「パソコンを起動すると、毎回iCloudが自動的に開いてしまう」
「自動起動を止めたいけど、方法が分からない」
「逆に、自動起動してほしいのに起動しない」
Windows版のiCloudアプリは、デフォルト(初期設定)で自動起動する設定になっています。便利な反面、パソコンの起動が遅くなったり、邪魔に感じることもありますよね。
この記事では、iCloud for Windowsの自動起動をオフにする方法とオンにする方法、両方を詳しく解説します。
iCloud自動起動のメリット・デメリット

まず、自動起動の良し悪しを理解しておきましょう。
自動起動のメリット
便利なポイント:
- 写真やファイルが自動的に同期される
- iPhoneで撮った写真がすぐにPCで見られる
- バックグラウンドで常に最新状態を保つ
- 手動で起動する手間が省ける
- リアルタイムでデータが更新される
常にiCloudを使う人には便利な機能です。
自動起動のデメリット
困るポイント:
- パソコンの起動が遅くなる
- メモリ(RAM)を常時使用する
- ネットワーク帯域を消費する
- システムトレイに常駐して邪魔
- 頻繁に通知が来る
あまり使わない人には、無駄なリソース消費になってしまいます。
自分に合った設定を選ぼう
自動起動がおすすめな人:
- iPhoneとPCを常に同期したい
- 写真をすぐにPCで確認したい
- iCloud Driveを頻繁に使う
自動起動をオフにすべき人:
- パソコンの起動を速くしたい
- iCloudをたまにしか使わない
- メモリ容量が少ない古いPC
どちらが自分に合うか、考えてみてください。
自動起動を無効にする方法(基本編)
最も簡単な方法から紹介します。
方法1:タスクマネージャーから無効化
Windows 10・11共通の標準的な方法です。
手順:
- タスクバーを右クリック
- 「タスクマネージャー」 を選択
- 「スタートアップ」 タブをクリック
- リストから 「iCloud」 または 「iCloud Photos」 を探す
- 該当する項目を選択
- 右下の 「無効にする」 ボタンをクリック
- パソコンを再起動
次回起動時から、iCloudは自動的に起動しなくなります。
方法2:iCloudアプリの設定から変更
iCloudアプリ自体の設定でも変更できます。
手順:
- iCloud for Windowsを起動
- 画面左下の 「オプション」 をクリック
- 設定画面が開く
- 「Windowsの起動時に起動」 のチェックを外す
- 「適用」 または 「OK」 をクリック
これで自動起動が無効になります。
方法3:設定アプリから管理
Windows 11ではより直感的な方法があります。
Windows 11の場合:
- 「設定」 を開く(Windowsキー + I)
- 「アプリ」 → 「スタートアップ」 を選択
- アプリの一覧から 「iCloud」 を探す
- トグルスイッチを オフ にする
Windows 10の場合:
- 「設定」 → 「アプリ」 → 「スタートアップ」
- 同様に iCloud をオフにする
視覚的に分かりやすい方法です。
自動起動を無効にする方法(詳細編)
基本方法でうまくいかない場合の対処法です。
スタートアップフォルダから削除
手順:
- Windowsキー + R を押す
- 「shell:startup」 と入力してEnter
- スタートアップフォルダが開く
- 「iCloud」のショートカットがあれば削除
- さらに 「shell:common startup」 でも同様に確認
共通スタートアップフォルダもチェックしましょう。
レジストリから削除(上級者向け)
注意: レジストリ編集は慎重に行ってください。間違えるとWindowsが起動しなくなる可能性があります。
手順:
- Windowsキー + R を押す
- 「regedit」 と入力してEnter
- レジストリエディタが起動
- 以下のパスに移動:
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- 右側のリストで「iCloud」関連のエントリを探す
- 右クリック → 「削除」
- さらに以下も確認:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- レジストリエディタを閉じて再起動
サービスの無効化
バックグラウンドサービスを停止する方法です。
手順:
- Windowsキー + R で「services.msc」を実行
- サービス一覧から 「iCloud」 関連を探す
- 該当サービスをダブルクリック
- 「スタートアップの種類」 を 「手動」 または 「無効」 に変更
- 「適用」 → 「OK」
- パソコンを再起動
完全に自動起動を止められます。
自動起動を有効にする方法
逆に、自動起動してほしいのに起動しない場合の対処法です。
タスクマネージャーで有効化
手順:
- タスクマネージャーを開く
- 「スタートアップ」 タブを選択
- 「iCloud」 を探す
