パソコンを使っていて、こんな困ったことはありませんか?
- 「パソコンが勝手に再起動してしまった…」
- 「アプリが突然落ちたけど、原因がわからない」
- 「エラーメッセージが出たけど、何が問題なの?」
そんなとき、問題の原因を調べる強力な味方が「イベントビューアー(Event Viewer)」です。
この記事では、イベントビューアーの起動方法から実際のトラブル解決まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
イベントビューアーって何?
Windowsの「日記帳」のような機能
イベントビューアーは、Windowsに最初から入っているログ管理ツールです。
パソコンで起こったすべての出来事を時系列で記録している「日記帳」のような機能と考えるとわかりやすいでしょう。
記録される内容例
- アプリケーションの起動と終了
- エラーや警告の発生
- ユーザーのログインとログアウト
- システムの起動とシャットダウン
- ドライバやハードウェアの動作状況
なぜイベントビューアーが役立つの?
問題の原因を特定できる
- エラーが発生した正確な時間がわかる
- どのプログラムでエラーが起きたかわかる
- エラーの詳細な内容を確認できる
システムの状態を把握できる
- パソコンがいつシャットダウンしたかわかる
- どのプログラムが動いているかわかる
- セキュリティの状況を確認できる
トラブル解決のヒントが得られる
- インターネットでエラーIDを検索して解決法を見つけられる
- サポートに問い合わせるときに詳細な情報を提供できる
イベントビューアーの起動方法
方法1: 検索から起動(最も簡単)
手順
- タスクバーの検索ボックスをクリック
- 「イベント」と入力
- 表示された「イベント ビューアー」をクリック
ポイント
- 「イベントビューアー」を全部入力しなくても「イベント」だけで見つかります
- Windows 10とWindows 11の両方で使える方法です
方法2: ショートカットキーを使用(素早い)
手順
Windowsキー + X
を同時に押して、メニューから「イベント ビューアー」を選択
ポイント
- 慣れると最も速い方法
- 「パワーユーザーメニュー」と呼ばれる管理者向けメニューです
方法3: 実行コマンドで起動(上級者向け)
手順
Windowsキー + R
を同時に押す- 「eventvwr」と入力
- Enterキーを押す
覚え方のコツ
- 「eventvwr」は「Event Viewer」の省略形
- 「イベント ビューワー」の英語版です
方法4: コントロールパネルから
手順
- スタートメニュー → 「設定」
- 「システム」→ 「バージョン情報」→ 「システムの詳細設定」
- または直接「コントロールパネル」→ 「管理ツール」→ 「イベント ビューアー」
方法5: スタートメニューから
手順
- スタートメニューを開く
- 「すべてのアプリ」→ 「Windows ツール」
- 「イベント ビューアー」をクリック
Windows 11の場合 「Windows ツール」フォルダの中にあります。
イベントビューアーの画面構成
基本的な画面レイアウト
イベントビューアーを開くと、3つの領域に分かれた画面が表示されます:
左側: ナビゲーションパネル
- ログの種類が一覧表示される
- フォルダのような階層構造
中央: イベント一覧
- 選択したログのイベントが時系列で表示される
- 日時、レベル、ソース、イベントIDなどの情報
右側: 操作パネル
- フィルターや検索などの操作メニュー
- ログの保存やエクスポート機能
ログの種類と内容
主要なログの種類
ログ名 | 内容 | 確認すべき場面 |
---|---|---|
アプリケーション | アプリの動作履歴やエラー | ソフトが落ちた、動作がおかしい |
システム | Windowsやドライバの動作 | 起動しない、ハードウェアエラー |
セキュリティ | ログイン履歴、セキュリティ監査 | 不正アクセスを疑う場合 |
セットアップ | 更新プログラムの実行履歴 | アップデート後の不具合 |
各ログの詳細説明
アプリケーションログ
- Microsoft Office、ブラウザ、ゲームなどのアプリケーション
- インストール・アンインストール時の記録
- アプリケーションのクラッシュ情報
システムログ
- Windows OSの起動・シャットダウン
- デバイスドライバの動作状況
- ハードウェアの認識状況
セキュリティログ
- ユーザーのログイン・ログアウト
- 管理者権限の使用
- ファイルアクセス権限の変更
イベントレベルの見方
5段階のレベル表示
レベル | アイコン | 意味 | 対応の必要性 |
---|---|---|---|
エラー | ❌ 赤い×印 | 重大な問題が発生 | 要対応 |
警告 | ⚠️ 黄色い三角 | 問題の可能性あり | 注意が必要 |
情報 | ℹ️ 青いi | 正常な動作記録 | 基本的に問題なし |
成功の監査 | ✅ 緑のチェック | セキュリティ操作成功 | 問題なし |
失敗の監査 | ❌ 赤いチェック | セキュリティ操作失敗 | 確認が必要 |
優先的に確認すべきレベル
最優先: エラー
- システムやアプリケーションの動作に影響する重大な問題
