「個人用ファイルを削除しますか?」 「ファイルの削除のみ行う」 「ファイルを削除してドライブのクリーニングを実行する」
Windows初期化で、この選択画面が出て迷っていませんか?
「ドライブのクリーニングって何?」 「どっちを選べばいいの?」 「時間はどれくらいかかる?」
実は、この選択を間違えると、個人情報が漏洩したり、無駄に長時間待たされたりする可能性があるんです。
この記事では、「ファイルの削除のみ」と「ドライブのクリーニング」の違いから、あなたの状況に最適な選択まで、すべて分かりやすく解説します。
読み終わる頃には、自信を持って初期化を実行できるようになっているはずです!
そもそも「ドライブのクリーニング」って何?

2つの選択肢の違いを理解しよう
Windows初期化時に表示される2つの選択肢、実は大きな違いがあります。
「ファイルの削除のみ行う」とは:
- データを「削除済み」マークにするだけ
- 実際のデータは残っている
- 専用ソフトで復元可能
- 処理時間:短い(30分〜2時間)
「ファイルを削除してドライブのクリーニングを実行する」とは:
- データを完全に上書き消去
- 復元ソフトでも復元不可能
- より安全にデータを削除
- 処理時間:長い(2時間〜8時間以上)
削除の仕組みをイメージで理解
通常の削除(ファイルの削除のみ):
本に例えると:
- 目次から項目を消すだけ
- 本文のページはそのまま残っている
- 目次を復元すれば、また読める
クリーニング実行:
本に例えると:
- 目次を消す+本文のページを黒く塗りつぶす
- 何が書いてあったか分からなくなる
- 復元不可能
この違いが、セキュリティに大きく影響します!
どっちを選ぶべき?状況別の選び方ガイド
「ファイルの削除のみ」を選ぶべき場合
こんな時はこちらでOK:
- 自分で使い続ける場合
- PCの調子が悪くなった
- Windowsを新しくしたい
- 設定をリセットしたい
- 家族に譲る場合
- 信頼できる相手
- データ復元の心配がない
- 時間がない場合
- 急いで初期化が必要
- 仕事で使う予定がある
- SSD搭載PCの場合
- SSDは構造上、復元が困難
- 通常削除でも比較的安全
「ドライブのクリーニング」を選ぶべき場合
こんな時は必須:
- PCを売却・廃棄する場合
- メルカリやヤフオクで売る
- リサイクルショップに売る
- 廃棄処分する
- 他人に譲渡する場合
- 知らない人に譲る
- 会社のPCを返却
- レンタルPCを返す
- 機密情報を扱っていた場合
- 仕事のデータ
- 個人情報(クレジットカード等)
- プライベートな写真や動画
- HDD搭載PCの場合
- HDDは復元されやすい
- 必ずクリーニング実行を
迷った時の判断基準
簡単な判断フロー:
PCを手放す?
├─ はい → ドライブのクリーニング
└─ いいえ → ファイルの削除のみ
または
他人が使う?