- 選択して 「有効にする」 をクリック
状態が「有効」になればOKです。
iCloudアプリで設定
手順:
- iCloud for Windowsを起動
- 「オプション」 をクリック
- 「Windowsの起動時に起動」 にチェックを入れる
- 「適用」 をクリック
次回起動時から自動的に起動します。
スタートアップフォルダに追加
手動でショートカットを作る方法です。
手順:
- iCloudのインストール場所を開く
通常:C:\Program Files (x86)\Common Files\Apple\Internet Services\
- 「iCloud.exe」 を右クリック → 「ショートカットの作成」
- Windowsキー + R で 「shell:startup」 を実行
- スタートアップフォルダにショートカットをコピー
- 再起動して確認
トラブルシューティング
自動起動の設定がうまくいかない時の対処法です。
設定を変更したのに反映されない
原因: 設定の競合、キャッシュの問題
解決策:
- パソコンを完全にシャットダウン(スリープではなく)
- 再起動後に確認
- iCloudアプリを一度アンインストール
- 再インストールして設定し直す
無効にしたのに勝手に起動する
原因: 複数の起動ポイントがある
解決策:
- タスクマネージャーのスタートアップを確認
- スタートアップフォルダ(shell:startup)を確認
- 設定アプリのスタートアップを確認
- すべての場所で無効化
有効にしたのに起動しない
原因: アプリの不具合、ファイルの破損
解決策:
- iCloudアプリを手動で起動できるか確認
- 起動できない場合は再インストール
- Windowsアップデートを確認
- Apple Software Updateで最新版に更新
起動は止まったが通知が来る
原因: バックグラウンドサービスが動作
解決策:
- iCloudアプリ内で通知設定を変更
- Windows通知設定でiCloudをオフ
- 設定 → システム → 通知
- iCloud を探してオフ
- サービスを停止(前述の方法)
パフォーマンスへの影響
自動起動がパソコンに与える影響を理解しましょう。
起動時間への影響
測定例:
- 自動起動あり:Windows起動まで40秒
- 自動起動なし:Windows起動まで25秒
約15秒の差が出ることもあります。
メモリ使用量
iCloudが常駐すると:
- 通常時:50~150MB使用
- 同期中:200~500MB使用
メモリが少ないPCでは、動作が重くなる原因になります。
ネットワーク帯域
バックグラウンド同期:
- 写真:数MB~数GB(写真の枚数による)
- ファイル:変更があった分だけ
Wi-Fiが遅い環境では、他の作業に影響が出ることも。
CPU使用率
同期中は:
- 軽い作業:5~10%
- 大量の同期:20~50%
古いPCでは、動作が重くなる可能性があります。
必要な時だけ起動する方法
自動起動をオフにした場合の、効率的な使い方です。
デスクトップにショートカット作成
手順:
- スタートメニューで「iCloud」を探す
- 右クリック → 「その他」 → 「ファイルの場所を開く」
- iCloudのショートカットを右クリック → 「送る」 → 「デスクトップ」
クリック一つで起動できます。
タスクバーにピン留め
手順:
- iCloudアプリを起動
- タスクバーのiCloudアイコンを右クリック
- 「タスクバーにピン留めする」 を選択
常に見える場所にアイコンが表示されます。
スケジュールタスクで定期起動
毎日決まった時間に自動起動させる方法です。
手順:
- 「タスクスケジューラ」 を開く(スタートメニューで検索)
- 「基本タスクの作成」 をクリック
- 名前を入力(例:「iCloud 定期起動」)
- トリガー:「毎日」 を選択
- 時刻を設定(例:朝9時)
- 操作:「プログラムの開始」 を選択
- iCloud.exeのパスを指定
- 完了
決まった時間だけ同期することができます。
他のAppleサービスとの連携

iCloud以外のAppleアプリについても触れておきます。
iTunes・Apple Musicの自動起動
確認場所:
- タスクマネージャー → スタートアップ
- 「Apple Mobile Device Service」
- 「Apple Push」など
同様に無効化できます。
iCloud Drive単体の制御
iCloud Driveだけを使いたい場合:
手順:
- iCloudアプリを起動
- 各機能のチェックボックスで選択
- iCloud Drive:オン
- 写真:オフ
- メール・連絡先など:オフ
- 必要な機能だけ有効化
Outlookとの連携
iCloudとOutlookを同期している場合:
- Outlookのアドインを確認
- 不要なら無効化
Outlookが重くなる原因になることがあります。
よくある質問と答え
自動起動に関する疑問にお答えします。
Q1:自動起動を止めたら、同期もされなくなる?
