Windowsでテザリングを使う完全ガイド|スマホ回線でパソコンをネット接続する方法

Windows

「外出先でパソコンを使いたいけど、Wi-Fiがない!」
「カフェの無料Wi-Fiはセキュリティが心配…」
「出張先でも安全にインターネットを使いたい」

そんな時に便利なのが「テザリング」機能です。

テザリングとは、スマートフォンのモバイル回線を使って、パソコンをインターネットに接続する機能のこと。スマホが「ポケットWi-Fi」のような役割を果たしてくれるんです。

また、Windows 10や11には「モバイルホットスポット」という機能があり、逆にパソコンの回線を他のデバイスと共有することもできます。

この記事では、スマホのテザリングでWindowsパソコンをネット接続する方法から、Windowsパソコンを親機にして回線を共有する方法まで、初心者の方でも迷わないように詳しく解説していきます。

外出先でも快適にインターネットを使えるようになりましょう!

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テザリングの基礎知識

テザリングってそもそも何?

テザリングを簡単に説明すると、スマートフォンを「移動できるインターネット回線」として使う機能です。

仕組みの例え:

スマホを「水道の蛇口」、パソコンを「コップ」と考えてみてください。

テザリングは、スマホという蛇口から、インターネットという水を、パソコンというコップに注ぐようなもの。スマホがインターネットにつながっていれば、その回線をパソコンでも使えるようになるんです。

テザリングの3つの接続方法

テザリングには、3つの接続方法があります。それぞれに特徴があるので、状況に応じて使い分けましょう。

1. Wi-Fiテザリング

  • 最も一般的な方法
  • 複数の機器を同時接続可能
  • バッテリー消費が大きい
  • 速度は比較的速い

2. Bluetoothテザリング

  • バッテリー消費が少ない
  • 接続が安定している
  • 速度は遅め
  • 設定がやや複雑

3. USBテザリング

  • 最も高速で安定
  • スマホの充電も同時にできる
  • ケーブルが必要
  • 1台のみ接続可能

初心者の方は、まずWi-Fiテザリングから試すのがおすすめです。

料金と通信量の注意点

テザリングを使う前に、必ず確認すべきことがあります。

確認ポイント:

  1. テザリングオプションの有無
  • キャリアによっては別途申し込みが必要
  • 月額料金がかかる場合もある(0円~500円程度)
  1. データ通信量の上限
  • スマホのデータ容量を消費する
  • パソコンは通信量が多いので要注意
  • 動画視聴は特に注意
  1. 速度制限のリスク
  • 容量を超えると速度制限がかかる
  • 制限後は実用的でない速度に

契約プランを確認してから使用しましょう。

スマホのテザリングでWindowsをネット接続

iPhone(iOS)でのテザリング設定

iPhoneを使ってWindowsパソコンをインターネットに接続する方法です。

iPhoneの設定手順:

  1. 設定アプリを開く
  2. 「インターネット共有」をタップ
  • 見つからない場合は「モバイル通信」→「インターネット共有」
  1. 「ほかの人の接続を許可」をオン
  2. Wi-Fiパスワードを確認
  • 必要に応じて変更可能
  • 8文字以上推奨

Windowsパソコンでの接続:

  1. タスクバーのWi-Fiアイコンをクリック
  2. 「iPhone」という名前のネットワークを選択
  3. パスワードを入力
  4. 「接続」をクリック

接続が完了すると、iPhoneの画面上部に青いバーが表示されます。

Android端末でのテザリング設定

Androidスマートフォンでテザリングする方法です(機種により若干異なります)。

Androidの設定手順:

  1. 設定アプリを開く
  2. 「ネットワークとインターネット」を選択
  3. 「アクセスポイントとテザリング」をタップ
  4. 「Wi-Fiアクセスポイント」を選択
  5. 以下を設定:
  • アクセスポイント名(任意の名前)
  • セキュリティ(WPA2推奨)
  • パスワード(8文字以上)
  1. スイッチをオンにする

Windowsパソコンでの接続:

