「パソコンを起動するたびに毎回同じアプリを立ち上げるのが面倒…」
「ログイン後に自動でスクリプトを実行させたい…」
このような悩みを解決してくれるのが、Windowsの「スタートアップ」機能です。
この記事では、パソコン初心者の方でも理解できるよう、スタートアップへの登録方法をわかりやすく解説します。
スタートアップとは?

スタートアップとは、Windowsが起動してログインした後に自動的に実行されるプログラムの仕組みです。
これを活用すれば、毎回手動で起動していたアプリを自動で立ち上げることができます。
よくある使用例
- メモアプリやクリップボード管理ツールの自動起動
- チャットアプリやメールソフトの自動起動
- バックアップツールの自動実行
- 自作のバッチファイルやPowerShellスクリプトの実行
方法①:個人用スタートアップフォルダにショートカットを追加する

この方法は現在ログインしているユーザーだけに適用されます。最も一般的で簡単な方法です。
手順
- スタートアップフォルダを開く
- キーボードで
Windows + R
を押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます - 次のコマンドを入力して「OK」をクリックします:
shell:startup
- キーボードで
- ショートカットを作成する
- 自動起動したいプログラムやファイルを右クリック
- 「ショートカットの作成」を選択(または「送る」→「デスクトップ(ショートカットを作成)」)
- 作成されたショートカットを先ほど開いたスタートアップフォルダにドラッグ&ドロップ
これだけで完了です!次回Windows起動時から、登録したプログラムが自動的に起動します。
フォルダの場所(手動で探す場合):
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup
方法②:すべてのユーザー用スタートアップに登録する

この方法はパソコンを使用するすべてのユーザーに適用されます。管理者権限が必要です。
手順
- すべてのユーザー用スタートアップフォルダを開く
Windows + R
キーを押す- 次のコマンドを入力して「OK」をクリック:
shell:common startup
- または以下のパスを開きます:
C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\StartUp
- ショートカットを追加する
- 方法①と同様に、自動起動したいプログラムのショートカットを作成してこのフォルダに入れます
PowerShellスクリプトをスタートアップに登録する方法

PowerShellスクリプト(.ps1
ファイル)は、セキュリティの関係で直接実行できません。
バッチファイル(.bat
)を介して実行するのが安全です。
手順
- バッチファイルを作成する
- メモ帳などのテキストエディタを開く
- 以下のコードを入力:
@echo offpowershell.exe -ExecutionPolicy Bypass -File "C:\Path\To\YourScript.ps1"
C:\Path\To\YourScript.ps1
を実際のPowerShellスクリプトのパスに置き換える- 「ファイル」→「名前を付けて保存」で、拡張子を
.bat
にして保存(例:run_my_script.bat
)
- 作成したバッチファイルのショートカットをスタートアップフォルダに追加
- 上記の方法①または②のスタートアップフォルダに、このバッチファイルのショートカットを入れる
スタートアップに登録されているプログラムを確認・管理する

スタートアップに登録されたプログラムは、タスクマネージャーで確認・管理できます。
手順
- タスクマネージャーを開く
Ctrl + Shift + Esc
キーを押す- または右クリックメニューからタスクバーを右クリック →「タスクマネージャー」を選択
- スタートアップタブを確認
- 「スタートアップ アプリ」タブをクリック
- ここでは登録されているプログラムの一覧が表示され、有効/無効の切り替えができます
- 「影響」列でPC起動時の負荷も確認できます
スタートアップ登録のよくある例
登録したいもの | 登録方法 | 注意点 |
---|---|---|
アプリケーション(メモ帳など) | アプリのショートカットをスタートアップフォルダに入れる | 重いアプリは起動に時間がかかる場合あり |
バッチファイル(.bat) | バッチファイル自体またはそのショートカットを入れる | コマンドプロンプトが一時的に表示される |
PowerShellスクリプト(.ps1) | バッチファイルを作成し、そこからPowerShellを呼び出す | 実行ポリシーに注意(-ExecutionPolicy パラメータを使用) |
ウェブサイト | URLのショートカットをスタートアップに入れる | デフォルトブラウザで開かれる |
トラブルシューティング

スタートアップのプログラムが実行されない場合
- 実行権限を確認
- ファイルのプロパティを開き、「ブロックの解除」にチェックが入っているか確認
- PowerShellスクリプトの場合は実行ポリシーが適切か確認
- パスが正しいか確認
- ショートカットのプロパティでリンク先を確認
- 特殊文字やスペースを含むパスには注意
- セーフモードで起動
- 問題が発生する場合、Windowsをセーフモードで起動し、スタートアップ項目を見直す
まとめ:スタートアップ活用のポイント
- 個人用の設定:
shell:startup
コマンドで個人用スタートアップフォルダを開く - 全ユーザー用の設定:
shell:common startup
コマンドで共有スタートアップフォルダを開く - PowerShellスクリプト:.batファイルを経由して安全に実行
- 管理・確認:タスクマネージャーでスタートアップ項目を確認・制御
- 定期的な見直し:不要なプログラムはスタートアップから削除して起動を高速化
スタートアップ機能を活用すれば、Windowsログイン後の手間を大幅に削減できます。
ぜひ自分の作業スタイルに合わせてカスタマイズしてみてください!
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