Dockerは開発環境を簡単に構築できる強力なツールですが、初めてインストールする方にとっては少し複雑に感じるかもしれません。
この記事では、Windows PCにDocker Desktopをインストールする手順を、初心者の方でも迷わないよう丁寧に解説します。
Dockerとは?

Dockerは、アプリケーションとその実行に必要な環境を「コンテナ」という単位でパッケージ化するツールです。
仮想的な「箱」にアプリとその動作環境をまとめることで、どんな環境でも同じように動かせるようにする技術です。
Dockerの主なメリット:
- 開発環境を簡単に構築・共有できる
- 「自分のPCでは動くのに本番環境では動かない」問題を解消
- 複数のプロジェクトで異なるバージョンのソフトウェアを使っても衝突しない
- Linux環境をWindowsでも簡単に利用可能
WindowsでDockerを使うための前提条件

Docker Desktopをインストールする前に、お使いのWindowsが以下の条件を満たしているか確認しましょう:
必須条件 | 内容 |
---|---|
OSバージョン | Windows 10 64bitまたは Windows 11 |
メモリ | 最低4GB(8GB以上推奨) |
BIOS設定 | 仮想化機能(Virtualization/VT-x/AMD-V)が有効であること |
ディスク容量 | Docker Desktop用に約4GBの空き容量 |
WSL 2 | Windows Subsystem for Linux 2(自動インストールされます) |
仮想化機能が有効か確認する方法
- キーボードで
Ctrl + Shift + Esc
を押して「タスクマネージャー」を開く - 「パフォーマンス」タブを選択
- 「CPU」を選択して、右側に「仮想化: 有効」と表示されていればOK
有効になっていない場合は、PCのBIOS設定で有効化する必要があります(PCの機種によって方法が異なります)。
Docker Desktop for Windows のインストール手順

Step ①:公式サイトからダウンロード
- Docker Desktopの公式ダウンロードページにアクセス: https://www.docker.com/products/docker-desktop
- 「Download for Windows」ボタンをクリックして、インストーラー(.exe)をダウンロードします
Step ②:インストーラーを実行
- ダウンロードした
.exe
ファイルをダブルクリックしてインストーラーを起動 - 「Configuration」画面が表示されたら以下を確認:
- 「Use WSL 2 instead of Hyper-V」にチェック(推奨)
- 「Add shortcut to desktop」(デスクトップにショートカットを追加)もお好みでチェック
- 「OK」をクリックしてインストールを開始
- 「Service installation failed」などのエラーが表示された場合は、管理者権限で再実行してください
- インストールが完了したら「Close and restart」をクリックして再起動(必要な場合)
Step ③:初回起動と設定
- デスクトップまたはスタートメニューから「Docker Desktop」を起動
- 初回起動時には、利用規約への同意画面が表示されるので「Accept」をクリック
- Dockerのインストール方法を選ぶ(基本的にはrecommendの方でOK、必要ならばAdvanced)
- WSL 2がまだインストールされていない場合は、自動でインストールが始まります(後述)
- 起動が完了すると、タスクバー右下に🐳(クジラ)アイコンが表示されます
- Docker Desktopのダッシュボードが開きます。これでインストール完了です!
動作確認:バージョンチェック&テスト実行

Docker Desktopが正しくインストールされたか確認しましょう。
ターミナルでバージョン確認
- WindowsキーでMacを検索し、「PowerShell」または「コマンドプロンプト」を開く
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す:
docker --version
- 以下のような出力が表示されればOK(バージョン番号は異なる場合があります):
Docker version 24.0.6, build ed223bc
テスト用コンテナの実行
Docker Engineが正常に動作しているか確認するため、テスト用の「hello-world」コンテナを実行しましょう:
- PowerShellまたはコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行:
docker run hello-world
- 初回実行時は「Unable to find image ‘hello-world:latest’ locally」というメッセージが表示され、イメージがダウンロードされます
- 以下のような出力が表示されれば成功です:
Hello from Docker! This message shows that your installation appears to be working correctly. ...
5. インストール中によくあるトラブル対処法

WSL 2のインストールに関するエラー
「WSL 2 installation is incomplete」などのエラーが表示された場合:
- 管理者権限でPowerShellを開く(スタートメニューでPowerShellを右クリック→「管理者として実行」)
- 以下のコマンドを実行してWSLをインストール:
wsl --install
- PCを再起動し、Docker Desktopを再度起動
「Hardware assisted virtualization and data execution protection must be enabled」エラー
このエラーが表示される場合、BIOS設定で仮想化機能を有効にする必要があります:
- PCを再起動し、起動時にBIOS設定画面を開く(F2、Delete、F10など、PCによって異なります)
- 「Virtualization Technology」や「VT-x」、「AMD-V」などの設定を「Enabled」に変更
- 設定を保存して再起動
Docker Desktop起動時にWSL 2が起動しないエラー
Windows Subsystem for Linuxの更新が必要な場合:
- Microsoft公式サイトからWSL 2 Linux kernelの更新プログラムをダウンロード
- ダウンロードしたmsiファイルを実行してインストール
- PCを再起動後、Docker Desktopを起動
まとめ:WindowsでのDocker導入はとてもシンプルに
Docker Desktopのインストール手順をまとめると、以下の通りです:
ステップ | 内容 |
---|---|
① ダウンロード | 公式サイトからインストーラーを入手 |
② インストール | WSL 2を有効にして、ウィザード通りに進める |
③ 初回起動 | Docker Desktopアプリを開いて設定 |
④ 動作確認 | docker run hello-world でテスト |
これでWindowsでのDocker環境構築は完了です!Docker Desktopを使えば、コンテナ管理が視覚的に行えるため、初心者の方でも分かりやすく操作できます。
Docker利用の次のステップ
Docker Desktopを使えるようになったら、次はこんなことにチャレンジしてみましょう:
- 開発プロジェクト用のコンテナ作成
- Docker Composeを使った複数コンテナの連携
- サンプルアプリケーションの実行
- カスタムイメージの作成
皆さんのDocker体験が快適なものになりますように祈ってます。
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