設定したアクセスポイント名を選んで、パスワードを入力するだけです。

USBテザリングの設定方法

より安定した接続を求める場合は、USBケーブルでの接続がおすすめです。

USBテザリングの手順(Android):

  1. USBケーブルでスマホとパソコンを接続
  2. スマホの設定から 「USBテザリング」をオン
  3. Windowsが自動的にドライバーをインストール
  4. ネットワーク接続が確立

USBテザリングの手順(iPhone):

  1. iTunesをパソコンにインストール(初回のみ)
  2. Lightningケーブルで接続
  3. 「このコンピュータを信頼しますか?」で 「信頼」
  4. インターネット共有がオンなら自動接続

USBテザリングなら、スマホの充電もできて一石二鳥です。

Bluetoothテザリングの設定

バッテリー消費を抑えたい場合に有効です。

Bluetoothテザリングの設定:

  1. スマホ側でBluetoothテザリングを有効化
  2. WindowsでBluetoothをオン
  • 設定 → デバイス → Bluetooth
  1. 「Bluetoothデバイスの追加」をクリック
  2. スマホを選択してペアリング
  3. 接続方法で「アクセスポイント」を選択

速度は遅いですが、メールチェック程度なら十分使えます。

WindowsのモバイルホットスポットでWi-Fi共有

モバイルホットスポット機能とは

Windows 10/11には、パソコンのインターネット接続を他のデバイスと共有する機能があります。

こんな時に便利:

  • 有線LANしかない環境でスマホを接続したい
  • ホテルの有料Wi-Fiを複数デバイスで使いたい
  • 一つのテザリング接続を家族で共有したい

パソコンがWi-Fiルーターのような役割を果たします。

モバイルホットスポットの設定方法

Windowsパソコンを親機にする設定は簡単です。

設定手順:

  1. 設定を開く(Windowsキー + I)
  2. 「ネットワークとインターネット」を選択
  3. 「モバイルホットスポット」をクリック
  4. 以下を設定:
  • 共有するインターネット接続を選択
  • ネットワーク名を設定
  • パスワードを設定(8文字以上)
  1. 「モバイルホットスポット」をオン

これで、最大8台まで接続可能になります。

セキュリティ設定と注意点

モバイルホットスポットを使う際は、セキュリティに注意が必要です。

セキュリティ強化のポイント:

  1. 強力なパスワードを設定
  • 最低8文字以上
  • 大文字小文字、数字、記号を混ぜる
  • 推測されにくい文字列に
  1. ネットワーク名を工夫
  • 個人情報を含まない
  • 「Free Wi-Fi」など誤解を招く名前は避ける
  1. 使用後は必ずオフに
  • 不要な時は機能を停止
  • バッテリー消費も抑えられる
  1. 接続デバイスを確認
  • 定期的に接続リストをチェック
  • 不審なデバイスがないか確認

接続速度を最適化する方法

テザリング速度が遅い原因と対策

テザリングの速度が思うように出ない場合の改善方法です。

速度低下の主な原因:

  1. 電波状況が悪い
  • 窓際など電波の良い場所に移動
  • スマホを高い位置に置く
  1. 多くのアプリが通信している
  • バックグラウンドアプリを終了
  • Windows Updateを一時停止
  • クラウド同期を一時停止
  1. 接続方法が適切でない
  • USBテザリングに変更してみる
  • 5GHz帯のWi-Fiを使用(対応機種のみ)
  1. 省電力モードが有効
  • スマホの省電力モードを解除
  • パソコンの電源プランを「高パフォーマンス」に

データ通信量を節約する設定

テザリング使用時は、通信量の節約が重要です。

Windows側の節約設定:

  1. 従量制課金接続として設定
  • 設定 → ネットワークとインターネット
  • 接続中のネットワークのプロパティ
  • 「従量制課金接続」をオン
  1. 自動更新を制限
  • Windows Updateの一時停止
  • アプリの自動更新を無効化
  • OneDriveなどの同期を停止
  1. ブラウザの設定変更
  • 画像の読み込みを制限
  • データセーバーモードを有効化
  • 動画の自動再生を無効化

