Windows UpdateやWindows 11のバージョンアップを実行しようとすると、「インストール エラー – 0x800f0983」というエラーメッセージが表示されて更新が失敗することがあります。
このエラーは、2024年から2025年にかけてWindows 11の累積更新プログラムで特に多く報告されています。
更新プログラムのダウンロードは完了するのに、インストール段階で10〜22%程度のところでロールバックされてしまうのが典型的な症状です。
この記事では、エラーコード0x800f0983の意味、原因、そして効果的な解決方法について、初心者にもわかりやすく解説します。
エラーコード0x800f0983とは

エラーコード0x800f0983は、Windowsのシステムファイルやコンポーネントストアに問題があることを示すエラーです。
エラーの正式名称
このエラーコードの正式名称は「PSFX_E_MATCHING_COMPONENT_DIRECTORY_MISSING」です。
これは、Windowsが更新プログラムのインストールに必要なコンポーネントディレクトリを見つけられないことを意味しています。
よく発生するタイミング
エラー0x800f0983は、以下のような場合に発生します。
- Windows 11の累積更新プログラム(KB5048667、KB5050009など)のインストール時
- Windows 11のバージョンアップ(24H2、25H2など)時
- セキュリティ更新プログラムのインストール時
- 機能更新プログラムのインストール時
特に、Windows 11 Version 24H2での累積更新プログラムで多く報告されています。
エラーの主な原因
エラーコード0x800f0983が発生する主な原因を説明します。
コンポーネントストア(WinSxS)の破損
最も一般的な原因は、Windowsコンポーネントストア(WinSxS)の破損です。
コンポーネントストアとは、Windowsのシステムファイルやコンポーネントを管理するデータベースです。
このストアが破損していると、更新プログラムが必要なファイルを見つけられず、インストールに失敗します。
CBS.log(Component-Based Servicing Log)には、「CBS_E_INVALID_PACKAGE」や「ERROR_SXS_ASSEMBLY_MISSING(0x80073701)」といったエラーが記録されます。
更新キャッシュの問題
Windows Updateのキャッシュファイルが破損していたり、不完全な状態だと、エラー0x800f0983が発生することがあります。
SoftwareDistributionフォルダ内のダウンロードキャッシュに問題があると、更新プログラムが正しくインストールできません。
言語パックやマニフェストの欠損
既存のコンポーネントストアのマニフェストや言語パックが壊れていると、差分適用を完了できずにエラーになります。
前回の更新の失敗
Windows Updateの途中でネットワークを切断したり、強制終了したりすると、コンポーネントストアに不整合が生じ、次回以降の更新でエラーが発生することがあります。
サードパーティ製セキュリティソフトの干渉
ウイルスバスターやノートンなどのサードパーティ製セキュリティソフトが、更新プログラムのインストールを妨げることがあります。
基本的な解決方法
エラー0x800f0983を解決するための基本的な方法を、効果の高い順に紹介します。
1. 更新を再試行する
最も簡単な方法として、まずは更新を再試行してみましょう。
一時的な問題であれば、再試行するだけで解決することがあります。
手順
- 「設定」→「Windows Update」を開く
- 失敗した更新の横にある「再試行」ボタンをクリック
- または「すべて再試行」ボタンをクリック
再試行してもエラーが出る場合は、一度パソコンを再起動してから、もう一度試してみてください。
2. Windows Updateトラブルシューティングツールを実行する
Windows標準のトラブルシューティングツールは、更新に関する問題を自動的に検出して修正できます。
手順
- 「設定」(Windows + I)を開く
- 「システム」→「トラブルシューティング」をクリック
- 「その他のトラブルシューティングツール」を選択
- 「Windows Update」の横にある「実行」をクリック
- ツールが問題を検出し、修正を試みるのを待つ
- 完了したらパソコンを再起動する
3. DISMコマンドでコンポーネントストアを修復する
DISM(Deployment Image Servicing and Management)ツールは、Windowsイメージとコンポーネントストアを修復できます。
手順
- スタートメニューで「cmd」と検索
- 「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択
- 以下のコマンドを入力してEnterキーを押す
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- 処理が完了するまで待つ(数分から数十分かかることがあります)
- 完了したら、次のコマンドを実行する
sfc /scannow
- システムファイルチェックが完了したら、パソコンを再起動する
- 再度Windows Updateを試す
注意点
DISMコマンドで「ソース ファイルが見つかりませんでした」というエラーが出る場合は、Windows 11のISOファイルをマウントして、以下のコマンドを使用します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth /Source:X:\Sources\install.wim /LimitAccess
(Xはマウントしたドライブのドライブレター)
4. Windows Updateコンポーネントをリセットする
更新コンポーネントが破損している場合、手動でリセットすることで問題を解決できます。
手順
- 「コマンドプロンプト」を管理者として実行
- 以下のコマンドを順番に実行する
net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
- パソコンを再起動する
- Windows Updateを再度試す
このコマンドは、Windows Updateサービスを停止し、キャッシュフォルダの名前を変更して、サービスを再起動します。
次回のWindows Update実行時に、新しいキャッシュフォルダが自動的に作成されます。
5. ネットワーク接続を確認する
不安定なインターネット接続が更新の失敗を引き起こすことがあります。
確認事項
- Wi-Fiではなく、有線LAN接続を使用する
- 他のデバイスのネットワーク使用を一時停止する
- ルーターやモデムを再起動する
- ファイアウォールがWindows Updateをブロックしていないか確認する
高度な解決方法
基本的な方法で解決しない場合は、以下の高度な方法を試してください。
Windows 11の修復インストール(インプレースアップグレード)
コンポーネントストアの破損がDISMでも修復できない場合、最も効果的な方法は修復インストールです。
この方法は、ファイルやアプリを保持したまま、Windowsのシステムファイルのみを再インストールします。
方法1: 設定から修復インストールを実行
- 「設定」→「システム」→「回復」を開く
- 「Windows Updateで問題を解決する」の下にある「今すぐ再インストール」をクリック
- 画面の指示に従って操作する
- 「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」が選択されていることを確認する
- インストールが完了するまで待つ(30〜60分程度)
注意点
この機能が利用できない場合や、「修復バージョンのWindowsが見つかりません」というエラーが出る場合は、方法2を試してください。
方法2: ISOファイルを使用した修復インストール
- Microsoftの公式サイトからWindows 11のISOファイルをダウンロード
- https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows11
- ダウンロードしたISOファイルを右クリック→「マウント」を選択
- マウントされたドライブを開き、「setup.exe」をダブルクリック
- 「Windows 11のインストール」ダイアログで「次へ」をクリック
- 使用許諾契約書に「同意する」をクリック
- 「インストールの準備完了」ページで、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」が選択されていることを確認
- 「インストール」をクリックして完了まで待つ
準備
インプレースアップグレードを実行する前に、以下の準備をしてください。
- すべての外付けデバイス(マウス、キーボード、LANケーブルを除く)を取り外す
- サードパーティ製のウイルス対策ソフトを無効化またはアンインストールする
- 重要なデータをバックアップする
サードパーティ製セキュリティソフトの影響を排除する
ウイルスバスターなどのセキュリティソフトが更新プログラムのインストールを妨げることがあります。
手順
- セキュリティソフトを一時的に無効化する
- Windows Updateを実行する
- 更新が成功したら、セキュリティソフトを再度有効化する
それでも解決しない場合は、セキュリティソフトを完全にアンインストールしてから修復インストールを試してください。
手動で更新プログラムをダウンロードしてインストールする
自動更新が失敗する場合、Microsoft Update Catalogから手動でダウンロードできます。
手順
- 「設定」→「Windows Update」→「更新履歴」で失敗した更新のKB番号を確認
- Microsoft Update Catalog(https://www.catalog.update.microsoft.com/)にアクセス
- KB番号で検索
- 該当する更新プログラムをダウンロード
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストール
Microsoftによる公式修正

