この記事では、Microsoft Wordで選択した範囲だけの文字数をカウントする方法を詳しく解説します。
レポートの一部分や原稿の特定セクションなど、部分的な文字数を正確に知りたい場合の実用的なテクニックをマスターしましょう。
選択範囲での文字数カウントが必要な場面

日常的にWordを使用していると、文書全体ではなく特定の部分だけの文字数を知りたい場面が多くあります。
よくある使用場面
学術・教育分野
- レポートの各章ごとの文字数管理
- 論文の要約部分の文字数制限確認
- 引用部分を除いた独自文章の文字数測定
- 参考文献リストの文字数確認
ビジネス文書
- 企画書の各セクション別文字数管理
- プレゼンテーション用要約の文字数調整
- 契約書の特定条項の文字数確認
- 社内報告書の各項目の文字数統制
出版・編集業界
- 原稿の章立て別文字数管理
- 見出しや小見出しの文字数統一
- 広告文やキャッチコピーの文字数制限
- 雑誌記事の各段落の文字数調整
Web・コンテンツ制作
- ブログ記事の導入部分の文字数
- SNS投稿用の抜粋文字数確認
- メタディスクリプションの文字数調整
- 商品説明文の各項目別文字数
Wordの文字カウント機能の基礎知識

文字カウント機能の概要
Wordには標準で文字カウント機能が搭載されており、リアルタイムで文書の統計情報を確認できます。この機能は文書全体だけでなく、選択した範囲についても詳細な情報を提供します。
確認できる統計情報
基本統計
- ページ数:文書の総ページ数
- 単語数:英語などの単語数(日本語では参考程度)
- 文字数(スペースを含む):空白文字も含めた全文字数
- 文字数(スペースを含まない):純粋な文字のみの数
- 段落数:改行で区切られた段落の数
- 行数:文書の総行数
ステータスバーでの表示
ステータスバーの確認
- Word画面の最下部にある細い帯状の部分
- 「○○語」または「○○文字」として表示
- クリックすると詳細な文字カウントダイアログが開く
ステータスバーに表示されない場合の対処
- ステータスバーを右クリック
- 表示されるメニューから「文字カウント」にチェック
- ステータスバーに文字数が表示される
選択範囲の文字数カウント手順
基本的な手順(3ステップ)
ステップ1:範囲を選択
- カウントしたい文章の開始位置にカーソルを置く
- マウスをドラッグして終了位置まで選択
- 選択された部分が青色(または設定色)でハイライト表示される
ステップ2:ステータスバーを確認
- 画面下部のステータスバーを確認
- 「選択された○○語」または「選択された○○文字」の表示を見つける
- この数値が選択範囲の文字数
ステップ3:詳細情報の確認
- ステータスバーの文字数表示をクリック
- 「文字カウント」ダイアログボックスが開く
- 選択範囲の詳細統計が表示される
詳細な文字カウントダイアログの使い方
ダイアログで確認できる情報
文字カウント
┌─────────────────────────┐
│ ☑ 選択した範囲のみを対象 │
│ │
│ ページ数: 1 │
│ 単語数: 15 │
│ 文字数(スペースを含む): 45 │
│ 文字数(スペースを含まない): 38 │
│ 段落数: 2 │
│ 行数: 3 │
│ │
│ ☐ テキストボックス、脚注、 │
│ 文末脚注を含める │
└─────────────────────────┘
重要なチェックボックス
- 「選択した範囲のみを対象」:自動的にチェックされる
- 「テキストボックス、脚注、文末脚注を含める」:必要に応じてチェック
実践的な使用例

