長時間パソコンで文書を編集していると、「目が疲れる…」「白い画面がまぶしい…」と感じたことはありませんか?
そんな悩みを解消してくれるのが、ダークモードです。Wordでは、背景やメニューを暗く表示することで、目の負担を軽減し、集中しやすい作業環境をつくることができます。
この記事では、Wordでダークモードを設定する方法と、使いこなすためのポイントを詳しく解説します。
ダークモードとは何か

ダークモードの基本概念
ダークモードとは、背景を黒やグレーにして、文字を白っぽく表示する配色モードのことです。
視認性を保ちつつ、明るさを抑えられるため、特に夜間や長時間の作業に向いています。
ダークモードのメリット
ダークモードを使用することで、様々な恩恵を受けることができます。
健康面でのメリット
- 目の疲労軽減:明るい光の刺激を抑制
- ブルーライトカット:睡眠の質向上に寄与
- 集中力の向上:余計な刺激を減らして作業に集中
- 頭痛の軽減:光による頭痛の予防
実用面でのメリット
- バッテリー節約:OLEDディスプレイでの消費電力削減
- 夜間作業の快適性:暗い環境での作業に最適
- 画面のまぶしさ軽減:長時間作業での快適性向上
ダークモードが有効な場面
時間帯による使い分け
- 夜間作業:暗い環境での作業時
- 早朝作業:目覚めたばかりの時間
- 長時間の集中作業:疲労軽減のため
環境による使い分け
- 暗い部屋:照明を落とした環境
- 移動中:電車や飛行機での作業
- カフェなど:周囲への配慮
Wordでダークモードを設定する方法(Windows版)
基本的な設定手順
Windows版Wordでのダークモード設定は簡単です。
手順1:Officeアカウント設定を開く
- Wordを起動
- 「ファイル」タブをクリック
- 左側のメニューから「アカウント」を選択
- 右側に「Officeのテーマ」セクションが表示される
手順2:ダークテーマを選択
- 「Officeのテーマ」のドロップダウンをクリック
- 利用可能なテーマから選択:
- 「黒」:完全なダークモード
- 「濃い灰色」:やや明るめの落ち着いた暗色
- 「カラフル」:標準的な明るいテーマ
- 「白」:最も明るいテーマ
- 設定後、即座にUIが変更される
テーマの詳細比較
各テーマの特徴を理解して、最適なものを選びましょう。
テーマ名 | 背景色 | 適用場面 | 目の負担 |
---|---|---|---|
黒 | 真っ黒に近い | 夜間・長時間作業 | 最小 |
濃い灰色 | 暗いグレー | 一般的なダーク環境 | 小 |
カラフル | 青系の明るい色 | 標準的な使用 | 中 |
白 | 純白 | 明るい環境 | 大 |
設定の反映範囲
ダークモード設定は以下の要素に適用されます。
変更される部分
- リボンメニュー:タブやボタンの背景
- サイドバー:ナビゲーションやプロパティパネル
- ダイアログボックス:設定画面などの背景
- タイトルバー:ウィンドウの上部
変更されない部分
- 文書本文:編集エリアの背景(別途設定可能)
- 印刷レイアウト:実際の印刷イメージ
- 挿入された画像:画像の色合い
文書背景の個別設定
文書背景を白に保つ方法
UIだけをダークモードにして、文書部分は白のままにしたい場合の設定です。
背景色の個別設定
- ダークモードに設定済みの状態で文書を開く
- 「デザイン」タブをクリック
- 「ページの色」→「色なし」を選択
- 文書背景が白のまま維持される
表示設定の調整
より細かい調整をしたい場合:
- 「表示」タブをクリック
- 「文書の書式」グループで設定を確認
- 必要に応じて「印刷レイアウト」で表示を調整
文書も含めた完全ダークモード
文書背景も暗くしたい場合の設定方法です。
文書背景のダーク化
- 「デザイン」タブ→「ページの色」
- 暗い色を選択(黒、濃いグレーなど)
- 文字色を明るい色に変更(白、明るいグレーなど)
注意点
- 印刷時は自動的に白背景になる
- 他の人との共有時は設定が引き継がれない
- 視認性の確認が重要
Mac版Wordのダークモード設定
macOSシステム連動設定
Mac版Wordは、macOSのシステム設定と連動します。
macOSでのダークモード設定
- Appleメニュー→「システム環境設定」(macOS Monterey以前) または**「システム設定」**(macOS Ventura以降)
- 「一般」→「外観」
- 「ダーク」を選択
- Word含む全てのアプリがダークモードに
Word単体での設定
Mac版Wordでは、Windows版のような個別テーマ設定はありません。
- システム全体の設定に従う
- 自動切り替え機能も利用可能
- 時間指定での切り替えが可能
macOSの自動切り替え機能
時間ベースの自動切り替え
- 「システム設定」→「一般」→「外観」
- 「自動」を選択
- 日の出・日の入りに基づいて自動切り替え
カスタム時間設定
- 「自動」選択後、「オプション」をクリック
- ライトモード・ダークモードの開始時刻を設定
