「管理者権限が必要です」
「このフォルダにアクセスする権限がありません」
こんなメッセージに出会ったことはありませんか?
Windowsでは、複数のユーザーアカウントを使い分けることで、セキュリティを保ちながら必要な作業ができるようになっています。家族でパソコンを共有している場合や、仕事で管理者権限が必要な場合など、別のアカウントでログインする場面は意外と多いんです。
この記事では、Windowsで別のアカウントに切り替える方法から、プログラムを別ユーザーで実行する方法、ネットワーク共有フォルダへのアクセスまで、あらゆる場面での「別アカウントログイン」を徹底解説します。
基本編:アカウントを切り替える4つの方法

方法1:スタートメニューから切り替え(最も簡単!)
現在の作業を残したまま、別のアカウントに切り替える方法です。
Windows 11の場合:
- スタートボタンをクリック
- 右上のユーザーアイコンをクリック
- 切り替えたいアカウント名を選択
- パスワードを入力してサインイン
Windows 10の場合:
- スタートボタンをクリック
- 左側のユーザーアイコンをクリック
- 別のアカウントを選択
- パスワードを入力
メリット:
- 元のアカウントの作業が保持される
- すぐに元のアカウントに戻れる
- 開いているアプリが閉じない
方法2:Ctrl + Alt + Delete から切り替え
より確実な切り替え方法です。
- Ctrl + Alt + Delete を同時に押す
- 「ユーザーの切り替え」をクリック
- ログイン画面で別のアカウントを選択
- パスワードを入力
この方法は、画面がフリーズしたときでも使えることが多いです。
方法3:Windows + L でロック後に切り替え
素早く切り替えたいときの方法です。
- Windows + L を押してロック
- ログイン画面で左下の別のユーザーを選択
- アカウント名とパスワードを入力
使いどころ:
- 席を離れるついでに切り替え
- セキュリティを意識した切り替え
- 一時的な作業の場合
方法4:サインアウトしてから再ログイン
完全に切り替えたい場合の方法です。
- スタートメニューからユーザーアイコンをクリック
- 「サインアウト」を選択
- ログイン画面で別のアカウントを選択
- パスワードを入力
注意点:
開いているアプリは全て閉じられます。作業中のファイルは必ず保存してから実行しましょう。
応用編:プログラムを別のユーザーで実行する
管理者として実行する基本的な方法
アプリを管理者権限で起動する方法です。
右クリックメニューから:
- 実行したいプログラムを右クリック
- 「管理者として実行」を選択
- 管理者パスワードを入力
ショートカットキー:
- アプリを選択して Ctrl + Shift + Enter
別のユーザーとして実行する詳細な方法
特定のユーザー権限でプログラムを実行します。
Shiftキー + 右クリック方法:
- Shiftキーを押しながらプログラムを右クリック
- 「別のユーザーとして実行」を選択
- ユーザー名とパスワードを入力
使用例:
- 一般ユーザーで作業中に管理者権限が必要なとき
- 別部署のアカウントでシステムを確認するとき
- テスト用アカウントでアプリの動作確認
コマンドプロンプトでRunasを使う
より柔軟な実行方法です。
基本的な使い方:
runas /user:ユーザー名 "プログラムのパス"
実例:
runas /user:Administrator "C:\Windows\System32\notepad.exe"
便利なオプション:
/savecred
: パスワードを保存(初回のみ入力)/netonly
: ネットワークアクセスのみ別ユーザー/noprofile
: ユーザープロファイルを読み込まない
ネットワーク共有フォルダに別アカウントでアクセス
共有フォルダへの接続方法
社内ネットワークやNASへのアクセスで使います。
エクスプローラーから接続:
- エクスプローラーのアドレスバーに
\\コンピューター名\共有名
を入力 - 「別の資格情報を使用して接続」をクリック
- ユーザー名とパスワードを入力
- 「資格情報を記憶する」にチェック(オプション)
ネットワークドライブの割り当て
頻繁にアクセスする場合の設定方法です。
- エクスプローラーで「PC」を右クリック
- 「ネットワークドライブの割り当て」を選択
- ドライブ文字を選択(例:Z:)
- フォルダーパスを入力
- 「別の資格情報を使用して接続」をチェック
- ユーザー名とパスワードを入力
コマンドでの設定:
net use Z: \\サーバー名\共有名 /user:ドメイン\ユーザー名 パスワード
資格情報の管理と削除
保存された接続情報を管理する方法です。
資格情報マネージャーの使い方:
