「Word文書に勝手に線が出てしまった」 「消したいのに線が消えない…」
Wordで作業していると、謎の横線や囲み線、下線が突然出てくることがありますよね。中には、自動で挿入された罫線や、図形として追加した線など、種類によって消し方が異なることがあります。
この記事では、Wordに表示される「線」をタイプ別に分類し、それぞれの正しい消し方を初心者にもわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 5つの主要な線の種類と見分け方
- それぞれの線を確実に消す方法
- 線が消えない時のトラブル対策
- 自動罫線を防ぐ設定方法
Wordの「線」の種類を理解しよう

Wordで表示される線には、実は5つの異なる種類があります。まずは、どの線なのかを正しく判断することが重要です。
線の分類と特徴
線の種類 | 具体例 | 出現する場面 | 見分け方 |
---|---|---|---|
自動罫線 | 横一直線 | —入力後にEnter | ページ幅いっぱいの直線 |
段落罫線 | 囲み線・下線 | 書式設定で追加 | 段落全体を囲む |
図形の線 | 手描き線・矢印 | 挿入メニューから追加 | 自由な位置・角度 |
表の枠線 | 表の外枠・内線 | 表作成時に自動生成 | セルを囲む四角形 |
文字の下線 | 文字装飾の下線 | フォント設定で追加 | 文字の真下のみ |
なぜ消し方が違うのか?
これらの線は、Wordの中で異なるオブジェクトとして管理されています。そのため、削除する方法も線の種類ごとに違ってくるのです。
パターン別:線の削除方法を詳しく解説
自動で挿入された罫線を消す方法
どんな時に出現するか
Wordには「オートフォーマット」という機能があり、特定の文字列を入力すると自動的に罫線が挿入されます。
罫線が自動挿入される文字列:
---
(ハイフン3個以上)___
(アンダーバー3個以上)***
(アスタリスク3個以上)===
(イコール3個以上)
これらを入力してEnterキーを押すと、ページ横いっぱいに直線が表示されます。
削除方法
方法1:すぐに元に戻す
直後にCtrl + Z(元に戻す)を押す
この方法が最も簡単で確実です。
方法2:罫線設定から削除
- 罫線がある段落をクリック
- 「ホーム」タブを開く
- 「段落」グループの「罫線」ボタンをクリック
- 「罫線なし」を選択
再発防止の設定
自動罫線の挿入を完全に止めたい場合は、以下の設定を変更します:
- 「ファイル」→「オプション」をクリック
- 「文章校正」を選択
- 「オートフォーマット」ボタンをクリック
- 「罫線の自動挿入」のチェックを外す
- 「OK」で設定完了
段落の囲み罫線・下線を消す方法
段落罫線とは
段落罫線は、段落全体を囲む枠線や、段落の上下に引かれる横線のことです。書式設定で意図的に追加されることが多いタイプの線です。
削除手順
基本的な削除方法
- 対象段落をクリック:線がある段落のどこかをクリック
- 「ホーム」タブを開く:画面上部のタブをクリック
- 「罫線」ボタンをクリック:段落グループ内のボタン
- 「罫線なし」を選択:ドロップダウンから選択
部分的に消したい場合
- 上線のみ削除:「上罫線」のチェックを外す
- 下線のみ削除:「下罫線」のチェックを外す
- 左右の線のみ削除:「左罫線」「右罫線」を個別に設定
段落罫線の詳細設定
より細かい調整が必要な場合は、「罫線と網掛け」ダイアログボックスを使用します:
- 段落を選択
- 「ホーム」→「罫線」→「罫線と網掛け」
- 「罫線」タブで詳細設定
- 「設定なし」を選択して「OK」
図形として描いた線を消す方法
図形の線の特徴
「挿入」メニューから追加した線や矢印は、図形オブジェクトとして扱われます。これらは本文とは独立して存在し、自由な位置に配置できるのが特徴です。
基本的な削除方法
- 線をクリック:削除したい線を直接クリック
- 選択状態を確認:線の周りに選択ハンドル(小さな四角)が表示される
- Deleteキーを押す:選択された線が削除される
線が選択しにくい場合の対策
方法1:オブジェクトの選択ツール
- 「ホーム」タブの「編集」グループをクリック
- 「選択」→「オブジェクトの選択」を選択
- 線の周辺をドラッグして選択
- Deleteキーで削除
方法2:レイアウトオプションの調整
- 線を右クリック
- 「レイアウトオプション」を選択
- 「前面」または「背面」に変更
- 選択しやすくなったら削除
方法3:選択ウィンドウの活用
- 「ホーム」→「編集」→「選択」→「選択ウィンドウ」
- 右側に表示される一覧から対象の線を選択
- Deleteキーで削除
表の罫線を消す方法
表罫線の種類
表には以下のような罫線があります:
- 外枠:表全体を囲む線
- 内線:セルを区切る線
- 見出し行の線:表の上部の太い線
表全体の罫線を消す方法
- 表をクリック:表内のどこかをクリック
- 「表ツール」タブが表示:画面上部に「デザイン」「レイアウト」タブが出現
- 「デザイン」タブをクリック
- 「罫線」→「罫線なし」を選択
部分的に罫線を消す方法
特定のセルの罫線のみ削除
- 対象セルまたは範囲を選択
- 「表ツール」→「デザイン」
- 「罫線」のドロップダウンから削除したい線を選択
- 「上罫線なし」
- 「下罫線なし」
- 「左罫線なし」
- 「右罫線なし」
内線のみ削除(外枠は残す)
- 表全体を選択