├─ はい → ドライブのクリーニング
└─ いいえ → ファイルの削除のみ
迷ったら、安全側の「ドライブのクリーニング」を選びましょう。
実際の初期化手順(Windows 10/11)
ステップ1:事前準備
必ずやっておくこと:
- データのバックアップ
- 必要なファイルを外付けHDDやクラウドに保存
- ブラウザのお気に入りもエクスポート
- メールデータも忘れずに
- プロダクトキーの確認
- Windowsのプロダクトキー
- Officeのプロダクトキー
- その他ソフトのライセンス
- 電源接続
- ノートPCは必ず電源に接続
- 途中で電源が切れると故障の原因に
ステップ2:初期化の開始
Windows 11の場合:
- 設定を開く
- Windowsキー + I
- システム → 回復
- 左メニューから「システム」
- 「回復」をクリック
- 「このPCをリセット」
- 「PCをリセットする」をクリック
Windows 10の場合:
- 設定を開く
- Windowsキー + I
- 更新とセキュリティ
- 「回復」をクリック
- 「このPCを初期状態に戻す」
- 「開始する」をクリック
ステップ3:オプションの選択
選択1:個人用ファイルを保持する or すべて削除する
すべて削除する場合:
├─ 個人用ファイルを保持する(設定のみリセット)
└─ すべて削除する ← 完全初期化はこちら
選択2:ファイルの削除方法
削除方法を選択:
├─ ファイルの削除のみ行う(高速)
└─ ファイルを削除してドライブのクリーニングを実行する(安全)
ステップ4:最終確認と実行
確認画面で表示される内容:
- 削除されるアプリ一覧
- 設定の変更内容
- 予想所要時間
「リセット」をクリックすると、初期化が始まります。
所要時間の目安

ファイルの削除のみの場合
一般的な所要時間:
- SSD搭載PC:30分〜1時間
- HDD搭載PC:1〜2時間
- データ量が多い:2〜3時間
時間の内訳:
- ファイル削除:10〜30分
- Windows再インストール:20〜40分
- 初期設定:10〜20分
ドライブのクリーニングの場合
一般的な所要時間:
- SSD搭載PC:2〜4時間
- HDD搭載PC:4〜8時間
- 大容量HDD(1TB以上):8時間以上
時間の内訳:
- ドライブのクリーニング:1〜6時間
- Windows再インストール:20〜40分
- 初期設定:10〜20分
夜に開始して、朝まで放置がおすすめです。
よくあるトラブルと対処法
Q1:初期化が途中で止まった
A:慌てずに待ちましょう。
対処法:
- まず2時間は待つ(見た目は止まっていても処理中)
- HDDのアクセスランプを確認
- それでも動かない場合は強制終了
- USBメディアから再インストール
Q2:初期化後、Windowsが起動しない
A:回復ドライブから修復。
手順:
- 別のPCで回復ドライブを作成
- USBから起動
- 「トラブルシューティング」
- 「詳細オプション」から修復
Q3:クリーニング中にエラーが出た
A:ディスクに問題がある可能性。
確認方法:
- コマンドプロンプトを管理者で起動
chkdsk /f
を実行- エラーを修復後、再度初期化
Q4:思ったより時間がかかる
A:正常な場合が多いです。
確認ポイント:
- HDDアクセスランプが点滅 → 処理中
- 進行状況が1%でも進む → 正常
- 12時間以上変化なし → 異常の可能性
Q5:初期化をキャンセルしたい
A:開始後のキャンセルは危険。
注意:
- 処理開始後は中断しない
- 中断するとWindowsが起動しなくなる
- どうしても必要なら、完了を待つ
データを完全に消去する他の方法
より確実な消去方法
専用ソフトを使う:
- DBAN(無料)
- CCleaner(ドライブワイパー機能)
- cipher コマンド(Windows標準)
cipherコマンドの使い方:
1. コマンドプロンプトを管理者で起動
2. cipher /w:C: を実行
3. 空き領域を上書き(3回)
物理的な破壊
最も確実な方法:
- HDDの場合:ディスクを物理破壊
- SSDの場合:基板を破壊
- 専門業者に依頼
ただし、PCは使えなくなります。
セキュリティを高める追加対策
初期化前にやっておくこと
データの事前削除:
- ブラウザの履歴・パスワードを削除
- 保存されたWiFiパスワードを削除
- 個人ファイルを手動削除
- ゴミ箱を空にする
BitLockerの解除
暗号化されている場合:
- コントロールパネル → BitLocker
- 「BitLockerを無効にする」
- 復号化完了を待つ
- その後初期化
暗号化したまま初期化すると、トラブルの原因になります。
まとめ:あなたに最適な初期化方法を選ぼう!
Windows初期化の「ドライブのクリーニング」は、状況に応じて選ぶことが大切です。
選択の基準(もう一度確認):
ファイルの削除のみ:
- 自分で使い続ける
- 時間を節約したい
- 家族に譲る
ドライブのクリーニング:
- PCを売却・廃棄
- 他人に譲渡
- 機密情報を扱っていた
覚えておくべきポイント:
- 迷ったらクリーニング実行
- 時間に余裕を持って実行
- 必ずバックアップを取る
所要時間の目安:
- 削除のみ:30分〜2時間
- クリーニング:2〜8時間以上
初期化は、PCをリフレッシュする良い機会です。
この記事を参考に、適切な方法を選んで、安全に初期化を実行してください。
大切なデータを守りながら、新しいスタートを切りましょう!
コメント