Microsoftは、2025年10月28日に配信されたプレビュー更新プログラム「KB5067036」で、エラー0x800f0983の根本的な原因を修正しました。
この修正は、11月の定例更新「KB5068861」にも含まれています。
ただし、この修正により大幅に減少したものの、すべてのケースで解決するわけではありません。
修正が含まれた更新プログラムをインストールするために、まず修復インストールが必要な場合もあります。
エラー0x800f0983に関するよくある質問
このエラーを無視しても大丈夫ですか?
いいえ、無視するべきではありません。
更新プログラムには重要なセキュリティパッチやバグ修正が含まれています。
エラーを放置すると、セキュリティリスクにさらされたり、システムが不安定になったりする可能性があります。
SoftwareDistributionフォルダを削除しても安全ですか?
はい、安全です。
SoftwareDistributionフォルダはWindows Updateのキャッシュフォルダで、削除または名前変更しても問題ありません。
次回のWindows Update実行時に自動的に再作成されます。
サードパーティ製ツールを使う必要がありますか?
いいえ、必要ありません。
Windows標準のツール(SFC、DISM、トラブルシューティングツール)で問題を解決できます。
サードパーティ製の修復ツールは、必ずしも必要ではありません。
修復インストールでデータは消えますか?
いいえ、消えません。
「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択すれば、ファイル、アプリ、設定はすべて保持されます。
ただし、念のため重要なデータはバックアップしておくことを強く推奨します。
Windows 11の要件を満たしていない場合はどうなりますか?
Windows 11の要件を満たしていない場合、設定からの修復インストールは途中で停止されます。
その場合は、ISOファイルを使用した強制的なインプレースアップグレードを試すか、Windows 10への移行を検討してください。
まとめ
エラーコード0x800f0983は、Windowsのコンポーネントストア(WinSxS)の破損が主な原因です。
基本的な解決方法として、以下を順番に試してください。
- 更新の再試行とパソコンの再起動
- Windows Updateトラブルシューティングツールの実行
- DISMコマンドとSFCスキャンの実行
- Windows Updateコンポーネントのリセット
これらの方法で解決しない場合は、修復インストール(インプレースアップグレード)が最も効果的です。
ファイルやアプリを保持したまま、Windowsのシステムファイルを再インストールできます。
Microsoftは2025年10月以降の更新プログラムでこのエラーの根本原因を修正しましたが、既にコンポーネントストアが破損している場合は、修復インストールが必要になることがあります。
焦らずに一つずつ対処方法を試して、問題を解決しましょう。


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