- 真っ先に確認して対処が必要
次に重要: 警告
- 今は動作しているが、将来問題になる可能性
- 予防的な対応を検討
実践的なトラブル解決例
例1: パソコンが勝手にシャットダウンした原因を調べる
手順
- システムログを選択
- 右側のパネルで**「現在のログをフィルター」**をクリック
- フィルター設定:
- イベントレベル: **「エラー」**にチェック
- イベントID: 「6008」(予期しないシャットダウン)
- **「OK」**をクリックして結果を確認
確認ポイント
- シャットダウンが発生した正確な時間
- 同時期に他のエラーが発生していないか
- 定期的に発生しているパターンがないか
例2: アプリケーションが落ちる原因を調べる
手順
- アプリケーションログを選択
- 問題が発生した時間帯のログを確認
- フィルター設定:
- イベントレベル: 「エラー」
- ソース: 問題のアプリケーション名
- エラーの詳細内容を確認
よくあるエラーパターン
- メモリ不足によるクラッシュ
- 必要なファイルが見つからない
- 他のプログラムとの競合
例3: ログイン履歴を確認する
手順
- セキュリティログを選択
- フィルター設定:
- イベントID: 「4624」(ログオン成功)
- イベントID: 「4625」(ログオン失敗)
- 日付と時間を確認
活用場面
- 家族が勝手にパソコンを使っていないか確認
- 外出中にログインされた形跡がないか確認
- 不正アクセスの可能性を調査
フィルターと検索の使い方
効率的なログ検索方法
日付での絞り込み
- 「現在のログをフィルター」をクリック
- 「記録」タブで期間を指定
- 「開始日時」と「終了日時」を設定
特定のエラーIDで検索
- 「イベントID」欄に数値を入力
- 複数のIDを検索する場合はカンマ区切り(例: 1000,1001,1002)
キーワード検索
- 「すべてのイベントログ」を右クリック
- 「すべてのイベントの検索」を選択
- キーワードを入力して検索
よくあるエラーIDと対処法
頻出するエラーIDの一覧
エラーID | 内容 | 対処法 |
---|---|---|
6008 | 予期しないシャットダウン | 電源、温度、メモリを確認 |
1000 | アプリケーションエラー | アプリの再インストール |
1001 | Windows Error Reporting | システムファイルの修復 |
4625 | ログオン失敗 | パスワード、アカウント確認 |
7034 | サービスの予期しない終了 | サービスの再起動 |
エラーIDを調べる方法
Microsoft公式サイトで検索
- エラーIDをメモする
- 「Windows エラーID 1000」のようにGoogle検索
- Microsoft サポートページで詳細を確認
コミュニティフォーラムを活用
- Microsoft コミュニティ
- Stack Overflow
- Reddit の WindowsHelp
イベントビューアーの便利機能
ログの保存とエクスポート
ログファイルの保存
- 保存したいログを選択
- 右クリック → 「ログに名前を付けて保存」
- 形式を選択(.evtx、.csv、.txt)
サポートへの情報提供に活用
- CSV形式で保存してメールに添付
- 特定の期間のログだけを抽出
- エラー詳細のスクリーンショットと併用
カスタムビューの作成
よく使う条件を保存
- 「カスタム ビュー」→ 「カスタム ビューの作成」
- 条件を設定(ログレベル、期間、キーワードなど)
- 名前を付けて保存
活用例
- 「システムエラーのみ」ビュー
- 「今週のアプリケーション問題」ビュー
- 「セキュリティ関連イベント」ビュー
トラブルシューティングのコツ
効率的な問題解決の手順
1. 問題の発生時期を特定
- いつから問題が起きているか
- 最後に正常だった時期
- 何か変更を加えたか
2. 関連するログを順番に確認
- システムログ → アプリケーションログ → セキュリティログ
- エラーレベルから確認開始
- 時系列で前後のイベントも確認
3. パターンを探す
- 同じエラーが繰り返し発生していないか
- 特定の時間帯に集中していないか
- 特定の操作後に発生していないか
注意すべきポイント
情報ログは基本的に無視
- 大量の情報ログに惑わされない
- エラーと警告に集中する
複数のエラーが同時発生している場合
- 最初に発生したエラーを特定する
- 後続のエラーは連鎖的に発生した可能性
時刻のずれに注意
- システムクロックが正確か確認
- 複数のログを比較するときは時刻を合わせる
まとめ
イベントビューアーは、Windowsのトラブル解決において非常に強力なツールです。
今日から使える基本の3ステップ
1. 起動方法を覚える
- 検索ボックスに「イベント」と入力するのが最も簡単
Windows + X
からの起動も便利
2. エラーレベルを優先的に確認
- 赤いエラーアイコンを最優先で確認
- 黄色い警告も忘れずにチェック
3. 時系列で問題を追跡
- 問題が発生した時間帯を特定
- 前後のイベントも含めて総合的に判断
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