- コントロールパネル → 「資格情報マネージャー」
- 「Windows資格情報」をクリック
- 追加・編集・削除を実行
コマンドで確認:
cmdkey /list
特定の資格情報を削除:
cmdkey /delete:サーバー名
リモートデスクトップで別アカウント接続
基本的な接続方法
別のPCやサーバーに接続する方法です。
- Windows + R → 「mstsc」と入力
- コンピューター名またはIPアドレスを入力
- 「オプションの表示」をクリック
- ユーザー名を入力
- 「接続」をクリック
- パスワードを入力
資格情報の保存と管理
接続情報を保存:
- 「資格情報の保存を許可する」にチェック
- 次回から自動ログイン可能に
別のアカウントで接続し直す:
- 「別のアカウントを使用」をクリック
- 新しい資格情報を入力
よくあるトラブルと解決方法

Q1:「ユーザー名またはパスワードが正しくありません」
確認ポイント:
- Caps Lockがオンになっていないか
- NumLockの状態は正しいか
- ドメイン名を含めているか(例:
ドメイン\ユーザー名
) - ローカルアカウントの場合は
.\ユーザー名
Q2:管理者として実行できない
原因と対策:
- UAC(ユーザーアカウント制御)の設定を確認
- ローカルセキュリティポリシーで制限されていないか
- 管理者アカウント自体が無効になっていないか確認
管理者アカウントの有効化:
net user Administrator /active:yes
(管理者権限のコマンドプロンプトで実行)
Q3:切り替え後に元のアカウントが見つからない
対処法:
- Windows + L でロック画面へ
- 左下または画面下部でアカウント一覧を確認
- サインインオプションから選択
Q4:ネットワーク共有にアクセスできない
チェック項目:
- ネットワーク探索が有効か
- ファイアウォールの設定
- 共有の詳細設定でパスワード保護共有の状態
- ワークグループまたはドメインの設定
リセット方法:
net use * /delete /yes
すべてのネットワーク接続をリセット
セキュリティのベストプラクティス
アカウント管理の基本
推奨設定:
- 日常作業は標準ユーザーで実行
- 必要な時だけ管理者権限を使用
- 共有PCでは必ず個別アカウントを作成
- ゲストアカウントは無効化
パスワード管理
安全な運用方法:
- アカウントごとに異なるパスワード
- 定期的な変更(組織のポリシーに従う)
- パスワードマネージャーの活用
- 二段階認証の設定(可能な場合)
監査とログの確認
イベントビューアーで確認:
- イベントビューアーを開く
- Windowsログ → セキュリティ
- ログオン/ログオフイベントを確認
重要な作業後は、不正なアクセスがないか定期的にチェックしましょう。
便利なTips集
ショートカットキーまとめ
- Windows + L:画面ロック
- Ctrl + Alt + Delete:セキュリティオプション
- Ctrl + Shift + Enter:管理者として実行
- Shift + 右クリック:別のユーザーとして実行メニュー
PowerShellでの高度な操作
別ユーザーでPowerShellコマンド実行:
Start-Process powershell -Credential "ドメイン\ユーザー名" -ArgumentList "-Command", "実行したいコマンド"
自動ログインの設定(家庭用PCのみ推奨)
- Windows + R → 「netplwiz」
- 自動ログインしたいユーザーを選択
- 「ユーザーがこのコンピューターを使うには…」のチェックを外す
- パスワードを入力
注意: セキュリティリスクがあるため、共有PCでは絶対に使用しないでください。
まとめ:状況に応じた最適な方法を選ぼう
Windowsで別のアカウントでログインする方法を、基本から応用まで解説しました。
場面別おすすめ方法:
- 一時的な切り替え → スタートメニューから切り替え
- 管理者権限が必要 → 右クリック「管理者として実行」
- ネットワーク共有 → 資格情報を指定して接続
- リモート作業 → リモートデスクトップ接続
- 自動化したい → RunasコマンドやPowerShell
セキュリティの鉄則:
- 必要最小限の権限で作業
- パスワードは複雑に、管理は確実に
- 不要なアカウントは無効化
状況に応じて適切な方法を選ぶことで、安全かつ効率的にWindowsを活用できます。この記事で紹介した方法を使いこなして、快適なWindows環境を構築してくださいね!
困ったときは、まず基本的な方法から試してみて、必要に応じて応用技を使ってみましょう。
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