通信量の確認方法:

  • 設定 → ネットワークとインターネット → データ使用状況
  • アプリごとの通信量を確認可能

5GHz帯と2.4GHz帯の使い分け

Wi-Fiテザリングには2つの周波数帯があります。

2.4GHz帯の特徴:

  • 電波が遠くまで届く
  • 障害物に強い
  • 混雑しやすい
  • 最大速度は遅め

5GHz帯の特徴:

  • 高速通信が可能
  • 混雑しにくい
  • 障害物に弱い
  • 対応機器が必要

状況に応じて使い分けることで、快適な通信が可能になります。

トラブルシューティング

接続できない時の対処法

テザリングがうまくいかない時の解決方法です。

基本的な確認事項:

  1. スマホ側の確認
  • モバイルデータ通信がオンか
  • 機内モードになっていないか
  • テザリングオプションが有効か
  • データ容量が残っているか
  1. Windows側の確認
  • Wi-Fiがオンになっているか
  • 機内モードが無効か
  • ネットワークアダプターが有効か
  1. 再起動で解決
  • スマホを再起動
  • パソコンを再起動
  • 両方同時に再起動

詳細なトラブルシューティング:

  1. ネットワークアダプターのリセット
   コマンドプロンプト(管理者)で実行:
   netsh winsock reset
   netsh int ip reset
   ipconfig /release
   ipconfig /renew
   ipconfig /flushdns
  1. ドライバーの更新
  • デバイスマネージャーを開く
  • ネットワークアダプターを右クリック
  • 「ドライバーの更新」を選択

「インターネットなし」と表示される

接続はできているのに、インターネットにアクセスできない場合の対処法です。

解決方法:

  1. DNSサーバーの変更
  • ネットワーク設定を開く
  • IPv4のプロパティ
  • DNSサーバーを手動設定
  • Google DNS(8.8.8.8、8.8.4.4)を使用
  1. IPアドレスの再取得
  • コマンドプロンプトで以下を実行
  • ipconfig /release
  • ipconfig /renew
  1. ファイアウォールの確認
  • 一時的に無効化してテスト
  • 問題があれば例外設定を追加

セキュリティソフトとの競合

セキュリティソフトがテザリングを妨げることがあります。

対処方法:

  1. 一時的に無効化してテスト
  • 問題の切り分けのため
  • 確認後は必ず有効に戻す
  1. 例外設定の追加
  • テザリング関連の通信を許可
  • ネットワーク共有を許可
  1. Windows Defenderの設定確認
  • ファイアウォール設定を確認
  • パブリックネットワークの設定を確認

バッテリー管理と省電力設定

テザリング時のバッテリー消費対策

テザリングはバッテリーを大量に消費します。長時間使用するための対策を紹介します。

スマホ側の対策:

  1. 充電しながら使用
  • USBテザリングなら自動充電
  • Wi-Fiテザリングでも充電器を接続
  1. 画面の明るさを下げる
  • 自動調整をオフ
  • 最低限の明るさに設定
  1. 不要な機能をオフ
  • GPS、NFC、Bluetoothを無効化
  • 使用しないアプリを終了

Windows側の対策:

  1. 電源プランの調整
  • バランスまたは省電力モードに
  • 画面の明るさを下げる
  1. 不要な通信を停止
  • 自動同期を一時停止
  • バックグラウンドアプリを制限

モバイルバッテリーの活用

長時間の外出には、モバイルバッテリーが必須です。

選び方のポイント:

  • 容量:10,000mAh以上推奨
  • 出力:2.4A以上で急速充電対応
  • ポート数:複数デバイス同時充電可能
  • サイズ:持ち運びやすさを考慮

おすすめの使い方:

  • スマホとパソコン両方を充電
  • パススルー充電対応なら同時充電可能
  • 予備バッテリーも準備

ビジネスシーンでの活用

出張・外回りでの使い方

ビジネスでテザリングを活用する際のポイントです。

準備チェックリスト:

