「文字の間がやたら広がって読みづらい…」
「均等割り付けを使ったけど、解除の仕方がわからない…」
「文書の見た目がおかしくなってしまった…」
Wordでは、文字数を揃えるために「均等割り付け」という機能があります。しかし一度適用すると、意図しない文字間の空きができてしまうことがあり、解除方法に戸惑う人も多いです。
この記事では、Wordの均等割り付けを解除する手順と、文字間が広がる様々な原因への対処法をわかりやすく解説します。初心者の方でも確実に問題を解決できる内容になっています。
均等割り付けとは?基本的な仕組みを理解しよう

均等割り付けの働き
均等割り付けは、選択した文字列を指定の幅内で均等に配置する機能です。主に以下のような場面で使用されます。
具体例
- 「田中」を4文字分のスペースに配置 → 「田 中」
- 住所録で名前の文字数を揃える
- 表の項目名を統一幅で表示する
なぜ文字間が広がるの?
均等割り付けが適用されると、Wordが自動的に文字間にスペースを挿入して、指定された幅に文字を配置します。これにより、文字数の少ない文字列ほど文字間が大きく広がってしまいます。
均等割り付けが勝手に適用される原因
意図せず均等割り付けが適用される主な原因は以下の通りです。
- ショートカットキーの誤操作(Ctrl+Shift+J)
- 書式設定メニューでの誤選択
- テンプレートや他の文書からのコピー
- 表の作成時の自動適用
均等割り付けの解除方法(基本編)
方法1:右クリックメニューから解除
最も確実で分かりやすい方法です。
手順
- 均等割り付けを解除したい文字列を選択(ドラッグで範囲指定)
- 選択した部分で右クリック
- メニューから「段落」を選択
- 「段落」ダイアログボックスが開いたら「文字の配置」タブをクリック
- 「文字の均等割り付け」の設定で「しない」を選択
- 「OK」をクリックして確定
方法2:リボンメニューから解除
ホームタブから直接操作する方法です。
手順
- 解除したい文字列を選択
- 「ホーム」タブをクリック
- 「段落」グループの「拡張書式」ボタン(文字に矢印のアイコン)をクリック
- 「文字の均等割り付け」を選択
- ダイアログボックスで「均等割り付けをしない」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
方法3:ショートカットキーで解除
素早く解除したい場合に便利です。
手順
- 文字列を選択
- 「Ctrl + Shift + J」を押す(適用と解除が切り替わる)
- 既に均等割り付けが適用されている場合は、このキーで解除される
文字間が広がる他の原因と解除方法
原因1:段落の配置設定による文字間の広がり
均等割り付け以外でも文字間が広がることがあります。
確認方法
- 該当する段落を選択
- 「ホーム」タブの「段落」グループで配置ボタンを確認
- 「両端揃え」になっている場合は「左揃え」に変更
解除手順
- 文字列または段落を選択
- 「ホーム」タブの「左揃え」ボタンをクリック
- または「Ctrl + L」を押す
原因2:フォントの文字間隔設定
フォント自体の間隔設定が原因の場合もあります。
確認・解除手順
- 問題のある文字列を選択
- 右クリックで「フォント」を選択
- 「フォント」ダイアログの「詳細設定」タブをクリック
- 「文字間隔」が「標準」になっているか確認
- 「広く」や「狭く」になっている場合は「標準」に変更
- 「位置」も「標準」に設定
- 「OK」をクリック
原因3:タブ設定による影響
タブ設定が文字配置に影響している場合があります。
確認・解除手順
- 「ホーム」タブの「段落」グループの右下矢印をクリック
- 「段落」ダイアログで「タブ設定」ボタンをクリック
- 不要なタブ設定を「クリア」または「すべてクリア」
- 「OK」で確定
原因4:スタイル設定の影響
文書全体にスタイルが適用されている場合があります。
確認・解除手順
- 「ホーム」タブの「スタイル」グループを確認
- 現在適用されているスタイルを確認