例1:レポートの要約部分をカウント
サンプル文書の一部
【要約】
本研究では、リモートワークが従業員の生産性に与える影響について調査した。
対象は全国の企業500社で、アンケート調査により実態を把握した。
結果として、適切な環境整備により生産性向上が可能であることが判明した。
カウント手順
- 「本研究では〜」から「〜判明した。」まで選択
- ステータスバーで文字数確認
- 詳細が必要な場合はステータスバーをクリック
結果例
- 文字数(スペースを含む):約120文字
- 文字数(スペースを含まない):約100文字
例2:見出しの文字数統一
複数の見出しをチェック
第1章 研究の背景と目的について
第2章 先行研究の調査結果
第3章 研究方法と対象の設定
各見出しの文字数確認
- 「第1章 研究の背景と目的について」を選択
- 文字数をメモ(約14文字)
- 他の見出しも同様に確認
- 文字数を統一するため調整
例3:引用部分を除いた独自文章のカウント
引用を含む文章
田中(2023)は「リモートワークの導入により、
従業員満足度が30%向上した」と述べている。
この結果を踏まえ、本研究では...
独自文章部分のみをカウント
- 引用部分(「」内)を除いて選択
- 「田中(2023)は」と「と述べている。この結果を踏まえ…」を個別に選択
- それぞれの文字数を合計
文字数の種類と使い分け
スペースを含む文字数 vs 含まない文字数
スペースを含む文字数
- 実際の文書占有スペースに近い
- 印刷時のレイアウト計算に適している
- Web掲載時の文字数制限に対応
スペースを含まない文字数
- 純粋な文字情報の量
- 翻訳時の文字数計算に適用
- 原稿料計算に使用される場合が多い
実際の比較例
サンプル文章
今日は とても良い天気ですね。
カウント結果
- スペースを含む:14文字
- スペースを含まない:11文字
- 差分:3文字(空白3個分)
高度な選択テクニック

複数箇所の同時選択
Ctrlキーを使った複数選択
- 最初の範囲をドラッグで選択
- Ctrlキーを押しながら次の範囲を選択
- 複数箇所が同時に選択される
- 合計文字数がステータスバーに表示
活用例
- 各章の見出しだけを選択
- 図表のキャプションのみを選択
- 注釈部分のみを選択
キーボードショートカットでの選択
効率的な選択方法
- Ctrl + A:文書全体を選択
- Shift + 矢印キー:文字単位で選択範囲を調整
- Ctrl + Shift + 矢印キー:単語単位で選択
- Shift + Home/End:行の始まり/終わりまで選択
- Ctrl + Shift + Home/End:文書の始まり/終わりまで選択
段落単位での選択
段落全体の選択方法
- 段落内の任意の場所で3回クリック
- 段落全体が自動選択される
- ステータスバーで段落の文字数を確認
特殊な要素の文字カウント
表(テーブル)内の文字数
表全体のカウント
- 表の左上角にマウスを移動
- 十字矢印が表示されたらクリック
- 表全体が選択される
- ステータスバーで文字数確認
特定のセルのカウント
- 対象セル内の文字をドラッグ選択
- 通常の選択範囲と同様にカウント
図表キャプションの文字数
キャプション部分の選択
- 「図1:」や「表2:」などのキャプションを選択
- 説明文部分も含めて選択
- 文字数を確認
脚注・文末脚注の文字数
脚注を含む文字カウント
- 文字カウントダイアログを開く
- 「テキストボックス、脚注、文末脚注を含める」にチェック
- 脚注も含めた総文字数が表示
脚注のみの文字カウント
- 脚注部分のみを選択
- 個別に文字数をカウント
トラブルシューティング

