パソコンで作業をしていて、
「夕方になると目が疲れてくる」
「夜にパソコンを使った後、なかなか眠れない」
そんな経験はありませんか?
その原因の一つが、パソコンの画面から出ている「ブルーライト」という青い光です。長時間見続けることで目の疲労や睡眠の質に影響を与えるとされています。
幸い、Windows には「夜間モード」という便利な機能があり、簡単な設定でブルーライトをカットできます。
この記事では、目に優しいパソコン環境を作るための設定方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
Windows の夜間(ナイト)モード(Night Light)設定方法

基本的な有効化手順
Windows 10での設定
- 設定アプリを開く
- 「スタート」ボタンをクリック
- 「設定」(歯車のアイコン)をクリック
- またはキーボードで「Windows + I」を押す
- ディスプレイ設定へ移動
- 「システム」をクリック
- 左側メニューから「ディスプレイ」を選択
- 夜間モードを有効化
- 「夜間モード」の項目を見つける
- スイッチをオンにする
- 即座に画面の色味が変わることを確認
Windows 11での設定
- 設定アプリを開く
- 「スタート」→「設定」をクリック
- または「Windows + I」キーを押す
- ディスプレイ設定を開く
- 左側メニューから「システム」をクリック
- 「ディスプレイ」を選択
- 夜間モードを設定
- 「夜間モード」のスイッチをオンにする
- 設定が即座に反映される
詳細設定の調整
夜間モードの設定画面を開く
- 夜間モードをオンにした状態で
- 「夜間モードの設定」または「設定」をクリック
- 詳細な調整画面が表示される
色温度(暖かさ)の調整
色温度とは 色温度は、光の色合いを数値で表したものです。数値が低いほど暖かい(赤っぽい)色になり、高いほど冷たい(青っぽい)色になります。
調整方法
- 「夜間モードの設定」画面で
- 「色温度」のスライダーを調整
- 左側(暖かい):より黄色っぽく、ブルーライトを多くカット
- 右側(冷たい):より白っぽく、自然な色合いに近い
推奨設定
- 軽度のカット:右寄り(自然な色合いを保ちつつ軽減)
- 中程度のカット:中央(バランスの取れた設定)
- 強度のカット:左寄り(しっかりとブルーライトをカット)
作業用途別の推奨設定
- 文書作成・読書:中程度~強度
- 画像・動画編集:軽度(色の正確性重視)
- ウェブブラウジング:中程度
- 就寝前の使用:強度
スケジュール設定による自動化

自動スケジュールの設定
基本的な設定手順
- 夜間モードの設定画面で
- 「スケジュールを設定する」をオンにする
- 2つの選択肢から選ぶ
日没から日の出まで(推奨)
自動設定の特徴
- Windows が現在地を検出
- 日没時間に自動でオン
- 日の出時間に自動でオフ
- 季節に応じて自動調整
設定方法
- 「スケジュールを設定する」をオン
- 「日没から日の出まで」を選択
- 位置情報の使用許可を確認
メリット
- 手動での切り替えが不要
- 自然なリズムに合わせられる
- 季節変動に自動対応
- 旅行先でも自動調整
カスタム時間の設定
手動設定の特徴
- 好きな時間帯を指定可能
- 毎日同じ時間で切り替え
- より細かい制御が可能
設定方法
- 「カスタム時間」を選択
- 「オンにする時刻」を設定(例:19:00)
- 「オフにする時刻」を設定(例:7:00)
活用例
- デスクワーク中心:18:00~8:00
- 夜勤の方:8:00~18:00
- 学生:19:00~7:00
- 在宅ワーク:17:00~9:00
手動での素早い切り替え方法

アクションセンターからの操作
Windows 10でのアクセス
- タスクバー右下の通知アイコンをクリック
- 「夜間モード」タイルを探す
- クリックでオン・オフを切り替え
Windows 11でのアクセス
- タスクバー右端のカレンダー・通知エリアをクリック
- クイック設定で「夜間モード」を探す
- クリックで切り替え
ショートカットキーでの操作
残念ながら、Windows 標準では夜間モードの専用ショートカットキーはありません。しかし、以下の方法で素早くアクセスできます。
設定画面への素早いアクセス
- Windows + A:アクションセンターを開く
- Windows + I:設定アプリを開く
- Windows + X, B:ディスプレイ設定へのショートカット
サードパーティツールの活用
PowerToys の利用
- Microsoft 公式の拡張ツール
- カスタムショートカットの設定が可能
- より詳細な制御が可能
AutoHotkey スクリプト
- 自作のショートカットキーを設定
- 複雑な操作の自動化が可能
- 上級者向けのカスタマイズ
トラブルシューティング