  • テザリングオプションの確認
  • データ容量の確認と必要に応じて追加
  • 充電器、モバイルバッテリーの準備
  • USBケーブルの携帯

セキュリティ対策:

  • VPNの使用を検討
  • 公衆Wi-Fiより安全
  • パスワードは定期的に変更
  • 使用後は必ずオフに

Web会議での注意点

テザリングでWeb会議に参加する際の注意事項です。

事前確認事項:

  1. 通信量の目安
  • 音声のみ:約30MB/時間
  • ビデオあり:約300MB~1GB/時間
  • 画面共有:さらに増加
  1. 安定性の確保
  • USBテザリングを推奨
  • 電波の良い場所を確保
  • バックアップ回線の準備
  1. 品質設定の調整
  • ビデオ画質を下げる
  • 不要な画面共有は避ける
  • バーチャル背景は使わない

海外でのテザリング利用

国際ローミングの注意点

海外でテザリングを使う場合は、特に注意が必要です。

事前準備:

  1. 料金プランの確認
  • 国際ローミング料金
  • データ定額の有無
  • 日額上限の確認
  1. 代替手段の検討
  • 現地SIMカードの購入
  • ポケットWi-Fiのレンタル
  • ホテルのWi-Fi活用
  1. 設定の確認
  • データローミングの設定
  • 自動更新の無効化
  • アプリの自動ダウンロード停止

高額請求を防ぐ方法:

  • データ使用量の上限設定
  • 従量制課金接続の設定
  • 使用後は必ずオフ

よくある質問

Q: テザリングは追加料金がかかる?

A: キャリアによって異なります。

ドコモは基本無料、auとソフトバンクは一部プランで有料(月額500円程度)です。格安SIMは基本的に無料のことが多いです。契約内容を確認してください。

Q: テザリングの通信速度はどのくらい?

A: 接続方法と環境によります。

USBテザリングが最速で、4G回線なら実測10~50Mbps程度。5G回線ならさらに高速です。Wi-Fiテザリングは少し遅く、Bluetoothは最大3Mbps程度です。

Q: 同時に何台まで接続できる?

A: 機種により異なりますが、一般的には以下の通りです。

  • iPhoneのWi-Fiテザリング:最大5台
  • AndroidのWi-Fiテザリング:最大10台程度
  • USBテザリング:1台のみ
  • Windowsモバイルホットスポット:最大8台

Q: テザリング中に電話はできる?

A: 基本的に可能です。

最近のスマートフォンは、データ通信と音声通話を同時に行えます(VoLTE対応機種)。ただし、一部の古い機種や3G回線では、通話中はデータ通信が中断される場合があります。

Q: セキュリティは大丈夫?

A: 適切に設定すれば安全です。

WPA2以上の暗号化、強力なパスワード設定、使用後のオフを徹底すれば、公衆Wi-Fiよりもはるかに安全です。重要な通信にはVPNの併用をおすすめします。

まとめ

テザリングは、外出先でWindowsパソコンをインターネットに接続する強力な手段です。

スマートフォンさえあれば、いつでもどこでも安全にインターネットが使えるようになります。Wi-Fi、Bluetooth、USBの3つの接続方法を状況に応じて使い分けることで、快適な通信環境を実現できます。

成功のポイントをまとめると:

  1. 事前準備をしっかり
  • テザリングオプションの確認
  • データ容量の把握
  • 充電器の準備
  1. 用途に応じた接続方法の選択
  • 速度重視ならUSB
  • 複数接続ならWi-Fi
  • 省電力ならBluetooth
  1. セキュリティと通信量の管理
  • 強力なパスワード設定
  • 従量制課金接続の活用
  • 使用後は必ずオフ

また、Windowsのモバイルホットスポットもマスターすれば、様々なシーンで活躍します。

この記事で紹介した方法を参考に、ぜひテザリングを活用してみてください。外出先でも、まるでオフィスにいるような快適な作業環境を実現できるはずです!

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