よくある問題と解決方法
問題1:ステータスバーに文字数が表示されない
原因:ステータスバーの設定が無効
解決方法:
- ステータスバーを右クリック
- 「文字カウント」にチェックを入れる
- ステータスバーに文字数が表示される
問題2:選択しても文字数が変わらない
原因:選択範囲に文字が含まれていない
解決方法:
- 選択範囲を再確認
- 文字が確実に選択されているかチェック
- 画像や図形だけの選択では文字数は0
問題3:文字カウントダイアログが開かない
原因:Wordの不具合または設定問題
解決方法:
- 「校閲」タブの「文字カウント」ボタンをクリック
- Wordの再起動
- ファイルの保存と再開
文字数が正確でない場合の確認点
確認すべきポイント
- 改行コードの扱い:改行も1文字としてカウントされる
- タブ文字:タブも1文字としてカウント
- 特殊文字:記号や絵文字の扱い
- 半角・全角の違い:文字幅に関わらず1文字として計算
バージョン別の操作差異
Word 2019/2021/Microsoft 365
基本操作は共通
- ステータスバーでの文字カウント表示
- 文字カウントダイアログの内容
- 選択範囲での文字数表示
Word for Mac
操作の違い
- Ctrlキーの代わりにCommandキーを使用
- ダイアログのデザインが若干異なる
- 基本機能は Windows版と同等
Word Online(Web版)
制限事項
- ステータスバーでの表示が制限される場合
- 「校閲」タブからの文字カウントを推奨
- 一部高度な機能が利用できない場合
効率化のためのヒント
作業効率を上げるテクニック
ショートカットキーの活用
- Alt + T + W:文字カウントダイアログを直接開く(一部バージョン)
- Ctrl + Shift + G:「ジャンプ」機能で特定ページへ移動
マクロによる自動化
Sub ShowWordCount()
' 選択範囲の文字数を表示するマクロ
If Selection.Range.Characters.Count > 0 Then
MsgBox "選択範囲の文字数: " & Selection.Range.Characters.Count
Else
MsgBox "文字が選択されていません"
End If
End Sub
定期的な文字数チェック
執筆中の定期確認
- 章ごとの目標文字数設定
- 定期的な進捗確認
- バランスの調整
文字数制限への対応戦略
文字数オーバーの場合の調整方法
削減テクニック
- 冗長な表現の簡潔化
- 「〜について」→「〜を」
- 「〜ということ」→「〜こと」
- 重複内容の整理
- 同じ内容の繰り返し削除
- 類似表現の統合
- 副詞・形容詞の見直し
- 「非常に」「とても」などの強調語削除
- 不要な修飾語の除去
文字数不足の場合の補強方法
追加テクニック
- 具体例の追加
- 実例や数値データの挿入
- 具体的な説明の展開
- 論理的な補強
- 理由や根拠の詳細化
- 反対意見とその反駁
- 構造的な拡張
- 小見出しの追加
- 段落の細分化
よくある質問

複数の文書で文字数を比較したい場合は?
効率的な比較方法:
- 各文書で同じ部分を選択
- 文字数をスプレッドシートに記録
- 統計的な分析を実施
- 標準化された書式の確立
外国語(英語など)の文字数カウントは正確ですか?
注意点:
- 単語数:英語などは単語数が重要
- 文字数:スペースの扱いに注意
- 言語設定:Wordの言語設定を確認
- フォント:特殊フォントの場合は注意が必要
PDF化した際の文字数は変わりますか?
基本的には変わりませんが、以下に注意:
- フォントの埋め込み設定
- 画像として出力された場合
- 特殊文字の変換
共同編集時の文字数管理はどうすれば良いですか?
推奨方法:
- 定期的な全体文字数確認
- 担当箇所の明確化
- 文字数制限の事前共有
- 最終統合時の調整
まとめ
Wordでの選択範囲文字カウントは、正確な文書管理に欠かせない機能です。
重要なポイント
- 基本操作:選択→ステータスバー確認→詳細ダイアログ
- 用途別活用:スペース含む/含まないの使い分け
- 効率化:ショートカットキーや複数選択の活用
- 品質管理:定期的な文字数チェックで文書品質向上
用途別推奨方法
用途 | 推奨カウント方法 | ポイント |
---|---|---|
学術論文 | スペースを含まない | 純粋な文字数が重要 |
ビジネス文書 | スペースを含む | レイアウト考慮 |
Web記事 | スペースを含む | 表示領域の計算 |
出版原稿 | 編集部指定に従う | 出版社の基準確認 |
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