よくある問題と解決方法
夜間モードが有効にならない(グレーアウト)
原因
- グラフィックドライバーが古い
- ディスプレイが夜間モードに対応していない
- システムファイルの問題
解決方法
- ドライバーの更新
- 「デバイスマネージャー」を開く
- 「ディスプレイアダプター」を展開
- ドライバーを右クリック→「ドライバーの更新」
- Windows Update の実行
- 設定 → 更新とセキュリティ → Windows Update
- 利用可能な更新をすべてインストール
- システムファイルの修復
- コマンドプロンプトを管理者として実行
sfc /scannow
コマンドを実行
自動スケジュールが動作しない
確認項目
- 時刻設定の確認
- Windows の日時設定が正確か
- タイムゾーンが正しく設定されているか
- 位置情報の許可
- 設定 → プライバシー → 位置情報
- 「このデバイスの位置情報」がオンになっているか
- 電源設定の確認
- スリープモードで自動切り替えが停止していないか
- 電源プランの設定を確認
他のアプリとの競合
よくある競合アプリ
- f.lux
- Redshift
- Blue Light Filter
- グラフィックカードの独自ソフト(NVIDIA、AMD)
解決方法
- 他のブルーライトカット アプリを一時的に無効化
- グラフィックカード付属ソフトの設定確認
- 競合するアプリを完全にアンインストール
色の表示がおかしくなった
対処方法
- 色温度の再調整
- スライダーを中央付近に戻す
- 段階的に調整して最適な設定を見つける
- 一時的な無効化
- 夜間モードを一度オフにして様子を見る
- 色校正が必要な作業時は無効化
- ディスプレイプロファイルの確認
- 設定 → システム → ディスプレイ → 詳細なディスプレイ設定
- カラープロファイルの設定を確認
サードパーティ製ブルーライトカットソフト

f.lux(人気の定番ソフト)
特徴
- より詳細な色温度調整が可能
- 地理的位置に基づく自動調整
- カスタムカラープロファイル
- 映画モード、読書モードなど用途別設定
メリット
- Windows の夜間モードより高機能
- 無料で利用可能
- 長年の実績と安定性
デメリット
- Windows 標準機能と競合する可能性
- 設定が複雑
LightBulb
特徴
- シンプルで軽量
- Windows 標準機能の拡張として設計
- 自動更新機能
- 最小限のリソース消費
Iris
特徴
- プロ仕様の高機能ソフト
- ブルーライト以外の調整も可能
- PWM(パルス幅変調)フリッカー対策
- 有料版と無料版がある
よくある質問

Q: ブルーライトカットを使うと画面が黄色くなって作業しにくいです
A: 色温度の設定を調整してください。最初は軽めの設定から始めて、徐々に慣れていくことをおすすめします。
Q: 写真編集や動画編集をするときはどうすれば良いですか?
A: 色の正確性が重要な作業では、一時的に夜間モードを無効にすることをおすすめします。
Q: スマートフォンやタブレットでも同様の設定はできますか?
A: はい。iPhone の「Night Shift」、Android の「夜間モード」など、多くのデバイスで同様の機能が利用できます。
まとめ
Windows のブルーライトカット機能(夜間モード)を活用することで、目の疲労を軽減し、より快適なパソコン環境を作ることができます。
設定のポイント
- 基本設定:システム → ディスプレイ → 夜間モード
- 自動化:日没から日の出までのスケジュール設定
- 微調整:用途に応じた色温度の調整
- 手動操作:アクションセンターからの素早い切り替え
効果的な使い方
- 最初は軽めの設定から始める
- 作業内容に応じて設定を調整
- 他の目の健康対策と組み合わせる
- 定期的に設定を見直す
注意すべきポイント
- 色の正確性が重要な作業では一時的に無効化
- 他のブルーライトカット アプリとの競合に注意
- ディスプレイの設定との組み合わせで最適化
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