- 「標準」スタイルを選択するか、「書式のクリア」ボタンをクリック
文書全体の均等割り付けを一括解除する方法
全選択してから一括解除
文書全体に均等割り付けが適用されている場合の対処法です。
手順
- 「Ctrl + A」で文書全体を選択
- 前述の解除方法のいずれかを実行
- 文書全体の均等割り付けが解除される
検索・置換機能を使った高度な解除方法
特定の書式だけを検索して解除することも可能です。
手順
- 「Ctrl + H」で「検索と置換」ダイアログを開く
- 「その他」ボタンをクリックして詳細オプションを表示
- 「検索する文字列」は空白のまま、「書式」ボタンをクリック
- 「段落」を選択し、均等割り付けの設定を指定
- 「置換後の文字列」も空白のまま、「書式」で標準の段落設定を指定
- 「すべて置換」をクリック
特殊なケースでの対処法

表内の均等割り付け解除
表のセル内で均等割り付けが適用されている場合の対処法です。
手順
- 問題のあるセルを選択
- 右クリックで「セルの配置」を選択
- 「文字の配置」で「左揃え」を選択
- または表全体を選択して一括で変更
差し込み印刷での均等割り付け問題
差し込み印刷で文字間が広がる場合の対処法です。
手順
- 差し込みフィールドを個別に選択
- 各フィールドに対して均等割り付けを解除
- 差し込み印刷を実行して結果を確認
テンプレートからの継承問題
テンプレートの設定が影響している場合の対処法です。
手順
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「編集オプション」で「貼り付け時に書式を保持する」のチェックを外す
- 新しい文書で問題が解決されるか確認
よくあるトラブルと解決方法
解除したのに文字間が広いまま
原因と対処法
複数の書式が重複適用されている場合
- 「書式のクリア」ボタンですべての書式をリセット
- 必要な書式のみを再適用
段落記号に書式が適用されている場合
- 段落の最後の改行マークも含めて選択
- 書式設定を確認・変更
一部の文字だけ文字間が広い
原因と対処法
文字単位で書式が適用されている場合
- 問題のある文字を個別に選択
- フォントの詳細設定を確認
- 文字間隔を「標準」に設定
印刷時だけ文字間が広がる
原因と対処法
プリンターの設定が影響している場合
- 印刷プレビューで確認
- プリンターのプロパティで「文字品質」を調整
- PDFで出力して問題が解決するか確認
均等割り付けの適切な使用方法
使用が推奨される場面
均等割り付けを効果的に使える場面を理解しておきましょう。
適切な使用例
- 住所録での氏名欄の統一
- 表の見出し項目の整列
- 公式文書での項目名の統一
使用を避けるべき場面
均等割り付けが不適切な場面も知っておくことが大切です。
避けるべき使用例
- 長い文章の本文
- 読みやすさを重視する文書
- 文字数の差が大きい項目
予防方法:均等割り付けの誤適用を防ぐ
ショートカットキーの誤操作を防ぐ
対策方法
- よく使うショートカットキーを覚えて誤操作を減らす
- 書式設定前には必ず選択範囲を確認
- 作業後は表示を確認する習慣をつける
テンプレート使用時の注意点
注意すべきポイント
- テンプレートの書式設定を事前に確認
- 不要な書式設定は使用前に削除
- 自分用のテンプレートを作成して使用
まとめ
Wordの均等割り付けによる文字間の広がりは、適切な方法で確実に解除できます。
すぐにできる解除方法
- 文字列を選択して右クリック→「段落」→「文字の均等割り付けをしない」
- ホームタブの「拡張書式」から解除
- ショートカットキー「Ctrl + Shift + J」で切り替え
その他の原因への対処
- 段落の配置設定を「左揃え」に変更
- フォントの文字間隔を「標準」に設定
- 書式のクリアで全ての書式をリセット
予防のポイント
- 書式設定前に選択範囲を確認
- テンプレート使用時は事前に書式をチェック
- 定期的に文書全体の表示を確認
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