【かんたん設定】Windowsターミナルの起動をじぶん好みにする方法

Windows

Windowsターミナルを使っていて、「毎回同じフォルダを開いている」「いつも同じコマンドを打っている」と感じることはありませんか?

「起動するたびに設定を変えるのがめんどう」
「もっと楽に作業をはじめたい」
そんな悩みをかかえている人は多いです。

実は、Windowsターミナルには起動時の動きをじぶん好みにカスタマイズできる便利な機能があります。

この記事では、初心者でもかんたんに設定できる方法を、ステップバイステップで説明します。

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設定ファイルってなに?|Windowsターミナルの心臓部分を知ろう

設定ファイルの役割

Windowsターミナルの起動設定は、JSON形式という特別なファイルで管理されています。

JSONは、コンピューターが理解しやすい形でデータを書く方法です。

設定ファイルの開き方

手順1:設定画面を開く

  1. Windowsターミナルを起動する
  2. 右上にある**下向きの矢印(▼)**をクリック
  3. メニューから「設定」を選ぶ

手順2:設定方法を選ぶ

  • GUI設定:マウスでクリックして設定(初心者におすすめ)
  • JSON設定:ファイルを直接編集(上級者向け)

JSON設定ファイルの基本構造

設定ファイルでは、以下のような項目で起動時の動きを決められます:

設定項目なにを決めるか
defaultProfile起動時に開くシェル(コマンド環境)PowerShell、コマンドプロンプトなど
startingDirectory起動時に開くフォルダプロジェクトフォルダなど
startupActions起動時に実行する動作複数タブを開くなど
launchModeウィンドウの表示方法全画面、通常サイズなど

設定ファイルを理解することで、より自由なカスタマイズが可能になります。

次は、具体的な設定方法を見ていきましょう。

よく使うシェルを起動時に開く設定|作業をすぐにはじめよう

シェルってなに?

シェルは、コンピューターに指示を出すためのコマンド環境のことです。

Windowsには以下のようなシェルがあります:

  • PowerShell:Windowsの新しいコマンド環境
  • コマンドプロンプト:昔からあるWindowsのコマンド環境
  • WSL(Ubuntu など):LinuxをWindows上で動かす環境

特定のシェルを起動時に開く方法

GUI設定での方法(かんたん)

  1. 設定画面を開く
  2. 「スタートアップ」の項目を見つける
  3. 「規定のプロファイル」で使いたいシェルを選ぶ
  4. 「保存」をクリック

JSON設定での方法(上級者向け)

{
    "defaultProfile": "{プロファイルのGUID}",
    "profiles": {
        "list": [
            {
                "guid": "{574e775e-4f2a-5b96-ac1e-a2962a402336}",
                "name": "PowerShell",
                // その他の設定
            }
        ]
    }
}

プロファイルのGUIDを調べる方法

  1. 設定画面を開く
  2. 左側のメニューから使いたいシェル名をクリック
  3. 「詳細設定」を開くと、GUIDが表示される

実際の設定例

PowerShellを既定にする場合

  • GUI設定:「規定のプロファイル」で「Windows PowerShell」を選択

WSL(Ubuntu)を既定にする場合

  • GUI設定:「規定のプロファイル」で「Ubuntu」を選択

目的のシェルをすぐ使えるようにすれば、作業効率が大きく向上します。

次は、起動時のフォルダを指定する方法を紹介します。

起動時に開くフォルダを決める|毎回同じフォルダを開く手間を省こう

なぜフォルダ指定が便利?

プログラミングや作業をするとき、いつも同じフォルダで作業することが多いです。

毎回手動でフォルダを移動するのは時間のムダですよね。

起動フォルダの設定方法

GUI設定での方法(おすすめ)

  1. 設定画面を開く
  2. 左側から設定したいプロファイル(PowerShellなど)をクリック
  3. 「詳細設定」をクリック
  4. 「開始ディレクトリ」の項目を見つける
  5. 開きたいフォルダのパスを入力
  6. 「保存」をクリック

JSON設定での方法

{
    "profiles": {
        "list": [
            {
                "name": "PowerShell",
                "startingDirectory": "C:\\Users\\あなたの名前\\Projects",
                // その他の設定
            }
        ]
    }
}

よく使うフォルダパスの例

用途フォルダパス説明
プロジェクトフォルダC:\Users\あなたの名前\Projectsプログラミング作業用
デスクトップC:\Users\あなたの名前\Desktopデスクトップのファイル操作
ダウンロードフォルダC:\Users\あなたの名前\Downloadsダウンロードしたファイルの確認
ルートフォルダC:\システム全体の操作

