パソコンの容量を節約したい、または特定の理由でハイバネーション(休止状態)機能を使わない場合、この機能を完全に無効にすることができます。
この記事では、初心者でも安全に設定できる方法を詳しく解説します。
ハイバネーションってなに?

ハイバネーションとは、作業中の内容をハードディスクに保存して、電源を完全に切る機能のことです。
次回起動時には、保存された状態から素早く作業を再開できます。
ハイバネーションを無効にする理由
以下のような場合に、ハイバネーション機能を無効にすることがあります:
- ディスク容量を節約したい(メモリ容量分の空きができる)
- デュアルブート環境で問題を避けたい
- 高速スタートアップの問題を解決したい
- 完全シャットダウンを確実に行いたい
方法1:コマンドで無効にする(おすすめ)

最も確実で簡単な方法です。管理者権限でコマンドを実行するだけで完了します。
手順
ステップ1:コマンドプロンプトを管理者権限で開く
- スタートボタンを右クリック
- **「Windows ターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」**をクリック
- ユーザーアカウント制御の画面で**「はい」**をクリック
ステップ2:コマンドを実行
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す
powercfg.exe /hibernate off
- 「操作は正常に完了しました」などのメッセージが表示される
- パソコンを再起動する
これで、ハイバネーション機能が完全に無効になり、hiberfil.sys
というファイルも削除されます。
確認方法
設定が正しく適用されたかを確認するには:
- PowerShellを開く(管理者権限でなくてもOK)
- 以下のコマンドを実行
powercfg /a
- 結果に「ハイバネーションは利用できません」と表示されれば成功
方法2:設定画面から無効にする
コマンドが不安な場合は、Windowsの設定画面からも無効にできます。
手順
ステップ1:コントロールパネルを開く
- スタートボタンをクリック
- 検索欄に「コントロールパネル」と入力してクリック
ステップ2:電源オプションを開く
- **「システムとセキュリティ」**をクリック
- **「電源オプション」**をクリック
ステップ3:電源ボタンの設定を変更
- 左側メニューの**「電源ボタンの動作を選択する」**をクリック
- **「現在利用できない設定を変更します」**をクリック
- 「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外す
- **「変更の保存」**をクリック
ステップ4:パソコンを再起動
この方法では、高速スタートアップが無効になることで、間接的にハイバネーション機能も無効になります。
方法3:ハイブリッドスリープも無効にする
デスクトップパソコンでは、ハイブリッドスリープという機能も関係することがあります。
完全に休止状態関連の機能を無効にしたい場合は、この設定も変更しましょう。
手順
- コントロールパネル→「電源オプション」を開く
- 現在のプランの「プラン設定の変更」をクリック
- 「詳細な電源設定の変更」をクリック
- 「スリープ」の項目を展開
- 「ハイブリッドスリープの許可」を展開
- 「オフ」に設定
- 「OK」をクリックして保存
無効にしたときの影響

ハイバネーション機能を無効にすると、以下のような変化があります。
メリット
ディスク容量の節約
hiberfil.sys
ファイルが削除される- 節約される容量はメモリ容量とほぼ同じ(8GBメモリなら約8GB節約)
デュアルブート環境の安定化
- 複数のOSを使っている場合の問題が減る
- ファイルシステムの整合性が保たれやすい
完全シャットダウンの確実性
- 電源を切ったときに確実に全てが終了される
デメリット
起動時間の変化
- 高速スタートアップも無効になるため、起動時間が少し長くなる可能性
- ただし、通常のSSDなら体感できるほどの差はない
休止状態機能の利用不可
- 作業内容を保存した状態での電源オフができなくなる
再度有効にする方法
ハイバネーション機能を再び使いたくなった場合は、簡単に元に戻せます。
コマンドで有効化
管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行:
powercfg.exe /hibernate on
設定画面で有効化
- コントロールパネル→「電源オプション」
- 「電源ボタンの動作を選択する」
- 「現在利用できない設定を変更します」をクリック
- 「高速スタートアップを有効にする」にチェックを入れる
- 「変更の保存」をクリック
いずれの方法でも、パソコンを再起動すれば設定が反映されます。
よくある質問とトラブル対処
設定が勝手に元に戻ってしまう場合
原因:Windowsアップデートや一部のソフトウェアが設定を変更することがある
対処法:
- 管理者権限でコマンドを実行したか確認
- パソコンを再起動したか確認
powercfg /a
で現在の状態を確認- 必要に応じて再度設定を実行
コマンドがうまく動かない場合
確認事項:
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開いているか
- コマンドにスペルミスがないか
- ウイルス対策ソフトがブロックしていないか
容量が思ったほど空かない場合
原因:
- 他にも大きなファイルが存在する
- システムファイルの断片化
対処法:
- ディスククリーンアップを実行
- 一時ファイルの削除を検討
まとめ
ハイバネーション機能の無効化は、以下の方法で簡単に行えます:
おすすめの方法
- コマンド方式:
powercfg.exe /hibernate off
を管理者権限で実行 - 確実で早い、初心者でも安全
設定画面方式
- コントロールパネルから高速スタートアップを無効化
- 視覚的でわかりやすい
実行後の重要なポイント
- 必ずパソコンを再起動する
powercfg /a
で設定を確認する- メモリ容量分のディスク容量が節約される
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