Windowsディフェンダーとは?|ウイルス対策ソフトいらずの理由と正しい使い方

Windows

「パソコン買ったらウイルス対策ソフトを入れなきゃ!」

そんなふうに思っていませんか?

実はWindowsには、最初から**「Windows Defender(Windows Defender Antivirus)」**という高性能なセキュリティ機能が標準搭載されています。

これを正しく使えば、別途有料のウイルス対策ソフトを入れなくても、十分パソコンを守ることが可能です。

この記事では、Windowsディフェンダーの基本機能、有料ソフトとの違い、設定や使い方のポイントをわかりやすく解説します。

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Windowsディフェンダーとは?

基本的な概要

Windows Defenderは、マイクロソフトが開発・提供している無料のウイルス対策ソフトです。

搭載されているWindowsバージョン

Windowsバージョン搭載状況特徴
Windows 7限定的Windows Defender(スパイウェア対策のみ)
Windows 8/8.1標準搭載ウイルス対策機能が追加
Windows 10標準搭載Windows Defender Antivirusとして大幅強化
Windows 11標準搭載Microsoft Defender として最新機能

主要な機能一覧

リアルタイム保護

常時監視機能

  • ファイルのダウンロード時
  • プログラムの実行時
  • USBメモリなど外部デバイス接続時
  • ウェブサイト閲覧時

定期スキャン

自動スキャン

  • バックグラウンドでの自動スキャン
  • システムアイドル時の実行
  • 新しいファイルの優先スキャン

脅威の検出・駆除

対応できる脅威

  • ウイルス:ファイル感染型マルウェア
  • トロイの木馬:偽装された悪意あるプログラム
  • スパイウェア:個人情報を盗むソフト
  • ランサムウェア:ファイルを暗号化して身代金要求
  • ルートキット:システム深部に潜むマルウェア
  • PUP:望ましくない可能性があるプログラム

Windows セキュリティとの関係

統合セキュリティ機能

Windows 10以降では、Windows Defenderは「Windows セキュリティ」アプリの一部として動作します。

Windows セキュリティに含まれる機能

  • ウイルスと脅威の防止(Windows Defender Antivirus)
  • アカウントの保護
  • ファイアウォールとネットワーク保護
  • アプリとブラウザーの制御
  • デバイスのセキュリティ

有料セキュリティソフトとの比較

性能面での比較

ウイルス検出率

第三者機関のテスト結果

テスト機関Windows Defender の評価有料ソフト平均
AV-TEST99.8%(2024年)99.9%
AV-ComparativesAAA評価AAA〜A評価
SE LabsAAA評価AAA〜B評価

システムへの影響

項目Windows Defender有料ソフト
CPU使用率低い製品により差がある
メモリ使用量軽量やや重い傾向
起動時間への影響ほぼなし遅くなることがある
バッテリー消費少ないやや多い

機能面での違い

Windows Defenderの利点

無料で使える機能

  • 基本的なウイルス・マルウェア対策
  • リアルタイム保護
  • 定期的な自動スキャン
  • Windows アップデートと連携
  • システムへの負荷が軽い

有料ソフトの追加機能

Windows Defenderにない機能

機能カテゴリ具体的な機能利用価値
パスワード管理ID・パスワード自動入力、安全なパスワード生成★★★★★
VPN機能暗号化通信、IPアドレス匿名化★★★★☆
保護者機能子供のインターネット利用制限★★★★☆
迷惑メール対策メールフィルタリング★★★☆☆
オンライン決済保護ネットバンキング保護★★★★☆
ファイル暗号化重要ファイルの暗号化★★★☆☆

どちらを選ぶべき?

Windows Defenderで十分な人

  • 一般的な用途でパソコンを使用
  • 複雑な機能は不要
  • コストを抑えたい
  • システムの軽さを重視

有料ソフトを検討すべき人

  • ビジネスで重要なデータを扱う
  • オンラインバンキングを頻繁に利用
  • 子供のインターネット利用を管理したい
  • パスワード管理機能が欲しい

Windowsディフェンダーの設定と使い方

基本的な確認・操作方法

Windows セキュリティへのアクセス

Windows 11/10での手順

  1. スタートメニューをクリック
  2. 設定(歯車マーク)を選択
  3. プライバシーとセキュリティを選択
  4. Windows セキュリティをクリック

または

  • Windows + IプライバシーとセキュリティWindows セキュリティ
  • タスクバーの検索で「Windows セキュリティ」と入力

保護状態の確認

**「ウイルスと脅威の防止」**をクリックして確認:

正常な状態

  • 「お使いのデバイスは保護されています」
  • 最新の脅威定義が適用済み
  • リアルタイム保護が有効

⚠️ 注意が必要な状態

  • 「注意が必要」の表示
  • 定義ファイルが古い
  • リアルタイム保護が無効

手動スキャンの実行

スキャンの種類と使い分け

スキャン種類実行時間検査対象おすすめ使用場面
クイックスキャン数分よく使われるフォルダ日常の確認
スキャンオプション設定により変動カスタム範囲特定フォルダの確認
フルスキャン1〜3時間すべてのファイル徹底的なチェック
カスタムスキャン範囲により変動指定したフォルダUSBメモリなど