- 生活リズムに合わせた最適化
Microsoft 365 と Office 2019/2021 の違い

バージョン別機能比較
Wordのバージョンによって利用できる機能が異なります。
バージョン | ダークモード対応 | テーマ選択肢 | 自動切り替え |
---|---|---|---|
Microsoft 365 | ○ | 4種類 | OS連動 |
Office 2021 | ○ | 4種類 | OS連動 |
Office 2019 | ○ | 3種類 | なし |
Office 2016以前 | × | なし | なし |
機能の詳細
Microsoft 365 の特徴
- 最新機能への即座のアクセス
- クラウド同期での設定共有
- 定期的なアップデート
Office 2019/2021 の特徴
- 買い切り版での利用
- 基本的なダークモード対応
- 限定的な自動機能
ダークモードの詳細設定
表示オプションの調整
より快適にダークモードを使用するための詳細設定です。
文字の見やすさ調整
- 「ファイル」→「オプション」→「全般」
- 「ユーザーインターフェイスオプション」
- 必要に応じて以下を調整:
- フォントサイズ
- アイコンサイズ
- ツールヒントの表示時間
コントラストの最適化
- Windowsの「設定」→「簡単操作」→「ハイコントラスト」
- 必要に応じてハイコントラストモードを有効
- 色覚に配慮した設定も利用可能
カスタムカラーパレットの活用
独自配色の設定
- 「デザイン」タブ→「配色」
- 「配色のカスタマイズ」を選択
- ダークモードに適した色を設定
- 背景色:濃いグレーまたは黒
- 文字色:白または明るいグレー
- アクセント色:視認性の高い色
他のOfficeアプリとの連携
Office全体でのダークモード
Word以外のOfficeアプリとの設定統一です。
同時設定の方法
- 任意のOfficeアプリで「ファイル」→「アカウント」
- 「Officeのテーマ」を変更
- 全てのOfficeアプリに反映される
対応アプリケーション
- Excel:表計算での目の負担軽減
- PowerPoint:プレゼンテーション作成時
- Outlook:メール作業での疲労軽減
- OneNote:ノート作成での集中力向上
クラウド同期での設定共有
Microsoft 365での設定同期
- Microsoft アカウントでサインイン
- 設定が自動的にクラウド同期
- 他のデバイスでも同じ設定が適用
同期される設定項目
- テーマ設定
- 表示オプション
- カスタム配色
- ユーザー設定
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
ダークモードが適用されない
原因と対策
- 古いバージョン:Office 2016以前は非対応
- 設定の反映遅延:Wordの再起動で解決
- システムの競合:他のテーマソフトとの干渉確認
文字が読みにくい
調整方法
- フォントサイズの拡大
- コントラスト比の調整
- 異なるテーマ(「濃い灰色」など)の試用
印刷時の問題
注意点と対策
- 印刷は常に白背景:ダークモード設定に関係なし
- 印刷プレビュー:事前に仕上がりを確認
- カラー設定:プリンターの設定も確認
パフォーマンスの最適化
動作が重い場合
- 不要なアドインの無効化
- ハードウェアアクセラレーションの調整
- メモリ使用量の確認
表示の遅延
- グラフィックドライバーの更新
- 画面解像度の確認
- マルチモニター環境での設定見直し
作業効率向上のコツ
ダークモードを活かした作業術
集中力向上テクニック
- フルスクリーンモードとの組み合わせ
- 不要な通知の無効化
- タスクの区切りでの明暗切り替え
時間管理との連携
- 作業時間に応じたテーマ切り替え
- ポモドーロテクニックとの組み合わせ
- 生体リズムに合わせた使用
他のツールとの統合
ブラウザとの連携
- Microsoft Edge:同期されたダークモード
- Chrome/Firefox:拡張機能での統一
- 統一された作業環境の構築
OSレベルでの最適化
- Windowsダークモード:システム全体の統一
- macOSダークモード:自動切り替え機能
- スケジュール連動:時間帯に応じた自動変更
まとめ
Wordのダークモードは、現代の長時間デジタル作業において非常に有効な機能です。
設定方法の要点
- Windows版:「ファイル」→「アカウント」→「Officeのテーマ」
- Mac版:macOSのシステム設定と連動
- 文書背景:個別に白を維持可能
効果的な活用のために
- 使用環境に応じた切り替え
- 他のOfficeアプリとの統一
- 健康面でのメリットを意識した使用
注意すべきポイント
- 印刷時は常に白背景
- 色の正確性が必要な作業では注意
- 適切なコントラスト比の確保
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