パソコンが突然フリーズしたり、ブルースクリーンが頻発したり、アプリが勝手に落ちたり… こんな症状に悩まされていませんか?
実は、これらの原因の多くが「メモリ(RAM)」の不具合なんです。 メモリは目に見えない部品なので、壊れていても気づきにくいのが厄介なところ。
でも安心してください!Windowsには「メモリ診断」という便利なツールが標準で搭載されています。 これを使えば、メモリの故障を無料で、簡単に発見できるんです。
この記事では、Windowsメモリ診断の使い方から、エラーが見つかった時の対処法まで、すべて分かりやすく解説します。 PCの不調の原因を突き止めて、快適な環境を取り戻しましょう!
メモリ診断って何?なぜ必要なの?

メモリ(RAM)の役割を理解しよう
メモリは、パソコンの「作業机」のようなものです。
例えば:
- CPU = 作業する人
- ストレージ(HDD/SSD) = 本棚
- メモリ(RAM) = 作業机
作業机(メモリ)が壊れていたら、どんなに優秀な人(CPU)でも仕事ができませんよね。
メモリが故障するとどうなる?
よくある症状:
- ブルースクリーン(死のブルー画面)
- 突然の再起動やフリーズ
- アプリケーションのクラッシュ
- ファイルの破損
- 起動時のビープ音
- 動作が異常に遅い
これらの症状が出たら、メモリ診断を実行する時です!
なぜメモリは壊れるの?
主な原因:
- 経年劣化(3~5年で故障率上昇)
- 静電気によるダメージ
- 過熱による損傷
- 電源の不安定
- 物理的な衝撃
- 製造時の初期不良
特に、夏場の熱や、ホコリによる冷却不足は要注意です。
Windows標準メモリ診断の使い方
方法1:設定から起動(一番簡単!)
手順:
- Windowsメモリ診断を起動
- Windows + R キーを押す
- 「mdsched.exe」と入力
- Enterキーを押す
- 実行タイミングを選択
- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する」
- 「次回のコンピューター起動時に問題の有無を確認する」
- 自動的に診断開始
- PCが再起動
- 青い画面で診断が始まる
- 完了まで待つ(10~30分程度)
方法2:コントロールパネルから起動
手順:
- コントロールパネルを開く
- 「システムとセキュリティ」
- 「管理ツール」
- 「Windows メモリ診断」をダブルクリック
方法3:スタートメニューから検索
手順:
- スタートボタンをクリック
- 「メモリ」と入力
- 「Windows メモリ診断」を選択
どの方法でも同じ診断ツールが起動します。
診断中の画面の見方
診断画面の情報
診断中は青い画面に以下の情報が表示されます:
表示内容:
- Status:現在の状態(検出されたエラー数)
- Test:実行中のテスト名
- Pass:テストの実行回数
- % complete:進行状況
重要: 「Hardware problems were detected」と表示されたら、メモリに問題があります!
診断レベルの変更
F1キーを押すと、オプション画面が開きます。
テストミックスの種類:
- 基本(Basic)
- 最短時間(5~10分)
- 基本的なエラーチェック
- 軽微な問題の検出
- 標準(Standard):デフォルト
- 中程度の時間(10~30分)
- 一般的なエラーを網羅
- 推奨設定
- 拡張(Extended)
- 長時間(1~8時間)
- 徹底的な検査
- 間欠的なエラーも検出
初回は「標準」で十分です。
診断結果の確認方法

