最近のWordでは、目に優しい「ダークモード」が標準で使われることがあります。しかし、「背景が黒くて読みにくい」「印刷イメージと違って困る」と感じた方も多いのではないでしょうか?
この記事では、Wordのダークモードを解除して元の明るい表示に戻す方法をわかりやすくご紹介します。元の白背景で文書を作成したい方は、ぜひ参考にしてください。
ダークモードとは?

ダークモードは、Wordの画面背景を黒や濃いグレーにする表示モードです。
ダークモードの特徴
メリット
- 目の疲労軽減:暗い環境での作業時に目への負担を軽減
- ブルーライト削減:青色光の発生を抑える効果
- バッテリー節約:有機ELディスプレイでの電力消費を削減
- 集中力向上:暗い背景で文字に集中しやすくなる
- 夜間作業に最適:薄暗い環境での作業に適している
デメリット
- 印刷イメージとの違い:実際の印刷物は白背景のため、ギャップが生じる
- 明るい環境での見にくさ:日中や明るい場所では文字が読みにくい
- 色の認識:文字色や図形の色が実際と異なって見える場合がある
- 慣れの問題:長年白背景に慣れた人には違和感がある
ダークモードが有効になる条件
ダークモードは以下の場合に自動的に有効になることがあります:
- Windowsのダークモード設定:システム全体がダークモードに設定されている
- Officeテーマの設定:「黒」テーマが選択されている
- 自動切り替え:時間帯に応じた自動変更設定が有効
- 新規インストール:最新版Officeのデフォルト設定
Wordのダークモードを解除する方法
方法1:Officeテーマを変更する(推奨)
最も確実で簡単な方法は、Officeテーマを明るいものに変更することです。
Windows版Wordでの手順
- 「ファイル」タブをクリック
- 「オプション」を選択
- 左側のメニューから「全般」をクリック
- 「Microsoft Officeのユーザーインターフェースオプション」で「Officeテーマ」を探す
- ドロップダウンメニューから以下のいずれかを選択:
- 「白」:最もシンプルな白背景
- 「カラフル」:Wordらしい青いアクセントカラー
- 「濃いグレー」:ダークモードより明るいグレー
- 「OK」をクリックして設定を適用
Mac版Wordでの手順
- 「Word」メニューから「環境設定」を選択
- 「全般」をクリック
- 「個人用設定」セクションで「Officeテーマ」を探す
- 以下から選択:
- 「自動」:macOSの設定に従う
- 「カラフル」:明るいテーマ
- 「白」:白背景のテーマ
- 設定は自動的に保存される
各テーマの特徴
テーマ名 | 背景色 | アクセント色 | 適用場面 |
---|---|---|---|
白 | 純白 | グレー | シンプル重視、印刷メイン |
カラフル | 白 | 青系 | バランス重視、一般的な使用 |
濃いグレー | ライトグレー | オレンジ系 | 目に優しく、でも明るめ |
黒 | 黒・ダークグレー | 青系 | ダークモード |
方法2:文書の背景だけを白くする
ダークモードを維持しつつ、編集エリア(文書部分)だけを白くすることも可能です。
手順
- 「ファイル」→「オプション」→「全般」を開く
- 「Microsoft Officeのユーザーインターフェースオプション」セクションを探す
- 「Microsoft Officeを黒の背景で表示しているときに文書ページの色を白にする」にチェックを入れる
- 「OK」で設定を確定
この方法のメリット
- 印刷イメージの確認:実際の印刷物と同じ見た目で編集
- 部分的な調整:メニューやリボンはダークモードのまま
- 目の負担軽減:作業エリアのみ明るくして集中しやすく
- 柔軟性:必要に応じて簡単に切り替え可能
方法3:Windowsの設定から変更する
Windows全体の表示モードを変更することで、Office全体の配色を一括で変更できます。
Windows 10での手順
- 「設定」アプリを開く(Windowsキー + I)
- 「個人用設定」をクリック
- 左側のメニューから「色」を選択
- 「既定のアプリモード」で「ライト」を選択
Windows 11での手順
- 「設定」アプリを開く
- 「個人用設定」→「色」を選択
- 「モードを選ぶ」で「ライト」を選択
- または「カスタム」を選んで、「既定のアプリモード」を「ライト」に設定
システム設定変更の影響
影響を受けるアプリ:
- Microsoft Office(Word、Excel、PowerPoint など)
- Microsoft Edge
- Windows エクスプローラー
- メール・カレンダーアプリ
- その他のMicrosoft製アプリ
注意点:
- 他のアプリケーションの見た目も変わります