フォルダパスの調べ方

  1. エクスプローラーで目的のフォルダを開く
  2. アドレスバーをクリック
  3. 表示されたパスをコピー
  4. 設定画面に貼り付け

注意点

  • パスの区切り文字は \(バックスラッシュ)を使う
  • フォルダ名にスペースがある場合は、パス全体を " で囲む
  • 存在しないフォルダを指定すると、エラーになる場合がある

フォルダ指定は小さな変更に見えて、大きな時短につながります。

最後に、さらに便利な起動オプションを紹介します。

さらに便利な起動オプション|ターミナルをもっと使いやすくしよう

ウィンドウサイズと表示方法の設定

全画面で起動する

  • GUI設定:「スタートアップ」→「起動モード」→「全画面表示」を選択
  • JSON設定:"launchMode": "maximized"

特定のサイズで起動する

  • GUI設定:「外観」→「ウィンドウサイズ」で列数と行数を指定
  • JSON設定:"initialCols": 120, "initialRows": 30

複数タブを同時に開く設定

JSON設定での複数タブ設定例

{
    "startupActions": [
        {
            "command": {
                "action": "newTab",
                "profile": "PowerShell"
            }
        },
        {
            "command": {
                "action": "newTab",
                "profile": "Ubuntu"
            }
        }
    ]
}

この設定により、起動時に以下のことが自動で実行されます:

  1. PowerShellのタブが開く
  2. Ubuntuのタブも同時に開く

テーマや色の設定

背景を透明にする

  • GUI設定:「外観」→「透明度」のスライダーを調整
  • JSON設定:"useAcrylic": true, "acrylicOpacity": 0.8

文字の色とフォントを変える

  • GUI設定:「外観」→「色の設定」でテーマを選択
  • JSON設定:"colorScheme": "One Half Dark"

よく使うコマンドを自動実行

起動時にコマンドを実行する

{
    "profiles": {
        "list": [
            {
                "name": "PowerShell with Git Status",
                "commandline": "powershell.exe -NoExit -Command \"cd C:\\Projects; git status\"",
                // その他の設定
            }
        ]
    }
}

この例では:

  1. PowerShellが起動
  2. Projectsフォルダに移動
  3. gitの状態を自動で確認

タブのタイトルをカスタマイズ

わかりやすいタブ名をつける

  • GUI設定:各プロファイルの「タブタイトル」を設定
  • JSON設定:"tabTitle": "開発用 PowerShell"

これらの設定により、ターミナルの起動から作業開始までが自動化され、毎日の作業がもっとスムーズになります。

設定のバックアップと共有|大切な設定を守ろう

設定ファイルの場所

設定ファイルは以下の場所に保存されています:

C:\Users\あなたの名前\AppData\Local\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState\settings.json

バックアップの方法

  1. 上記の場所からsettings.jsonファイルをコピー
  2. 別の場所(Documentsフォルダなど)に保存
  3. 定期的にバックアップを取る

他のパソコンに設定をコピーする

  1. バックアップしたsettings.jsonファイルを用意
  2. 新しいパソコンでWindows Terminalをインストール
  3. 設定ファイルを上記の場所に上書きコピー

まとめ

設定のステップをおさらい

ステップ1:基本設定を決める

  • よく使うシェルを既定に設定
  • 作業フォルダを起動ディレクトリに指定

ステップ2:見た目を調整

  • ウィンドウサイズや透明度を設定
  • 好みのテーマや色を選択

ステップ3:効率化設定を追加

  • 複数タブの同時起動
  • よく使うコマンドの自動実行

設定するときのコツ

少しずつ変更する

  • 一度にたくさん変更せず、ひとつずつ試してみる
  • 設定が動かなくなったら、バックアップから復元

実際に使ってみる

  • 設定したら、実際に何度か起動して使い勝手を確認
  • 不便に感じたら、また調整する

他の人の設定を参考にする

  • インターネットで公開されている設定例を参考にする
  • ただし、そのままコピーせず、じぶんに必要な部分だけを取り入れる

よくある質問(FAQ)

Q: 設定を変更したのに反映されません

A: Windowsターミナルを完全に終了してから、再起動してみてください。タスクマネージャーでプロセスが残っていないか確認することも大切です。

Q: JSON設定でエラーが出ます

A: JSON形式では、カンマやカッコの位置が重要です。オンラインのJSONチェッカーで文法を確認してみてください。

Q: 設定を元に戻したいです

A: 設定画面の右下にある「規定値にリセット」をクリックするか、settings.jsonファイルを削除すると初期状態に戻ります。

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