Microsoft Wordで文書を作っているとき、「説明のために図を入れたい」「画像やイラストでわかりやすくしたい」と思うことはありませんか?
図を上手に使うことで、視覚的に伝わりやすい文書になります。ただし、挿入後の配置やサイズ調整に戸惑う方も少なくありません。
この記事では、Wordに図(画像)を挿入する基本的な方法と、きれいに配置するためのポイントを、わかりやすく解説します。
Wordで図を使うメリットとは?

図や画像を文書に挿入することで、以下のようなメリットがあります:
- 理解度アップ:複雑な内容も視覚的に伝えられます
- 読みやすさ向上:文字だけの文書よりも親しみやすくなります
- 印象に残る:視覚情報は記憶に残りやすい特徴があります
- プロフェッショナルな仕上がり:見た目の完成度が高くなります
よく図を使う場面
- 商品やサービスの説明資料
- プレゼンテーション用のスライド
- 手順書やマニュアル
- 報告書やレポート
- 提案書や企画書
Wordに図を挿入する基本手順
ステップ1:挿入する場所を決める
カーソルを図を挿入したい位置に移動しておきます。この位置が図の初期配置場所になります。
ステップ2:図(画像)を挿入する
- 上部メニューから「挿入」タブを選択
- 「画像」をクリック
- 以下のオプションから選択:
- このデバイスから:パソコンに保存された画像を使用
- オンライン画像:インターネット上の画像を検索
- アイコン:Microsoft提供のアイコン素材
- ストック画像:高品質な写真素材
- 挿入したい画像ファイルを選んで「挿入」ボタンをクリック
ステップ3:図の初期設定を確認
挿入直後は、図が思った位置に配置されないことがあります。これは文字列の折り返し設定が「行内」になっているためです。
図を自由に配置する方法
画像を挿入しただけでは思った場所に動かせないことがあります。そんなときは「文字列の折り返し」を設定しましょう。
文字列の折り返し設定の手順
- 画像をクリックすると表示される「レイアウトオプション」アイコンをクリック
- 「文字列の折り返し」から以下のオプションを選択:
主な折り返しオプション
- 行内:文字と同じように扱われ、行の高さに影響します
- 四角形:図の周りを文字が四角く囲むように配置されます
- 狭く:図の輪郭に沿って文字が配置されます
- 内部:図の中に空白部分があれば、そこに文字が入ります
- 上下:図の上下にのみ文字が配置されます
- 前面:図が文字の前に表示され、自由に移動できます
- 背面:図が文字の後ろに表示されます
用途別おすすめ設定
- 説明図やグラフ:「上下」または「四角形」
- 背景画像:「背面」
- 装飾的な要素:「前面」
- 文字と密接に関連する図:「狭く」
より見やすくするための調整方法
サイズ変更のテクニック
画像のサイズを調整するには、以下の方法があります:
手動でのサイズ変更
- 画像の角にある「○」をドラッグして調整
- 比率を保ちたい場合は「Shift」キーを押しながらドラッグ
- 辺の中央の「□」をドラッグすると縦横どちらか一方向に変更
正確なサイズ指定
- 画像を右クリック →「図の書式設定」
- 「サイズとプロパティ」タブで数値を入力
- 「縦横比を固定する」にチェックを入れると比率が保たれます
位置調整の方法
基本的な移動
- 画像をドラッグして自由に移動(前面配置の場合)
- 矢印キーで微調整が可能
正確な位置指定
- 「図の形式」タブ →「位置」をクリック
- 「その他のレイアウトオプション」を選択
- 「位置」タブで水平・垂直位置を数値で指定
整列機能の活用
- 「図の形式」タブ →「整列」をクリック
- 以下のオプションから選択:
- 左揃え、中央揃え、右揃え
- 上揃え、上下中央揃え、下揃え
- 等間隔に分布
図のスタイル変更
見た目をより美しくするために、以下の装飾が可能です:
図のスタイル
- 「図の形式」タブ →「図のスタイル」
- プリセットされたスタイルから選択:
- 枠線付き
- 影付き
- 反射効果
- ぼかし効果
個別の効果設定
- 枠線:色、太さ、スタイルを自由に設定
- 影:方向、距離、ぼかしを調整
- 反射:反射の強さと距離を設定
- 光彩:図の周りに光る効果を追加
応用テクニック

図にキャプション(説明文)を追加
- 図を右クリック →「キャプションの挿入」
- キャプション欄に説明文を入力
- 図番号を自動で管理できます
図のトリミング(切り抜き)
- 図を選択 →「図の形式」タブ
- 「トリミング」をクリック
- 表示される枠線をドラッグして切り抜き範囲を指定
図の圧縮でファイルサイズを軽く
- 図を右クリック →「図の書式設定」
- 「図」タブ →「圧縮」
- 用途に応じた解像度を選択
複数の図をグループ化
- 最初の図を選択
- 「Ctrl」キーを押しながら他の図をクリック
- 右クリック →「グループ化」→「グループ化」
よくある問題と解決法
図が文字の後ろに隠れてしまう場合
原因:文字列の折り返しが「背面」になっている
解決方法:
- 図をクリック(見えない場合は文字の上をクリック)
- 「レイアウトオプション」→「前面」を選択
- または右クリック →「前面へ移動」
図がページからはみ出す場合
解決方法:
- 図のサイズを縮小する
- ページの余白を調整する(「レイアウト」→「余白」)
- 図の配置を変更する
図の画質が悪くなる場合
原因:自動圧縮機能により画質が下がっている
解決方法:
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「画像のサイズと画質」で圧縮設定を調整
- または挿入時に高解像度の画像を使用
図が勝手に移動してしまう場合
原因:アンカー(固定点)の設定に問題がある
解決方法:
- 図を右クリック →「図の書式設定」
- 「レイアウト」タブ →「詳細設定」
- 「オブジェクトと一緒に移動する」のチェックを外す
プロが使う図の配置テクニック
余白を意識した配置
- 図の周りに適度な余白を設けることで、見やすさが向上します
- 文字と図の間隔は0.3cm以上が理想的です
統一感のあるスタイル
- 同じ文書内では図のスタイルを統一する
- 枠線の色や太さ、影の設定を揃える
- サイズ比も意識して配置する
読みやすさを重視した配置
- 重要な図は目立つ位置(ページ上部や中央)に配置
- 説明文と図は近くに配置して関連性を明確にする
- 図の向きや流れを意識してレイアウトする
図の種類別活用法
写真・画像の場合
- 商品写真:「四角形」の折り返しで商品説明と組み合わせ
- 人物写真:「背面」で背景として使用
- 風景写真:「上下」でタイトル画像として活用
グラフ・チャートの場合
- 「上下」の折り返しでデータの説明文を上下に配置
- キャプションを必ず追加してデータの内容を明記
- 色使いを統一してプロフェッショナルな印象に
アイコン・イラストの場合
- 「行内」で文字と同じように扱い、箇条書きのマークとして使用
- 「前面」で装飾的な要素として自由に配置
- サイズを小さめにして文字の補助として活用
まとめ
Wordでの図の挿入はとても簡単ですが、配置や文字との関係を調整することで、見た目が格段に良くなります。
重要なポイント
- 文字列の折り返し設定が配置の鍵
- サイズと位置の調整で読みやすさが決まる
- スタイルの統一でプロフェッショナルな仕上がりに
- キャプションの追加で情報の整理が可能
コメント