- 一部のサードパーティアプリにも影響する場合があります
- 設定変更後、アプリの再起動が必要な場合があります
方法4:レジストリを使った詳細設定(上級者向け)
より細かい制御をしたい上級者向けの方法です。
注意事項
- レジストリ編集はリスクを伴います
- 事前にバックアップを取ってください
- 自己責任での実行をお願いします
手順(Windows)
- 「regedit」でレジストリエディタを開く
- 以下のパスに移動:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Common\UI
- 「Theme」キーの値を変更:
- 0:白テーマ
- 1:カラフルテーマ
- 2:濃いグレーテーマ
- 3:黒テーマ
トラブルシューティング
設定が反映されない場合
Wordの再起動
設定変更後、以下の手順でWordを再起動してください:
- すべてのWordウィンドウを閉じる
- タスクマネージャーでWordプロセスが完全に終了していることを確認
- Wordを再度起動
Officeの修復
設定が正常に動作しない場合:
- 「コントロールパネル」→「プログラムと機能」
- 「Microsoft Office」を選択
- 「変更」→「クイック修復」を実行
一部の画面だけダークモードのまま
個別ウィンドウの問題
- 新しいウィンドウを開く:「表示」→「新しいウィンドウ」
- 表示倍率のリセット:100%に戻してから設定確認
- アドイン無効化:サードパーティアドインが影響している可能性
キャッシュのクリア
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「表示」セクションで「ハードウェアグラフィックアクセラレータを無効にする」にチェック
- Wordを再起動後、チェックを外す
文字が見にくくなる場合
フォント色の調整
ダークモードから明るいモードに変更した際の文字色調整:
- 「ホーム」タブ→「フォントの色」
- 「自動」が選択されていることを確認
- または「黒」を明示的に選択
コントラストの調整
- Windowsの「設定」→「簡単操作」
- 「ハイコントラスト」設定を確認
- 必要に応じて「なし」に設定
各バージョン別の対応方法

Word 2019・2021・Microsoft 365
最新バージョンでは、上記の方法がすべて利用可能です。
特別な機能
- 自動切り替え:時間帯に応じた自動変更
- アプリごと設定:Office アプリごとに個別設定可能
- 同期機能:Microsoft アカウントでの設定同期
Word 2016
一部の機能が制限される場合があります:
- Officeテーマの変更は可能
- 一部の詳細設定オプションが利用不可
- Windowsの設定に依存する部分が多い
Word Online(ブラウザ版)
Web版のWordでは制限があります:
- ブラウザの設定に依存
- 一部のテーマオプションが利用不可
- デスクトップ版とは設定が独立
ダークモードの使い分けのコツ
環境に応じた使い分け
明るい環境(昼間・オフィス)
- 推奨設定:白テーマまたはカラフルテーマ
- 理由:外光との対比で文字が読みやすい
- メリット:印刷物との色合いが近い
暗い環境(夜間・照明を落とした部屋)
- 推奨設定:黒テーマまたは濃いグレーテーマ
- 理由:目への負担を軽減
- メリット:集中しやすい環境を作れる
作業内容に応じた使い分け
文書作成・編集メイン
- 明るいテーマが推奨
- 印刷イメージと一致させる
読書・レビューメイン
- ダークモードが推奨
- 長時間の閲覧でも疲れにくい
自動切り替えの設定
Windows 10/11では、時間帯に応じた自動切り替えも可能です:
- 「設定」→「個人用設定」→「色」
- 「モードを選ぶ」で「カスタム」を選択
- 「Windowsモード」と「既定のアプリモード」を個別設定
まとめ
Wordのダークモードは便利ですが、環境や好みによっては明るい表示に戻したほうが見やすいこともあります。
重要なポイント
- Officeテーマ変更が最も確実で簡単な方法
- 文書背景のみの変更で部分的な調整も可能
- Windowsの設定変更でシステム全体を一括調整
- 環境や作業内容に応じた使い分けが効果的
おすすめの設定
一般的なオフィスワーク
- Officeテーマ:「カラフル」
- 理由:見やすさと使いやすさのバランス
印刷物の作成メイン
- Officeテーマ:「白」
- 理由:印刷イメージとの一致
長時間の文書作成
- 状況に応じて切り替え
- 昼間:明るいテーマ
- 夜間:ダークモード
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