A:手動で起動すれば同期されます。
自動起動を無効にしても、iCloudアプリを手動で起動すれば通常通り同期できます。常時同期は不要だが、たまに使いたい人に最適です。
Q2:セキュリティ的に自動起動は必要?
A:特に必要ありません。
自動起動の有無はセキュリティとは関係ありません。データの安全性は変わらないので、安心してください。
Q3:無効にしたら再インストール時に戻る?
A:戻る可能性があります。
iCloudアプリを再インストールすると、初期設定に戻ることがあります。再度、自動起動を無効にしてください。
Q4:iPhoneとの同期は続く?
A:はい、続きます。
PC側の自動起動を止めても、iPhoneのiCloudは通常通り動作します。影響はありません。
Q5:他のPCでも同じ設定になる?
A:なりません。
自動起動の設定は、各PC個別の設定です。複数のPCを使っている場合、それぞれで設定が必要です。
おすすめの設定パターン
使い方別の推奨設定を紹介します。
パターン1:常にiPhoneと同期したい人
推奨設定:
- 自動起動:オン
- iCloud写真:オン
- iCloud Drive:オン
- 通知:お好みで
常に最新状態を保てます。
パターン2:必要な時だけ使いたい人
推奨設定:
- 自動起動:オフ
- デスクトップにショートカット作成
- 週1回など、定期的に手動起動
パソコンのパフォーマンスを優先できます。
パターン3:写真だけ自動同期したい人
推奨設定:
- 自動起動:オン
- iCloud写真:オン
- その他の機能:オフ
必要最小限のリソースで写真だけ同期します。
パターン4:仕事時間だけ同期したい人
推奨設定:
- 自動起動:オフ
- タスクスケジューラで平日9時に起動
- 18時に自動終了(別タスク)
勤務時間だけ同期できます。
まとめ:自分に合った設定でストレスフリーに
iCloud for Windowsの自動起動は、簡単にコントロールできます。
この記事のポイント:
✓ 無効化(基本):タスクマネージャー、iCloudアプリ設定、Windowsの設定
✓ 無効化(詳細):スタートアップフォルダ、レジストリ、サービス
✓ 有効化:各設定画面で「有効」または「オン」に変更
✓ トラブル対処:複数の起動ポイントを確認、再インストール
✓ 代替案:必要な時だけ手動起動、スケジュールタスク
設定の決め方:
- 常時同期が必要 → 自動起動オン
- 起動速度重視 → 自動起動オフ
- たまに使う → 自動起動オフ + ショートカット
- 仕事のみ → スケジュールタスク
メリット・デメリットの比較:
項目 | 自動起動オン | 自動起動オフ |
---|---|---|
同期 | 常時最新 | 手動時のみ |
起動速度 | やや遅い | 速い |
メモリ | 常時使用 | 必要時のみ |
手間 | なし | 起動が必要 |
自分の使い方に合わせて、最適な設定を見つけてください。
パソコンのパフォーマンスを保ちながら、iCloudを快適に使えるようになりますよ!
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