- 「表ツール」→「デザイン」
- 「罫線」→「内側の罫線なし」
表を残して罫線だけ非表示にする
表の構造は保ちつつ、印刷時に罫線を表示したくない場合:
- 表を選択
- 「表ツール」→「デザイン」
- 「罫線」→「罫線なし」
- 必要に応じて「表のグリッド線の表示」をオンにする
文字の下線を消す方法
文字下線の種類
Wordの文字下線には、いくつかの種類があります:
- 通常の下線:フォント設定で追加
- ハイパーリンクの下線:URLや内部リンク
- 文法チェックの下線:スペルミスや文法エラー
通常の下線を削除
- 下線が付いた文字を選択:ドラッグして範囲選択
- 「ホーム」タブをクリック
- 「下線」ボタン(U)をクリック:下線が解除される
ショートカットキーで削除
Ctrl + U
選択したテキストの下線を瞬時に切り替えできます。
ハイパーリンクの下線を削除
方法1:ハイパーリンクを解除
- リンクを右クリック
- 「ハイパーリンクの削除」を選択
方法2:リンクは残して下線のみ削除
- リンクを選択
- 「ホーム」→「下線」ボタンで下線を解除
文法チェック下線の削除
赤や青の波線は、スペルチェックや文法チェックの結果です:
- 該当箇所を右クリック
- 修正候補を選択または**「無視」をクリック**
- 完全に無効にしたい場合:「ファイル」→「オプション」→「文章校正」→チェック機能をオフ
よくあるトラブルと詳細な対策
線をクリックしても選択できない
問題の原因
- 線が背景に隠れている
- テキストボックスや他のオブジェクトと重なっている
- 保護された文書になっている
解決方法
方法1:選択ウィンドウを使用
- 「ホーム」→「編集」→「選択」→「選択ウィンドウ」
- 右側に表示される一覧から目的のオブジェクトを探す
- 名前をクリックして選択し、Deleteで削除
方法2:タブ順序で選択
- Tabキーを繰り返し押す
- 線が選択された時にDeleteキーを押す
方法3:レイヤー順序の変更
- 他のオブジェクトを選択
- 右クリック→「最背面へ移動」
- 目的の線が選択しやすくなる
表の線が消えたように見えるだけ
問題の状況
罫線を「なし」にしても、薄い線が残って見える場合があります。
原因と対策
グリッド線が表示されている
解決方法:
- 「表ツール」→「レイアウト」
- 「表のグリッド線の表示/非表示」をクリック
- グリッド線が非表示になる
印刷プレビューで確認
確認方法:
- 「ファイル」→「印刷」でプレビュー表示
- 実際の印刷では線が出ないことを確認
線を消したはずなのに復活する
よくある原因
スタイルが適用されている
解決方法:
- 段落を選択
- 「ホーム」→「スタイル」→「標準」を選択
- または「すべての書式をクリア」をクリック
テンプレートの設定
解決方法:
- 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」
- テンプレートの自動適用設定を確認
- 必要に応じて無効化
オートフォーマット機能
解決方法:
- 「ファイル」→「オプション」→「文章校正」
- 「オートフォーマット」設定を見直し
- 不要な自動変換をオフにする
効率的な線削除のコツ
一括削除の方法
複数の図形線を一度に削除
- Ctrlキーを押しながら複数の線をクリック
- すべて選択できたらDeleteキーを押す
文書全体の下線を一括削除
- Ctrl + Aで文書全体を選択
- Ctrl + Uで下線を一括解除
削除前の確認方法
印刷プレビューで確認
削除作業の前後で印刷プレビューを確認し、意図した通りになっているかチェックしましょう。
バックアップの作成
重要な文書では、削除作業前にファイルのコピーを作成しておくと安心です。
線の削除を防ぐ予防設定

オートフォーマット機能の調整
自動罫線挿入の無効化
- 「ファイル」→「オプション」
- 「文章校正」→「オートフォーマット」
- 「入力時に行う処理」で以下をオフ:
- 罫線の自動挿入
- 表の自動挿入
- その他の自動変換機能
ハイパーリンク自動生成の無効化
- 同じくオートフォーマット設定で
- 「インターネットとネットワークアドレスをハイパーリンクに変更する」をオフ
文書保護の設定
重要な文書では、意図しない変更を防ぐために文書保護を設定できます:
- 「校閲」→「文書の保護」
- 「書式設定と編集の制限」を設定
- パスワードで保護
まとめ
Wordの「線」は見た目は似ていても、種類によって消し方がまったく異なります。効率的に削除するためには、まず線の種類を正しく判断することが重要です。
削除方法の要点
- 自動罫線:Ctrl + Zまたは段落の罫線設定で解除
- 段落罫線:段落を選択して「罫線なし」に設定
- 図形の線:選択してDeleteキーで削除
- 表罫線:「表ツール」→「デザイン」から個別に削除
- 文字下線:文字選択後、Ctrl + Uまたは下線ボタンで解除
トラブル対策のポイント
- 選択できない線:選択ウィンドウやオブジェクト選択ツールを活用
- 復活する線:スタイルやテンプレートの設定を確認
- 見えない削除:グリッド線の表示設定や印刷プレビューで確認
予防対策
- オートフォーマット機能の調整で自動挿入を防ぐ
- 文書保護で意図しない変更を防止
- 定期的なバックアップで安心して作業
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