けることがある
効率的な解決方法:優先順位をつけて対処
まず最初に試すべきこと(所要時間:1分)
- ハイフネーション設定の確認
- 改行マークの表示で Shift+Enter をチェック
次に確認すること(所要時間:3分)
- 禁則処理の設定
- 文字間隔の設定
最後に調整すること(所要時間:5分)
- 表やテキストボックスのサイズ調整
- 全体的なレイアウトの見直し
まとめ
Wordで「文字が途中で改行される」現象には、設定や操作ミスなど複数の原因が考えられます。
以下のチェックポイントを押さえれば、多くのトラブルはすぐに解決できます:
即効性のある対処法
- ハイフネーション → 無効化
- 改行コード → 通常の改行に戻す
- 禁則処理 → 有効化
根本的な改善方法
- 文字間隔 → 標準に調整
- 表やテキスト枠のサイズ → 適切に調整
- レイアウト全体のバランス → 見直し
気づかないうちに設定が変わっていることもあるので、違和感を感じたらまず基本設定を確認してみましょう。
これらの方法を試しても解決しない場合は、ファイルの破損やWordソフト自体の問題の可能性もあります。そのときは新しいファイルで試してみることをおすすめします。
きれいで読みやすい文書を作るために、この記事の内容をぜひ活用してください。
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