実際の操作手順

クイックスキャンの実行

  1. Windows セキュリティを開く
  2. 「ウイルスと脅威の防止」をクリック
  3. 「クイックスキャン」ボタンをクリック

詳細なスキャンの実行

  1. 「スキャンのオプション」をクリック
  2. 実行したいスキャンを選択
  3. 「今すぐスキャン」をクリック

定義ファイルの更新

自動更新の確認

Windows Update連携

  • 定義ファイルはWindows Updateを通じて自動更新
  • 通常は1日に数回更新される
  • インターネット接続が必要

手動更新の方法

手動で最新定義をチェック

  1. Windows セキュリティを開く
  2. 「ウイルスと脅威の防止」→「保護の更新」
  3. 「更新プログラムの確認」をクリック

高度な設定とカスタマイズ

リアルタイム保護の詳細設定

アクセス方法: 「ウイルスと脅威の防止」→「ウイルスと脅威の防止の設定」→「設定の管理」

設定可能な項目

  • リアルタイム保護:有効/無効の切り替え
  • クラウド提供の保護:マイクロソフトクラウドでの分析
  • 自動サンプル送信:疑わしいファイルの自動送信
  • 改ざん防止:設定変更の防止

除外設定(重要)

除外が必要な場合

  • 開発ツールやソフトウェア
  • ゲームなど高速処理が必要なアプリ
  • 仮想マシンイメージファイル

除外設定の手順

  1. 「ウイルスと脅威の防止の設定」→「設定の管理」
  2. 「除外の追加または削除」をクリック
  3. 「除外の追加」でファイル/フォルダを指定

⚠️ 注意:除外設定は慎重に行い、信頼できるファイルのみに限定

よくある質問とトラブル対処

設定・動作に関する疑問

Q. Windows Defenderが無効になっている

原因と対処法

他のウイルス対策ソフトがインストールされている場合

  • Windows Defenderは自動的に無効化される
  • 必要に応じて他のソフトをアンインストール

グループポリシーで無効化されている場合

  1. Windows + Rgpedit.msc
  2. コンピューターの構成管理用テンプレートWindows コンポーネントWindows Defender Antivirus
  3. Windows Defender Antivirusを無効にする未構成に変更

Q. スキャンが異常に遅い

改善方法

  • SSDの場合:通常通り待つ
  • HDDの場合:他の作業を停止して待つ
  • 除外設定:大きなファイルを除外
  • スケジュール調整:使用しない時間に設定

Q. 誤検知でファイルが削除された

復元方法

  1. Windows セキュリティ→「ウイルスと脅威の防止」
  2. 「保護の履歴」をクリック
  3. 該当する項目を選択
  4. 「復元」または「許可」をクリック

パフォーマンスの最適化

システムリソースの管理

CPU使用率が高い場合

タスクマネージャーで「Windows Security Health Service」の使用率を確認
→ 高い場合はスキャンスケジュールを調整

メモリ使用量の削減

  • 不要な除外設定を削除
  • 定期スキャンの頻度を調整
  • クラウド保護を一時的に無効化(非推奨)

スキャンスケジュールの最適化

タスクスケジューラでの設定

  1. Windows + Rtaskschd.msc
  2. MicrosoftWindowsWindows Defender
  3. スキャンタスクの実行時間を調整

セキュリティ強化のコツ

補完的なセキュリティ対策

ブラウザのセキュリティ強化

  • Microsoft Edge の SmartScreen機能
  • Chrome の セーフブラウジング
  • 怪しいサイトへのアクセス制限

システム全体のセキュリティ

  • Windows Update の自動適用
  • UAC(ユーザーアカウント制御)の有効化
  • 管理者権限での作業を最小限に

データバックアップ

  • 重要なファイルの定期バックアップ
  • Windows の ファイル履歴機能
  • OneDrive などクラウドストレージの活用

まとめ

Windows Defenderについて、重要なポイントをまとめます:

Windows Defenderの特徴

  • 無料でも高性能:有料ソフトと同等の検出率
  • 軽量:システムへの負荷が少ない
  • 自動運用:特別な設定なしで基本的な保護
  • Windows統合:OSとの親和性が高い

効果的な使い方

  • 定期的な手動スキャン:月1回程度のフルスキャン
  • 設定の確認:保護状態の定期チェック
  • 除外設定の適切な管理:必要最小限に留める
  • Windows Updateの継続:定義ファイルの自動更新

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