イベントビューアーで詳細確認
診断完了後、結果を確認する方法です。
手順:
- イベントビューアーを開く
- Windows + X → イベントビューアー
- または「eventvwr.msc」を実行
- ログを探す
- Windowsログ → システム
- ソース「MemoryDiagnostics-Results」を探す
- 結果を確認
- エラーなし:「エラーは検出されませんでした」
- エラーあり:詳細なエラー情報が表示
PowerShellで素早く確認
コマンド一発で結果を表示できます。
Get-EventLog -LogName System -Source MemoryDiagnostics-Results | Select-Object -First 1 | Format-List
結果の見方
正常な場合:
Windows メモリ診断により、コンピューターのメモリがテストされ、
エラーは検出されませんでした。
エラーがある場合:
Windows メモリ診断により、ハードウェアの問題が検出されました。
問題を特定するには、コンピューターの製造元に問い合わせてください。
エラーが見つかった時の対処法
まず試すべきこと
1. メモリの挿し直し
手順:
- PCの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- ケースを開ける
- メモリを一度外す
- 接点を清掃(エアダスターなど)
- しっかりと挿し直す
これだけで改善することがあります!
2. メモリスロットの変更
- 別のスロットに挿し替える
- デュアルチャネルの組み合わせを変える
- 1枚ずつテストする
3. BIOSの設定確認
- メモリ速度を下げる(オーバークロックの解除)
- XMPプロファイルを無効化
- 電圧設定を確認
どのメモリが故障しているか特定する
複数のメモリを使用している場合の特定方法:
手順:
- 1枚ずつテスト
- メモリを1枚だけ挿す
- メモリ診断を実行
- エラーが出たら、そのメモリが故障
- スロットも確認
- 同じメモリを別スロットでテスト
- スロット故障の可能性もある
- 組み合わせテスト
- 2枚ずつ組み合わせを変える
- 相性問題の確認
メモリ交換のタイミング
交換が必要な場合:
- エラーが継続的に発生
- 挿し直しても改善しない
- 物理的な損傷が見える
- 3年以上使用していて不調
交換時の注意点:
- 同じ規格のメモリを選ぶ(DDR4、DDR5など)
- 動作周波数を確認
- 容量とタイミングを合わせる
- できれば同じメーカー・型番
より詳細な診断ツール
MemTest86(最強の診断ツール)
Windows標準より詳細な診断ができます。
特徴:
- USBブートで実行
- 13種類のテストアルゴリズム
- エラー箇所を詳細表示
- 無料版で十分実用的
使い方:
- 公式サイトからダウンロード
- USBメモリに書き込み
- USBブートで起動
- 自動的にテスト開始
MemTest64(Windows上で実行)
メリット:
- Windows上で実行可能
- 再起動不要
- 他の作業しながらテスト可能
デメリット:
- 全メモリをテストできない
- 精度は起動型に劣る
HCI MemTest
特徴:
- 複数インスタンス同時実行
- ストレステストに最適
- オーバークロッカー御用達
メモリ関連のトラブルシューティング

ブルースクリーンのエラーコード
メモリ関連のエラーコード:
MEMORY_MANAGEMENT(0x0000001A)
- メモリ管理エラー
- 対策:メモリ診断実行
IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL(0x0000000A)
- ドライバーとメモリの競合
- 対策:ドライバー更新、メモリテスト
PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA(0x00000050)
- ページングエラー
- 対策:メモリとHDDをチェック
メモリ使用率が異常に高い
原因と対策:
- メモリリーク
- タスクマネージャーで確認
- 問題のアプリを特定
- アップデートまたは削除
- Windows Update関連
- svchost.exeの暴走
- Windows Updateをリセット
- ウイルス・マルウェア
- セキュリティスキャン実行
- Windows Defenderでチェック
認識されるメモリが少ない
32GBなのに16GBしか認識されない場合:
- BIOS/UEFIで確認
- 起動時にF2やDeleteキー
- メモリ容量を確認
- 最大メモリの制限確認
- msconfig → ブート → 詳細オプション
- 「最大メモリ」のチェックを外す
- 32bit版Windowsの制限
- 32bit版は最大4GB
- 64bit版への移行を検討
予防とメンテナンス
定期的な診断の実施
推奨頻度:
- 通常使用:3ヶ月に1回
- ヘビーユーザー:月1回
- オーバークロック環境:2週間に1回
- 新規メモリ導入時:必ず実施
メモリの寿命を延ばすコツ
温度管理:
- ケース内の換気を良くする
- ホコリを定期的に掃除
- メモリヒートシンクの追加
電源の安定化:
- 品質の良い電源ユニット使用
- UPS(無停電電源装置)の導入
- サージプロテクターの使用
取り扱い注意:
- 静電気対策(アースバンド使用)
- 端子に触れない
- 無理な力を加えない
パフォーマンス監視ツール
タスクマネージャーでの確認
確認項目:
- メモリ使用率
- コミット済みメモリ
- キャッシュ済み
- 利用可能
- メモリ速度
異常な数値があれば要注意です。
リソースモニター
より詳細な情報を確認できます。
確認方法:
- タスクマネージャー → パフォーマンス
- 「リソースモニターを開く」
- メモリタブで詳細確認
パフォーマンスモニター
長期的な監視に最適です。
perfmon.exe
カウンターを追加して、メモリの状態を継続監視できます。
まとめ:定期的なメモリ診断で安定したPCライフを
メモリ診断は、PCの健康診断のようなものです。
重要なポイント:
- 症状が出たらすぐ診断
- ブルースクリーン
- 頻繁なフリーズ
- アプリのクラッシュ
- 定期的な診断を習慣に
- 3ヶ月に1回は実施
- 新しいメモリは必ずテスト
- 不調を感じたら即診断
- エラーが出たら適切に対処
- まず挿し直し
- それでもダメなら交換
- データのバックアップを忘れずに
メモリの不具合は、放置すると重要なデータを失う可能性があります。
でも、定期的な診断と適切なメンテナンスで、多くのトラブルは防げます。 Windows標準のメモリ診断は無料で簡単に使えるので、ぜひ活用してください。
この記事を参考に、あなたのPCを健康に保ってください。 快適で安定したPCライフが送れることを願っています!
小さな予防が、大きなトラブルを防ぎます。 今すぐメモリ診断を実行して、PCの健康状態をチェックしてみましょう!
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